Yoko Matsumoto - hino gallery

Yoko Matsumoto
Drawings - Regarding Living Beings
10 May - 29 May, 2010
国立新美術館で開催された展覧会「光」での松本陽子のドローイングはどこか
別世界へと通じる扉のようであった。同じ感想を持っていた山本美鈴(hino gallery)
は素描を中心に見せる個展を企画し、これを受けた作家は、昨秋から今春にかけ
て全紙判木炭紙に木炭、パステルを使って約10点の作品を制作した。筆者は1月
と3月に作家アトリエでこれらの新作を見る機会を得てこれを記すこととなった。現
在、作家はカンヴァス(綿布)を支持体にしたドローイングに挑んでいるはずである。
往古の日本人は「星座」を「つつ」と呼称していたそうだ。肉体の消滅を境に人
間の魂はこの「つつ」に宿るのだという。松本陽子の新作ドローイングには、この「つ
つ」を思わせる「光の緒」が無数に現れている。それらは、執拗に描き込み、あるい
は消され、擦り込まれ薄くなった紙面の奥底から、幽かな色彩を孕みつつ、視線に
応じて瞬時に立ち現れては、ゆっくりと揺らいでいる。その表面にきらめく回折光の
ように走る白い描線は、人為と竹膜を隔てたような鬼気とした痕跡を止めているが、
実際はここが最も沈静化して見える場所である。一方、木炭で霞み茫漠となった空
間的部分が、画中で最も活発な運動を秘めている。筆者はそこに、画面全体の動
静の表裏、不二一体を見るのである。
ひとつ思い浮かべたことがある。「そらみろ、ざまみろ」という俗語は、本来は、後
々に悔いの無いよう「空を良く見ろよ。その様を良く見ろよ。」という深い意味があっ
たそうで、それが、いつの間にか捨て台詞に変わったという。作家が笑い出しそうな
話ではないか。この春、松本は等伯の「松林図屏風」を久々に見に行った。
鈴木 尊志
Takashi Suzuki
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