PURESYSTEM classic II - BioComber

研究用試薬
再 構 成 無 細 胞 タンパク質 合 成 キット
®
PURESYSTEM classic II
取扱説明書
96
standard
mini
PURE2048C
PURE2030C
PURE2004C
BioComber
バイオコゥマー株式会社
・本キットは研究目的に製 造されているため,その他の目的には使用できません。
・キットの内容は予告なく変更される可能 性があります。
安 全 情 報
Sol. A 及び Sol. B には 1%未満のジチオスレイトールが含まれています。その他,
表 記 すべき危 険 性 のある物 質 は含 まれていません。本 キットで合 成 したタンパク
質 やペプチドが強 い毒 性 や病 原 性 を持 つことが想 定 される場 合 などは手 袋 ,眼
鏡などの安全器具を着 用して使用してください。
反 応 液 などが皮 膚に付着 したり眼にかかった場 合は,速やかに水 道 水 で洗浄 し
てください。また,必 要 な場 合 は医 師 に相 談 しその指 示 に従 ってください。試 薬
の廃 棄 に関 しましては,国 や自 治 体 ,所 属 施 設 などの定 める法 律 ,条 令 ,規 則
などに従ってください。
1
目 次
1. クイックプロトコル (タンパク質合成反応)
2. キットの内容
3. キットの保存方法
4. PURESYSTEM について
4-1. PURESYSTEM によるタンパク質の合成・精製の原理
4-2. PURESYSTEM の特徴
5. 操作手順
5-1. テンプレート DNA の調製
5-2. タンパク質合成反応
5-3. 合成タンパク質の簡易精製
5-4. 合成タンパク質の解析
6. DHFR(ポジティブコントロール)の合成および簡易精製
7. トラブルシューティング
8. お問い合わせ
2
1. クイックプロトコル (タンパク質合成反応)
1. Sol. A および Sol. B を氷上で融解します。
2. 新しい反応チューブを用意し,氷上で以下のように反応液を調製します。
□
□
□
□
Nuclease-free Water
Sol. A
Sol. B
Template DNA
96 / mini
µl
25 µl
10 µl
µl* 1
Total
standard
µl
500 µl
200 µl
µl* 2
50 µl
1000 µl
*1; 1 pmol PCR product or 0.5 µg plasmid DNA
*2; 20 pmol PCR product or 10 µg plasmid DNA
3. 泡立てないように混ぜ,軽く遠心して反応液をチューブの底に集めます。
4. 37 °C で 1 時間反応します。
5. 反応チューブを氷上に戻します。
6. 合成したタンパク質の精製,および解析を行ないます。
3
2. キットの内容
2-1. PURESYSTEM ® classic II 96 (Prod.#PURE2048C)
50 µl での合成反応を 96 回行なうために必要な試薬が含まれます。
ラベル (チューブ色)
内 容
Sol. A (黄色)
96 x 25 µl
Sol. B (赤色)
96 x 10 µl
Temp. DHFR (青色)
2 x 5 µl
Univ. Primer (無色)
2 x 500 µl
2-2. PURESYSTEM® classic II standard (Prod.#PURE2030C)
1 ml での合成反応を 3 回行なうために必要な試薬が含まれます。
ラベル (チューブ色)
内 容
Sol. A (黄色)
3 x 500 µl
Sol. B (赤色)
3 x 200 µl
Temp. DHFR (青色)
1 x 50 µl
Univ. Primer (無色)
1 x 80 µl
2-3. PURESYSTEM® classic II mini (Prod.#PURE2004C)
50 µl での合成反応を 8 回行なうために必要な試薬が含まれます。
ラベル (チューブ色)
内 容
Sol. A (黄色)
8 x 25 µl
Sol. B (赤色)
8 x 10 µl
Temp. DHFR (青色)
1 x 5 µl
Univ. Primer (無色)
1 x 80 µl
・Sol. A および Sol. B は使用直前に融解し,再凍結は避けてください。
・Temp. DHFR は,ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子を含むプラスミド DNA(0.2 µg/µl)
です。タンパク質合成反応のポジティブコントロールとして使用してください。
・Univ. Primer は 2 段階 PCR における 2 段階目の際の Forward プライマーとして使用してく
ださい。また,Univ. Primer の濃度は 2 µM です。
3. キットの保存方法
キットは-80 °C で保存してください。また,融解後の再凍結は避けてください。
4
4. PURESYSTEM について
4-1. PURESYSTEM とは?
PURESYSTEM は,東京大学大学院の上田卓也教授のグループにより開発された世界初
の再構成無細胞タンパク質合成技術で,転写,翻訳およびエネルギー再生に必要な 36 の
タンパク質因子を全て別々に調製,精製後,再構成したものです 1) 。転写・翻訳に必要な因
子 として,大 腸 菌 の翻 訳 因 子 である開 始 因 子 (IF1, IF2, IF3),伸 長 因 子 (EF-Tu, EF-Ts,
EF-G),終結因子(RF1, RF2, RF3),リボソームリサイクリング因子,20 種類のアミノ酸に対
応 するアミノアシルtRNA合成酵素,メチオニルtRNAホルミル転移酵素,大腸菌 70Sリボソ
ーム,および転写酵素としてT7 RNAポリメラーゼを含みます。その他,大腸菌tRNA,アミノ
酸,NTP,エネルギー再生系などを含んでいます。 PURESYSTEM によるタンパク質の合成
は,反応液に目的タンパク質のテンプレートDNAを添加するだけです。
リボソームタンパク質以外の構成タンパク質は,すべてヒスチジンタグを N 末端もしくは C 末
端に付加した状態で調製されています。また, PURESYSTEM には未確認のタンパク質が
含まれていません。そのため,目的タンパク質の合成終了後,限外ろ過膜を使用してリボソ
ームを,また金 属 アフィニティー樹脂 を使 用 してヒスチジンタグ付 加 因 子 をそれぞれ反 応 系
から除去することで,合成タンパク質を迅速に精製することが可能です。(図 1)
*1) Shimizu Y., et al., (2001) Nature Biotechnology, vol.19, p.751-755.
4-2. PURESYSTEM の特長
高純度の反応液で合成可能
精製した因子を再構成した反応系のため,タンパク質合成に無関係なタンパク質が含ま
れていません。また,プロテアーゼ,ヌクレアーゼなど合 成 反 応 を阻 害 する因 子 の混 入 も
非常に少ないため,合成産物の分解がほとんど起こりません。
タグなしのタンパク質を合成・精製可能
転 写 ・翻 訳 因 子 など反 応 液 に含 まれるリボソームタンパク質以 外 のタンパク質にはヒスチ
ジンタグが付加されているため,これらの因子は,タンパク質合成反応終了後に金属アフ
ィニティー樹脂により除去することが可能です。
短時間でタンパク質を合成・精製可能
図1に示す簡易精製の場合,わずか 3 ステップで合成・精製が完了します。実際の操作
時間は 10 分で,反応および遠心の時間を合わせて合成開始から約 3 時間で精製完了
です。
5
合成反応液のカスタマイズが可能 ( PURESYSTEM custom )
精 製 因 子 を再 構 成 した合 成 反 応 液 のため,実 験 や使 用 目 的 にあわせて反 応 液 の組 成
を変更することが可能です。例えば,終結因子を含まない反応液で合成反応を行なうと,
合成されたペプチド鎖がリボソームから解離していない複合体を回収することができます。
また,界 面 活 性 剤 ,補 因 子 などを添 加 して合 成 反 応 を行 なうことも可 能 です。さらに,分
子シャペロンや修飾酵素などを反応液に添加することによって,合成後のタンパク質の高
次構造を安定化したり,酵素活性を上昇させることもできます。
PURESYSTEM custom の詳細については,[email protected]
ください。
図 1) PURESYSTEM によるタンパク質合成・精製の概略
6
5. 操作手順
5-1. テンプレート DNA の調製
5-1-1. テンプレート DNA について
PURESYSTEM によるタンパク質合成では,テンプレート DNA として PCR 産物およびプラ
スミド DNA のどちらも使用できます。ただし,以下の配列を含んでいる必要があります。
・開始コドン(ATG)
・終止コドン(TAG, TGA, TAA のいずれか)
・遺伝子の上流に T7 プロモーター
・開始コドンの約 10 塩基上流にリボソーム結合部位(SD 配列)
・PCR 産物の場合は,終止コドンの下流に 6 塩基以上(転写ターミネーター配列は必要
ありません)
・プラスミド DNA の場合は,終止コドンの下流に転写ターミネーター配列
PURESYSTEM の特長を生かす上で,下記の理由から PCR 産物の使用をお勧めします。
・PCR 産物を精製することなく,PCR 反応液を直接 PURESYSTEM の反応液に加えるこ
とができます。
・面倒な発現ベクターへの導入の手間が必要ありません。
・多種類のテンプレート DNA を一度に調製することができます。
・遺伝子配列の改変が容易です。
例) 欠失,点変異,複数の部分配列への分割,タグ配列の導入など
5-1-2. PCR 産物の調製
テンプレート DNA は,2 段階 PCR で調製することをお勧めします。(図 2)
1 段階目の PCR で,目的の遺伝子の 5'側にアダプター配列を導入します。そして,2 段階
目の PCR で T7 プロモーター配列を含む領域を付加します。このような 2 段階 PCR ではなく,
すべての制御領域を含むプライマーを用いて,1 段階の PCR でテンプレート DNA を調製す
ることも可能です。
テンプレート DNA を PCR で調製する際は,正確性の高い酵素を使用してください。
以下に 2 段階 PCR によるテンプレート DNA の調製法を示します。
1. Forward プライマーと Reverse プライマーを図 2 および表 1 を参考に設計します。
2. 目的の遺伝子を含む DNA を鋳型とし,1.で設計したプライマーを用いて 1 段階目の
PCR を行ないます。
3. PCR 産物をアガロースゲル電気泳動により確認します。単一のバンドとして検出される場
合は,1 段階目の PCR 反応液の希釈液を直接 2 段階目の PCR の鋳型として用いること
7
が可能です。目的の PCR 産物の他に副産物が確認された場合などは,PCR の条件を検
討するか,もしくは目的の PCR 産物をアガロースゲルから回収してください。
4. 1 段階目の PCR 産物を鋳型として,キットに添付されている Universal プライマー(Univ.
Primer)と 1.で設計した Reverse プライマーを用いて 2 段階目の PCR を行ないます
5. PCR 産物をアガロースゲル電気泳動で確認します。2 段階目の PCR 産物は 1 段階目よ
り約 70 塩基長くなります。目的産物のみが正しく増幅されているときは,PCR 反応液を直
接, PURESYSTEM でのタンパク質合成のテンプレート DNA として使用できます。
表 1) プライマー配列
primer
sequence
Forward primer
5'-AAGGAGATATACCA-ATG-N 14-20 -3'
Reverse primer
5'-TATTCA-TTA-N 14-20 -3'
Universal primer
5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAGACCACAACGGTTTCC
(Univ. Primer)
CTCTAGAAATAATTTTGTTTAACTTTAAGAAGGAGATATACCA-3'
5-1-3. プラスミド DNA をテンプレート DNA として使用する場合の注意点
テンプレート DNA として,プラスミド DNA を使用する場合は,以下の点にご注意ください。
・発現ベクターは,T7 プロモーター配列,リボソーム結合部位,転写ターミネーター配列を
含むベクターを使用してください。
・転写ターミネーター配列を含まない場合は,終止コドンの下流で制限酵素により切断した
直鎖状 DNA を使用してください。
・市販のプラスミド DNA 精製キットのなかで, PURESYSTEM のテンプレート DNA の調製
には適さないものが報告されています。詳細は,テクニカルサポートにお問い合わせくだ
さい。
・使用するプラスミド DNA は,RNase フリー水,もしくは EDTA を含まないバッファーに溶解
してください。EDTA は, PURESYSTEM でのタンパク質合成反応を阻害する可能性が
あります。
・RNA は除去してください。RNase を使用した場合は,RNase をフェノール処理などで完全
に失活させてください。
・ヒスチジンタグを付加させる発現ベクターに目的遺伝子を導入した場合,本マニュアルに
記載してある簡易精製は使用できません。
8
1 st Step PCR
Forward primer
SD sequence
ATG
Gene Sequence
5’
3’
3’
5’
ATT
Reverse primer
ATG
TAA
SD sequence
2 nd Step PCR
Universal primer
ATG
TAA
T7 promoter
SD sequence
Reverse primer
ATG
T7 promoter
TAA
SD sequence
図 2) 2 段階 PCR によるテンプレート DNA の調製
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5-2. タンパク質合成反応
タンパク質の合成反応,精製,検出などの実験操作に慣れていない場合は,キットに添付さ
れているポジティブコントロール(Temp. DHFR)を用いて,合成・簡易精製の一連の操作を
確認されることを推奨します。(第 6 章を参照してください)
ヌクレアーゼの混入を避けるため,手袋,マスクなどを着用の上,ヌクレアーゼフリーのチップ,
チューブを使用してください。
1. 必要な本数の Sol. A および Sol. B を氷上で融解します。反応液中の酵素が失活する可
能性があるので,融解後の再凍結は避けてください。
2. 新しい反応チューブを用意し,氷上で以下のように反応液を調製します。
□
□
□
□
Nuclease-free Water
Sol. A
Sol. B
Template DNA
Total
96 / mini
µl
25 µl
10 µl
µl* 1
50 µl
standard
µl
500 µl
200 µl
µl* 2
1000 µl
*1; 1 pmol PCR product or 0.5 µg plasmid DNA
*2; 20 pmol PCR product or 10 µg plasmid DNA
3. 泡立てないように混ぜ,軽く遠心して反応液をチューブの底に集めます。
4. 37 °C で 1 時間反応します。
5. 反応チューブを氷上に戻します。
10
5-3. 合成タンパク質の簡易精製
合成したタンパク質の精製法について,すでに報告がある場合はその方法に従って精製し
てください。精製法が不明な場合,合成したタンパク質の分子量が 100 kDa 以下のタンパク
質については,以下に示す簡易精製法で精製できる場合があります。
5-3-1. 簡易精製に必要な試薬および器具
Ni-NTA Agarose (QIAGEN)
ナノセップ 100k (Pall)
マイクロバイオスピンエンプティカラム (BIO-RAD)
Vortex Mixer
5-3-2. 方法 1 ( 96 / mini )
1. 反応液に等量の水(50 µl)を加えます。
(この操作は,以下の操作を行ないやすくするためで必須ではありません。)
2. 希釈した反応液をナノセップ100kの上部カップに入れます。
3. 1,500xg で 30 分間遠心します(4 °C)。
4. 透過液を新しいチューブに移します。
(反応液と樹脂とをよく攪拌させるため,2ml 丸底チューブの使用を推奨します。)
5. Ni-NTA Agarose を 1/10 量(10 µl)加えます。
6. 4 °C で1時間攪拌します。
7. マイクロバイオスピンエンプティカラムを新しい 1.5 ml チューブに載せます。
8. 反応液と樹脂の混合液をカラムに入れます。
9. 1,500xg で 1 分間遠心します(4 °C)。
10. 透過液を回収します。
5-3-3. 方法 2 ( 96 / mini )
この方法は,合成したタンパク質が方法 1 で確実に回収される場合に推奨します。
1. 反応液に等量の水(50 µl)を加えます。
(この操作は,以下の操作を行いやすくするためで必須ではありません。)
2. 希釈した反応液を新しいチューブに移します。
(反応液と樹脂とをよく攪拌させるため,2ml 丸底チューブの使用を推奨します。)
3. Ni-NTA Agarose を 1/10 量(10 µl)加えます。
4. 4 °C で1時間攪拌します。
5. 反応液と樹脂の混合液をナノセップ100kの上部カップに入れます。
6. 1,500xg で 30 分間遠心します(4 °C)。
11
7. 透過液を回収します。
5-3-4. 方法 3 ( standard )
1. 反応液(1 ml)を 200 µl ずつ分注します。
2. 分注した反応液をそれぞれナノセップ100kの上部カップに入れます。
3. 1,500xg で 30-60 分間遠心します(4 °C)。
4. 透過液を 1 本の新しいチューブにまとめます。
(反応液と樹脂とをよく攪拌させるため,2ml 丸底チューブの使用を推奨します。)
5. Ni-NTA Agarose を 1/10 量(100 µl)加えます。
6. 4 °C で1時間攪拌します。
7. マイクロバイオスピンエンプティカラムを新しい 2 ml チューブに載せます。
8. 反応液と樹脂の混合液をカラムに入れます。
9. 1,500xg で 3 分間遠心します(4 °C)。
10. 透過液を回収します。
12
5-4. 合成タンパク質の解析
合 成 したタンパク質 は,SDS-ポリアクリルアミドゲル電 気 泳 動 (SDS-PAGE)後 のタンパク質
染色やウェスタンブロッティング,あるいは酵素活性測定などにより検出,解析してください。
また,RI 標識アミノ酸存在下で合成反応を行なった場合は,電気泳動後,フルオログラフィ
ーにより検出可能です。
以下に,SDS-PAGE による検出法の一例を示します。
1.
2.
3.
4.
反応液サンプルを SDS-PAGE ローディングバッファーと混合します。
熱処理を行ないます。
サンプルをゲルのウェルに入れ,電気泳動を行ないます。
泳動終了後,クマシーブリリアントブルー染色,銀染色,蛍光色素染色などによりタンパ
ク質のバンドを検出します。
合成量は,目的のタンパク質によって異なります。合成量が低く,タンパク質が検出できない
場合は,トリクロロ酢酸やアセトンなどを用いてサンプルを濃縮後,電気泳動してください。
使用する染色法,染色キットによっては,反応液中に存在する RNA によりタンパク質の染色
が阻害される場合があります。特に,20-30 kDa 付近は反応液中の tRNA により染色されに
くい場合があります。その場合は,タンパク質合成後に,RNase 処理を行なってください。そ
の場合, 50 µl の反応液に対し,市販の RNaseA を 3.75 µg 加えて 37 °C で 15 分間反応
させてください。
13
6. DHFR の合成と簡易精製(ポジティブコントロール)
ポジティブコントロールとしてキットに含まれている DHFR (Dihydrofolate Reductase; ジヒドロ
葉酸還元酵素)の合成,簡易精製および SDS-PAGE による検出法を以下に示します。
1. Sol. A,Sol. B および Temp. DHFR を氷上で融解します。
2. 新しい反応チューブを用意し,氷上で以下のように反応液を調製します。
Nucleas e-free Water
Sol. A
Sol. B
Temp. DHFR
Total
12.5
25
10
2.5
50
µl
µl
µl
µl
µl
(0.5 µg)
3. 泡立てないように混ぜ,軽く遠心して反応液をチューブの底に集めます。
4. 37 °C で 1 時間反応します。
5. 反応チューブを氷上に戻します。
6. 反応液に等量の水(50 µl)を加えます。
7. 希釈した反応液をナノセップ100kの上部カップに入れます。
8. 1,500xg で 30 分間遠心します(4 °C)。
9. 透過液を新しい 2ml 丸底チューブに移します。
10. Ni-NTA Agarose を 1/10 量(10 µl)加えます。
11. 4 °C で1時間攪拌します。
12. マイクロバイオスピンエンプティカラムを新しい 1.5 ml チューブに載せます。
13. 反応液と樹脂の混合液をカラムに入れます。
14. 1,500xg で 1 分間遠心します(4 °C)。
15. 透過液を回収します。
16. ステップ 6,8,15 後の各サンプル 10 µl(合成反応液 5 µl に相当します)に SDS-PAGE
ローディングバッファーを加えます。
17. 95 °C で 5 分間熱処理を行ないます。
18. サンプルを 12.5%ゲルを用いて電気泳動します。
19. 泳 動 終 了 後 ,ゲルをクマシーブリリアントブルーで染 色 し,タンパク質 のバンドを検 出 し
ます。(図 3)
14
UF膜透過液
(リボソーム除去後)
図 3) DHFR(ポジティブコントロール)の合成および簡易精製の結果
15
7. トラブルシューティング
7-1. テンプレート DNA の調製
・1 段階目の PCR で目的の長さの増 幅産物が得 られません。
プライマーが最適ではない。
→ プライマーの設計を再度行なってください。2 段階目に使用 する Forward プライマー(Univ. Primer)の
配列は 8 ページに記載してあります。
PCR の反応 条件が最適 ではない。
→ アニーリング温度,伸 長時間などを再検討してください。
→ DMSO などの添加剤の反応液への添加も効果がある場合 があります。
・2 段階目の PCR で目的の長さの増 幅産物が得 られません。
プライマーが最適ではない。
→ プライマーの設計を再度行なってください。2 段階目に使用 する Forward プライマー(Univ. Primer)の
配列は 8 ページに記載してあります。
→ 2 段階 PCR ではなく 1 段階の PCR をお試しください。その場合は,以下 の Forward プライマーを合成し
使用してください。
5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAGACCACAACGGTTTCC
CTCTAGAAATAATTTTGTTTAACTTTAAGAAGGAGATATACCA-ATG-N 14-20 -3'
PCR の反応 条件が最適 ではない。
→ アニーリング温度,伸 長時間などを再検討してください。
→ DMSO などの添加剤の反応液への添加も効果がある場合 があります。
7-2. PURESYSTEM でのタンパク質合成
・ポジティブコントロール(DHFR)が合成できません。
キットの構成成分が失活 している。
→ キットは-80 °C で保存 してください。また,融解後 の再凍結は避けてください。
ヌクレアーゼが混入している。
→ ヌクレアーゼが混入しないように,手袋,マスクをして実験を行なってください。
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・ポジティブコントロールは合成されますが,目的タンパク質が合 成されません。
テンプレート DNA の配列に誤りがある。
→ テンプレート DNA の配列を確認してください。また,プラスミド DNA を使用する場合,T7 プロモーター
配列,リボソーム結合部 位(SD 配列),転写ターミネーター配列 を含むベクターを使用してください。
テンプレート DNA の純度,濃度が適切 ではない。
→ テンプレート DNA の純度,濃度を確認してください。また,市販のプラスミド DNA 精製キットのなかで,
PURESYSTEM のテンプレート DNA の調製には適さないものが報告されています。詳細は,テクニカル
サポートにお問い合わせください。
ヌクレアーゼが混入している。
→ ヌクレアーゼが混入しないように,手袋,マスクをして実験を行なってください。
転写産物が二次構造を形成して翻 訳されない。
→ 二次構 造を形成しないような変異 を導入してください。もしくは,5'側にタグ配列を導 入してください。
目的のタンパク質(転写産 物)が転写・翻訳反応を阻害している。
→ キットに添付されているポジティブコントロール(Temp. DHFR)を同じ反応液で合成し, DHFR の合成
が阻害されるか確認してください。
・目的タンパク質は合成されますが合 成量が低い。
テンプレート DNA の純度,濃度が適切 ではない。
→ テンプレート DNA の純度,濃度を確認してください。また,市販のプラスミド DNA 精製キットのなかで,
PURESYSTEM のテンプレート DNA の調製には適さないものが報告されています。詳細は,テクニカル
サポートにお問い合わせください。
ヌクレアーゼが混入している。
→ ヌクレアーゼが混入しないように,手袋,マスクをして実験を行なってください。
転写産物が二次構造を形成して翻 訳を抑制している。
→ 二次構 造を形成しないような変異 を導入してください。もしくは,5'側にタグ配列を導 入してください。
・目的タンパク質が合成されますが不 溶化しています。
目的タンパク質が凝集している。
→ 合成時の温度を 37 °C より低い温 度で行なうと,可溶性になる場合があります。
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8. お問い合わせ
技術,製品について不明な点がございましたら,下記までお問い合わせください。
[email protected]
[email protected]をご参照ください。
www.biocomber.co.jp
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