若年性動揺性高血圧者の運動時の体温 反応に関する研究 - Kyushu

59
若年性動揺性高血圧者の運動時の体温調節
反応に関する研究
〕1奉 li;む 不口 二孝’二*,
ll泰 !ivy]c lf枇 彦*
ノく 州1 ヤ了 」朝*,
小室史恵*
Thermoregulatory Responses During Submaximal Exercise
in Young Labile Hypertensives
Kazutaka FUJISHIMA*, Takehiko FUJINO*
Tetsuro OHGAKI*, and Toshie KOMURO*
The purpose of this study was to observe the characteristics of thermoregulatory
responses during exercise in young labile hypertensives. A young labile hypertension
group (LHG) (n一’6) and the control (CG) (n=;’6) group pedalled a Monark bicycle
ergometer at the work rate of 600 kpm/min for 20 min in the temperate environment.
Tympanic and skin temperatures, heart rate, systolic blood pressure ancl sweating
responses were measuretl of subjects in both groups during the work.
The result is summarizeJ as follov,is:
1. The mean skln temperature during exercise shoNxied ar{ increased rate in LHG than
in CG.
2. The subjects in LHG at rest represented sinus tachycardia in comparison with CG,
but no significant difference was observed in the increases of heart rate during
exercise in both groups.
3. The increased rate of systolic blood pressure during exercise was higher in CG
compared with LHG.
4. The relationship between body temperature (tympanic and mean body temperatures)
and heart rate exhibited a high correlation coefficient in LHG during exercise and
recovery periods,
5, There were no obvious differences between LHG and CG in sweating responses and
heat storage during exercise.
These results seem to sし1ggest that thermoregulatory resporlses during exercise in
hypertensives are qualitatively different t’rom t.hose in normal subjects, and these will
offer interesting insights in a further consideration of exercise therapy in hypertensive.
(Journal of Health Science, Kyushu Uni’versity, 6:59tv65, 1984)
* lnstitute of Health Science, Kyushu University 11, Kasuga s16, Japan
健 康 科 学
60
第6巻
した大学生男子を選択した。その後,3口問連続して
緒 論
iTl/[i三測定し,3口閥とも収縮期血圧が1501nmHg以ヒ
高血圧者における安静時まナこは心理的および汎熱刺
であったもの(6人)を才1年性動揺・1・{癌ifi/圧群(LHG)
激に対すろ循環動態は,正常lnt圧者のそれとは異なる
とした。なお,この被験者に循環器系の精密検査を行
といわれている3}5)8)12)。また運動が高!佃「の治療に有
った結果,2次性高IAV’ilは否定され,さらに高1佃11に
効であろと報告されていろ1>2)7)。本研究は,高lfTl圧者
よる2次性変化も認めなかった。一方,[flL圧異常のな
の運動療法の某礎資誘1斗を得るために,若年性動揺’1’ll高
い健康男子(6人)を正常対照群(CG)とした。両群
lflL).E者と正常ill/治者の運動1}与の体温調節反応の特徴を
の身休的特徴は表1に示した。
比較検討した。
方 法
1.対象
定期健康診断で収縮期血圧が140mmHg以.Eを示
Table 1.
Groups
Phvsical characteristics of subjects
vO2 max SBP N
ml/kg/min mmHg
Age
yr
}lt
Wt
BSA
cm
kg
m2
CG 44.7 114.0 6 18.8 170.2 63.5 1.69
(7.3) (13.4) (O.8) (5.7) (10.6) (O.16)
LILIG 37.3 139.7** 6 20.0 169.1 60.9 1.65
(5.0) (7.3) (1.3) (4.4) (8.1) (O.12)
Values are means (1 SD). CG, control group;LHG, labile hypertension group;N, no.
of sublects;BSA, body stlrface area.**Pく0.01 significantly different from CG・
用し,運動負荷前後のか慧紙の重量差から算出した。発
2.実験方法
被験者は,短パンツだけを着用し,運動負荷前に40
U0/y}l11J, 雪{溢1㌃ (平均⊥.標準/l,1}差) 26.0」 0.70C, ?!ilL
一一一
汗開始Hf澗は, Min・r法9)を旧い説学部皮膚面におい
て“歴然と黒点が認められた時間(+)”で決定した。
心拍数は胸部双極誘導によって連続記録した心電図
度(平均一L標準/l}1{差)641−3%で安静後,同環境条件
から,1分ごとに算出した。血圧は通常のマンセット
下で自転車エルゴメーター(モナーク社製)を川い
を用いて,5分ごとに測定した。
て,600kPm(2kpで50rpm)の運動を20分間行な
った。負荷終了後,負荷前の環境一.ドで10分間安静状態
結 果
を保持した。
1.体温,皮膚温,心拍数および血圧
測定項目は鼓膜抽し皮膚温,発汗量,発汗D融台田f
20分間の運動負荷による2群の鼓膜温,平均皮慮温
闘,収縮期血圧,心拍数とした。鼓膜温(Tty)は外
平均体温,心拍数および収縮期生1旺圧の変動を表2,図
耳孔から2.0∼2.3cmの位置で,また皮膚温は胸, L
腕,大腿および下腿でそれぞれ測定した。三二皮膚温
1および図2に示す。
鼓膜温は,運動[}ll始後, LHGで5分間, CGで8
(’τ「sk)は, Ramanathanli)によるTsk =・ O.3(胸部
分問の潜伏時1}illを経て漸次ヒ回し, LHGでは12分後
温+一L腕部温)+0.2(ノく腿}τ11温+..ド腿下千のを憶い・
から,CGでは16分後から負荷前植よりそれぞれ有意
平均休温(Tb)1ま, HardyとStolwijk 6)によう
にL昇した。LHGおよびCGでの20分問の上昇量
Tb−0.9×Tty+0.1×Tsk からそれぞれ算出した。
は0.67℃および0.53℃であったが,2下間に有意1λ1:
なお,鼓膜温および皮膚温は,多点式サーミスター
がなかった。負荷終了後では,2群とも2.一3分間わ
(エラブ社製)を使用し,1分ごとに測定した。
ずかにヒ比し,その後経時聞に下降したが,負荷終了
全身発汗量は,電子はかり(新光電子礼製,精度L
10分後値は,負荷前値よりそれぞれ有意に高かった。
10g)を川いて,運動負荷前後の休π差から求めた。
平均皮膚温は,2群とも運動開始後4.一一 5分冊の潜
局所発1一「量は,胸部64nヂでOharaiO)の濾紙法を応
時を経て漸次ヒ昇し,LHGでは12分後から, CGで
61
藤島ほか:若年性動揺性高血圧者の運動時の体温調節反応に関する研究
Table 2. Body temperatures (Tty and Tb),
mean skin temperature (Tsk), heart rate
(HR), and s>/stolic blood pressure (SBP) of
37.5
ふ)37・0
groups
A“A,AA“.A,AAAA“A
C Ge
control (CG) and labile hypertension(LHG)
“AA Geeeeeeeeoeeee6;
LHG A
▲ム▲
▲▲▲▲ゐ△▲▲
,g
CG
LHG
司同 36.5
Pre
36.50(O.32)
36.70(O,26)
oC
End
37.03(O.38)*
37.37(O.30)**
Rec
36.97(O.38)*
37.22(O.39)**
Tsk
Pre
33.63(O.38)
33.26(O.84)
・℃
End
35.64(O.40)**
35.90(O.66)***
Rec
34.62(O.54・)**
34.77(1.08)*
Tb
Pre
36.21(O.31)
36.36(O.32)
34
oC
End
36.89(O.36)**
37.22(O.33)**
33
Rec
36.73(O.39)*
36.97(O.45)*
Pre
72.8( 4.3)
End
盗**
136.5(24.8)*** 166.0(13.4)
beats/
1//in
Rec
oeee
ト
Ttv
HR
eeeeeoeeeee
36,0
37
36
x“
C Ge
,bsaae“aSSSiaaaasb
LHGA
35
ii11
6b
e2
e!
eeeoee92VA‘
A
ムムムムム▲▲
92.5(16.4)a
3 7.5
87.3(12.6)*
118.0(20.2) a
SBP
Pre
114.0(13.4)
mmHg
End
163.7(10.1)*** 174.8(19.7)**
Rec
104.8(11.8) 122.0(9.6)’1・i,*
139.7( 7.3)b
C Ge
,P 37.0
ニニ::l13::乙;:;:
LHG A
▲▲ム
ゴ
1ト 36.5
“Ateee
oee
“AA“A
oeeoeoee
36,0
トー一一 exercise
Values are means (tSD). Tty, t.vmpanic
temperature;Tb, mean bocly temperature;
o
5
一一.1.recovery.1
10 15 20
25
30
Time, min
Pre, o min before exercise; End, 20 min
after the start ot’ exercise;Rec, lo min
Fig. 1. Comparison of means of tympanic
after exercise. *P.二〇.05, **Pぐ0.01,
(Tty), mean skin (”1“sk) and mean body (rl“b)
***Pく0.001rエ90m corl’esPo.n〔hng pre−exercise
temperatures during and after submaximal
value. ap・.二:二〇.05, bP・・.〔0.01 sigllificantly
exercise of two groups. CG, control group
different from CG.
(n==r−6) ; LHG, labile hypertension group(n=6).
は9分後から負荷前値よりそれぞれ有意にヒ昇した。
LHGおよびCGでの20分間の土一州は2.64℃およ
2−3分間負荷終了nftt値を維持し,その後経時的に下
び2.010Cであったが,2群問に有意差はなかった。
降した。LHGおよびCGでの負荷終了10分後値は,
負荷終了後では,2群とも負荷終了直後に負荷終了時
負荷前値に比し0.61℃および0.52℃それぞれ高かっ
仙値を維持し,その後経時的に下降した。負荷終了10
たが,2群間に有意差がなかった。
分後値は,2群とも負荷前値より有意に高かった。
心拍数は,負荷開始前値でLHGがCGより有意
平均体温は,運動開始後,LHGで5分聞, CGで7
に多かった(表2)。2群とも運動開始直後に一過性
分聞の潜時を経て漸次..ヒ昇し,LHGでは12分後から,
に増加し,その後径時的にわずかに増加しながらほぼ
CGでは15分後から負荷前回よりそれぞれ有意に..ヒ昇
定常状態を示した。運動中の心拍数は,LHGがCG
した。LHGおよびCGでの20分問の上昇量(.卜昇
より有意に多かった。しかし,LHGおよびCGでの
率)は0.86℃(2.4%)および0.68℃(1.9%)であ
20分閥の増加量(:増力[]率)は74拍/分(79%)および
た。LHGでの上昇はCGに比し大きい傾向を示し
64拍/分(88%)であり,2群間に有意差がなかった。
たが,有意差がなかった。負荷終了後では,2群とも
負荷終了後でもLHGがCGより有意に多かった
62
健 L貰 不斗 £茎
170
160
が,2群とも終了直後に一過性の減少を示し,その後
C Ge
LHGA
ム
経時的にわずかに減少した(図2)。LHGおよびCG
A “
▲▲▲▲ムムム▲
での負荷終了後10分後値は,負荷前値に比し26 1’tl/分
▲▲▲
150
▲
および15拍/分それぞれ多かったが,2群閥に有意差
▲
▲
▲▲
.1 140
D.・・●…●●●・●●・
E
がなかった(表2)。
N 130
・se
● ▲
re
● ▲▲▲▲
り有意に上昇し,その後負荷終了時までほぼ定常状態
▲●
▲▲▲▲
D. 110
を維持した。LHGおよびCGでの20分間の上昇量
e
呈i。。
e
は35mmH:9および50mmHgであり,CGがLHG
より大きい傾向を示した。負荷終了後では,LHGが
e
A
eeeee ? e
CGよりイ了意に高かったが,2鮮とも経時的に下降
o
80
70
収縮期血圧は,2群とも運動開始に伴い負荷前イl!工よ
[email protected]
90
第6.巻
し,終了後5分および10分後値は,負荷前値よりむし
e
ろ低値を示した(図2〕。LHGおよびCGでの負荷
終了10分後仙は,負荷前値に比し18mmHgおよび
m i80
工
E i60
C Ge
LHGA
A
e
A
e
E
一 140
a
co 120
の
A
e
91nmHgそれぞれ低く,LHGがCGより有意に下
A
降した(表2)。
e
2.体温と心拍数との相関
A
e
および表3に示す。
● ●
100
1一
若年性動揺↑二[三高1nL圧群(LHG)および正常対照群
コ
exe「CISe 一一一ゆ1尋reCOvery・月
O 5 10 15 20 25
Time, min
Fig. 2.
運動中および回復期での体温と心拍数の関係を図3
▲
▲
(CG)での運.動中と回復3り1の平均体温と心拍数との
30
開に相関があった(図3)。運動中での2群の鼓膜温
および平均体温は,運動開始6−8分後から負荷終了
Comparison of means of heart rate
(HR) and systolic blood pressure (SBP) during
時まで,心拍数との相関が高かった。回復期での2群
and after submaximal exercise of’ two groups.
の鼓膜温および平均休温は,負荷終了2…3分後から
CG, control group (n===6) ;LHG, labile h−xiper−
心拍数との摂関があり,特にLH:Gで有意に高かった
(表3)。
tension gronp (n ==6).
3 7.5
Ex Rec
CG 一d’ 一’i
しHG △ ▲
AA
A
A tlL
3 7.0
oO
.●
пE
A
A
AA
A
A
e
A
08
e o
A
A
(bo
ロ
o
Ω
1ト・36.5
A
o
o
A
も
A Oo oA
A
A
A A
A AAA
o
o o o oo
3 6.0
80 90 100 110 120 130 140 150 160 170
H R, beatszmin
Fig. 3. Relationship between mean body temperature (Tb) and heart rate (HR) during
exercise (Ex) and recovery period (Rec) of two groups. CG, control group (n=6);
LHG, labile hypertension group (n==6). Data points are average from each subjects.
藤島ほか:若年性動揺性再1鋤田三者の運動時の体温調節反応に関する研究
63
Table 3. Regression coefficient (a) of body temperatures (Tty and
Tb) on heart rate, body temperatures intercept (b), and correlation
coefficient (r) of control (CG) and labile hypertension (LHG) groups
Groups Tin)e, inin
a
SEE
b r
CG
Ex
Rec
8−20 Ttv
6−20 Tb
3−10 Tty
3−10 Tb
6−20 Tty
O.0455
O.0559
29.o,r)
O.47
O.16
0.0824
25.22
0.68**
0.16
0.O134
35 91
O.46
0.06
0.0168
35.41
0.43
0.09
29.83
O.81***
O.13
27.25
O.82***
0.17
0.05
0.07
1.HG
Ex
6−20 rr b
Rec
0.0603
2−io Tty1
0.0144
35.59
O.78*
2−10 Tb
0.0213
34.56
O.78*
Tty, tympanic temperature;Tb, mean body temperature;Ex, ex−
ercise period;Rec, recovery period;SEE, standard error of estimates
of body temperatures. *P〈lo.05, **P(o.ol, ***P〈o.ool.
(CG)での発汗開始時間は,それぞれ8.2分および
3.発汗応答および体熱量
8.7分であり,2暗面に顕著な差がなかった。2群で
運動中での発汗応答および休熱量を表4に示す。
の発汗開始時の鼓膜汕!,平均皮膚温および平均体温
若年性動揺性高[fl甫i群(LHG)および正常対照群
は,負荷前値に比し,いずれも有意差がなく,また2
Table 4. Body temperatures (Tty and Tb), mean skin temperature (Tsk), and heart rate
(HR) at time of sweat onset (TSO) of tvv’o groups. Sweat rate (SR) and heat storage (S) at
the end of 20 min exercise
Groups
CG
TSO
Tty
Tsk
Tb
min
oC
oC
oC
8.7
(2.1)
LHG
8.2
(O.7)
HR
beats/min g/m2/h
g/64cm2/20min W/m2/h
486
O.88
(158)
(O.40)
36.63 34.18 36.27
135.3
(O,27) (O.41) (O,29)
(21.0)
36.80 33.72 36.40
153.8
384
(O.24) (O.92) (O.30)
(11.8)
(6,3)
72,6
(14.1)
1.00
91.2
(O.46)
(12.2)
Values are means (二LSD)。 Tty, tympanic temperature;Tb, mean body temperature;CG,
control group ; LHG, labile hypertension group. g/64cm2 ; sweat rate on chest area.
i群間にも著明な差がなかった(表4)。
汗量は0.SS一一一1.OO g/64㎡/20分であった。全身およ
LHGおよびCGでの発汗開始時の心拍数は,負
び局所発汗量は,2群閣に顕著な差がなかった(表
荷前値に比し61拍/分および63拍/分それぞれ増加し
4 )o
た。発汗開始時の心拍数は,CGに比しLHGで大き
LHGおよびCGでの体熱量は30,4W/㎡/20分お
い傾向を示したが,有意差がなかった(表4)。
よび24.2W/㎡/20分であり,2群閥に有意差がなか
LHGおよびCGでの全身発汗量は1289/㎡/20分
った(表4)。
および162g/㎡/20分であった。また2群での局所発
64
第6巻
健 肩{ 不こレ t’}t:
考 察
安静II与での深部体温がCGに比しLHGで高いこ
とが観察されている5)。 木実験では,運動開始前の鼓
2.安静時でのLHGはCGに比し頻1脈者が多
く,運動時の心拍数の増加率は,両群島に差がなか一・)
た。
3.運動時の収縮期[rlL圧のヒ昇三率ζは, CGがLIIG
膜温がCGよりLHGで高い傾lliJを示した。運動開
に比し大きかった。
始時の鼓膜温および平均体lihLの潜時は, LHGがCG
4.LHGでの運動部ならびに回復期の馬手【’楼父に対
に比しわずかに短く,平均皮膚温のそれは,両群で差
する鼓膜温および平均体温との相関は高か一・た。
がなかった。運動前に対する終了時での平均}雪膚温の
5.発汗応答および熱熱:量は,両平岡に著明な差が
上昇量は,鼓膜温および平均休場のそれに比べて,
なかった。
LHGがCGより大きい傾向を示した (表2)。これ
これらの結果は,高血Ji三者の運動時の体温調節反応
は,体力差ならびに粗野的運動強度の差と解釈するよ
が正常1佃1渚のそれと異なることを示唆し,また高血
りも,むしろ運動時の皮膚血流長㌃や末梢lflL管抵抗など
圧者の運動療法を考/・眞するうえで,興11未ある知見を提
の要囚が考えられる。
供した。
若・年性・動揺↑lk高1f吐導者に頻脈がみられ,これは,
(なお,本研究の要旨は,〔木体育学会第3帥11大会
カテコラミンの心臓作用によろと推測されている4)8)
で発表した。)
12)。木実験では,運動開始前の心拍数がCGに比し
文 献
LHGで多かった(表2)。運動il.1での心拍数の経時
的増加率は,両天の負荷前イ直の差を保持してヒ博し
1) Boyer, J. L. and Kasch, F.: F..xercise
た。これは,運動時の1回拍出量がCGに比しLHG
therapy in hwvpertensive men. JATVIA, 211:
でかなり少ないことを示唆した、,
1668−1671, 1970.
本実験での運動中の収縮期lf[V11は両群で差がなく,
2)Choquette, G. and Ferguson, R. J.:
負荷前に対する運動時のヒ昇率がLHGよりむしろ
Blood press ure reduction in “borderline”
CGで大きかった。このことは,運動H!fの1回拍出量
hypertensives following physical training.
がLHGに比しCGでかなり増たすることを示唆し
C. M. A. Journal, 108:699−703, 1973.
た。
3)藤野武彦,武谷溶,森田ケイ,西山スガ,伊規
木実験では,運動時での心拍数に対する鼓膜温およ
須英輝,山口岡ll:若年性,動揺性it’li血圧症への寒
び平均体温の回帰係数は,それぞれLHGよりCG
冷昇!.[1試験の応川.健康科学,1:75一一 80,1979.
でわずかに大きく,回復期では,1iill群ともほぼ同じで
4)藤野武彦,武谷溶,藤島和孝,森mケイ,宇.部
あった。これらの結果は,両群での運動による体温ヒ
宮弘子:若年’性,動揺性高血圧者の血行動態に対
昇を心拍数から推定できることを示唆した。
する寒冷刺激とβ一一遮断剤の効果.健康科学,
本実験では,発IT二開始は両πβとも鼓膜温,平一均皮膚
3 :115一一120, 1981.
温および平均体温の有意な.ヒ昇を伴わなかった。発汗
5)藤島和孝,藤野武彦,宇都宮弘子,西山スガ,
開始時の心拍数は,下緒とも負荷前値よりイ∫意に増大
武谷溶:末梢冷去国{ll激の体温調節レこ応ならびに心
したが,その増加量は両手閥に差がなかった。
臓管反応に及ぼす影響,健康科学,2:17−23,
木実験では,発汗量はLHGよりCGがわずかに
多く,休熱量はCGよりLHGがやや大きい傾向を
1980.
示したが,いずれも顕著な差がなかった。
Partitional calorimetric studies of man
要 約
6) Hardy, J. D. and Stolwijk, J. A. J.:
during exposures to thermal transients.
J. Appl. Physiol., 21:1799−1806, 1966.
才∵・年性動揺M三高血圧群(LHG)と正常対照群 (CG
7)片岡幸雄,生山匡,和田光明,佐野裕司,小山
について,常温環境下で自転車エルゴメーターを川い
内博:身体トレーニングが高血圧症の改善に及ぼ
て,強度600kpm/minの運動負荷を行なった。その
す効果に関する研究.体力研究,36:52−66,
結果,次のような知見を得た。
1977.
1.運動時の平均皮膚IIIlllのト冒.率は, LHGがCG
8)森mケイ,武谷溶,藤野武彦,西山スガ,山[
に比し大きい傾向を示した。
剛:若年性,動揺性高血圧症への1己側!学的アプロ
藤島ほか:若年性動揺性高血圧者の運動時の体温.調節反応に関する研究
65
一チ.健康科学,1:69−73,1979.
ID Ramanathan, N. L.: A new weighting
9)緒方維弘:体温とその調節,生理学大系IV−1.
system for rnean surface temperature of
医学書院.東京.1970,678.
the human body. J. Appl. Physiol. 19:
10) Ohara, K,: Chloride concentration in
531−533, 1964.
sweat:Its individual, regional, seasonal
12)山口剛,武谷溶,藤野武彦,宇都宮弘子:若年
and some other variations and interrela−
性動揺性高血圧と測定状況の影響.健康科学,1:
tions betvv’een them. Jap. J. Physiol., 16:
89−96, 1979.
274−290, 1966.