経営の危機管理の基本はBCP(事業継続計画)にあり - 株式会社

平成19年7月18日(2007.07.18)
第043号
Information
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Report
&
Vol.2007-07
2007.07.18
【ちょっと歳時記】
◆「事業継続計画」で大切なことは…
①BCPは、最大の災害被害を想定し た
計画を立てておくこと。
⑥災害発生時における経営者の意志決定、
情報の収集、判断、指令方法などの 重
要性を平常時に訓練しておくこと…。
③ 事業を継続するのに必要なラ インな ど
の復旧に必要な資材とその調達日数 な
どを確認しておく。
④ 各部門ごとに生命線となる業 務の継 続
を検討しておく。
⑤ 原材料等の調達が制限された ときで も
継続できる事業を想定しておく。
⑥調達品などの取引先との意見交換と 事
前の準備をしておく。
などが求められてきます。
災害には平時には想像がつかないよ う
な混乱が起きてしまいますが、こんな 時
にこそ企業経営に不可欠な「人」「物 」
「金」の三要素が、想定の範囲内でし っ
かりと確保できていることが大切です。
「事業継続計画」には、復旧のための
バックアップ体制の整備だけでなくて 、
「人命の安全性」
「二次災害の発生防止」
「地域社会との共生」
なってしまったとき、どのようにして 平
常時のようにしたら復旧できるかとい う
ようなバックアップシステムは、工場 管
理者としては当然考えておかなければ な
らないことなのです。しかも、最小の コ
ストで、最短の時間に、平常時の稼働 効
率まで復旧させることが使命であると 認
識しておかなければなりません。
七月も半ばを過ぎたというのに、夜の散歩に
出るときは長袖のシャツに着替えないと風邪を
引きそうなほどの涼しさです。霧のようなシト
シト雨はゆるやかに吹く風に舞って傘の中の胸
元までも濡らしてしまいます。子供の頃の梅雨
時の部屋の中での遊びは、ヤツデの葉の上にい
たカタツムリを捕ってきて斜めにしたちゃぶ台
の上を歩かせて、カタツムリのレースをさせた
りしていたものです。いまにして思うことは、
テレビもなければゲームもない時代のこと、何
とものんびりとした時代だったことでしょうか。
カタツムリのレースに飽きると、近くの田ん
ぼに出かけて、ようやく尾がとれた十㎜ほどの
カエルを掌に乗せて遊んだものです。雨上りに
は遠くで蝉が鳴き始めます。 ( 細野 )
「新潟県中越沖地震」により、被 災し
た工場の生産が止まり日本の殆どの 自動
メーカーの生産ラインが停止する事 態に
なってしまいました。
地震大国である日本の企業経営者 が、
火災や地震などの発生に対する備え につ
いてどの程度まで取り組んでいるだ ろか。
地震や火災による災害発生によっ てダ
メージを受けた後、企業がそのまま 事業
継続していけるか、継続できずにそ のま
ま倒産していくのか…。
その会社の事業が継続していく為 に必
要なのは、平時における「事業継続計画」
BCP/
で
はないでしょうか。
今までは単に防災対策としての組 織で
あったものが、防御できない災害等 の事
態が発生した際に、いかに短期間で 災害
が発生する前の状態にまで事業を復 帰さ
せられるような備えがあるかが問題となっ
てきます。
災害の発生により、取引先との利 害関
係に支障が起きたり、重要な顧客が 他社
へ流れてしまったり、それによって、マー
ケットにおける自社のシェアが激減 した
り、内部統制のトラブルにより企業 とし
ての社会的評価が低下するなど…の 多く
の課題からいかにして会社を守って いく
かが経営者の大切な戦略のひとつと して
要求される時代になってきました。
例えば、地震により工場が半壊し てし
まい、生産設備が損壊したて稼働し なく
◆危機管理 の基本 は「事 業継続計画」
R.F.C
経営の危機管理の基本はBCP(事業継続計画)にあり
についても必要不可欠なことになります。
大手企業が本格的にBCPに取り 組み
はじめたということは、大手企業の 一翼
を担っている中小企業に対しても、 連携
してBCPに取り組む中小企業との 取引
を求めていることは言うまでもない。
また、中小企業経営者は、大手企 業と
の取引の有無にかかわらず、独立し た企
業としての生き残り戦略としての「 事業
継続計画」を立てておかなければなりま
せん。
それには、財務、製造、営業、管 理な
どの従前からの「部門の事務分掌」 のほ
かに、各部門を包括するような「情 報の
共有化」と「訓練体制」を作り上げ てお
かなければ、突然発生する災害に即 座に
対応することさえ出来ません。
そういった意味では、「BCP」 は経
営の根幹となって来ることでしょう。
何度も繰り返し、暫時効果的にレベルアッ
プしていかなければなりません。
不測の事態が発生したときなどは格 好
の見直しのチャンスであり、より高度 の
BCPを構築することができるでしょう。
BCPはリスク管理の中でも経営の 根
幹に関わる重要なテーマとして中小企 業
経営者が避けて通ることの出来ないも の
だといえます。
いつ発生するか分からない災害に 対し
「うちの会社は地震保険に入ってい る
て何処まで真剣に取り組むかは経営 者の
から大丈夫…!」というの大きな誤り で
考え方によって大きく異なってくる こと
あることを認識して欲しいものです。
でしょう。
保険金により災害復旧が出来ても、 必
不幸にして災害が発生し企業の事 業が
ずしも事業が継続できるとは限りません。
停止したときに、その停止期間がど の程
地震大国なのに、多くの中小企業経 営
度までなら企業として耐えられるか 、復
者は地震災害に対しては「建物」や「 人
旧までの停止期間とその間の経済的 損失
命」についての危機感は誰もが考えて い
をシミュレーションしておく必要が あり
ると思いますが、災害などの際に、事 業
ます。
継続が可能か否かについて正面から取 り
当然のことながら売上減少、利益 の減
組んでいる経営者は、残念ながらまだ ま
少などにより資金繰りにも大きな影 響が
だ少ないと考えられます。
出てくることでしょうし、取引先に 納入
特に中小企業では経営者の家族、社 員
できないことから賠償責任を負わな けれ
の家族が恐怖やストレスにより精神的 パ
ばならない事態も想定されます。
ニック状態になったときに、どのよう に
復旧が長引けば社員の士気にも影 響し
したら社員や家族の一人一人の心のケ ア
てきますし、社会的な風評などはジ ワジ
をしてあげられるかによって、会社の 事
ワと影響がでてきて、事業継続どこ ろか
業継続にも大きく影響してきます。
再起さえ出来なくなることも考えら れま
心の問題は、「BCP」の作成にお い
す。
て具体的に見えてこない問題であるだ け
「事業継続計画」をつくるための 手順
に平時からのコミュニケーションが大 切
を出来るだけ具体的なものにしてお きま
になってくるのではないでしょうか。
す。
①情報収集 ②基本方針を決定する こと
もはや「事業継続計画」は大手企業 の
③推進プロジェクトを立ち上げるこ と。
ためのものではなく、中小企業経営者 に
④推進プロジェクトで計画の立案をする。 とって「転ばぬ先の杖」としていただき、
⑤事業にどれだけ影響するかのシミュレー
災害の発生によって会社が消えていく よ
ション作成。 ⑥経営戦略としての 「事
うなことにならないためには、経営者 の
業継続計画」 BCP を決定する。
気づきと決断が必要です。
まずは…聞き慣れない「BCP」に 関
する情報収集から…と、小さな一歩か ら
始めてみてはいかがでしょう。
◆心のケア が事 業継続の力になる…
愛称は「ハンカチノ花」真っ白な
ハンカチのように見える大きな額
の真ん中に、細くラッパのように
伸びた黄色い花。コンロンカ(崑
崙花)と呼ばれ「ホワイトエンジェ
ル」や「サマーポインセチア」の
愛称もあります。
(
)
そして、作成した「BCP」を形 骸化
したままにせず、「P↓D↓C↓A 」を
(
)
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第043号
平成19年7月18日(2007.07.18)
私が洪水を初めて体験したのは昭和34年(1959年)
の伊勢湾台風の時でした。9月26日に東海地方を襲った伊
勢湾台風は、最大風速45.7メートル、最高潮位4メート
ル近くにも達したといわれているものでした。海岸堤防の超
える高潮による被害と、河川の堤防の決壊による被害は名古
屋市周辺のみならず本州を縦断により東京にも多くの被害を
もたらしました。
私が中学2年生の頃でした
その時、私たち一家は父が友人の連帯保証人となったこと
が原因で自宅を追い出され、東京の板橋区大谷口にある小さ
なアパートに住むことになって間もなくのことでした。
大谷口という地名のとおり、高台には大きな病院があり、
その下をゆるやかに蛇行しながら流れる石神井川の周辺には、
水田と野菜畑が広がり、家の近くには3軒の乳牛を飼育する
牧場があるようなのどかな田園地帯でした。
リスク・カウンセラー奮闘記 ・
●洪水の脅威と水害に備えた両親の知恵
パートの前に置いてあった3間ほどの長さの大きな梁が
フカフカと浮いているのです。5~6本の梁は子供たち
の格好の遊び場でしたが、普段はビクともしないような
大きな材木がいとも簡単に浮いてしまうことに驚きと興
味をもって見ていました。
窓際に流れてきた大きな梁にまたがり、トムソーヤ気
分になって竹竿を櫂にして遊んでいたら
「この水はどんなバイ菌がいるか分からないのだから
すぐに止めなさい…」母親にひどく怒られたことを思い
出します。
●台風一過の復旧作業の手際の良さは…
ひどかった雨が小康状態になった頃、自衛隊が組み立
て式の大きなボートに救援物資を乗せて運んできてくれ
ました。チクチクするようなカーキ色の毛布と乾パンが
38 配られたことを覚えています。被災者だったんだな~と
いう寂しい気持ちと何かを貰える…という子供ならでは
の嬉しさのような気持ちが入り交じっていました。
子供の頃に親から良く聞かされていた「夏休みが終わり二学
台風が過ぎ去り少し落ち着いた頃、大きな子供達にはホウキ
期が始まる頃にあたる二百十日~二百二十日には台風が多い」
と、いつ作ったのか篠竹を束ねたホウキの代用品が手渡され、
とされていましたが、二百十日を過ぎてやってきたのが「伊勢
再び号令が下されました。
湾台風」でした。
「いいか…、この水は泥水だから、水が引くときに一気に泥水
を外に掃き出さないと後が大変だからね…」
当時は、ラジオのニュースだけが便りでしたから、絶えずニュー
親と一緒に泥水を外に掃き出し、親がトイレの清掃を始めた
スに耳を傾け安普請のアパートの屋根やトタン張りの外壁が飛
ときになってようやく、和便器に蓋をして石の重しを乗せたわ
んでしまうのではないかと思うほどの強風の中、両親が絶えず
けが分かりました。
気にしていたのが近くを流れる石神井川の水位のことでした。
父は強風と豪雨の中をランニングシャツのまま石神井川まで
台風一過の数日後、床が乾くのを待って畳を敷き直し、家具
走って行き、30分おきぐらいに水位を確認していましたが、
を元の位置に戻し再びいつもの生活に戻りましたが、土壁は流
「とうとう石神井川の流れが土手沿いの道から溢れ出したぞ~」
れ落ちているのが、台風の傷跡をいつまでも残していました。
と飛んで帰ってきました。
何人かの友人の家は、1階の天井までスッポリ水に浸かって
母親から子供たちに号令が下されました。
しまい気の毒なことになっていましたが、
「子供たちは、いまのうちに便所に行っておきなさい。」
「自分の家でなかったのも幸いだったね…」と母親が言って
「便所を使ったら必ず蓋を被せて、蓋の上にこの石を乗せてお
いた言葉が、今でも耳に残っています。
きなさい。」(当時のトイレは和便器の汲み取り式で、便器の
穴に合わせた木製の蓋がおいてありました。)
近年でも、東京の目黒川や神田川が氾濫したりして大騒ぎになっ
「いまから家の中を歩くときは靴を履いて歩きなさい。」
ている光景をニュースなどで目にしますが、もっと自然の摂理
「怪我をしないように注意しなさい。傷口はすぐに消毒して…」
を学んでいれば、住宅や工場、事務所などの建築にも災害に備
「水が溢れ始めたら水位が上がるのはあっと言う間だから、今
えた建物を造るという考えが生まれてくるはずなのに…。
のうちに濡れて困るものは2階のお宅に預かって貰うから…」
「川の水は必ず氾濫することがあり得る」ことを知っていれば、
矢継ぎ早に両親からの号令が飛んできます。
万一のリスクにも備えることが出来るはずです。
それから子供たちによるリレー運びの始まりです。
押入からは布団、タンスは衣類が入ったまま抽斗ごと運び…、
お米、食料、ぬかみそ漬けの樽、残されたタンス本体の上には
畳を上げて積み上げていました。
濡れては困るような物はおおかた運び終わった頃にはアパー
トの玄関の敷居の淵までヒタヒタと水が押し寄せてきていまし
た。
それから数十分のうちに洪水は押入の中段の高さギリギリに
まで達していて、ほんとうにあっと言う間に水位が上昇してア
「水は方円の器に従う」ということばのとおり、水は
必ずしも上流から流れてくると限らないこと、そして
どんな小さな隙間にも入り込んでいくのですから、ど
んなに優れたIT機器も水の威力には適わないことを
知っておくべきだと痛感しています。
◆=◆=リスクカウンセラー・四方八方巷談=◆=◆
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http://risk-counselor.seesaa.net/
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◇発行者
◇責任者
◇連絡先
台風一過の空にはまるで秋を思わせるような雲が湧いています。
大きな木立の隙間を横切る雲を眺めていると…梢を飛び交い公
園に響きわたる小鳥たちの鳴き声が聞こえてきます。
株式会社ホロニックス総研
〒 113-0033 東 京 都 文 京 区 本 郷 1-35-12 か ん だ ビ ル 7 階
代 表 取 締 役 ăリ ス ク カ ウ ン セ ラ ー 細 野 孟 士 ( t-hosono@holonics.gr.jp )
http://www.holonics.gr.jp
Phone(03)5684-0021 Fax.(03)5684-0031
-----------------------------------------------------------------------------(英:Holonic)全体(ホロス)と個(オン)の合成語。すなわち組織と個人が有機的に結びつき全体も個人も生かすような形態を
言う。生物は個々の組織が自主的に活動すると同時に独自の機能を発揮する一方でそうした個が調和して全体を構成する(小学館「カタカナ語の事典」より)