Ⅱ 定点把握感染症

Ⅱ 定点把握感染症
(性感染症)
Ⅱ 定点把握感染症(性感染症)
定点把握感染症(性感染症)
1)はじめに
本調査の対象疾患は、「性器クラミジア感染症」
「性器ヘルペスウイルス感染症」
「尖圭
コンジローマ」「淋菌感染症」の 4 疾患である。
平成 22 年 12 月現在の STD の定点医療機関数は、大阪府内全域で 65 定点。全国では、
947 定点となっている。
なお、性器ヘルペスウイルス感染症については、届出基準の改正に伴い、平成 18 年 4
月から明らかに再発であるものは除外されている。
2)概 況
平成 22 年における大阪府の年間患者報告数(定点当り)は、4,283 人(65.89 人)で、
14 年は 9,563 人(162.08 人)、15 年は 9,048 人(153.36 人)
、
16 年は 8,837 人(149.78
人)
、
17 年は 7,972 人(135.12 人)、18 年は 6,447 人(100.34 人)
、
19 年は 5,563 人(85.58
人)
、20 年は 5,442 人(82.45 人)、21 年は 4,826 人(73.12 人)となっており、患者報
告数は 14 年をピークに 8 年連続で減少している。
全国では、49,436 人(52.20 人)の報告があり、14 年は 80,094 人(87.53 人)
、15
年は 77,460 人(84.56 人)、16 年は 71,009 人(77.02 人)
、
17 年は 66,189 人(71.08 人)
、
18 年は 60,978 人(64.61 人)、19 年は 56,516 人(58.38 人)、
20 年は 52,827 人(54.41
人)、21 年は 47,715 人(49.70 人)となっており、患者報告数は 7 年連続で減少してい
たが、22 年は増加している。
3)疾患別患者数
疾患別にみると、大阪府では性器クラミジア感染症の患者報告数が 2,165 人と、前年
に引き続き最も多く、全体の 50.6%を占めている。
以下、淋菌感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマの順となっている。
(図 1.2)
全国でも、性器クラミジア感染症の患者報告数が 25,726 人と、
前年に引き続き最も多く、
全体の 52.1%を占めている。
以下、淋菌感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマの順となっている。
85
感染症発生動向調査事業報告書 第 29 報
(図 3.4)
定点当りで見ると、すべての疾患で大阪府が全国より多く、
尖圭コンジローマは 1.54 倍、
淋菌感染症は 1.26 倍、性器クラミジア感染症は 1.23 倍、性器ヘルペスウイルス感染症
は 1.20 倍となっている。
4)男女別患者数
大阪府の男性患者数は、2,051 人と、前年より 102 人減少している。疾患別では、性
器クラミジア感染症(- 53 人)、尖圭コンジローマ(- 26 人)
、淋菌感染症(- 50 人)
の 3 疾患が減少し、性器ヘルペスウイルス感染症(+ 27 人)の 1 疾患が増加した。
(図 5)
女性患者数は 2,232 人と、前年より 441 人減少している。疾患別では、性器クラミジ
ア感染症(- 133 人)、淋菌感染症(- 90 人)
、性器ヘルペスウイルス感染症(- 64 人)
、尖圭コンジローマ(- 154 人)と全ての疾患が減少した。
(図 6)
また、性別の割合で見ると、全体では女性が 52.1%を占めている。疾患別では、男性
の割合が高いのは、淋菌感染症 71.7%で、女性の割合が高いのは、性器クラミジア感染
症 60.8%、性器ヘルペスウイルス感染症 56.4%、尖圭コンジローマ 50.8%となっている。
全国の男性患者数は、26,820 人と、前年より 1,714 人増加している。疾患別では、す
べての疾患で増加しており、淋菌感染症(+ 1,072 人)
、
性器クラミジア感染症(+ 418 人)
、
性器ヘルペスウイルス感染症(+ 185 人)
、尖圭コンジローマ(+ 39 人)となっている。
(図 7)
女性患者数は 22,616 人と、前年より 7 人増加している。疾患別では、性器クラミジア
感染症(- 377 人)、淋菌感染症(- 70 人)
、尖圭コンジローマ(- 12 人)の 3 疾患で
減少しているが、性器ヘルペスウイルス感染症
(+ 466 人)
の 1 疾患で増加している。
(図 8)
また、性別の割合で見ると、全体では男性が 54.3%を占めている。疾患別では、男性
の割合が高いのは、淋菌感染症 82.1%、尖圭コンジローマ 57.7%で、女性の割合が高い
のは、性器ヘルペスウイルス感染症 60.9%、性器クラミジア感染症 52.6%となっている。
以上、全体では大阪府は女性の占める割合が若干高く、全国は男性の占める割合が高い。
疾患別では、大阪府においては淋菌感染症を除く 3 疾患(性器クラミジア感染症、性器
ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマ)は女性の占める割合が高く、全国において
は淋菌感染症、尖圭コンジローマは男性の占める割合が高く、性器ヘルペスウイルス感染
症、性器クラミジア感染症は女性の占める割合が高い。
86
Ⅱ 定点把握感染症(性感染症)
5)月別患者数
大阪府における患者数を月別に見ると、性器クラミジア感染症は、11 月(207 人)に
ピークがあり、最も少ない 12 月(136 人)の約 1.5 倍であった。性器ヘルペスウイルス
感染症は、月々に若干の増減があったが、極端に大きな変化はみられなかった。尖圭コン
ジローマは、極端に大きな変化はみられなかった。淋菌感染症は 6 月から 7 月にかけてピー
クを迎えるが、その後減少傾向にある。(図 9)
6)年齢階級別患者数
大阪府における患者数を年齢階級別に見ると、男性については、性器クラミジア感染症
は、20 歳代から 30 歳代前半で多く見られ、淋菌感染症は 20 歳代から 30 歳代で多く見
られる。また、尖圭コンジローマと性器ヘルペスウイルス感染症は、20 歳代から 40 歳
代前半にかけて多く見られる。
女性については、性器クラミジア感染症では、20 歳代前半に特にピークを向かえる。
性器ヘルペスウイルス感染症、尖圭コンジローマは、ともに 20 歳代で多く見られる。淋
菌感染症は、ともに 20 歳代前半で多く見られる。
なお、いずれの疾患もピークを過ぎると加齢ごとに減少傾向(若しくはほぼ同数)であ
る。
(図 12)
(文責:尾崎)
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感染症発生動向調査事業報告書 第 29 報
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淋菌感染症
250人(11.2 %)
淋菌感染症
634人(30.9%)
尖圭コンジローマ
279人(12.5%)
性器クラミジア感染症
848人(41.3%)
性器クラミジア感染症
1,317人(59.0%)
性器ヘルペス
ウイルス感染症
386人(17.3%)
尖圭コンジローマ
270人(13.2%)
性器ヘルペス
ウイルス感染症
299人(14.6%)
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+
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淋菌感染症
1,827人(8.1%)
尖圭コンジローマ
2,203人(9.7%)
淋菌感染症
8,375人(31.2%)
性器クラミジア感染症
12.199 人(45.5%)
性器ヘルペス
ウイルス感染症
5,059人(22.4%)
尖圭コンジローマ
3,002人(11.2%)
性器クラミジア感染症
13,527 人(59.8%)
性器ヘルペス
ウイルス感染症
3,244人(12.1%)
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感染症発生動向調査事業報告書 第 29 報
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