Center Letter Oct.2010 - 信州大学地域共同研究センター

Center Letter
Oct.2010
信州大学 地域共同研究センター
ー 目次 ー
巻頭特集「イノベーション・ジャパン 2010」
研究情報「自動車運転にかかわる認知行動評価装置」
研究情報「子宮平滑筋肉腫に対する新規術前診断の開発」
産学官関連ニュース
公募情報
産学官連携イベント情報
お知らせ
信州大学 地域共同研究センター
Center Letter
Oct.2010 CRC Shinshu University
イノベーション・ジャパン2010
産業界と大学をつなぐ国内最大級のマッチングイベ
信州大学からの出展
ブース展示
分野
ント「イノベーション・ジャパン2010-大学見本市」が、9
月29日から3日間、東京国際フォーラム(東京都千代
タイトル等
「廃 PVC の陽イオン交換体への転換による高付加価
環境
値化」
工学部・物質工学科 教授 三島 彰司
田区)で開かれました。
新エネルギ
「次世代クリーン電池用ナノ無機マテリアルイノベー
このイベントは、独立行政法人 科学技術振興機構
ー・省エネ
ション」
(JST)と独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合
ルギー
開発機構(NEDO)が主催、文部科学省、経済産業省、
アグリ・バイ
「穀類の機能性成分富化技術の開発」
オ
大学院農学研究科 教授 藤田 智之
内閣府が共催し、今年で7回目を迎えます。産学連携
「自動車運転にかかわる認知行動評価装置」
を推進することで先端技術の応用や実用化を目指し、
医学部 准教授 小林 正義
医療・健康
さらには日本の経済の発展につながることを目的に開
工学部・環境機能工学科 准教授 手嶋 勝弥
「子宮平滑筋肉腫に対する LMP2 と Cyclin E による新
規術前診断の開発」
かれています。
大学院医学系研究科 准教授 林 琢磨
イノベーション・ジャパンには、アグリ・バイオ、新エネ
「2 層カーボンナノチューブ添加による高強度・高伝
ルギー・省エネルギー、ものづくり、IT、環境、ナノテクノ
ナノテクノロ
ジー
ロジー、医療・健康、材料の8分野から、350 を超える
導性カーボンナノファイバー」
工 学部 ・電気電 子工学 科 准 教授 KIM YOONG
AHM
大学研究最先端シーズの展示がありました。さらに企
ものづくり
業・大学発ベンチャーゾーン、研究機関ゾーン、NEDO
支援ゾーンも設けられました。
「電磁波遮蔽布帛」
工学部・電気電子工学科 助教 曽根原 誠
新技術説明会のみ
また、研究者自身が企業関係者を対象として実用化
を展望した技術説明を行い、広く実施企業・共同研究
分野
医療・健康
パートナーを募る新技術説明会も開かれました。
IT
3日間の総入場者数は17853人でした。
タイトル・説明者名
「同調制御を用いた歩行アシスト装置の開発」
大学院総合工学系研究科 教授 橋本 稔
「高耐障害性アドホックネットワークシステム」
情報処理センター センター長 不破 泰
■SIS連携校の出展
A
信州産学官連携機構(SIS)で連携する県内の学術機
関からも出展がありました。
G
B
C
分野
タイトル等
新エネルギ
「微生物触媒法による使用済植物油の BDF 化技術」
ー・省エネ
長野工業高等専門学校 環境都市工学科
ルギー
准教授 畠俊郎
「美術品の3次元デジタルアーカイブと 3DCG 再現」
IT
長野大学 企業情報学部 企業情報学科
教授 田中法博
「多方位から測定する口唇閉鎖力の意義」
D
E
F
医療・健康
H
松本歯科大学 大学院歯学独立研究科
教授 増田裕次
A.イノベーション・ジャパン2010ブース展示 B.手嶋勝弥准教授 C.三島彰司教授 D.KIM YOONG AHM准教授 E.不破泰センター長 F.橋本稔教授 G.藤田智之教授
H.曽根原誠助教
−1−
研究情報1
かったか)を評価します。
[自動車運転にかかわる認知行動評価装置]
また、反応波形を標準的な
専門分野と開発背景
で、反応のタイミングと量を
波形と照らし合わせること
読み取ることができます。
統合失調症やうつ病など、精神障害をもつ人達に対
するリハビリテーションを専門とする小林教授は、精神
これまでの研究で、見通
実験風景(高齢者)
しが悪く危険が予測される場面や注意が必要な場面、
科作業療法の臨床研究のほかに、手掌部(精神性)発
汗現象に関する研究を行っています。これまでの研究
成果を活かし、近年急増している高齢者の運転事故を
未然に防げるよう、「自動車運転にかかわる認知行動
ボールが飛び出すなどの危険回避が必要な場面では
手掌部発汗や皮膚電位反射の反応が大きくなり、見通
しの良い直線道路や信号待ちなどでは反応が小さくな
ることなどがわかりました。また、高齢者の場合は、発汗
評価装置」の開発を手がけています。
反応が遅れたり、ブレーキやアクセルを大きく踏み込む
などの傾向が確認されています。こうした特徴は個人に
技術の特徴
よって差があり、客観的なデータをフィードバックするこ
高齢者の自動車運転技能を測定するために、高齢
とで、より適切な運転指導が可能になります。
者講習の中でCRT運転適性検査などが行われていま
すが、現在の検査システムは、実際の運転映像を見て
認知機能を評価するものではありません。そこで、被験
者に実際の運転映像を提示し、自動車運転に必要と
今後の展望
この装置が運転適性検査に利用されるよう、より多く
のデータを収集し、標準データの信頼性を高めるほか、
なる認知行動を評価する装置を開発しました。この装
装置の一体化、運転映像の広角化などを進めたいと
考えています。また、実用化に向けて、実際に自動車
を運転した時の反応と、本装
置による視聴覚映像による
反応とを比較し、装置の有効
性についてより詳細な検証作
業に取り組む予定です。
イノベーション・ジャパン2010のブース
展示にて技術説明を行う小林教授
研究者情報 ∼小林 正義 教授∼
所属:信州大学医学部保健学科
作業療法学専攻基礎作業療法学
置では、被験者は実際の自動車運転映像を見なが
講座
ら、映像の変化に沿って運転の模擬動作を行います。
略歴:1986年国立療養所東名古
この時に、手掌部の発汗と皮膚電位反射を測るほか、
屋病院附属リハビリテーション学院
ブレーキ、アクセル、ハンドルの操作を同時計測し、こ
卒業後、城西病院作業療法科、社団法人岐阜病院作
れらの反応から危険予測のタイミングや模擬動作の正
業療法科を経て1991年から信州大学医療技術短期大
確性などを調べます。計測した値は時系列に処理さ
学部助手・講師、医学部保健学科作業療法学専攻実
れ、手掌部発汗と皮膚電位反射の生ずるタイミングか
践作業療法学講座助教授を歴任。2003年信州大学大
ら、映像のどの場面で危険を認識したか(あるいはしな
学院医学研究科修了 博士(医学)、2007年より現職。
−2−
研究情報2
[子宮平滑筋肉腫に対する新規術前診断の開発]
研究背景
これまでHIVをはじめとする感染症の研究を行ってき
た林准教授。感染症研究の一環で「LMP2というタンパ
ク質がなくなるとどうなるのか」というテーマでマウス実
験を行う中、LMP2の欠損が子宮平滑筋肉腫の発症と
関係性が高いことを確認。この研究結果を元に、子宮
平滑筋肉腫の診断方法に関する研究に取り組み始め
ました。
うタンパク質の特性を用いた鑑別法も開発。こちらは、
子宮平滑筋肉腫の場合、試薬による染色反応(茶色)
が出ます。
2種類の免疫組織化学染色診断法を使うことで、より
正確な診断が可能となります。
この技術により、子宮平滑筋肉腫と子宮平滑筋腫の術
前鑑別の可能性が開けました。
今後の展望
晩婚化・高齢出産の増加などにより、女性の子宮温
存希望が増えています。子宮摘出手術をせずに腫瘍
の良悪の判断ができる技
b.正常なマウスの子宮 f.LMP2欠損マウスの子宮
術として実用化に向けた
子宮平滑筋肉腫(悪性腫瘍)と子宮平滑筋腫(良性
腫瘍)の鑑別は非常に難しく、手術により摘出された組
活動を行います。
また、同腫瘍の発症に
ついての解明も行いたい
織を顕微鏡で判断しているのが現状です。また、良性
腫瘍の場合が多いですが、40歳以上の女性の90%以
上が子宮腫瘍を持っているといわれています。そこで、
手術前に良性か悪性かを鑑別するための技術開発に
と考えています。
イノベーション・ジャパン2010のブース展示
にて技術説明を行う林准教授
研究者情報 ∼林 琢磨 准教授∼
所属:信州大学 大学院医学系
取り組みました。
研究科
研究成果と技術の特徴
略歴:1991年 東京大学医科学
研究所修了後、国立がんセン
LMP2の有無と子宮平滑筋肉腫発症の関係性を利
用して、新しい診断方法を開発しました。LMP2の特異
ター研究所レジデント、マサ
チューセッツ工科大学 ホワイト
性を利用して腫瘍組織を染め分ける「免疫組織化学
染色法」を行うと、子宮平滑筋腫だと茶色に染色され、
ヘッド生物医学研究所研究員、ハーバード大学 医学
部医学科講師を経て、2002年 現職。
子宮平滑筋肉腫だと染色が認められません。
鑑別の精度を高めるため、LMP2のほか、Cyclin Eとい
−3−
【特許】題目:LMP2を用いた子宮平滑筋肉腫の検出
国際出願番号(PCT/JP2006/324403)(平成17年11月30日 優先日主張)
産学官連携ニュース
から始まった新しい取
信州産学官連携機構(SIS) 新技術説明
体で構成する協力会
信州産学官連携機構(SIS)と独立行政法人 科学技
の会員が参加し、大学
術振興機構(JST)が主催する新技術説明会が8月に
教員と情報交換や議
JSTホール(東京・市ヶ谷)で開催されました。SISを組
論を行うことを目的としています。第1回目の今回は、
織する19の学術機関から、信州大学、長野工業高等
機械分野と電気電子分野について大学の研究紹介が
専門学校、松本歯科大学、諏訪東京理科大学の研究
行われました。今後、定期的に開催する予定で次回の
者11人がライフサイエンスと工学分野の新技術につい
講演会は11月19日です。
り組みで、企業や自治
て発表しました。発表後には相談コーナーが設けられ、
研究者と企業関係者らが技術相談や共同研究に向け
信州大学・小諸市産学官連携
た個別相談などをしました。
第1回講演会
信州大学・小諸市産学官連携協議会が主催する第
1回講演会が、9月27日(月)に小諸市グランドキャッス
ルホテルで開催されました。第1部では繊維学部から
化学・材料系の研究概要紹介、第2部では工学部から
全般的な研究概要紹介と3件の研究シーズ紹介を行
写真右:長野県における産学官連携事業について紹介をする天野CRCセンター長
いました。地域の企業等からの参加者は約40人で、産
産学交流ネットワーク2010
学官の情報交換をする良い機会が得られました。小諸
県内や近隣の大学などが技術シーズを紹介する「産
市と信州大学繊維学部、工学部は、平成19年5月か
学交流ネットワーク2010」が9月1日に諏訪市のRAKO
ら産学官連携協定を締結しています。
華乃井ホテルで開かれました。
このイベントには信州大学のほか、諏訪東京理科大
諏訪圏工業メッセ
学、松本歯科大学、長野工業高等専門学校、山梨大
諏訪地域6市町村の製造業関連企業が集まる工業
学が参加。第1部では、各校の産学官連携状況の説
専門展示会「諏訪圏工業メッセ」。255の企業や学術
明があり、地域共同研究センター(CRC)の天野良彦セ
機関等が出展し、10月14日から3日間の日程で開催
ンター長が信州大学の取り組みを説明をしました。続い
されました。展示会のほか、鈴与株式会社 代表取締
て第2部では、航空宇宙や環境、医療や機能性食品
役社長の鈴木与平氏による記念講演、諏訪ブランドの
など、様々な分野の技術についてプレゼンテーションが
魅力を伝えるプレゼンテーションなどが行われ、大いに
行われました。
盛り上がりました。プレゼンテーションでは、信州大学産
学官連携推進本部の
信州大学ものづくり協力会 講演会
林靖人研究員が「諏訪
「夢を語る会」
(SUWA)ブランドのビジ
地元企業と信州大学との共同研究に向けた活動支
ネス活用」について発表
援を行っている「信州大学ものづくり協力会」の講演会
しました。
信州大学の展示ブース
が9月22日、信州大学工学部キャンパス内の長野市
ものづくり支援センターで開かれました。これは今年度
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競争的資金 公募情報
対象:大学・公的研究機関等の研究者
平成22年10月中旬までに発表・予告された主な競
予算:全研究期間総額で2億円(日本側のみ)を上限
争的研究資金を紹介します。国の予算が成立すること
公募期間:~平成22年11月17日(水) 16時
研究期間:約3年間
を前提として募集予告しているものもあります。変更の
可能性がありますので、各担当機関の最新情報をよく
戦略的国際科学技術協力推進事業
ご確認ください。地域共同研究センターのHPでも随時
日本-EU研究交流「環境」分野課題募集
情報を更新しております。
担当機関:JST
対象:大学や研究機関、企業などで研究に従事してい
平成22年度(経済危機対応・地域活性化予備費事
る研究者(参加するFP7コンソーシアムが EC DG RTD
業)戦略的基盤技術高度化支援事業
にて採択されることが条件)
担当機関:中小企業庁
研究期間:3年間(36カ月間)
対象:ものづくり中小企業者を含む、公募要領に記す
予算:原則、3年間総額で22.5百万円を上限
事業管理機関、研究実施機関、総括研究代表者、副
公募期間:~平成22年11月19日(金)午後5時および
総括研究代表者、アドバイザーによって構成される共
平成23年2月2日(水)午後5時 同体
※研究領域により異なる
研究期間:~平成23年3月31日
公募期間:~平成22年11月5日(金)
革新的太陽光発電技術研究開発(革新型太陽電池
国際研究拠点整備事業)に係る追加公募
環境研究総合推進費
担当機関:NEDO
担当機関:環境省
対象:企業、大学、独立行政法人、地方公共団体等
対象:研究機関に所属している研究者
研究期間:平成23年度から平成26年度まで
研究期間:研究開発領域により異なる
予算:初年度予算は約1.6億円を予定
予算:研究開発領域により異なる
公募期間:~平成22年11月25日(木)
公募期間:~平成22年11月10日(水)の午後5時
戦略的国際科学技術協力推進事業
平成23年度循環型社会形成推進研究事業
日本-スウェーデン研究交流「ライフサイエンスと他の
担当機関:環境省
分野を結合した複合領域」課題募集
対象:大学、高等専門学校、民間企業、独立行政法
担当機関:JST
人、地方公共団体の研究機関等
対象:研究者
研究期間:3年以内(特別枠 使用済製品等、廃棄物
研究期間:正味3年間(36カ月)
からのレアメタル回収技術に関する研究については1
予算:原則として3年間総額で22.5百万円を上限
年以内)
公募期間:~平成22年12月21日(火)午後5時
予算:補助金交付額/300万円以上1億円以内(若
手育成型研究は1千万円以下)
公募期間:~平成22年11月10日(水)の午後5時
JST
: 独立行政法人科学技術振興機構
NEDO : 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
戦略的国際科学技術協力推進事業(共同研究型)
日本-EU 共同研究「超伝導」課題募集
担当機関:JST
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産学官連携イベント情報
お知らせ
上田地域産業展2010
グリーンイノベーション研究会を設立
開催日:2010年10月22日(金)・23日(土)
信州大学では、環境やエネルギーなどに関連する研
場所:上田城跡公園体育館・上田城跡公園第二体育館
究分野の活性化を目的に「グリーンイノベーション研究
会」を立ち上げます。本研究会は総合科学技術会議の
産業フェアin善光寺平2010
答申を受けて設立するもので、大学内で学部の壁を越
開催日:2010年10月29日(金)・30日(土) えてグリーンイノベーション関連の研究を活性化させる
10:00~18:00(最終日は16:00まで)
目的で組織しました。将来のイノベーションに向けて基
場所:長野市ビッグハット(長野市若里3-22-2)
礎的な研究をスタートさせるための環境作りに貢献でき
るように活動していきたいと考えています。将来的には
バイオマスユーティリゼーション(BMU)
研究会(食品分科会)シンポジウム
本研究会のもとに発足したプロジェクトを核に、産官学
連携を促進していくことを目指します。本研究会の事務
局は当面CRCが行います。
開催日:2010年11月16日(火) 14:00~17:00
場所:ホテルモンターニュ松本(松本市巾上3-2)
メールマガジン配信中
地域共同研究センターでは、本誌以外にもメールマ
信州大学ものづくり協力会
ガジンでセミナーやイベントなどの情報を配信していま
第2回講演会「夢を語る会」
す。メールマガジン配信希望の方は、お名前・ご所属・
開催日:2010年11月19日(金)15:00 ~
配信先をご記入いただき、下記までご連絡ください。
場所:信州科学技術総合振興センター(SASTec) 3階
forum@crc.shinshu-u.ac.jp
研修室(信州大学工学部キャンパス内)
アグリビジネス創出フェア2010
開催日:2010年11月24日(水) ~26日(金)の3日間 9:30~16:30 (開会セレモニー 24日9:15~9:30)
場所:幕張メッセ 展示ホール6(千葉県千葉市)
善光寺バレーセンサ研究会シンポジウム
開催日:2010年12月16日(木)
場所:信州科学技術総合振興センター(SASTec) 3階
地域活性化システム論(市民開放授業)
「地域を元気にするコツを学んでみませんか」
開催日:2011年1月19日までの毎週水曜(全14回) 16:30-18:00 (11月3日(水)は休講。11月5日(金)に補講)
場所:信州大学繊維学部 講義棟31番講義室
−6−
〒380-8553 長野市若里 4−17−1
信州大学若里キャンパス内
TEL:026-269-5625 FAX:026-269-5630
E-mail:office2@crc.shinshu-u.ac.jp
http://www.crc.shinshu-u.ac.jp
発行日:2010 年 10 月 22 日(1.4.7.10 月の年 4 回発行)
発行人:信州大学 地域共同研究センター
本誌に関するご意見ご要望などありましたら、お気軽にお申し付けください。
本誌の全部または一部を無断で複写・複製することは(例外を除く)、著作権法により禁止されています。