Sa1tmarshvegetationontheShiokawaTidalflatofMikawaBay

豊橋市自然史博研報
S
c
i.Rep.ToyohashiMus.Nat
.Hi
s
,
.
t No.
1
2,41-48,2002
三河湾汐川干潟の塩性湿地植生
藤原直子*・木村妙子科・藤岡エリ子***
S
a
1
t
marshv
e
g
e
t
a
t
i
o
nont
h
eS
h
i
o
k
a
w
aT
i
d
a
l
f
l
a
to
f MikawaBay,
c
e
n
t
r
a
lJ
a
p
a
n
NaokoF
u
j
i
h
a
r
a TaekoKimuraう
*a
ndE
r
i
k
oF
u
j
i
o
k
a*
**
ネ,
はじめに
を行った.採集標本は同定後,豊橋市自然史博物館に収
蔵した.あわせて豊橋市自然史博物館が所蔵する汐川干
汐川干潟は三河湾奥部,田原湾に広がる干潟である.
潟産の標本を調査した.現地調査及び航空写真をもとに
海岸の開発による干潟の消失は全国的に著しく(吉田,
干潟内の相観植生図を作成した.植生を構成する植物群
2001),田原湾周辺の干潟も 1961年以降の大規模な埋め
落名は, ある範囲を覆う均質と見なされる植生の上層で,
立てにより,現在の面積はかつての 15%以下にあたる約
最も優占している種を用いて表した.
280haに 減 少 し て い る ( I
WRB, 1989; 藤岡・木村,
また, 2001年 10月と 1
1月に,ベルトトランセクト調査
2
0
0
0
)
. そのわずかに残された干潟は,確認されるシギ
を行った(第 1図).調査地点として紙田川河口右岸にベ
位,個体数で全国 3
位(藤岡ほ
・チドリ類の種数で全国 l
か
, 1998; 1999) という国内屈指の飛来地である.また,
数多くの絶滅を危慎される底生動物の生息も報告されて
いる(木村・木村, 1999;藤岡・木村, 2000). 沿岸部
の植生は,
これらの動物にとって重要である.一般的に
ヨシ原と呼ばれるヨシ群落は,鳥類が休息や採餌,営巣
場所として利用する.また, ヨシおよびその他の植物の
群落内は,多くの底生動物の生息環境となっている. し
かし, これまでに汐川干潟の植生についての詳細な調査
報告はない(中西, 2001
)
.
以上をふまえ,汐川干潟における植生の現状を明らか
にすることを目的として本調査を行った.
調査地および方法
調査は,汐}'I
から紙田川河口までを含む田原湾の沿岸
堤防より干潟側で行った(第 1
図).汐川と紙田川につい
ては,河口から一つめの橋梁より下流を対象とした.そ
れ以外の流入河川・水路については河口部のみを調査し
た.
2001年 5月から 1
1月の聞ののべ 1
5日間に,植生の構成
種確認のための標本採集および干潟内の植生の分布確認
第 1図.調査地点位置図.
地図 A, Bはベルトトランセクト調査地点を示す .国
土地理院発行 2万 5千分の l地形図「老津」使用.
*豊橋市自然史博物館.ToyohashiMuseumofNaturalH
i
s
t
o
r
y
.1
2
3
8,
Oana,
Oiwa-cho,
T
o
y
o
h
a
s
h
i4
4
1
3
1
4
7,
J
a
p
a
n
.
**三重大学生物資源学部.Facultyo
fB
i
o
r
e
s
o
u
r
c
叫 M
ieU
n
i
v
e
r
s
i
t
y.1
5
1
5Kamihama-cho,
Tsu5
1
4
8
5
0
7,
J
a
p
a
n
***汐川干潟を守る会.ShiokawaT
i
d
a
lf
1a
tP
r
e
s
e
r
v
a
t
i
o
nA
s
s
o
c
i
a
t
i
o
n.3
1F
u
t
a
t
s
u
z
a
k
a,
T
a
h
a
r
a
c
h
o,
Atsumi-gun4
4
1
3
1
2
1,
J
a
p
a
n.
原稿受付 2
0
0
2年 2月2
0日 M
a
n
u
s
c
r
i
p
tr
e
c
e
i
v
e
dF
e
b
.20,2002
原稿受理 2002年 3月 1
5日. M
a
n
u
s
c
r
i
p
ta
c
c
e
p
t
e
dMar
.1
5,2002
キーワード 汐川干潟,植生,絶滅危倶種,ヨシ,塩性湿地
Keywords:ShiokawaT
i
d
a
l
f
l
a
t,
v
e
g
巴t
a
t
i
o
n,
e
n
d
a
n
g
e
r
e
ds
p
e
c
i
e
s,
P
h
r
a
g
m
i
t
e
sa
u
s
t
r
a
l
i
s,
s
a
l
t
m
a
r
s
h.
藤原直子 ・木村妙子 ・藤岡エリ子
42
。
lkm
包........,誼=--==t
I
E
o
Shiokawa
R
J
v
e
r
Shijimlgawa
R
l
v
e
r
第 2図.汐川干潟相観植生図.
C
:シオクグ群落 C
a
r
e
xs
c
a
b
r
i
f
o
l
i
ac
ommunity,T
:シパナ群落 T
r
i
g
l
o
c
h
i
nmaritimumc
ommunity,S
u・
ハママツナ群落 Suaeda
,A
:フクド群落 A
r
t
e
m
i
s
i
aルk
u
d
oc
ommunity
,P:
ヨシ群落 P
h
r
a
g
m
i
t
e
sa
u
s
t
r
a
l
i
scommuni
t
y,H:
ノ、マボウ
m
a
r
i
t
i
m
a∞mmunity
群落 H
i
b
i
s
c
u
shamaboc
o
m
m
u
n
i
t
y,S
o
:セイタカアワダチソウ群落 S
o
l
i
d
a
g
oa
l
t
i
s
s
i
m
ac
ommunity.(ローマ数字はそれぞれの地
点の拡大図を示す.
)
ルト 1
,汐川河口左岸にベルト 2, 3を設置した.距離 1
7
0
部分の範囲は無植生であった.全ての群落をあわせた面
mのベルト 1
, 200mのベルト 2は, 潮の干満による環境
積は約 3.
9haであった.
勾配を想定し,河川流路に沿って,潮上帯から潮間帯下
ヨシ Phragmitesa
u
s
t
r
a
l
i
s (Cav.
)T
r
i
n
.e
tS
t
e
u
d
.群 落
部に向かつて設置した.距離 30mのベルト 3は河川の横
は潮上帯から潮間帯中部にわたって最も広く分布し(第
断面とした. 1m おきに 1 m方形枠を設定し,枠内の出
2図),面積は約 3
.
3
h
aであった. ヨシの高さは最大で 2m
,
現種および種ごとの高さと植被率を測定した. この結果
被度は 60-90%程度であった.塩生植物の群落であるシ
から植生断面模式図を作成した.
オクグ Carexs
c
a
b
r
i
f
o
l
i
aS
teud.群落,
結果
I 植生分布
確認した植生を第2図に示す.干潟への流入河川河口
シバナ T
r
i
g
l
o
c
h
i
n
maritimumL.群落,ハママツナ Suaedamaritima (
L
.
)
Dumort.群落,フクド ArtemisiaルkudoMakino群落が
潮間帯中部にみられ,
これらを合わせた面積は合計約
0.
5haであった.シオクグ群落は紙田川河口で確認され
部を中心として,沿岸の堤防沿いのごく狭い範囲で植生
V
l
I
)
. シパナ群落は,確認された地点が多かっ
た(第2図
が見られた.それ以外の潮間帯中部から下部にかけた大
たが(第2図),いずれもパッチがまばらに分布する状態
4
3
三河湾汐川干潟の塩性湿地植生
叫出]
山地出L
100
1
6260(m)
l
o
wi
n
t
e
r
t
肋 I
z
o
n
e→
j
J
l
i
f
H
H
1
H
l
w
H
1
J
1f
f
m
m
f
n
r
H
m
m
H
f
f
f
f
rトn
f
1
r
l
l
n
n
f
f
r
Hfii.rl ….~
f
fr
l
200
[
f
h
l
o
w
i
n
t
e
r
t
i
d
a
lz
o
問 →
よョシ
よわくナ
P
h
r
a
g
m
i
t
e
sau
坊百l
i
s
ムシオクグ
T
r
f
;
j
b
c
h
i
nm
a
r
i
t
i
m
u
m
Ca
厄
.)(a
a
b
r
t
f
o
l
i
a
第 3図.植生断面模式図.
であった.今回はパッチの点在する範囲を群落の範囲と
V
I
I
)
. オオパイボタ L
i
g
u
s
t
r
u
mo
v
a
l
i
f
o
l
i
u
mH
a
s
s
k
., マサ
して植生図化したため,パッチ聞の無植生の範囲も広く
キ Euonymusj
a
p
o
n
i
c
u
sThunb.などの低木を含めて,塩
含む.ハママツナ群落は脱川河口(第 2図 N),杉山町の
生植物以外の植物が生育していた.群落の高さは堤防の
船だまり(第2図 V) で見られた.シオクグ群落,ハマ
利用状況により様々だが,植被率は高かった(約 90%).
マツナ群落およびシパナ群落のパッチ内では種のみ
潮間帯下部から潮下帯にみられる,一般的にアマモ場
が均質な密度のマット状に生育した状態が普通であり,
と呼ばれる海草群落は,調査範囲内では,踏査とあわせ
種中 2種が共に確認される
植被率は 50-90%であった. 3
て望遠鏡 (
2
0倍)で目視した限り,確認できなかった.
場合は別種の小パッチが隣接もしくは混在する状態が多
また,全期聞を通じて打ち寄せられた流れ藻も確認でき
かった. フクド群落は紙田川河口左岸に 1
地点(第2
図V
I
I
)
なかった.
確認され,ヨシ,シオクグ,ホソパハマアカザ A
t
r
i
p
l
e
x
また今回は調査対象外としたが,沿岸の堤防干潟側法
g
m
e
l
i
n
i
iC
.A
.Mey.などを伴っていた. フクドは堤防に
面のコンクリートの間隙や堆積土壌には,イネ科草本,
沿った幅 0.5-1mの範囲を中心に生育していた.調査時
p
e
r
g
u
l
a
r
i
ab
o
c
c
o
n
i
i(
L
.
)G
r
i
e
s
e
b
a
c
h,
ウシオハナツメクサ S
は結実した花茎が見られ高さは 60cm程度であった . 複
i
d
e
n
sp
i
l
o
s
aL
.v
a
r
. minor
コシロノセンダングサ B
数個体が 1-2m四方にまとまって生育している箇所,
a
l
l
o
t
u
sj
a
p
o
n
i
c
u
s
(Blume) S
h
e
r
f
f, ア カ メ ガ シ ワ M
シ
オクグの中に花茎をつけない小個体が散在する箇所など
(
T
h
u
n
b
.
) M
u
e
l
l
.
A
r
g
.等が生育していた.植被率が低
があり,群落内は比較的不均質であった.
く,各種の出現は生育立地の制限により局所的で,優占
潮上帯にはヨシ群落以外にごくわずかに(約 O
.
l
h
a
)
種による群落の単位は抽出できなかった.
ハマボウ H
i
b
i
s
c
u
shamaboS
i
e
b
.e
tZ
u
c
c
.群落,セイタカ
アワダチソウ S
o
l
i
d
a
g
oa
l
t
i
s
s
i
m
aL.群落がみられた. 汐
) では 2001年 10月28日
川左岸のハマボウ群落(第2図 m
E 塩性湿地植生の群落構造
ベルトトランセクト調査の結果を第 3図に示す.紙田
調査時に高さ 2-3mの個体を 5
本,高さ 0.3-1
.
5mの個体
川・汐川河口部では潮上帯から低潮線に向かつて順次,
を3
6本確認した.ハマボウ群落はヨシ群落に隣接し,こ
植生に変化が見られた.
れらのハマボウの周囲にもヨシが生育していた.また,
紙田川河口のベルト 1では,起点のコンクリート護岸
lmusp
a
r
v
i
f
o
l
i
aJ
a
c
q.
, トキワサンザシ
アキニレ U
されていない堤防上にセイタカアワダチソウ群落が成立
乃I
r
a
c
a
n
t
h
ac
o
c
c
i
n
e
aRoem.などの低木を混在した . セイ
していた. Om,2m
地点の組成を第 1
表に示した.出現
タカアワダチソウ群落は堤防上にみられた(第 2図 1,
種で最多であった.堤防に接する 4-8m地点に
種数は 6
藤原直子・木村妙子・藤岡エリ子
44
は
, ウラギク A
s
t
e
rt
r
i
p
o
l
i
u
mL, ホソノてノ、マアカザ,
オクグ,
シ
シパナと複数の塩生植物が生育していたが, 1
0
m地点以降のヨシ群落では出現種数は 1~2種に止まった.
また,漂着物のあるところではヨシの被度が低下して
いた(第 6図).漂着物はヨシなどの植物遺体と発泡スチ
ロールなどのゴミを含むものであった.
34m, 86m地点の組成を例として第 l
表 に 示 す . また,
潮間帯下部に向かつて徐々に植生の高さは低くなった
(
第 3図). ヨシ群落の低潮線側にはシパナ群落,
シオク
グ群落(第4図)が順に出現した . 164m, 166m地点の
表に示す.
シオクグ群落の組成を第 l
汐川河口のベルト 2では,起点はヨシ群落の中央で,
125m付近までは高さ l~ 1.5 m のヨシ群落が続いた
34m,
94m
地点の組成を第 l
表に示す . 低 潮 線 側 の 植 生 前 縁 に
はシパナの純群落がみられたが,
シオクグ群落は出現し
なかった . 188m, 190m地 点 の シ パ ナ 群 落 の 組 成 を 第 I
表に示した .
全体を通して出現種数は 1~2種であった.
汐川河口のベルト 3は,ベルト 2の起点でヨシ群落の横断
第4図.紙田川河 口地点景観(シオクグ群落〕
面をとったものであり,堤防のコンクリート護岸が起点
である. O~lm地点でのみ ,
ウラギク,ホソパハマアカ
ザが出現した(第 1
表).汐川流路に面したヨシ群落の前
縁にはシパナなど塩生植物の純群落は出現しなかった.
全体では,
ヨシ群落内の方形枠の 69%で,出現種がヨ
シ1種のみであった(ヨシの出現した全 135枠 中 93枠)•
, 22%), シオクグ (
1
3枠
,
一部では下層にシパナ (29枠
10%) を伴った .外観ではヨシ群落内は比較的均一 にみ
えるが(第 5図),群落内にヨシ被度の低い箇所がモザイ
ク状に存在し,そこでは相対的に下層のシパナ,
シオク
グの被度が高かった〔第 6図). ウラギクとホソパハマア
カザはヨシ群落の内部には生育せず,群落陸側の堤防に
第5図.汐川河口地点景観(ヨシ群落)
沿った幅 1~3m の非常に帝国い帯状の分布を示した.
第 1表.ベルトトランセクト内に出現した群落の組成表.
群落
位置*
調査日
植生高
植被率
出現種数
セイタカアワダチソウ
オオパイボタ
ヨモギ
ヤブガラシ
イネ科の一種
ヒメジョオン
ヨシ
ウラギク
ホソパハマアカザ
シパナ
シオクグ
セイタカ
アワダチソウ
8
e
l
t
1
Om
10/28
230
90
4
150/30
230/50
140/5
65/10
品さ (cm) /被度 (%).
ヨシ
8
e
l
t
1
6m
10/28
170
60
4
2m
10/28
180
90
6
180/75
60/+
120/10
100/ 1
1
5
/+
10/+
シパナ
34m
10/28
200
60
2
86m
10/29
70
60
8elt2
34m
11/19
130
75
94m
11/19
130
80
2
8elt3
Om
1
1/19
110
75
3
170/50 200/60 70/
60 130/25 130/
25 110/
20
70/10
40/+
55/
50
30/5
25/75
35/+ 40/+
+
ニ 1%> .
*下段の数値は起点からの距離を示す.
シオクグ
8elt2
188m
11/19
18
50
190m
11/19
16
0
.
7
20/50
15/+
8
e
l
t
1
164m
10/29
30
75
2
166m
10/29
43
90
25/
25
30/
50 45/90
三河湾汐川干潟の塩性湿地植生
H
vI
e
v
v
陥
n
n
d
+L
勾
J引 内
nb
d
内
vh
m
Coverage
(%)
米
1
'j φ
淡 ¥
/
,
※1
...
3
0
7
i
!
?
場
。
:
;
10~ 地
:;t
,
~t1t三!.LL!..
目
OQ
:
O
50
100
。宮口つ
イfiJ
ヰ::
20
けいけがお刊山
イ? 鉱怜 i
4
o
f i総司
50
AYAw-j.?
純
一
一
一
九
60~!!
φ
70オ
HHHHHHH
馴 -HH
80寸 < < 骨 料
。
.
,
,
,
100
901;伺玲
4
5
一-0一一
ウラギク
一一会ー・・・
シバナ
[email protected]
シオクグ
φ....
.
・
漂着物
一"一〈ト"ー
その他
150
200(m)
150
200 (m)
90
80
70
60
50
40
3
0
20
10
O
O
50
100
B
e
l
t
3
Shiokawa R
i
v
e
r
100
90
80
@
70
60
《
。
L
;
o
;
芹¥持
50
@
,Y
4
.
/ヂ¥/¥。,":
・
、
,
40
3
0fl/
瓦
L¥y;
l j i e
ド
¥ :
・f
10 、
O
O
20~
y
l
渓
司
A
~..""\
¥.ft/;
¥
1
10
図6図. ベルトトランセクトに沿った各構成種の被度の変化.
20
ヨシ
ーー※ーー
B
e
i
t
2
ShiokawaR
i
v
e
r
100
ホソパハマアカザ
。
⑤
3
0(m)
藤原直子・木村妙子 ・藤岡エリ子
46
E 絶滅危慎種
としている . しかし今回調査ではシオクグ群落は,紙
今回の採集標本および豊橋市自然史博物館の収蔵標本
田川河 口部で小面積が認められたに止まった . シオクグ
の調査により, 3
2科目種の維管束植物が確認された(第
は杉山町船だまりのヨシ群落や蝦)11
河口のハママツナ群
2
表). うち, レッドデータブック掲載種が5
種(環境省,
落でも生育していたが,量的に少なく,群落として植生
2000;愛知県, 2001),中西ほか(19
9
9
) により豊橋市
図化できるほどではなかった.
において保護上重要と考えられる維管束植物とされた種
これに対し,汐川干潟では相対的にシパナ群落及びシ
が7
種含まれていた(第 3
表).このほか,愛知県で絶滅
パナを伴うヨシ群落の面積が広いことが明らかとなった.
とされるハマオモトが確認されたが, これは栽培品から
汐川干潟のシパナについては,中西(19
9
5
)が1
9
8
9年
の逸出と判断された.
1
9
9
4
年の脱川河口部における生育状況を報告している.
また,汐川のヨシ群落内でシパナが多く生育することは
考察
小柳津(19
8
4
) によっても述べられている. これらと比
汐川干潟に現存する植物群落の中ではヨシ群落が相対
較して,今回調査の結果,大きな状況の変化は確認でき
的に広い面積を占めていた. この中に,シオクグ,シパ
なかった. シパナは準絶滅危倶種に指定されている(環
ナなど塩生植物を伴っていた.
境庁,2
∞o 愛知県,
三河湾・伊勢湾など汐川干潟周辺地域の潮間帯の既存
の植生資料としては,宮脇(編著) (
19
8
5
),愛知県
2001)が,汐川干潟では群落が広
範囲にみられ, シパナの生育環境としては良好と考えら
れる .
(
19
9
4
),中西ほか(19
9
9
) に,植物社会学的手法による
杉山町のハママツナ群落は,昨年豊橋市によりゴミ等
記録がある. ヨシ群落については,愛知県(19
9
4
) に植
の漂着物が除去された後に出現した.また,筆者の一人
2地点),碧
生資料があり,名古屋市庄内川河口部左岸 (
である藤岡は,シパナ群落についても,同ーの地点で生
南市担川左岸(1地点),豊橋市豊川河口部両岸 (
2地点)
育が確認される年と確認されない年があったことを観察
5mのヨシが被度目 -95%で見られ,
では,高さ約2-2.
している . このことから,生育可能な場所にはハママツ
5
地点中4地点、で下層に被度 10%以下のシオクグが出現す
ナやシパナ群落が比較的短期間に成立する可能性が考え
る.庄内川と豊川の 2地点、でわずかにマコモがみられて
られる.今後の消長について,継続的に調査する必要が
いる.中西ほか(19
9
9
) の植生資料によると,豊橋市豊
ある .
川河口,神野新田町および大崎町(各 1地点)では,高
汐川のハマボウ群落はヨシ群落に隣接した明るい条件
さ約l.5-2mのヨシが被度 100%で見られ,下層にオニ
下にあり,多くの幼木を伴っていた. この群落は中西
シパ, シパナ,シオクグなど 1-3種を被度 10%以下で伴
(
19
9
2
) により, 1
9
9
2年当時の周辺の群落組成と生育地
種が優占し,下層に
ヨシ 1
の断面図が示され,汐川両岸で 4個体自生するのみとさ
混生する植物の種数が少ない点でこれらとよく類似して
れている .その後の 9年間で生育立地に大きな改変はな
いる.下層にシオクグ, シパナが出現する点も他地点と
いが,今回の調査では多くの幼木が確認され,実生の定
共通性がある. ヨシ群落以外では, シオクグ群落に関し
着により増加したと考えられる .近隣の渥美町堀切の県
て,宮脇(編著) (
19
8
5
) に半田市(3地点),愛知県
天然記念物に指定された群落ではハマボウの被度は 85%
(
19
9
4
) に,名古屋市庄内川と新川河口部 (
3地点),渥
と高く,草本層には 2-3種しか現れず被度は 5%以下で
2地点)の植生資料がある. いずれの地点
美町伊川津 (
9
9
4
)
. 豊橋市神野新田町海岸にある群
ある(愛知県, 1
でもシオクグはマット状に生育しており(群度 5-4),
落はヨシ群落と隣接しており(中西ほか,
う.汐川干潟のヨシ群落は,
1
9
9
2
),ハマ
うち 6地点では被度 80-90%と密度が高く,高さは 50-
ボウの被度は 80-100%とやはり高いが,草本層には約
60cmで、あった.シオクグの純群落であった 1
地点を除い
1
0種が出現し,被度も最大60%と高い(中西ほか, 1
9
9
9
)
.
て 10%程度からそれ以上のヨシを伴っており,出現種は
これらと比較して汐)11の群落はもっとも選移の初期段階
最大で 3
種であった.汐川干潟のシオクグ群落も,
ほぼ
にあると思われる .今後,低水護岸の工事による群落の
同様の特徴を持っていた.汐川干潟においては群落の高
破壊や立地の消失が無ければ,ハマボウの被度がより高
さが 30-40cmとやや低めであったが,調査を秋に実施
くなり,近隣の 2地点の組成に近づくことが予測される.
した影響の可能性がある.
また,新規加入個体の存在は,健全な個体群維持を示唆
8
5
) は
,
奥田(19
植物社会学的にシオクグ群集
するものである. このハマボウ群落についても継続的観
(
C
a
r
i
c
e
t
u
ms
c
a
b
r
i
f
o
l
i
a
eMiyawakie
tOhba1
9
6
9
) と同定
察が望まれる .なお,本種は愛知県 (
2
0
01)のレッドデー
される群落が,国内の塩性植生では最も分布範囲が広い
タブックで準絶滅危倶種とされている.
4
7
三河湾汐川干潟の塩性湿地植生
第 2表.豊橋市自然史博物館が所蔵する汐川干潟の植物標本
科 名
ニレ
クワ
タデ
ツルナ
ナデシコ
アカザ
クスノキ
アケビ
ッ。ゾラフジ
アブラナ
ベンケイゾウ
ノ
〈
ラ
マメ
卜ウグイグサ
センダン
ニシキギ
アオイ
グミ
アカノ〈ナ
セリ
イソマツ
モクセイ
ヒルガオ
タマツヅラ
ゾソ
ナス
スイカズラ
キク
シパナ
ヒガンノ《ナ
イネ
和 名
アキニレ
エノキ
カナムグラ
アキノミチヤナギ
ナガパギシギシ
ツルナ
ウシオハナツメクサ
ハマツメクサ
アリタソウ
コアカザ
シロザ
ハママツナ
ホコガタアカザ
ホソパハマアカザ
ヤブニッケイ
アケビ
アオツヅラフジ
スカシタゴボウ
ハマダイコン
マメグンパイナズナ
コモチマンネングサ
*
ウメ
トキヮサンザシホ
ゾャリンノ〈イ
ノイ Jぜ
ラ
テリハノイノぜラ
ナワシロイチゴ
ユキヤナギ*
イタチハギ
メドハギ
クララ
アカメガシワ
ナンキンハぜ本
センダン
ツルウメモドキ
マサキ
ハマポウ
オオパグミ(マ Jレパグミ)
コマツヨイグサ
ハマウド
ハマサジ
オオノぐイボタ
ハマヒノレガオ
ハマゴウ
クサギ
ヤプチョロギ
テリミノイヌホオズキ
クコ
スイカズラ
フクド(ハマヨモギ)
ヨモギ
ノコンギク
ヒロハホウキギク
ウラギ了ク
コシロノセンダングサ
ヒメムカンヨモキ'
チチコグサモドキ
セイタカアワダチソウ
ヒメジョオン
イガオナモミ
シパナ
ハマオモト本
アオカモジグサ
カモジグサ
コヌカグサ
ヒメコノぜンソウ
ヤマアワ
メヒシ Fイ
シナダレスズメガヤ
ヒロハウシノケグサ
チガヤ
ホソムギ
ネズミホソムギ
ススキ
シマスズメノヒエ
アイアゾ
ヨゾ
ネザサ
メダケ
ハマエノコロ×エノコログサ
カヤ Y リグサ
ナギナタガヤ
シオクグ
* 逸出と考えられる種.
学 名
Ulm凶 戸 r
v
i
f
o
l
i
aJ
配 q
C
e
l
t
i
ss
i
n
e
n
s
i
sPe
四. v
a
r
.j
a
p
o
n
i
c
a(
P
l
a
n
c
h
.
)N時 国
Humu/usj
a
p
o
n
i
c
u
sS
i
e
b
.e
tZ
u
c
c
.
Po
lygonumJ
X
J
l
y
n
e
u
r
o
nF
r
a
n
c
h
.e
tS
a
v
a
t
.
Rumexc
r
i
s
p
u
sL
T
e
t
r
a
g
o
n
i
at
e
t
r
a
g
o
n
o
i
d
e
s(
P
a
l
l
.
)O.Kuntze
S
戸r
g
u
l
a
r
i
ab
o
c
c
o
n
i
i(
S
ch
e
e
l
e
)Asch& Graebn
g
i
n
am山 imaA.Gray
Sa
Cheno
戸珂山 m a
m
h
r
o
s
i
o
i
d
町
, L.v
a
r
.anthelminticum(L)A.Gray
Cheno
戸x
1
iumf
i
c
i
f
o
J
i
umS
mith
Cheno
戸x
i
i
u
malbumL
.
Suaedam
a
r
i
t
i
m
a(
L
.
)Dumort.
A
t
r
i
p
l
e
xh
a
s
t
a
t
aL
.
A
t
r
i
p
l
e
:
xg
m
e
l
i
n
i
iC
.A.Mey.
C
i
n叩 momumjaponicumS
i
e
b
o
l
de
xNak
副
A
k
e
b
i
aq
u
i
聞 t
a(
T
h
u
n
b
.
)Decn
e
C
o
c
c
u
/
u
so
r
b
i
c
u
l
a
t
u
s(
L
.
)Forman
R
o
r
i
p
J
戸 i
s
l
a
n
d
i
c
a(Oed
e
r
)B
o
r
l
b描
Raphanuss
a
/
i
v
山L.v
a
r
.r
a
p
h
a
n
i
s
t
r
o
i
d
e
sMakino
L
e
p
i
d
山 mv
;
r
百i
n
i
c
u
mL
dumb
u
l
b
i
f
e
r
u
mMakino
Se
Prun
u
smumeS
i
e
b
.e
tZucc
P
y
r
a
c
a
n
t
h
a口調:
r
cm回 R世 田
R
h
a
p
h
i
o
l
e
p
i
su
m
b
e
l
l
a
t
a(
T
h
u
n
b
.
)Makino
Rosam
u
l
t
i
j
1
0
r
aThunb.
Rosaw
i
c
h
u
r
a
i
a
n
aC
r
e
p
.
Rubus戸 r
v
i
f
o
l
i凶 L
S
p
i
r
a
e
at
h
u
n
b
e
r
宮iS
i
e
b
o
l
d
Amorphaf
r
u
t
i
c
o
岨 L
L剖戸ぜ回:ac
u
n
e
a
t
a(DuM
o
n
t
.
d
.Co
u
r
s
.
)G.Do
n
p
h
o
r
aj
1
a
v
e
s
c
e
町 A
i
t
So
M
a
l
l
o
t凶 }
a
.
戸 n
i
c
u
s(
T
h
u
n
b
.
)Muel
.
lA
r
g
.
piums
e
b
(
舟rum(
L
.
)Roxb
Sa
M
e
l
i
aa
z
e
d
a
r
a
c
hL
.
C
e
l
a
s
t
r
u
so
r
b
i
c
u
l
a
t
u
sThunb.
Euonymusj
a
p
o
n
i
c
u
sThunb.
H
i
b
i
s
c
u
shama
加 S
i
e
b
.e
tZ
u
c
c
.
E
l
a
叩 g
nusmacrophy
l
/
aT
hunb.
伽 w
t
h
e
r
al
a
c
i
n
i
a
t
aH
i
l
l
A
n
g
e
l
i
c
aj
a
p
o
n
i
c
aA.Gray
Limoniumt
e
t
r
a
g
o
n
u
m(
T
h
u
n
b
.
)A
.
A
.
B
u
l
l
o
L
i
g
u
s
t
r
o
mo
v
a
,
Zf
o
l
i
u
mH
assk
C
a
l
y
s
t
e
g
i
as
o
l
d
a
n
e
l
l
a(
L
.
)R但 皿 e
tS
ch
u
l
t
V
i
t
e
xr
o
t
u
n
d
i
f
o
1
i
aL
.f
.
CI
e1
吋'
e
n
d
r
o
nf
r
i
c
h
o
t
o
m
u
mThunb.
S
t
a
c
h
y
sa
r
v
e
n
s
i
sL
lanuma
m
e
r
i
c
a叩 m M
i
l
l
e
r
So
h
i
n
e
n
s
eM
i
l
l
e
r
L戸 iumc
n
i
c
e
r
aj
a
p
o
n
i
j
叩
Thunb
μ.
A
r
t
e
m
i
s
i
afukudoMakino
A
r
t
e
m
i
s
i
ap
r
i
n
c
e
p
sPa
皿P
町1
A
s
t
e
ra
g
e
r
a
t
o
i
d
e
sT
urcz田 p
.o
v
a
t
u
s(
F
r
a
n
c
h
.e
tS
a
v
a
t
.
)K
i
t
a
皿.
A
s
t
e
rs
u
b
u
l
a
t
u
sM
i
c
h
x
.
A
s
t
e
rt
r
i
p
o
1
i
umL
B
i
d
e
n
sp
i
l
o
叩L.v
a
r
.minor(
B
l
u
田e
)S
h
e
r
f
f
E
r
i
g
e
r
o
nc
a
n
a
d
e
n
s
i
sL
.
Gnapha1
i
ump
e
n
s
y
l
v
a
n
i
c
u
mW
i
l
l
d
So
l
i
d
a
g
oa
l
t
i
s
s
i
m
aL
.
S
l
e
n
a
c
t
i
sannuus(
L
.
)C醐
Xanlhiumi
t
a
l
i
c
u
mM
o
r
e
t
t
i
T
r
i
g
l
o
c
h
i
na
s
i
a
t
i
c
u
m(
K
i
t
a
g
a
w
a
)A.Love
Crinuma
s
i
a
t
i
c
u
mL
.v
a
r
.
j
a
p
o
n
i
c
u
mB
a
k
e
r
A
g
r
o
p
y
r
o
nr
a
c
e
m
i
f
e
r
u
m(
S
t
e
u
d
.
)K
o
i
d
z
.
A
g
r
o
p
y
r
o
n帥 l
k
u
s
h
i
e
n
s
e(Honda)Ohwiv
a
r
.t
r
a
n
s
阻n
s(Haok)Ohwi
A
g
r
o
s
t
i
sa
l
b
aL
.
B
r
i
z
ominorL
.
αlamagrostisep伊四(L.)Roth
D
i
g
i
t
a
r
i
ac
i
l
i
a
r
i
s(
R
e
t
z
.
)K田
1
.
E
r
a
g
r
o
叫i
sc
u
r
v
u
l
a(
S
ch
r
a
d
.
)Nees
F
e
s
t
u
c
ae
l
a
t
i
o
rL
I
m
p
e
r
a
t
ac
y
l
i
n
d
r
i
c
a(
L
.
)B
e
a
u
v
.v
町.加e
n
i
g
i
i(
R
e
t
z
.
)Durande
tS
c
h
i
n
g
Lo
l
i
u
m戸 陀'
n
n
eL
Lo
l
i
u
mxりbridumHau
田畑
Mi
即
,a
n
t
h
u
ss
i
n
e
n
s
i
sAn
d
e
r
s
s
.
P
a
s
四
,l
umd
i
l
a
t
a
l
u
mP
o
i
r
.
P
h
a
c
e
l
u
r
u
s加 i
f
o
l
i
u
s(
S
t
e
u
d
.
)Ohwi
P
h
r
a
g
m
i
t
e
sa
u
s
t
r
a
l
i
s(
C
a
v
.
)T
r
i
n
.e
tS
t
e
u
d
抑制'
o
b
l
a
s
t
u
sc
h
i
n
o(
F
r
a
n
c
h
.e
tS
a
v
a
t
.
)Makinov
a
r
.v
i
r
i
d
i
s(Makino)S
.
S
u
z山
P
l
e
i
o
b
l
a
s
t
u
ss
i
m
o
n
i
i(
Caπ.)Nakai
&臼r
i
av
i
r
i
d
i
s(
L
.
)Beauvv
a
r.戸c
h
y
s佃 c
h
y
s(
F
r
阻 c
h
.e
tS
a
v
国.)Makinoe
t
a
r
i
av
i
r
i
d
i
s(
L)Bea
u
v
.
NemotaxS
et
V
u
l
p
i
am抑朋(L.)K
.C.Grn
e
l
Carexs
,
c官 b
r
i
f
o
l
i
aS
t
e
u
d
,
根本登録番号 TMNH-B
20107
20108,20127
2 6
1
20136
2 78,2 84
∞
∞ ∞
∞
2 64
2航)48
2 94
20110
2 69
2
畑 50
1
8,2 45
2 5
1,2臥)68,20111
20128,20146
2 27
20133
2 43,2 56
2 62
2αJOI,2 7
3
2 28
,20082
2 8
5
2 5
3
2
2 1
0
,20115
2 1
2 1
1
2 44
,20145
2 89
2 1
6
2 7
2,20130
7,20125
2 1
2 37
2 26
20140
2
αJ08,2
αl
4
0
2 25,2 7
1,20138
20101,20113
2 7
5,20109
20114
2 8
1
20142
2 32
,2 46
2 76
,20102
20139
24
,20038
20134
20135
20118
20124
2
3,2 3
1
2 02,2 '
20126
,20105,20120
2 59
2 54
20150
2回泊3,20103,20144
20132
20119
3
2 8
,20143
20106
8
2 8
20149
5,2
α)99,20148
2 6
2 7
7
2 9
1
目
J
9
0
, 2 9
7
2
αJ06, 2
2 79
2 8
7
2 1
5,2 34
,2 58
20123
2 95
2印加7
,2 1
9
Z 80
2 92,2 93
2 1
3,2 70
,20131
20104
2
0
1
2
1
2 2
0
20141
5
2 3
2
償 却9
20122
∞
∞
z
∞ ∞
∞
∞
∞ ∞
∞
∞
∞
∞
∞
∞
∞
∞
∞
∞
∞
∞
∞
∞
∞
∞ ∞
∞
∞
∞ ∞
∞
z
∞
∞ ∞ ∞
∞
∞
∞
∞
∞
∞
∞
∞
∞
∞
∞
∞
∞
∞
∞
∞ ∞
∞
∞
∞
∞
∞
∞ ∞
∞
,2 96
2 86
2 57
,20067,201
∞
藤原直子・木村妙子・藤岡エリ子
48
第 3表.汐川干潟の絶滅危慎植物.
引用文献
E N=絶滅危倶 IB類
, V U=絶滅危慎 E類
, NT=準絶滅
危倶.
タゲ科
アキノミチヤナギ
アカザ科
ハママツナ
ホソパハマアカザ
アオイ科
ハマボウ
イソマツ科
ハマサジ
キク科
フクド
ウラギク
シパナ科
シパナ
イネ科
アイアシ
カヤツリグサ科
シオクグ
愛知県, 1
9
9
4
. 愛知県の植生, 2
5
6
p
.
愛知県
環境省
(
2
0
01
)
(
2
0
0
0
)
中西ほか
(
1
9
9
9
)
減少 :海岸の改修
愛知県 RDB
付記
減少:海岸の改修
vu
NT
植物編 2
0
0
1 愛知
1
4
p
.
県環境部自然環境課, 7
藤岡エリ子・藤岡純治・稲田浩三・桑原和之, 1
9
9
8
. シギ・チ
ドリ全国カウント報告書 1
9
9
8年春. 日本湿地ネットワーク,
9
2
p
.
シギ・チドリ委員会
, 1
藤岡エリ子・藤岡純治・稲田浩三・桑原和之, 1
9
9
9
. シギ・チ
ドリ全国 カウント報告書 1
9
9
8年秋. 日本湿地ネットワーク,
愛知県 RDB
危急
7
6
p
.
シギ・チドリ委員会
, 1
vu
藤岡エリ子・木村妙子, 2
0
0
0
. 三河湾奥部汐川干潟の 1
9
9
8年春
vu
蒲郡市誌編纂委員会・蒲君1
1
市教育委員会, 1
9
7
4
. 潮流の悪化と
1
0
)・3
1
3
9
.
期における底生動物相.豊橋市自然史博研報, (
EN
NT
愛知県, 2
001.レッドデータブックあいち
vu
藻場の減少蒲郡市誌,愛知県, 8
9
8
8
9
9
.
減少海岸の改修
9
8
9
. 1
3
. 汐川河
IWRB (国際水禽湿地調査局)日本委員会, 1
減少海岸の改修
口.特に水鳥の生息地として国際的に重要な日本湿地目録,
IWRB日本委員会, 1
1
4
1
1
7.
減少:海岸の改修
環境庁自然保護局野生生物課, 2
0
0
0
. 改訂・日本の絶滅のおそ
れのある野生生物植物 1(維管東植物)• 自然環境研究セ
紙 田 川 左 岸 で 確 認 し た フ ク ド 群 落 は , 小 林 (2001) が
貴 重 で あ る と 述 べ て い る 群 落 と 同一 で あ る . 汐 川 干 潟 は
6
0
p
.
ンター, 6
木村昭一 ・木村妙子, 1
9
9
9
. 三河湾及び伊勢湾河口域における
フクドの分布の東限にあたり,愛知県内では非常に生育
アシ原湿地の腹足類相. 日本ベントス学会誌, 54:4
4
5
6
地は少ない(小林, 2001).本種は愛知県 (2001) で 絶
木村昭一 ・木村妙子,2
0
0
0
. 汐川干潟におけるオカミミガイ生
滅 危 慎I
B類 に 指 定 さ れ て い る . 豊 橋 市 自 然 史 博 物 館 に
息地の破壊.かきっばた, 2
6
:2
5
3
2
.
小林元男, 2
0
01.愛知県地域別植物誌(1) 豊 橋 市 の 植 物. 愛
は 1950
年 代 の 標 本 が 収 蔵 さ れ て い る が , そ れ 以 後 2000
年
)
. なお,
ま で 採 集 記 録 が な か っ た ( 小 林 , 2001
この群
知県植物誌調査会,愛知県, 1
8
3
p.
宮脇昭(編著), 1
9
8
5
. 日本植生誌中部.至文堂,東京,
604P.
落以外にフクドの生育は確認されなかった.
汐川干潟周辺の田原湾内のアマモ場は,
1970年 に は す
でに消失している(蒲郡市誌編纂委員会・蒲郡市教育委
員会
,
中西
中西
1
9
7
4
)
. 今回の調査でも,海草群落は確認されず,
中西
回復のきざしは認められなかった.
らかとなった. こ れ ら 堤 防 沿 い の 小 面 積 の 植 生 は 開 発 や
1999年 の
護 岸 工 事 に よ っ て , 任 皇 川 河 口 の ヨ シ 群 落 の一 部 が 消 失
000). 現 状 の 植 生 を こ れ 以 上
している(木村・木村, 2
破壊しない取り組みは,広範な生物群の保全対策として
正
, 1
9
9
5
.i
屋美半島に生育するシパナ(1).虫譜
, 3
3
(
2
)
:
1
6
1
9
正
, 2
0
01
.i
タ川干潟及び周辺の植物.平成 1
2年度汐川干
潟保全検討調査報告書,汐川干潟保全検討会議(豊橋市・
4
6
5.
田原町),愛知県, 6
汐川干潟には小面積の植生しか残っていない現状が明
防 災 の た め の 改 変 を 受 け や す い . 実 例として,
正
, 1
9
9
2 渥美半島におけるハマボウ群落の分布と生育
環境.虫譜, 31(
1
):
1
6
1
8
.
中西
正・岩瀬直司・熊谷尚久・加藤等次・須山知香・浜島繁
隆・瀧崎吉伸, 1
9
9
9
. 植物.豊橋市 自然環境保全 基礎調査
7
1
5
3.
報告書,豊橋市, 5
奥田重俊, 1
9
8
5
. 塩沼地植生. 宮脇昭(編著),
日本植生誌
中部,至文堂,東京, 1
6
6
1
6
8
.
小柳津弘, 1
9
8
4
. タ川.恒川敏雄(著),渥美半島植物記,
自
費出版, 81
.
重要である.
謝辞
豊橋市立羽田中学校の瀧崎吉伸氏愛知県林業センター
の小林元男氏にはナデシコ科,アカザ、科,マメ科,イソ
マツ科,モクセイ科,ナス科の帰化種およびパラ科の逸
出種について同定していただきました.また,イネ科な
ど の 同 定 に ご 助言 い た だ き ま し た . 汐 川 干 潟 を 守 る 会 の
小柳津弘氏には現地に関する情報のご提供とそれに基づ
いた貴重なご意見ををいただきました.
以上の方々に深く感謝の意を表します.
001
. 日本の河口域・干潟では何がおこっているの
吉田正人, 2
か?科学, 71(
7
)
:8
7
0
8
8
1