特定天井の接合部の試験・評価について - 一般財団法人日本建築総合

テーマ解説
特定天井の接合部の試験・評価について
構造部 構造試験室
1. はじめに
者機関として中立性の高い立場で試験を行っています。
平成23年3月11日に発生した東日本大震災において、
本報では、特定天井の接合部の試験・評価の方法につ
多数の建築物の天井が脱落し、人的・物的被害が発生し
いて注意事項を含めて概説します。
ました。そのため、脱落によって重大な危害を生ずる恐
れがある特定天井(6m超の高さにある、水平投影面積
2. 特定天井の構造方法
が200m 超、単位面積質量2kg/m 超の吊り天井で、人
2. 1 天井の構成
が日常利用する場所に設置されるもの)については、建
図-1に在来工法による吊り天井の一般的な構成を示し
築基準法施行令に基づいて構造耐力上の安全性の確保を
ます。吊り天井の天井面構成部材は、構造耐力上主要な
明確に義務づける技術基準 (以下、
“告示”と称します。)
部分等から吊り下げられた吊り材(吊りボルト、ハンガ
が新たに定められました。
ー)を介して取り付けられます。天井面構成部材は、天
構造耐力上安全であることを構造計算によって確かめ
井板、天井下地材(野縁、野縁受け)及び野縁と野縁受
る場合には、天井材の許容耐力が必要であり、当該数値
けを留めつける附属金物(クリップ)で構成されていま
は繰返し載荷試験その他の試験又は計算によって確認す
す。また、斜め部材は、天井に生じる水平力を構造耐力
ることとなっています。
上主要な部分等に伝達させるために設置します。
特定天井の試験・評価は、現状ではメーカーによる自
2. 2 特定天井の検証ルート
社試験などで実施可能とされていますが、当法人は第三
図-2に新築の建築物における特定天井の検証ルートを
2
2
1)
記します。建築基準法施行令第39条第3項及び告示には、
仕様ルート、計算ルート、大臣認定ルートの3種類の検
証ルートが示されています。
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2)
図-1 在来工法による吊り天井の一般的な構成
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ド
図-2 新築の建築物における特定天井の検証ルート
25
GBRC Vol.39 No.3 2014.7
2. 3 特定天井の仕様規定
図-3に仕様ルートにおける技
術基準の概要を示します。構造
耐力上安全な天井の構造方法と
して、一定の仕様に適合するも
の(仕様ルート)では天井面構
成部材等の単位面積質量、吊り
材及び斜め部材の配置方法など
が規定されています。
また、天井材は、相互に緊結
し、荷重又は外力により、容易
に滑り、外れ、損傷を生じない
ことが求められています。吊り
天井における天井材相互の接合
(国土交通省HP 3)
図-3 仕様ルートにおける技術基準の概要
方法を表-1に示します。同表に
は接合部の緊結状態を確保できる性能と確認方法を記し
表-1 天井材相互の接合方法
ました。仕様ルートで設計する場合の天井材は、ボルト
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接合、ねじ接合その他これらに類する接合方法により部
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材相互を緊結することとなっています。
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クリップ、ハンガー及び斜め部材の接合部などは、次
章で示す試験・評価に基づく方法で性能を確認し、その
値を示す必要があります。
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3. 試験・評価
本章では、「建築物における天井脱落対策に係る技術
表-2 天井材の試験・評価の概要
基準の解説2)(平成25年10月)国土交通省国土技術政策
ヨ㦂య䛾✀㢮
総合研究所」(以下、“技術基準の解説”と称します。)
に記されている天井材の試験・評価の方法と共に注意点
㒊ᮦ
༢య
を記し、新たな評価方法を示しています。
表-2に天井材の試験・評価の概要を示します。試験体
は、実況どおりに組み合わせた仕様毎に作成し、それぞ
れ試験を行います。
特定天井の構造方法が、仕様ルートにおける技術基準
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-
に一部適合しない場合は、計算ルートにより構造耐力上
安全な構造方法であることを確かめることができます。
リップ接合部の試験状況を示します。クリップ接合部の
接合部の試験結果は、仕様ルートにおける当該接合部の
試験では野縁、クリップ及び野縁受けから構成される接
「緊結」の判断や許容耐力の評価、計算ルートで用いら
合部が対象となります。
れる許容耐力や剛性の評価に用いられます。
試験体は、製品の実況どおりに接合する組合せ仕様に
3. 1 接合部の試験方法
基づき作製し、試験に用います。クリップ接合部の試験
天井材の接合部の試験では、許容耐力や剛性を得るた
は、野縁と野縁受けの引張方向、圧縮方向、水平方向(せ
めに、天井材の損傷又は接合部分の滑り若しくは外れが
ん断方向:正及び負の各方向)について加力を行います。
生ずる耐力(損傷耐力)を求めます。
試験体数は加力方向ごと及び腹掛け、背掛けごとに、そ
(1)クリップ接合部の試験
れぞれ3体以上とします。
図-4にクリップ接合部の試験装置を示し、写真-1にク
試験では、最大耐力が得られるまで荷重と変形を計測
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GBRC Vol.39 No.3 2014.7
します。水平方向試験では、正及び負各々
電動ジャッキ
電動ジャッキ
20kNロードセル
20kN
ロードセル
の一方向加力の結果に基づいて正負繰返し
試験を1体以上行います。
(2)斜め部材上端接合部の試験
写真-2に斜め部材上端接合部の試験状況
加力治具
を示します。斜め部材上端接合部の試験で
加力治具
は、吊りボルト及び斜め部材の上端から構
変位計1
変位計2
試験体(野縁)
変位計3
変位計4(3)
変位計4
試験体
試験体(クリップ)(野縁受け)
試験体(野縁受け)
試験体
鋼製支持土台 (クリップ)
シャコ万力
振れ止め
ローラー
成される接合部が対象となります。
変位計2(1)
試験体は、吊りボルトに取りつく斜め部
試験体
(野縁)
材の角度及び位置を実況どおりに取り付け
たものとします。一方向の試験では斜め部
鋼製
支持土台
材の軸方向に引張方向(正)及び圧縮方向
(負)に加力を行います。試験体数は各方
向3体以上とし、さらに正負の繰返し試験
振れ止め
ローラー
を1体以上行います。
3. 2 接合部の荷重変形曲線の評価
(1)接合部の損傷耐力Pdの評価例
図-4 クリップ接合部の試験装置(水平方向)
損傷耐力P dは、告示に「天井材の損傷又は接合部分
の滑り若しくは外れが生ずる力に対する耐力をいう。」
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㔝⦕
と規定されています。技術基準の解説には、図-5に示す
一方向加力試験の結果から損傷耐力を設定する方法が一
例として示されています。
(a)は最大耐力に達する前に非線形な挙動が進行する
場合の荷重変形曲線に対する設定例です。荷重変形曲線
㔝⦕ཷࡅ
ࢡࣜࢵࣉ
に基づき、原点を通り初期剛性Kを持つ直線Ⅰと荷重変
形曲線に接するK/3の傾きをもつ直線Ⅱの交点の荷重を
損傷耐力Pdとする方法です。初期剛性Kを用いて評価を
する場合には、初期剛性Kの取り方によって損傷耐力P d
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写真-1 クリップ接合部の試験状況
が大きく変化します。
(b)は最大耐力に達するまで、あるいは明瞭な滑りが
生じるまで弾性剛性を保持する場合の例で、図中の丸印
が損傷耐力Pdに相当する点です。
Ⲵ㔜ࡢ᪉ྥ
ᩳࡵ㒊ᮦ
特定天井の接合部は、施工性への配慮から簡易な接合
形態のものが多く、逆に抵抗機構は複雑となっています。
その結果として図-5に示される荷重変形曲線とは異なる
複雑な荷重変形曲線となる場合があります。
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┤⥺Ϩ
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K/3
Pd
0
K
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țPmax
(a)㠀⥺ᙧ࡞ᣲືࡀ㐍⾜
写真-2 斜め部材上端接合部の試験状況
K
0
ኚᙧ
d
(b)⁥ࡾ࡟ࡼࡾኚᙧࡀ㐍⾜
2)
図-5 損傷耐力Pdの設定方法(技術基準の解説 )
27
GBRC Vol.39 No.3 2014.7
技術基準の解説では、一方向加力試験に加えて繰返し
Da= ⁄
加力試験を実施することとなっています。繰返し加力試
ここで、
、
験では、一方向加力の試験結果から求めた制御変形の基
:一方向加
力試験の
のPdの変位δd
準値D aを用いて、図-6に示すように±0.5D a、±1.0D a
の 平 均 値 (mm) 、 a :
及び±1.5D aの各変形段階で3回以上繰り返します。試
Daの設定に用いる1.5
験の目的は、繰返し加力試験の結果が一方向加力試験の
以上の数
数値
結果と概ね同等であることを確認することです。繰返し
図-6 繰返し載荷履歴
加力試験の結果が一方向加力試験の結果と概ね同等であ
ると判断されると、損傷耐力を確定することができます。
荷
荷重P
荷重P
Pmax
Pmaax
(2)荷重-変形曲線の多様な例
破壊形式が複雑な天井の接合部について、一方向加力
試験の結果から得られる荷重変形曲線の多様な例を図-7
に示します。
図(a)は最大耐力に達する前に非線形な挙動が進行し
ています。図(b)は最大耐力に達する直前まで荷重変形
曲線は線形的です。いずれも、滑りは生じていません。
変形
変形
0
P
Pmax
(a) 非線形な挙動
動が進行
荷重P
0
P
Pmax
(b)) 最大耐力まで曲
曲線が線形に進行
荷
荷重P
Pmax
Pmaax
図(c) ~図(f)は変形のモードが変化する例を示し、
図中の●は局所的に剛性が大きく変化する点を示しま
す。図(c)は剛性が加力初期の時点と比べ徐々に低下し
た後に、再び増加しています。図(d)は加力途中に滑り
が見られたのちに、再び剛性が増加する性状を示します。
図(e)は載荷直後に剛性が局所的に変化し、初期に小規
模な滑りが見られたのちに剛性が増加しています。図
変形
変形
0
Pmax
0
Pmax
(c)剛性が低下した後に再
再び剛性が増加 (d)滑りが見られ
れ再び剛性が増加
荷重P
荷
荷重P
Pmax
(f)は、初期の滑りにより耐力が小さい状態で変形が進
行しています。図(c) ~図(e)の例では、変形のモード
が変化する●点の荷重は試験体によって差がある場合が
多く、これらの変形モードの変化が初期剛性に基づいて
損傷耐力を求めることを困難にしています。
変形
0
Pmax
(
(e)初期に局所的
的に滑る Pmaax
0
変形
Pmax
(ff)初期の滑りによ
より変形が進行
図-7 荷重変形曲線の多様な例
許容耐力は、試験体3体以上の損傷耐力の平均値を基
に算出しますが、3体の試験結果のばらつきが大きいも
のについては、ばらつきを考慮した耐力評価、接合部と
しての適否の検討が必要になるものもあります。
の方法では評価者の恣意的な判断がほぼ含まれないと考
また、正負で剛性や損傷耐力が大きく異なる場合も、
えられます。
同様の配慮が必要です。
(1)損傷耐力Pdの設定
3. 3 損傷耐力Pd、許容耐力Paの計算方法の一例
損傷耐力Pdの計算フローを図-8に示します。Pdは、最
3.2(2)に示すように天井材の接合部の荷重変形曲線は
大耐力P maxにαd及びαvを乗じて計算します。ここで、
多様であり、特に剛性にばらつきが見られます。そのた
αdは≦2/3程度とし、低減係数αvによって各試験体の
め接合部の耐力を剛性の変化から評価する方法では初期
最大耐力P maxのばらつきを考慮します。なお、試験体
剛性の評価値が一定せず、損傷耐力が大きくばらつく傾
の変形が所定の変形(天井材と壁との隙間60mmを勘案
向が見られます。
した適切な値以下の変形)を超えても最大耐力に達しな
そこで、当法人では損傷耐力P d及び許容耐力P aを算
い場合は所定の変形の荷重を最大耐力Pmaxとします。
定する方法の一例として、比較的ばらつきの少ない最大
(2)Pd時の変形δdの制限
耐力P maxを基に定め、加えて損傷耐力P d時の変形δdの
図-2に示すように特定天井の検証ルートでは、稀な地
大きさで制限を加える以下の方法を提案しています。こ
震動の発生時(中地震時)に天井が損傷しないことを検
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GBRC Vol.39 No.3 2014.7
証します。加えて、損
検討開始
傷耐力時の天井の脱落
を防止するため、損傷
壁などに衝突しないよ
う接合部一か所あたり
の 変 形 δdの 制 限 δda
δdaを超える場合には
P dを 適 切 に 低 減 し ま
容耐力Pa経験後の残留
図-9 載荷履歴
OK
繰返し試験
無
す。 こ の 変 形 δdの 制
限によって間接的に許
NG
δd≦ δda
Pdを低減
を 設 け、 δdが 制 限
Pdを低減
Pdおよびδdの計算
Pd=αv・ αd・ Pmax
αd≦ 2/3
αv: ばらつきによる低減率
耐 力P d時 に 天 井 材 が
有
NG
変形δarを制限するこ
図-10 耐力劣化の評価方法
4. まとめ
本報では、特定天井の接合部の試験・評価について概
説しました。
繰返し試験
による耐力低
下が無いこと
とになります。
OK
(3)繰返し試験結果の
Paの計算
Pa=αa・
αa≦ 2/3
評価
技術基準の解説に例
示される繰返し加力試
特定天井の接合部は、試験結果の剛性のばらつきが大
きく剛性の評価が困難となる場合が数多く見られます。
そこで、損傷耐力P d及び許容耐力P aを定める手続きの
一例として、変形の制限に配慮しつつ最大耐力Pmaxから
定める算定方法を提示しました。この方法によれば、評
価者によらず一定の結果(耐力値)に到達できるので、
信頼性の高いデータが得られるものと考えています。
験方法では、一方向加
Pd ,Pa 決定
本報では天井全体の評価方法については述べていませ
力試験により求めた損
図-8 耐力計算のフロー
んが、斜め部材では、端部接合部の耐力到達以前に座屈
傷耐力時の変形を基に
の発生なども考えられます。設計する場合は、接合部の
繰返し載荷を行うため、試験体にばらつきがあり当該試
試験結果だけでなく天井ユニットでの試験結果も併せて
験体の剛性が低い場合には、繰返し加力による耐力劣化
評価する必要があります。
以前に不可となることがあります。
そこで当法人では、図-9に示す載荷履歴で繰返し載荷
試験を行う提案をしています。繰返し載荷はP dの平均
—
—
— —
荷重P dを基に各荷重レベル(1/3P d、2/3P d、P d)で各3
回繰り返します。1回目の繰返しでは荷重が各荷重レベ
ルに達するまで変形させ、その1回目の変形δcを繰返し
の目標変形とします。2回目と3回目は1回目の変形δcを
目標に変形させます。
図-10に繰返し加力による耐力劣化の評価方法を示し
—
ます。耐力劣化の評価では、荷重が P dとなる荷重レベ
ルにおいて、2回目と3回目の繰返しで大きな荷重の低
【参考文献】
1)平成25年国土交通省告示第771号:特定天井及び特定天井の
構造耐力上安全な構造方法を定める件
2)国土交通省国土技術政策総合研究所、独立行政法人建築研
究所、一般社団法人新・建築士制度普及協会:「建築物にお
ける天井脱落対策に係わる技術基準の解説」(平成25年10
月)
3)国土交通省ホームページ:建築基準法施行令の一部を改正
する政令について(平成26年4月施行)
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_
house_fr_000053.html.:5.その他 参考資料
下が生じないことを確認します。
【お問い合わせ先】
(4)許容耐力Paの設定
(一財)日本建築総合試験所
試験研究センター 構造部 構造試験室
〒565-0873 吹田市藤白台5-8-1
TEL:06-6834-7913(直) FAX:06-6834-1230(直)
許容耐力P aは、一方向加力試験で得られた損傷耐力
—
Pdの平均値Pdにαa≦2/3を乗じ計算します。
URL:http://www.gbrc.or.jp E-mail:kozo@gbrc.or.jp
29