第28号(PDFファイル) - 医療的ケア連絡協議会

KSKT 連協ニュース 空とぶくじら No.28 第三種郵便物承認通巻 868 号 2009 年 12 月 18 日発行(1)
二
〇
〇
三
年
十
一
月
二
七
日
第
三
種
郵
便
物
承
認
毎
月
十
二
回
(
二
、
四
、
六
、
八
の
日
)
発
行
領
価
一
〇
〇
円
KSKT 連協ニュース
URL:http://www.renkyo-kujira.org/
E-Mail:info@renkyo-kujira.org
郵便振替口座:00950-9-185563
加入者名:医療的ケア連絡協議会
会員募集 個人会員:年会費一口 3,000 円
№28
団体会員:年会費一口 10,000 円
事務局
巽
奈歩
「涼くんと彩さんが自立生活?」そんな衝撃的な言葉が私の耳に入ってきたの
は、今年初めの事でした。HP(ホームページ)のお手伝いから医療的ケア連絡協
議会の活動を知り、飛び込んできた言葉、
『自立』。
(そんな事が本当に出来るのだ
ろうか? ヘルパーさんは? 家は?)
親がみられない状況になったら施設へ行くしかないと思っていた私は、何か希
望を与えられたような、そんな気がしました。もちろん、新しい事を試みること
は決して簡単なことでなく、私が思う何倍もの努力や経験から成っていますでし
ょうし、それは HP 用の膨大な資料を見ても分かります。
8 月、ポムハウスへ初めて息子〈康裕〉とお泊りさせて頂きました。旅行へ行く
とあまり寝つけず緊張が増える康裕ですが、ふわふわのベッド、居心地の良さに
大満足でぐっすり熟睡していました。そして先日はヘルパーさんのご厚意もあり、
康裕は 3 時間ほどポムハウスで留守番させて頂きました。母はお出かけ。帰って
見た康裕はひとまわり大きくなってたような、頼もしい感じがしました。
(僕、も
第 27 回医療的ケア講習会 for 箕面市地域自立支援協議会
ういつでも家出できるよ。涼兄や彩姉がいたら 1 人でも平気なんだ)とでも言っ
ているよう。いやいや、4 歳児にはまだ早いよ…(笑)
医療的ケア講習会の報告
そんな感じで確実に成長している我が子、将来に希望をもてる世の中にするの
は誰でもない、自分達だ!と教えられ、志だけは大きくなった母なのですが、や
る事はまだまだ小さい。小さな事からコツコツと…とりあえずヘルパーさんの時
間を増やすように市役所へ向かったのでした。
来年も、康裕と楽しい経験たくさんするぞ~!
医療的ケア講習会の報告
KSKT 連協ニュース 空とぶくじら No.28 第三種郵便物承認通巻 868 号 2009 年 12 月 18 日発行(2)
いりょうてき
サポネカレッジ・医療的ケア
こうしゅうかい
講習会レポート
いりょうてき
ひつよう
ひとびと
せいかつ
医療的ケアを必要とする人々の生活を
しゃしん
つか
しょうかい
スライド写真を使いながらの紹介があり
いりょうてき
う
ぜんいりょうてき
医療的ケアを受けていてもこんなに
かつどうてき
うことでした。これにより全医療的ケア
おも
活動的なことができるのか!と思えるほ
しゃしん
おお
おどろ
どの写真が多く、驚 かされました。しっ
たいせい
まわ
せいかつ
じ た く
かいすいよく
せいかつ
か の う
にんしき
ないよう
改 め て 認識できる内容のものでした。
つぎ
いりょう こ う い
いりょうてき
ちが
次に医療行為と医療的ケアの違いや
がいねん
いりょうてき
ひろ
せつめい
どのお話をわかりやすく説明されました。
か ぞ く い ぞ ん
おこな
今まで家族依存で行われることにより
か ぞ く
ふ た ん
つか
い
き
くに
いりょう こ う い
か ん わ
いりょう こ う い
げんていてき
いものなど限定的なものがあるなどまだ
おお
問題点が多 い ということでした。これら
いりょう こ う い
せいかつ し え ん
の行為を「医療行為」ではなく「生活支援
こ う い
行為」としてとらえていきたい。そのた
き け ん せ い
こきゅう
しょくじ
けんしゅう
おこな
ふ だ ん
いりょう
とした研修を行うことや、普段から医療
かんけい
はいせつ
し く
ぜ ひつよう
い
こきゅう
しょくじ
はいせつ
しょうがい
お
食事・排泄のどこかに障害が起こった
ば あ い
ほうほう
せつめい
場合のケアの方法などの説明もありまし
なか
エスピーオー
た。その中でパルスオキシメータ(SpO
みゃくはく
ツ ー
は か
そ う ち
そうちゃく
2・脈拍を測る装置)を装 着 している
り よ う し ゃ
みゃくはく
じ れ い
利用者さんの事例になった。
「脈拍がかな
たか
たいちょう
げんいん
へんちょう
り高くあわてたが、原因は体調の変調で
たの
こうふん
はなく楽しいことがあったため興奮して
すこ
わら
はなし
いただけだった。」
などの少し笑える 話 で
す う ち
み
り よ う し ゃ
した。数値だけ見るのではなく利用者さ
じ し ん
かんさつ
り よ う し ゃ
ん自身をしっかり観察し利用者さんの
ふ だ ん
じょうきょう
み き わ
じ ゅ うよ うせ い
普段の状 況 を見極めることの重要性が
わ
ないよう
きゅういん
じっしゅう
きゅういん
分かる内容でした。吸引の実習では吸引
れ ん しゅ うよ う
にんぎょう
つか
こ う し
せんせい
練習用の人形を使い、講師の先生たちの
し ど う
こま
おもしろ
じっしゅう
細やかな指導とわかりやすく面白い実習
へ
めには、危険性を減らすためにしっかり
こ う い
な
ざいたく
かし、その医療行為も在宅でしかできな
こ う い
ち し き
何故必要なのかと言うことと、呼吸・
はなし
対する国の医療行為の緩和という話 。し
もんだいてん
ないよう
もんだいてん
不可能であるという問題点から、それに
たい
そ
し
よる危険性、医師をずっとつけるのも
ふ か の う
ざ
基礎知識は呼吸、食事、排泄の仕組みと
しっぱい
家族への負担、疲れからくる失敗などに
き け ん せ い
め
した。
き せ い か ん わ
概念、医療的ケアの拡がりや規制緩和な
はなし
だれ
いりょうてき
かいがい
旅行、海水浴なども可能であることを
あらた
ざ
医療的ケア』を目指したいという内容で
ば、地域での生活や自宅での生活、海外
りょこう
め
きょうりょく
かりしたケア体制や周りの協 力 があれ
ち い き
かいきん
の解禁を目指し『誰でもできる
も
じゅうよう
行為などに関係を持つことが重要だとい
となりました。
いりょうてき こ う い
せいかつ し え ん こ う い
医療的行為から生活支援行為という
なか
いりょうてき
じ ゅ うよ うせ い
せいかつ
みっせつ
中で医療的ケアの重要性、生活に密接
サポネカレッジ・医療的ケア講習会レポートと感想……2
まいど!医療的ケアの感想……5
生活支援モデル事業の経過報告……14
箕面市教育委員会医療的ケア懇談会報告……16
会計報告……18
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か か
だれ
に関わっていくからこその『誰
いりょうてき
にでもできる医療的ケア』の
ひつようせい
わ
こうしゅう
必要性が分かる講習でした。
こんかい う
じっしゅう
こうしゅう
じっせん
今回受けた実習や講習も実践で
ふ だ ん
せいかつ
いりょう
きるよう普段の生活から医療
こ う い
いりょうてき
はばひろ
行為を医療的ケアとして幅広く
か か
関われるようにしていきたい
おも
思います。
さかぐち
あ お ば
阪口 青葉
サポネ通信 No.49 より転載
9 月 27 日(日)、豊中市のサポネ(NPO 法人障害者の自立を支えるサポートネット
ワーク)のサポーター研修事業・サポネカレッジで「医療的ケア講習会」をしました。
サポネカレッジでの講習会は 3 度目になります。参加者は 21 名でした。参加された方
の感想です。
利用者さんとのコミュニケーションがまず大切だと思います。その上で、技術を身につけ
て、精神的な負担が少ない状態でケアをしていけば、お互いに柔軟な関係性で、よりよいケ
アができると思います。吸引については、慣れるまで練習したいと思います。医療的ケアが必
要な人がこんなにも行動されていることを知り、可能性が多くの人に広がることを願います。
1 回の呼吸量や気管切開について興味深かった。また経管栄養の挿入の確認を注射器でし
たり、高カロリーの点滴は、手の甲の血管では、ボロボロになるので心臓に近いところにチュ
ーブを入れるというのは、なるほどと思った。
当事者の方に医療的ケアが必要な時に、手助
けできる人が多くできてくると、当事者の方も家
族も、より豊かな生活が送れるようになることが
わかりました。
「常に疑問を持って考えることを大切に」という
お話が印象的でした。サポートのこと、制度のこ
と、体のことなど、いろいろなことに意識を向け
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ていきたいと思います。また、自分の体なのに知ら
ないことが、たくさんあると改めて気づくことができま
した。体のしくみを知ることで、あわてることなくサポ
ートでき、お互いの安心感にもつながるとわかりまし
た。もちろん、知識だけでなく、お互いの信頼関係
を大切にしながら、これからもサポートをしていきた
いと思います。本当にわかりやすかったです。あり
がとうございました。
出席 3 回目になると思いますが、色々、ためになる事多かれ、ですが、残念ながら、現場に携
わる機会がないと、人間忘れてしまいます。もっと関わる機会を増やしていきたいです。
今回、医療的ケアの講習会を受けて、一般市民の人たちにも吸引が出来ることを初めて知り
ました。これからも必要とする医療的ケアを実践して、生活を支えていきたいです。本人さんと
の信頼とコミュニケーションとの大切さが本日の収穫です。吸引の実践は難しかったです。
あれだけの障害を持った方が、あれほど、活動的に生活を送ることができるのかと驚いた。限
界を作る、…諦める…様々な事を前向きに考え、工夫しサポートするべきなのだと痛感した。
法整備されてなく、注射や導尿などの医療行為について困惑しているのですが、ヘルパーも
自分たち自ら行動し開拓していっているんだと感心しました。医療的ケア、すごく興味がありま
す。勉強していきたいので、また、情報いただけたらと思います。
最初に、障害を持っておられる方々が私より活動的に生活を送ってらっしゃる事に驚きました。
1 回の吸引実習では慣れないので、何回も何回も実習を繰り返したいと思っていますので、ま
た、講習会参加したいと思います。
まずはコミュニケーションをとりながら、構築していくことを学ぶ。
初めて参加させてもらいました。具体的でわかり
やすかったです。自立のためにケア、今後、考
えていきたいです。
医療的ケア講習会に始めて参加しました。知ら
ないことばかりでしたが、良い経験になりまし
た。
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地域で暮らすための医療的ケア研修事業
まいど!医療的ケア
人工呼吸器をつけた子の親の会(バクバクの
会)が、東京・仙台・福岡の 3 ヶ所で、平本歩
さん、佐藤有未恵さん、折田涼さんの講演会と、
医療的ケア講習会を行ないました。スタッフと
して参加したメンバーの感想を紹介します。
「折田涼さんと福岡へ!」
河野 尚介(ボランティア)
ボランティアとして初めて涼さんと福岡へ
旅行(涼さんの講演のお仕事ですね)に行き
ました。実はバクバクの会の旅行で一度涼さんとは一緒に旅行をしたことはあった
のですが、その時の僕はまだ涼さんのボランティアをしていたわけではなく、尚且
つ部屋も同室では無かったので、実質初めての涼さんとの旅行だと言っても過言で
はないと思います。
行きの新幹線の中で、涼さんが作成した原稿を僕が読む事になった時には内心か
なり焦りましたが、涼さんの決定には逆らえません(汗)今思えばいきなりの大役
にかなり動揺して自分の事ばかりになっていた為、涼さんを不安にさせてしまった
と思います。そんなこんなで福岡に到着、ホテルへも着いてすんなりチェックイン。
と思いきやチェックイン可能な時間ではないとの事。
とりあえず福岡といえばラーメンという事でラー
メンを食べに街を散策。残念ながらストレッチャーが
入れるお店がなく涼さんには我慢して頂き、申し訳な
く思いながら二手に分かれて入れ替わりでラーメン
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を食べました。ラーメンを食べた後も時間がある為、街をぶらぶらしているとなぜ
か喫茶店へという話の流れに…。あれ?30 分前にラーメン食べたような…?
ラ
ーメン屋さんで聞いた「バクバクの会とはバクバクっ子の親が食事をバクバク食べ
る会」のお話を思い出しつつ、美味しく時間を過ごさせて頂きました。
改めてホテルへ到着すると、他のバクバクの会メンバーも到着されていて、すぐ
にチェックインとなりました。ところが、部屋へ入ろうとすると部屋のドアが狭く
ストレッチャーが入らないという問題が発生!(…多尐の無理は腕力でねじ伏せる
事が出来る。良い勉強になりました…。)何故かストレッチャーは部屋へ入る事が
出来ましたが、広いと伺っていた風呂場はそれほど広くはなく、涼さんとボランテ
ィア二人が入るとかなり厳しいものでしたが、多尐の無理はなんとやらで足がつり
そうになりながらも無事入浴する事が出来ました。
ですが、僕が未熟な為に入浴の際の準備はかなりの分量(というかほとんど全部)
山岡さんに負担してもらったのが申し訳なかったです。それに、始めに部屋に入っ
た際の話になるのですが、僕はただ部屋を漠然と眺めただけだったのに対し、みど
りさんや山岡さんはコンセントの位置やベッドの並び等に注目し涼さんがどのベ
ッドで寝るのか等をすでに計算されていたようで、ますます自分の未熟を思い知ら
されました。
福岡についたその日だけで沢山のことがあり、とても書ききれていませんが、本
番は二日目の講演ですのでそちらへ進みたいと思います。講演の日は朝から準備が
行われ、涼さんも自分の写真を入り口付近に張るお仕事があった為、およばずなが
らお手伝いをしたのですが、自分のセンスの無さ(写真を張る位置が…)が暴露さ
れただけでした。そして、ついに講演が始まりました。ですが残念なことに予定し
ていた入場者より若干尐ない人の入りになって
しまいました。
涼さんの講演は多尐の時間があった為、涼さん
と僕達は順番まで控え室で待機したり、会場の状
況を覗きに行ったりして時間を過ごしていまし
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た。順番が近づいて来た時、涼さんに「緊張しますね?」と聞くと涼さんは「全然
しない」と堂々としたものでした。何度も講演してきた涼さんはとても頼もしかっ
たです。
いざ順番が来て会場に入ると、当然の事な
がら皆さん講演を聴く準備万端で来場者の真
剣さが伝わってきました。講演の内容は涼さ
んの生い立ちから現在までの生活の話や今ま
で涼さんがぶつかってきた問題、それを乗り
越える努力、実際に勝ち得たものを紹介した
歩さんの講演:私のあゆみ
ものでした。
無事講演を終えた(涼さん曰く僕の原稿の
読み方は5段階評価の下から2番目だそうで
す)後は、その後の講演を涼さんが見たいと
いうので会場の一番後ろから一緒に講演を観
賞していましたが、涼さんにはさらに吸引実
涼さんの講演:これがわたしの生きる道
習の総仕上げを自らの体をはって来場者にし
てもらうという大役がありました。バクバク
も吸引もあまり経験の無い方に自らの体で経
験してもらうという涼さん。本当に頑張り屋
です。ちなみにそれだけの頑張りでかなり疲
れていると思うのですが、その日の夜はちゃ
っかり屋台村でラーメンを食べたりお酒を飲
有未恵さんの講演
んだり、本当に元気ですね。
3日目はもう大阪へ帰るだけという状況で、最後にお土産を選び(涼さんは集め
ているキューピーを買いましたよ)、時間があまりなかったので駆け足での帰宅と
なりました。
今回の旅行で得られた知識(経験)は大きかったです。公共の交通機関(新幹線)
KSKT 連協ニュース 空とぶくじら No.28 第三種郵便物承認通巻 868 号 2009 年 12 月 18 日発行(8)
の利用経験やベッドのセッティング方法、
ストレッチャーの取り扱い、バッテリーの
重要さ、大勢の前で原稿を読む経験、楽し
かった思い出、今でもまだ充分未熟ではあ
りますが、涼さんと一緒に行った旅行は僕
を尐しだけでも人間として大きくしてく
れたのでは?と思っています。
実習総仕上げで参加者から吸引をされる歩さん
他のバクバクっ子と触れ合い実感した
のは、介助者はその人の手足であり目であり口だという事でした。(例えば僕のボ
キャブラリーが増えるという事は涼さんのボキャブラリーが増えるという事だし、
涼さんのしたいと思う事を手足となってサポートするという事です。)僕の成長が
涼さんの行動力へと繋がっていくのかな?とちょっと偉そうかなとか思いつつ、今
後も涼さんと関わっていく上で考えさせられる旅行でした。
「ニシへヒガシへ」
山岡 恵梨子(ヘルパー)
涼さんのサポートで、東京、仙台、福岡
と三都市まわりました。
各地いろいろなことがありました。涼さ
んと一緒にいるからこそ出来た経験がたく
さんありました。東京では、新幹線で乗車
拒否され、仙台では、久しぶりに飛行機に
乗り、福岡では、夜遊びをしました。
有未恵さんと、仙台在住の鈴木統馬くん(7 才)
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新幹線の承認書の問題は、話には聞いて
いましたが、実際に遭遇するのは初めてで
した。「今さら何言ってんの?」と思いな
がら、腹が立ったり、あきれたり…。涼さ
んが乗車した後に『車内では電源使わない
でください』なんて言われたので、「使い
ます!!」と言って、飛び乗りました。
「見
モツ鍋・おきゅうと・梅酒…
ただけ」で医療乗車だと決められたこと。
話も聴かずに決め付けられたこと。これが差別なんだとひしひしと感じました。
今回の「まいど!」で印象に残ったのは、遊ぶのが大好きな有未恵さんと、まじ
めな歩さんと、マイペースな涼さん、3人の姿でした。福岡の夜、まだまだ遊びに
行くー!という有未恵さん、もうホテルに帰る!!という歩さん、年上のお二人に
「涼くんはどうするの?遊びに行くの?ホテルに帰るの?」と言われて迷う涼さん。
結局、涼さんも夜遊びに繰り出したのですが、ホテルに帰ったのは、0 時を回って
いました…★親なしの夜遊びだって、当たり前のことなんです。
福岡天神の屋台で
久留米の田中大貴くん(中 2)も一緒に行きました。
講演会や講習会で医療的ケアについて知ってもらうのも大切ですが、公共交通機
関を使ったり、夜遊びしたり、実際に生活をしているバクバクっ子(バクバク大人)
の生の姿を見て、伝わることも多いと思います。
医療的ケアが必要でも、みんな当たり前に楽しく生活されています。たんの吸引
も、経管栄養も難しいことではなくて、日常生活行為。きちんと学べば、初めての
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人だってできちゃいます。今、医療的ケアにかかわっているヘルパーさんたちも、
経験があったわけではなく、教えてもらって初めてできるようになったのです。家
族しかできない・・・ではなく、家族ができるのだから、周りの人もできるはずです。
今回も、いろいろな出来事と、いろいろな出会いがありました。嫌なこともいい
ことも。ラクなことではないけれど、こうやって道を切り開いていくバクバクっ子
(バクバク大人)のそばにいさせていただけるのは素敵なことだなーと思います。
「ストレッチャーで空を飛びました」
岸本 美智子(事務局)
講習会では、「医療的ケアを必要とする人々の生活紹介」を担当しました。それ
ぞれの土地柄にふれ、牛タンやモツ鍋をいただきました。講習会の報告は他の方に
任せて、私が一番心に残ったこと、ストレッチャーを利用している人と一緒に様々
な交通機関を利用したことを報告します。涼さんがハワイ旅行で、飛行機に乗った
という話は聞いてはいましたが、聞くのと実際に体験するのとでは全く違いました。
まず、東京に出発した面々が遭遇したのが、JR の乗車拒否問題。それまで問題
なく乗って来たのに、今回どうして乗車できないと言われるのか理解に苦しみまし
た。腹が立つというよりも訳がわからない、全く不可解なことでした。(後日、国
土交通省に確認、今後は JR も拒否はしないはずです。)
仙台へは、涼さんと一緒に飛行機で行きました。まず、呼吸器やいろんな機器類
新幹線車内車椅子席
飛行機内ストレッチャー席
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(前もって機種は申し出ています)を離陸時
に電源を切らないといけないのか、つけたま
まで良いのかが問題になりました。涼さんの
呼吸器は電源をつけたままで良い機種なの
に、JAL は電源を切らないといけないと言
い、なかなか間違いを認めず出発時間が遅れ
ました。人工呼吸器をつけて飛行機に乗るケ
伊丹空港でまずストレッチャーにセッティング
ースがとても稀なので、わからないのは当然かもしれません・・・。ただ、呼吸器の
電源を切れば当然バギングで呼吸を確保しなければならないけれども、介助者の座
席がそういったことを想定して決められているわけでもありません。諸々のことを
理解していないのに、きちんと確認もせず電源を切らなければならないと言う JAL
職員に対応する“しんどさ”を実感しました。電源をつけたままでよいと解決して、
他の乗客より先にようやく機内へ乗り込みます。機内の座席は、前もって 6 席分の
上に狭いストレッチャーが準備されています。涼さんはまず自分のストレッチャー
で飛行機の入り口まで行きます。そこで、ストレッチャーから機器類を下ろして機
内の座席にセットします。セットできた時点で、涼さんはバギングしながら 2 人の
介助者に抱えられて座席に移動します。涼さんのストレッチャーは分解して荷物室
に乗せます。飛行機に何度も乗っている涼さんは、離陸時、着陸時にも心拍数は変
化なく、落ち着いたものでした。
飛行機から降りる時には、一般乗客が降りてから、この逆の順序で自分のストレ
ッチャーに戻ります。涼さんのストレッチャーが飛行機の出口に持って来られて、
まずその下部に機器類をセッティングします。人工呼吸器・加温加湿器・吸引器・
持続吸引器・バッテリー・充電器・インバーター・集中コンセント etc.の機器類の
セッティングを手伝おうにも、一体どの場所にどの機器が入っていたのかが全くわ
からないのです。娘のストレッチャー下部収納セッティングの際には、涼さんの収
納を参考にさせてもらったので、随分しっかりと何度も見ていたつもりでしたが、
涼さんの介助に入ったこともなくただ見ていただけでは、何の役に立ちませんでし
KSKT 連協ニュース 空とぶくじら No.28 第三種郵便物承認通巻 868 号 2009 年 12 月 18 日発行(12)
た・・・。この経験から、直接関わることの大切さを実感しました。見たり聞いたり
しただけでわかっているつもりになってはいけない、傍にいる人が実際に対処出来
るまでになっておかなければいけないなと思いました。
狭いから無理かなと言われた牛タンの店にも、居酒屋にも、屋台にも、どこでも
行きました。エレベーターも、ホテルの部屋も、お風呂も、買物も、なんでも OK
でした。バクバクの会生え抜き 3 人衆の行動力は頼もしく、楽しい旅が出来ました。
積み重ねた知恵と工夫はたくさんありますが、それらを駆使して生きる姿をもっと
もっとたくさんの方々に目の当たりにしてもらって、「なんでも出来るんだよ、あ
たりまえに暮らそうよ!」と、伝えたいという思いを強くしています。
「あらためて思うこと」
野崎 直子(理学療法士)
会場 3 か所の内、残念ながら仙台は参加
できなかったのですが、どの会場の方も熱
心に講演、講習会に参加していただき、有
り難く思います。講演、講習会の内容も回
を重ねる毎に、バージョンアップしていき、
今後もこのような講演、講習会を開催する
バクバクっ子 3 人衆への質問コーナー
自信につながり、より多くの場所で開催し
ていきたいと感じました。
医療的ケアの基礎的な知識、実際のケア
の仕方など、医療関係者や家族が講習会を
行うことは他でも尐しずつ増えてきてい
るようですが、私たちのように、実際に当
事者が講演、講習会を行う、私たちの医療
的ケア講習会はめずらしいと思います。講
呼吸ケア
痰を出しやすくする方法
KSKT 連協ニュース 空とぶくじら No.28 第三種郵便物承認通巻 868 号 2009 年 12 月 18 日発行(13)
演会では、当事者の考え、生活の様子などを実
際に見ることができ、当たり前ですが、個々に
考え思いが違うことを知ってもらえました。講
習会では、看護師がわかりやすく、おもしろく
医療的ケアの基礎的な知識を伝え、デモ機を使
って吸引体験をした後に、当事者の吸引を実際
に体験ができ、吸引といっても基本は同じであ
るが、個々に機材、方法が違うなど、当事者が
いることでより実感していただけたのではない
かと思います。
今回、当事者としていった 3 人がどうのよう
に地域で暮らしてきたかわかっていただけ、人
工呼吸器や医療的ケアがあっても地域で当たり前に暮らすことができると、参加し
ていただいた方は、実感してもらえたと思います。しかし、課題として、会場とな
った地域では、講演に行った 3 人とは大きく環境が違い、地域で生活できるのはわ
かるが、どのように一歩進めばいいのか、次のステップがなかなかできない、難し
いと考えてしまう方もおられ、地域で取り組みの後押しとして何か今後、今回の講
演、講習会と並行して進めていけたらと感じました。
今回、講演した 3 人もまだまだ完全に当たり前の生活ができないで日々悪戦苦闘
しています。一人でも多くの人が、地域で暮らしはじめることによって、個々の生
活に合わせた医療的ケアが必要になり、当事者の日々の様子を熟知した人が医療的
ケアすることがどんなに安全なのかをわかっていただき、病院と違って、地域で生
活するにあたっては、生活支援行為として、考えていただけたらと思います。地域
の方がわかっていただくと共に、医師、看護師などの医療従事者、国、行政の方々
にわかっていただきたいと強く思います。
KSKT 連協ニュース 空とぶくじら No.28 第三種郵便物承認通巻 868 号 2009 年 12 月 18 日発行(14)
「医療的ケアの必要な人の
生活支援モデル事業」経過報告
①自立生活
7 月から、新しい介護者やボランティアも入り、ポムハウスでの生活を始め
ました。徐々に、ポムハウスで過ごす時間も増え、週 3~4 回宿泊しています。
11 月中旬から家族が泊まらず、当事者と介護者だけの宿泊ができるようにな
りました。また、10 月末からホームページ上でブログの発信をしています。
http://blog.zaq.ne.jp/pomhouse/
② ポムサロン
月に 1 回程度ゲストを招いてポムサロンという催しを行っています。
9/23 そよ風のように街に出よう編集長
河野秀忠さん
『エレベーターの謎?ダァ!!』
10/21 りぼん社代表
小林敏昭さん
11/27 箕面市健康福祉部副部長
12/23(水・祝)14:00~
『人間、この不思議なもの』
小野啓輔さん『みのおの福祉を語る』
巽奈歩さん
『ポーセラーツ』によるお皿作り
真っ白いお皿に貼ったり書いたり金をつけたり・・・。安いお皿が見違えるように
なります。クリスマスの手作りプレゼントとしていかがでしょうか?サロン終了
後、楽しいクリスマス会を開催します。ぜひご参加ください。
参加費、材料費要。
申込先:pom-aya-ryo-@hcn.zaq.ne.jp
080-3103-7263(折田)
奈歩さんの作品
KSKT 連協ニュース 空とぶくじら No.28 第三種郵便物承認通巻 868 号 2009 年 12 月 18 日発行(15)
③ パーソナルコーディネーター
10 月より 3 名の新規パーソナルコーディネーターが決まりました。
④ 自立支援法による介護時間
箕面市からは重度訪問介護 552 時間の支給でしたが、10 月支給時間が足り
なくなり、増加の申請をしました。ポムハウスに障害福祉課の人 3 名来られて、
マッサージ、着替え、送り出しなどの 2 人介助の必要性を確認し、審査会を経
た上で 11 月から 52 時間の追加が認められました。
⑤ モデル事業の理念
「何でこの事業をするのか?」という問いかけが必要なのではないのかとい
う意見が出ました。
・ 医療的ケアの必要な人が社会で自立して生きていくことを通して、真に豊
かな社会を作っていく。
・ 助ける側と助けられる側という構図ではなく、共同作業者として担ってい
る意識が必要。
・ 情報をもっと発信する。
⑥ 今後
モデル事業は 2010 年 3 月で完了するので、来年度の事業資金が必要となり
ます。独立行政法人福祉医療機構と、日本財団に、来年度の助成金を申請しま
した。行政刷新の時節から、助成金が出ない場合どうするのかを今後考えてい
く必要があります。
⑦ 医療的ケアに関して
大阪府が、医療的ケアが必要な人に関わる事業所に対して、同意書を交わ
すように指導しています。退院して本人や家族が行える行為は、既に医療行為
ではないと私達は考えています。ですから、医療的ケアを医療行為ではなく、
地域で生活するための通常の生活支援行為として新たな概念を構築するよう
な請願活動をすることにしました。2010 年夏の請願を目指して活動していき
ます。
KSKT 連協ニュース 空とぶくじら No.28 第三種郵便物承認通巻 868 号 2009 年 12 月 18 日発行(16)
箕面市教育委員会医療的ケア懇談会報告
事務局
岸本 美智子
<第 4 回(10 月 14 日)報告>
①2 学期の様子
とどろみの森学園:毎日元気に登校。
中小学校:現在元気に登校。インフルエンザが流行ったらどうするのか話し合い。
主治医の指示から、感染を避けるためしばらく自宅待機で様子をみること
にする。
第六中学校:10 月下旬退院予定。
第三中学校:数校の高校見学。文化祭・体育大会参加。高校受験のため、府教委から
中学に見学。受験時の配慮事項等の検討が必要。
②特区申請
11 月 12 日〆切、内閣府に提出する。
構造改革特別区域計画(案)
「小中学校における障害のある児童生徒への介助業務の医療的支援特区」
今回準備された案に対して修正意見を提出し、次回の懇談会で詳細を話し合う。
<第 5 回(10 月 28 日)報告>
① 2 学期の様子
とどろみの森学園:ほぼ毎日登校。嫌いな科目になると痰が出て、好きな科目だと殆
ど出ない。運動会には午前中参加。前はカッカとすることが多か
ったが、入学後穏やかになってきたと母親より報告あり。
中小学校:主治医の指示により、インフルエンザが発生した場合は欠席するか、他の
KSKT 連協ニュース 空とぶくじら No.28 第三種郵便物承認通巻 868 号 2009 年 12 月 18 日発行(17)
児童と接触せずに過ごす。
第六中学校:10 月下旬退院、11 月 4 日から登校。
第三中学校:受験準備のため、中間テストの様子を大阪府教育委員会から見学。高校
見学や進路説明会参加。
② 特区提案
構造改革特別区域計画(案)の具体的検討、修正意見。
医療的ケアの実施について
医療的ケアの必要な児童生徒と保護者の同意を得た学校の教職員が
保護者・主治医などの医師による指導・連携のもと
学校生活上必要とされる医療的ケアを
医療的ケアの内容について
(ア) 痰の吸引
(イ) 経管栄養
(ウ) 自己導尿の補助
(エ) 定期的な投薬管理
等、当該児童生徒が、学校生活上必要とし、家庭で常時おこなってい
るもので、保護者、主治医、学校医の指示の範囲内とする)
狭い範囲の医療的ケアとならないように、文言はあまり限定しない方が良いの
ではないか?
2009 年 12 月中旬に、総務省から一次回答がある予定。回答を待って対応を協議
する。
第 7 回懇談会の予定
日時 : 2010 年 1 月 13 日(水) 午後 6 時~7 時 30 分
場所 : 箕面市立障害者福祉センター ささゆり園
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2008 年度決算(08 年 4 月 1 日~09 年 3 月 31 日)
繰越金
712,727
会費
169,000 個人 43 名
寄付金・協賛金
収入の部 助成金
事業収入
その他
合計
5,003,900
200,000
817,445 医療的ケア講習会講師料、出版売り上げ、物品貸出料その他
2,441 利子、送料、その他
\6,905,513
事務所家賃
216,000 24 ヶ月
印刷費
677,679 会報4回、5周年記念誌、研修マニュアル
郵送費
送料
活動費
支出の部
団体 3 口
事務用品費
事務諸費
16,905
630
739,414 講習会の開催、備品購入
37,052
5,235
通信費
43,639 プロバイダー使用料、電話料
団体会費
18,000 関定協分担金、他
協賛金
10,000
次年度繰越金
合計
5,140,959
\6,905,513
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2009 年度予算案(09 年 4 月 1 日~10 年 3 月 31 日)
項目
繰越金
収入の部
決算
備考
5,140,959
会費
200,000
寄付
50,000
助成金
5,000,000
その他
1,000,000 医療的ケア講習会謝礼金、冊子、貸出料
合計
事務所家賃
\11,390,959
0 12 ヶ月(前年払い済)
印刷費
50,000 会報4回
郵送費
20,000
送料
10,000
活動費
400,000 講習会の開催、備品購入
事務用品費
150,000
支出の部 事務諸費
10,000
通信費
80,000 プロバイダー使用料、電話料
団体会費
30,000 関定協分担金、他
協賛金
10,000
モデル事業費
9,038,400 WAM 計上分 8,738,400 円、その他 300,000 円
次年度繰越金
1,592,559
合計
\11,390,959
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あとがき
早いもので 2009 年も終わろうとしていますね。今年は、モデル事業のパーソナルコ
ーディネーターの仕事をさせてもらいました。いろいろな方と会い、話しができ、しんど
い部分もありましたが、やりがいがあり、楽しかったです。当事者には自立を阻むものが
いろいろとありますが、やはり、国の考え方、法整備などが変わらないと進みづらいとい
う事を、この仕事を通して改めて実感しました(今さらですが)。国や法律を動かすため
には、地域の方々の理解、サポート、共感して動いてくれる仲間などが必要で、来年度か
ら、新たにそのような方向で動き出していかなければならないと思っています。と言いな
がら、私事ですが、来年初めに出産を控えており、自分自身がどんな感じになっているか
想像がつきません。何ができるのかわかない状況ですが、周りの皆さんも私もよい年であ
ればいいなと思っています。それではみなさん、良いお年を!(茨ちゃん)
ポムハウスの居心地が良くて親の出番がなくなる今日この頃、嬉しいような寂しいよ
うな、まさかこんな思いを味わう日が来るなんて…
奇跡です。みんなにありがとう!
そして、また来年もすばらしい年になりますように。(みゃん)
次回定例会 12 月 23 日(水・祝)午後 12 時 30 分~
場所
ポムハウス
大阪府箕面市西小路 3-17-11 ポンム・ド・テール 201
(興味のある方はどなたでもご参加いただけます。事務局までご連絡ください。)
●発行人
●編集人
関西障害者定期刊行物協会
大阪市城東区東中浜 3-5-16 タイガーマンション 1F
医療的ケア連絡協議会
〒562-0013 大阪府箕面市坊島 4-5-20
みのお市民活動センター内
TEL&FAX:072-721-5150
E-Mail:info@renkyo-kujira.org
URL:http://www.renkyo-kujira.org/
郵便振口座:00950-9-185563 加入者名:医療的ケア連絡協議会
他金融機関からの振込口座番号 〇九九店(099)当座:0185563
二
〇
〇
三
年
十
一
月
二
七
日
第
三
種
郵
便
物
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認
毎
月
十
二
回
(
二
、
四
、
六
、
八
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日
)
発
行
領
価
一
〇
〇
円