No.91-2006.2.9 - 日本臨床検査専門医会

JACLaP WIRE No.91(2006 年 2 月 9 日号)
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本メールは日本臨床検査専門医会の電子メール新聞 JACLaP WIRE No.91 です。
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=================================≪目次≫=================================
【事務局からお知らせ】会員動向(2006 年 2 月 8 日現在数 686 名, 専門医 505 名)
【Q&A】赤血球恒数の生理的変動の許容範囲について
【WHO トピックス】
○<Press: February 2006, WHO-193>世界がんの日
−世界規模の対策により 2015 年までにがん由来の死亡者を 800 万人減少させる−
【新規保険収載検査】
○淋菌及びクラミジアトラコマチス同時核酸増幅同定精密検査
○プロカルシトニン(PCT)
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【事務局からのお知らせ】
会員動向(2006 年 2 月 8 日現在数 686 名, 専門医 505 名)
【新入会員】
盛田俊介 先生 :東邦大学大森医療センター臨床検査医学
小塚祐司 先生 :三重大学医学部附属病院病理部
五味 淳 先生 :横浜市立大学大学院医学研究科分子病態免疫病理学部門
濱田哲夫 先生 :独立行政法人労働者健康福祉機構九州労災病院検査科・病理科
湯本真人 先生 :東京大学医学部附属病院検査部
西阪 隆 先生 :県立広島病院臨床研究検査科
喜友名正也 先生:中部徳洲会病院臨床検査科病理
【所属・その他変更】
芳野 原 先生 :旧 東邦大学医学部臨床検査医学
新 東邦大学医学部糖尿病・代謝・内分泌科
五十嵐俊彦 先生:旧 新潟県厚生連病理センター病理科
新 長岡中央総合病院検査
小柴賢洋 先生 :旧 神戸大学大学院医学系研究科立証検査医学
(シスメックス)寄附講座
新 兵庫医科大学臨床検査医学 教授
【退会会員】
道林 勉 先生
田中卓二 先生
田嶋基男 先生
:札幌医科大学医学部臨床検査医学
:金沢医科大学腫瘍病理学
:藤間臨床医学研究所
【平成 18∼19 年度役員のお知らせ】
平成 18∼19 年度の新役員をお知らせいたします。(所属・敬称略)
会 長:
森 三樹雄
副会長:
熊谷 俊一、水口 國雄
常任幹事:
庶務・会計幹事
:
佐藤 尚武
情報・出版委員長 :
石 和久
1/6
教育・研修委員長 :
宮地 勇人
会員資格審査委員長:
橋詰 直孝
渉外委員長
:
池田 斉
未来ビジョン委員長:
〆谷 直人
監 事:
玉井 誠一、濱崎 直孝
全国幹事:
市原 清志、一山
智、今福 裕司、大谷 慎一
岡部 英俊、尾崎由基男、小野 順子、北村 聖
小出 典男、犀川 哲典、諏訪部 章、舘田 一博
橋本 琢磨、深津 俊明、藤田 直久、松野 一彦
村上 正巳、保島
実、渡辺 清明、渡辺伸一郎
【今年度会費振り込みのお願い】
すでに会員の先生方には年会費振込用紙をお届けいたしました。
先生のお名前が記入されていますので、勤務先、所属、住所、E-mail address の変更
がありましたら通信欄にご記入をお願いいたします。
【教育セミナー・GLM 教育セミナーのお知らせ】
すでに会員の先生方には教育セミナーの年間予定と、参加申込書をお届けいたしまし
た。
参加を希望される先生は、希望される教育セミナーを参加申込用紙にマークして、事
務局まで FAX でお届けください。
もし、参加希望者の人数が施設の許容範囲を超えた場合には、本年度専門医受験者予
定の方の参加を優先させていただきます。
【勤務先変更・住所変更に伴う事務局への通知について】
最近、勤務先・住所の変更にともなって定期刊行物、JACLaP WIRE などの電子メール
の連絡が着かなくなる会員が多くなっています。
勤務先、住所の変更および E-mail address の変更がありましたら必ず事務局までお知
らせください。
勤務先、住所変更は、できればホームページから会員登録票をダウンロードしてそれ
に記載し FAX 送信していただくか、もしくは E-mail でご連絡ください。
【第 16 回日本臨床検査専門医会春季大会のお知らせ】
第 16 回日本臨床検査専門医会 春季大会が下記の要領で開催されます。奮ってご参加
下さい。
日時:平成 18 年4月 21 日(金)∼22 日(土)
4 月 21 日:特別講演,懇親会
4 月 22 日:シンポジウム,パネルディスカッション
平成 18 年第 2 回全国幹事会・第 3 回常任幹事会
第 27 回日本臨床検査専門医会総会
メインテーマ:臨床検査医学の進歩と専門医の将来
会場:ホテルメトロポリタン高崎
大会長:村上正巳教授(群馬大学大学院医学系研究科 病態検査医学)
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【Q&A】赤血球恒数の生理的変動の許容範囲について
(Q)赤血球恒数の生理的変動の許容範囲はどの程度でしょうか。教えて下さい。
2/6
(神奈川県
臨床検査技師
経験 10 年)
(A)赤血球恒数の生理的変動の許容範囲についての回答
生体の生理学的要因(性、年齢、食事内容、運動、飲酒など)により生ずる赤血球恒
数(平均赤血球容積、平均赤血球ヘモグロビン量、平均赤血球ヘモグロビン濃度)の
変動の許容範囲に関して、参考文献などを検索しましたが、該当するものがありませ
んでした。ただ、私見ですが、健診において個人の検査データを時系列で確認したと
ころ赤血球恒数の変動はほとんど認めず、有意と思われる差を認めたとしても、それ
は病態による変動でした。よって生理的変動の許容範囲を設定するのは困難で臨床的
に有益ではないように思えます。
(獨協医科大学越谷病院臨床検査部
鳥山 満、森 三樹雄)
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【WHO トピックス】世界がんの日−世界規模の対策により 2015 年までにがん由来の死
亡者を 800 万人減少させる−
<Press
February 2006 WHO-193>
がんは主要な死亡原因で、2005 年の死亡者は全世界で年間 760 万人であるが、有
効ながん対策が実施されなければ、10 年後には 8400 万人と大幅に増えると推定されて
いる。WHO はがん死亡者数を 2006 年から 2015 年までに、死亡者数を 800 万人減少させる
計画を立てた。喫煙だけで全世界で年間 150 万人が、がんで死亡している。WHO は世界
がん戦略として、「がん抑制−知識を広めて実行」という本を来年刊行し積極的に広
報活動を行う。世界の全がん死亡者数の 70%以上を低・中所得国が占めているが、そ
の原因はがんに対する予防、診断、治療が不十分なためである。Dr. Gales によれば、
多くの患者はがんを予防や治癒できるはずなのに発見が遅れたり、適切な治療が行わ
れていないために死亡者が増えていると述べている。がん患者の 40%以上は予防でき
るという。がん死亡者の急激な増加は、世界的規模での環境変化、都市化、脂肪・糖・
食塩などの多い食物の摂取、果物・野菜の摂取不足、肥満・喫煙の増加などが原因で
ある。
WHO ではがんを減少させるために 121 か国と喫煙抑制推進の協定を結んでいる。そ
の他、がんを少なくするために食事と運動による対がん戦略や発がん物質への暴露を
減らすなどの対策を発表している。
(獨協医科大学越谷病院臨床検査部
森 三樹雄)
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【平成 18 年 2 月 1 日より適用の新規保険収載検査】 (文責 宮澤 幸久)
■微生物核酸同定・定量検査
○淋菌及びクラミジアトラコマチス同時核酸増幅同定精密検査 (準用先区分 D013
「10」) 区分 E3
保険点数:300 点 定性検査
製品名:アプティマ Combo 2 クラミジア/ゴノレア
製造元:Gen-Probe Incorporated
製造販売元:レビオジェン(株)
発売元:富士レビオ(株)
電話:03-5695-9210
測定方法:核酸増幅法:TMA(Transcription Mediated Amplification)法
検出法:HPA(Hybridization Protection Assay)法及び DKA(Dual Kinetic
Assay)法の組み合わせ
包装単位:Aセット、Bセット 100 回分
結果が出るまでの時間:約 5 時間
自動化:不可
3/6
検体:尿、子宮頚管擦過物又は男性尿道擦過物
クラミジアトラコマチス(chlamydia tracomatis)及び淋菌(Neisseria
gonorrhoeae)は、男性では主に尿道炎、女性では主に子宮頚管炎などを引き起こす性
感染症であり、近年世界的な蔓延が指摘されている。
これまで性器クラミジア感染症及び淋菌感染症の診断は、臨床所見により感染因子を
推定し、クラミジア同定検査又は淋菌同定検査のどちらか一方が実施されている。近
年の淋菌感染症及び性器クラミジア感染症が蔓延している状況下において、ハイリス
ク患者群は淋菌とクラミジアの重複感染の可能性も高い。
本キットは、標的物質のみを特異的に捕捉回収する検体前処理技術である TCS(Target
Capture System)法、RNA を標的とする遺伝子増幅技術である TMA(Transcription
Mediated Amplification)法、そして 2 つの異なる標的物質を同時に分別検出する化学
発光測定技術である HPA(Hybridization Protection Assay)及び DKA(Dual Kinetic
Assay)法の 4 つの技術を組み合わせることにより、1 つの検体から抽出・捕捉・増幅・
検出を 1 つの試験管内で行い、クラミジアトラコマチス及び淋菌を同時に鑑別できる。
本キットの国内臨床試験において、男性尿検体でのクラミジア、淋菌の陽性率はそれ
ぞれ 25.8%、53.8%であり、重複陽性率は 20.5%、このうち、クラミジア陽性例の淋
菌重複感染率は 44.3%、淋菌陽性例のクラミジア重複感染率は 27.6%であった。一方、
女性スワブ検体でのクラミジア、淋菌の陽性率はそれぞれ 67.6%、25.3%であり、重
複陽性率は 8.8%、このうち、クラミジア陽性例の淋菌重複感染率は 11.5%、淋菌陽
性例のクラミジア重複感染率は 27.3%であった。また、臨床診断の結果と遺伝子増幅
検査である本品の判定結果との比較において、臨床症状による診断のみではクラミジ
アまたは淋菌感染を見落とす或いは判断できない可能性のあることが示唆された。な
お、本キットと PCR 法による測定では同等の一致率が得られ、男女共に尿検体とスワ
ブ検体の相関は同等との結果が得られている。
【保険請求上の注意】
ア 淋菌及びクラミジアトラコマチス同時核酸増幅同定精密検査は、区分「D023」
の微生物核酸同定・定量検査に準じ、区分「D026」検体検査判断料の「6」の微
生物学的検査判断料を算定する。ただし、検査料については、区分「D013」肝炎
ウイルス関連検査の「10」に準じて算定できる。
イ 淋菌及びクラミジアトラコマチス同時核酸増幅同定精密検査は、クラミジア・ト
ラコマチス感染症又は淋菌感染症が疑われる患者及びクラミジア・トラコマチスと淋
菌による重複感染が疑われる患者であって、臨床所見、問診、又はその他の検査によっ
ては感染因子の鑑別が困難なものに対して治療法選択のために実施した場合並びにク
ラミジア・トラコマチスと淋菌の重複感染者に対して治療効果判定に実施した場合に
算定できる。ただし、区分「D012」感染症血清反応の「18」の淋菌同定精密検
査、同区分「21」のクラミジアトラコマチス抗原精密測定、区分「D023」微生
物核酸同定・定量検査の「2」の淋菌核酸同定精密検査、クラミジアトラコマチス核
酸同定精密検査、同区分「3」の淋菌核酸増幅同定精密検査、又はクラミジアトラコ
マチス核酸増幅同定検査を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。
ウ 淋菌及びクラミジアトラコマチス同時核酸増幅同定精密検査は、TMA法による
同時増幅法とHPA法及びDKA法による同時検出法により、泌尿器又は生殖器から
の検体による。ただし、男性尿は含み女性尿は含まない。
■血液化学検査
○プロカルシトニン(PCT)
(準用先区分 D007「43」)
保険点数:320 点 定量検査
製品名:ブラームスLUMItestPCT
製造元:B・R・A・H・M・S Aktiengesellshaft
4/6
(E-3)
販売元:和光純薬工業(株)
電話:06-6203-3741
測定方法:免疫化学発光法
包装単位:50 回用(二重測定時)
結果が出るまでの時間:2.5時間
自動化:不可
検体:血清または血漿
同時再現性:12%以下
測定範囲:0.3∼500ng/mL
敗血症(細菌性)鑑別診断のカットオフ値:0.5ng/mL
敗血症(細菌性)重症度判定(severe sepsis と sepsis の鑑別)のカットオフ値:
2.0ng/mL
本品は免疫化学発光法により、血清または血漿中のプロカルシトニンを測定するキッ
トである。抗カタカルシン抗体(マウス)が固定化されたテストチューブに検体(血
清または血漿)とアクリジニウム標識抗カルシトニン抗体(マウス)(標識抗体)を
加え、テストチューブ上に形成された「抗カタカルシン抗体−プロカルシトニン−ア
クリジニウム標識抗カルシトニン抗体」の複合体を、B/F分離後、アクリジニウム
をアルカリ性下で過酸化水素により発光させ、その化学発光量を測定する。
プロカルシトニン(PCT)はカルシウム調節ホルモンであるカルシトニンの前躯体
であり、ホルモン活性は有していない。正常な代謝状態では甲状腺の C 細胞で生成さ
れ、代謝によりホルモン活性を持つカルシトニンとして分泌される。また、正常な状
態では細胞内で分解され血中には放出されず、健常人における血漿中濃度は検出限界
以下である。1993 年 Bohuon らは、敗血症および感染症患者において血中プロカルシト
ニン濃度が上昇することを始めて報告し、その後多数の臨床研究により、細菌感染症
および敗血症患者の血中プロカルシトニン濃度は上昇するが、ウイルス感染や真菌感
染症では上昇しないことが報告された。また、日本国内の臨床研究において、血中プ
ロカルシトニン測定は細菌感染症の鑑別診断および重症評価に有用であることが報告
された。しかし、細菌感染症においてプロカルシトニンが産生される部位については
まだ解明されていない。甲状腺摘出を受けた患者においても重度の感染症では高濃度
のプロカルシトニンが検出されることから、感染症で誘導されるプロカルシトニンは
甲状腺で産生されるものではないと考えられる。最近の研究では、エンドトキシン、
TNF、IL−1,2,6などのサイトカインにより単核白血球からプロカルシトニ
ンのmRNAが誘導されること、エンドトキシンにより肝臓からプロカルシトニンが
産生されることなどが明らかになってきている。現在、細菌感染症の鑑別診断には主
として培養検査が行われているが、この検査は結果報告までに時間がかかり、感染症
に対する治療が遅れることから細菌感染症を迅速に鑑別する診断法が要望されていた。
感染症の疑いのある患者に対し、細菌感染群と細菌非感染群を対象としてエンドトキ
シン検査との比較試験を行った結果では、本検査が有意に優れていることが示された。
また、臓器機能障害・循環障害あるいは血圧低下を伴った severe sepsis 群では、こ
れらの症状を伴わないSIRS患者である sepsis 群に比較し、高い診断効率を示した。
【保険請求上の注意】
ア プロカルシトニン(PCT)は、区分「D007」血液化学検査の「43」に準
じて算定できる。
イ プロカルシトニン(PCT)は、敗血症(細菌性)を疑う患者を対象として測定
した場合に算定できる。ただし、区分「D007」血液化学検査の「43」エンドト
キシン定量検査を併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。
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☆編集:JACLaP WIRE 編集室 編集主幹:満田年宏
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