2,4-ジニトロフェノール 2,5-ジニトロフェノール 2,6 - 国立環境研究所

神戸市環境保健研究所
2,4-ジニトロフェノール
2,4-Dinitrophenol
2,5-ジニトロフェノール
2,5-Dinitrophenol
2,6-ジニトロフェノール
2,6-Dinitrophenol
2,6-ジニトロ-p-クレゾール
2,6-Dinitro-p-cresol
4,6-ジニトロ-o-クレゾール
4,6-Dinitro-o-cresol
【対象物質の構造】
2,4-ジニトロフェノール
CAS 番号 51-28-5
分子式 C6H4O5N2
2,5-ジニトロフェノール
CAS 番号 329-71-5
分子式 C6H4O5N2
2,6-ジニトロ-p-クレゾール
CAS 番号 609-93-8
分子式 C7H6O5N2
4,6-ジニトロ-o-クレゾール
CAS 番号 534-52-1
分子式 C7H6O5N2
2,6-ジニトロフェノール
CAS 番号 573-56-8
分子式 C6H4O5N2
【物理化学的性状】
物質名
分子量
沸点
(℃)
蒸気圧
(Pa)
(昇華性あり) 3×10-3(25℃)
水溶解度
(mg/L)
pKa
LogPow
5600(18℃)
4.11
1.67
2,4-ジニトロフェノール
184.1
2,5-ジニトロフェノール
184.1
-
-
385(25℃)
5.22
1.75
2,6-ジニトロフェノール
184.1
-
-
5190(50℃)
3.71
1.37
2,6-ジニトロ-p -クレゾール
198.1
-
-
512(25℃)
4.23
2.13
4,6-ジニトロ-o -クレゾール
198.1
378
16(25℃)
198(20℃)
4.31
2.13
※ 引用元:化学物質安全性(ハザード)評価シート(財)化学物質評価研究機構
神奈川県化学物質安全情報提供システム(kis-net)
SRC PhysProp Database
【毒性、用途】
2,4-ジニトロフェノール
毒性:マウス(経口 LD50)45 mg/kg、ラット(経口 LD50)30 mg/kg
用途:染料、合成中間体、pH 指示薬、防腐剤、試薬
2,5-ジニトロフェノール
用途:染料、合成中間体
2,6-ジニトロフェノール
毒性:マウス(その他 LD50)45 mg/kg、ラット(その他 LD50)38 mg/kg
用途:合成中間体、pH 指示薬
2,6-ジニトロ-p-クレゾール
毒性:マウス(腹腔内注射 LD50)24.8 mg/kg
4,6-ジニトロ-o-クレゾール
毒性:マウス(経口 LD50)47 mg/kg、ラット(経口 LD50)7 mg/kg
用途:殺虫剤、防虫剤
※ 引用元: 化学物質安全性(ハザード)評価シート(財)化学物質評価研究機構
神奈川県化学物質安全情報提供システム(kis-net)
§1
分析法
(1)分析法の概要
ホモジナイズした生物試料 10 g に、サロゲートとして 2,4-ジニトロフェノール-d3
を加えた後、水蒸気蒸留を行い、留液 700 mL を採取する。その留液を pH 調整(pH
3)した後、固相カートリッジ(Sep-pak Plus PS-2)に通水して 2,4-ジニトロフェノール
を固相抽出し、LC/MS/MS-SRM(ESI-)法で定量する。
(2)試薬・器具
【試薬】
2,4-ジニトロフェノール、2,6-ジニトロフェノール、2,5-ジニトロフェノール、
4,6-ジニトロ-o-クレゾール、2,6-ジニトロ-p-クレゾール
:東京化成
2,4-ジニトロフェノール-d3
:Cambridge Isotope Laboratories
4,6-ジニトロ-o-クレゾール-d5 標準液(100 mg/L) :Dr. Ehrenstorfer GmbH
アセトニトリル、メタノール、ギ酸
:和光純薬、LC/MS 用
塩化ナトリウム
:和光純薬、残留農薬用
酢酸、燐酸
:和光純薬、特級
精製水
:超純水製造システム(milliQ Gradient-A10,ミリポア
製)により製造された水
固相カートリッジ
:Sep-pak Plus PS-2(Waters 社製)
【器具】(注1)
メスシリンダー(200 mL)、共栓付メスシリンダー(1000 mL)
メスピペット(10 mL)
マイクロシリンジ(10-100 μL)、マイクロピペット(100-1000 μL)
水蒸気蒸留装置(注2)
固相抽出装置
(3)分析法
【試料の採取及び保存】
環境省「化学物質環境実態調査実施の手引き」(平成18年3月)に従う。
【試料の前処理及び試験液の調製】
〔生物〕
ホモジナイズした生物試料 10 g を蒸留フラスコ(500 mL 容)に秤量した後、サロゲ
ート標準液(2,4-ジニトロフェノール-d3、10 ng/μL)10 μL を添加し、よく混合後、精
製水 200 mL、燐酸 10 mL、塩化ナトリウム 50 g 及び沸石を加える。水蒸気蒸留(注
3)を行い、留出液 700 mL を採取する。その留出液をギ酸で pH 3 に調整した後、
コンディショニングした Sep-Pak Plus PS-2(注 4)に流速約 20 mL/min で通過させ
る(注 4)。次に pH 調整済精製水(pH 3)約 10 mL を通して洗浄する。カートリッジ
は注射器で空気を 10 mL 通気してカートリッジ中の水分を除去し、アセトニトリル
5 mL を用いて溶出し、精製水を加えて 10 mL に定容し、試験液とする。
【操作ブランクの調製】
試料と同じ重量の精製水を用い、【試料の前処理及び試験液の調製】の項に従っ
て操作し、得られた試験液を操作ブランクとする。
【標準液の調製】
各標準試薬 100 mg 相当量(注 5)を正確に秤取り、アセトニトリルに溶解し、100
mL とする(1000 mg/L,標準原液)。その標準原液を 50%アセトニトリル水で順次希釈
し、0.2 ng/mL から 30 ng/mL の標準液を作成する。各濃度の標準液にはサロゲート
として 2,4-ジニトロフェノール-d3 を 10 ng/mL の濃度になるように添加する。さら
に各標準液を 1mL 分取し、内標として 4,6-ジニトロ-o-クレゾール-d5 1 ng/μL を 10
μL 添加する(検量線用標準液)。
【サロゲート標準液の調製】
2,4-ジニトロフェノール-d3標準品(安全のため含水されている。含量65%)15.4 mg
を正確に秤取り、アセトニトリルに溶解し、100 mL とする(100 mg/L,サロゲート標
準原液)。サロゲート標準原液をアセトニトリルで希釈し、10、1及び0.1 ng/μLのサ
ロゲート添加用標準液を作成する。
【内標準液の調製】(注6)
4,6-ジニトロ-o-クレゾール-d5標準液(市販品、100 mg/L、内標準原液)をアセト
ニトリルで希釈し、1 ng/μLの内標準添加用標準液を作成する。
【測定】
[LC/MS/MS 条件](注 7)
LC/MS/MS 機種名
(LC)
LC 機種
カラム
移動相
: Waters2695/Quattro micro API
: Waters2695
: Imtakt、Cadenza CD-C18(2 mm i.d.× 150 mm, 3 μm)
: A:1%酢酸、B:アセトニトリル
0 → 4.5 min A:80
B:20
4.5 →14.5 min A:80→10 B:20→90 linear gr.
14.5→16.5 min A:80
B:20
16.5→26.5 min A:80
B:20
: 0.2 mL/min
: 40 ℃
: 10 μL
:メタノール:精製水(1:1)
:メタノール
流量
カラム温度
注入量
シール洗浄液
シリンジ洗浄液
(MS)
MS 機種
:Waters Quattro micro API
キャピラリー電圧
: 0.3 kV
ソース温度
: 100 ℃
デゾルベーション温度
: 300 ℃
コーンガス量
: 50 L/Hr
デゾルベーション流量
: 600 L/Hr
イオン化法
: ESI-Negative-SRM
モニターイオン、コーン電圧、コリジョンエネルギー:
2,4-ジニトロ
フェノール
2,5-ジニトロ
フェノール
2,6-ジニトロ 2,6-ジニトロ- 4,6-ジニトロp -クレゾール o -クレゾール
フェノール
2,4-ジニトロ 4,6-ジニトロ-o フェノール-d 3 クレゾール-d 5
モニターイオン
m/z 183.0
>109.0
m/z 183.0
>123.0
m/z 183.0
>153.0
m/z 197.0
>167.0
m/z 197.0
>180.0
m/z 186.0
>112.0
m/z 202.0
>184.0
コーン電圧、V
35
35
35
40
40
35
40
コリジョンエネ
ルギー、eV
25
20
15
20
20
25
20
〔検量線〕
検量線用標準液 10 μL を LC/MS/MS に注入して得られた、標準物質のピーク面積
とサロゲートのピーク面積の比から 2,4-ジニトロフェノール等定量用の検量線を作
成する。
〔定量〕
試験液 10μL を LC/MS/MS に注入して得られた、標準物質のピーク面積とサロゲ
ートのピーク面積の比から検量線を用いて 2,4-ジニトロフェノール等の濃度を測定
する。
〔濃度の算出〕
試料中の 2,4-ジニトロフェノール等の濃度は、次式により算出する。
生物試料濃度(ng/g・wet) = 検出濃度(ng/mL) × 最終液量(mL) / 試料量(g・wet)
〔サロゲートの回収率の算出〕
サロゲート(2,4-ジニトロフェノール-d3)の回収率は次式により算出する。
サロゲートの回収率(%) = A / B × 100
A:試料測定時の(サロゲートのピーク面積 / 内標準物質のピーク面積)
B:検量線測定時の(サロゲートのピーク面積 / 内標準物質のピーク面積)の
平均値
〔装置検出下限(IDL)〕
本分析に用いた LC/MS/MS(Waters Quattro micro API)の IDL を次に示す(注 8)
物質
IDL
(ng/mL)
試料量
(g)
最終液量
(mL)
IDL試料換算値
(ng/g)
2,4-ジニトロフェノール
0.097
10
10
0.097
2,5-ジニトロフェノール
0.16
10
10
0.16
2,6-ジニトロフェノール
0.13
10
10
0.13
2,6-ジニトロ-p -クレゾール
0.18
10
10
0.18
4,6-ジニトロ-o -クレゾール
0.056
10
10
0.056
[測定方法における検出下限値(MDL)、定量下限値(MQL)]
本測定方法における検出下限値および定量下限値を次に示す(注 9)
試料量 最終液量 検出下限値 定量下限値
(g)
(mL)
(ng/g)
(ng/g)
物質
試料
2,4-ジニトロフェノール
さんま
10
10
0.18
0.47
2,5-ジニトロフェノール
さんま
10
10
0.23
0.60
2,6-ジニトロフェノール
さんま
10
10
0.15
0.39
2,6-ジニトロ-p -クレゾール
さんま
10
10
0.22
0.56
4,6-ジニトロ-o -クレゾール
さんま
10
10
0.18
0.47
注
解
(分析上の注意点等)
(注 1)
試験溶液が接する器具は、すべてアセトニトリルで共洗いしてから使用する。
(注 2)
水蒸気蒸留における蒸留フラスコ部分の温度を 110∼112 ℃に制御できること。
適用できる装置の例を以下に示す。
A:
B:
C:
D:
E:
F:
G:
H-1:
水蒸気発生フラスコ 1000 mL
蒸留フラスコ 500 mL
連結導入管(水蒸気発生フラスコ用)
連結導入管(蒸留フラスコ用)
トラップ
冷却管(リービッヒ)
逆流止め
温度計 0∼200℃
図1
H-2:
I:
J:
K:
O:
M:
N:
温度計アダプター(テフロン製)
トラップ球
L管
トラップ管
温度センサー(ガラス製)
球面用クランプ
温度センサー収納ケース
適用できる蒸留装置の例:精密型フッ素蒸留装置
(理研式、温度調節器による温度制御方式)
(注 3)
水蒸気蒸留における蒸留フラスコ部分の温度を 110∼112 ℃に制御する。また、
留出速度は 10 mL/min 程度で、さらに蒸留フラスコ部分の液量がほとんど変わらな
いように、水蒸気の発生速度を調整する。なお、例に示した理研式蒸留装置では水
蒸気発生フラスコヒーター制御用ダイアルを 10 に、蒸留フラスコ制御用設定温度
を 110 ℃、冷却ファン動作温度を 111 ℃に設定すると、ほぼ上記条件で蒸留でき
る。事前にこの条件を満たす蒸留条件を確認しておくことが必要である。
(注 4)
固相カートリッジは、使用直前にアセトニトリル 10 mL と pH 調整済精製水(pH
3) 10 mL でコンディショニングする。なお、pH 調整済精製水(pH 3)は精製水 1
L に対し、ギ酸 0.2 mL 程度加えることにより作成できる。
(注 5)
各標準試薬は、安全のため含水されている。従って、例えば含量 85 %と表示の
ある場合は 117.6 mg を正確に秤取り、アセトニトリルに溶解し、100 mL とする、
などの方法により標準原液を作成する。
(注 6)
内標準液は、サロゲートの回収率の算出に用いる。
(注 7)
LC/MS/MS の条件は、本測定に使用した機種(Waters Quattro micro API )特有の
ものである。
(注 8)
装置検出下限(IDL)は、「化学物質環境実態調査実施の手引き」(平成 18 年 3 月)
に従って、表 1 のとおり算出した。また、図 2 に IDL 測定付近のクロマトグラムを
示した。
表1 装置検出下限(IDL)の算出(Waters Quattro micro API)
2,4-ジニトロ
フェノール
10
試料量 (g)
10
最終液量 (mL)
0.2
注入液濃度 (ng/mL)
10
装置注入量 (μL)
0.170
結果1 (ng/mL)
0.177
結果2 (ng/mL)
0.186
結果3 (ng/mL)
0.206
結果4 (ng/mL)
0.206
結果5 (ng/mL)
0.222
結果6 (ng/mL)
0.239
結果7 (ng/mL)
0.201
平均値 (ng/mL)
0.025
標準偏差 (ng/mL)
IDL(ng/mL)
0.097
0.097
IDL試料換算値(ng/g)
S/N
13
CV(%)
12.4
※IDL=t(n-1,0.05)×σn-1×2
物質名
2,5-ジニトロ
フェノール
10
10
0.5
10
0.512
0.443
0.495
0.555
0.445
0.478
0.453
0.483
0.041
0.16
0.16
13
8.5
2,6-ジニトロ 2,6-ジニトロ- 4,6-ジニトロフェノール
p -クレゾール o -クレゾール
10
10
10
10
10
10
0.5
0.5
0.2
10
10
10
0.482
0.504
0.208
0.525
0.472
0.201
0.482
0.558
0.194
0.474
0.591
0.193
0.483
0.494
0.219
0.493
0.464
0.233
0.414
0.489
0.213
0.479
0.510
0.209
0.033
0.047
0.014
0.13
0.18
0.056
0.13
0.18
0.056
10
14
11
6.9
9.2
6.9
*
2,4-ジニトロフェノール
*
サロゲート
2,4-ジニトロフェノール-d3
*
2,5-ジニトロフェノール
*
2,6-ジニトロフェノール
*
2,6-ジニトロ-p-クレゾール
*
4,6-ジニトロ-o-クレゾール
*
I.S.
4,6-ジニトロ-o-クレゾール-d5
図 2 IDL 測定時のクロマトグラム(SRM、注入量 2 pg)
(注 9)
測定方法の検出下限(MDL)及び定量下限(MQL)は、「化学物質環境実態調査
実施の手引き」(平成 18 年 3 月)により、次のとおり算出した。
表 2 測定方法の検出下限(MDL)及び定量下限(MQL)の算出
2,4-ジニトロ 2,5-ジニトロ 2,6-ジニトロ 2,6-ジニトロ- 4,6-ジニトロフェノール
フェノール
フェノール
p -クレゾール o -クレゾール
試料
さんま
さんま
さんま
さんま
さんま
10
10
10
10
10
試料量 (g)
3
7.5
7.5
7.5
3
標準添加量 (ng)
0.3
0.75
0.75
0.75
0.3
試料換算濃度 (ng/g)
10
10
10
10
10
最終液量 (mL)
0.3
0.75
0.75
0.75
0.3
注入液濃度 (ng/mL)
10
10
10
10
10
装置注入量 (μL)
①
0.18>
0.23>
0.15>
0.22>
0.18>
操作ブランク平均 (ng/g)
②
0.18>
0.23>
0.15>
0.22>
0.18>
無添加平均 (ng/g)
0.34
0.65
0.48
0.40
0.32
結果1 (ng/g)
0.42
0.77
0.48
0.47
0.28
結果2 (ng/g)
0.29
0.70
0.50
0.33
0.39
結果3 (ng/g)
0.32
0.77
0.52
0.42
0.30
結果4 (ng/g)
0.35
0.84
0.39
0.41
0.24
結果5 (ng/g)
0.37
0.76
0.49
0.36
0.32
結果6 (ng/g)
0.41
0.78
0.46
0.49
0.29
結果7 (ng/g)
0.359
0.755
0.474
0.411
0.305
平均値 (ng/g)
0.047
0.060
0.039
0.056
0.047
標準偏差 (ng/g)
MDL(ng/g)
0.18
0.23
0.15
0.22
0.18
MQL(ng/g)
0.47
0.60
0.39
0.56
0.47
S/N
19
19
9
7
17
CV(%)
13.1
7.9
8.2
13.7
15.6
※MDL=t(n-1,0.05)×σn-1×2
※MQL=σn-1×10
物質名
①操作ブランク平均:
試料マトリクスのみがない状態で他は同様の操作を行い測定した値の平均値
②無添加平均:
MDL算出用試料に標準を添加していない状態で含まれる濃度の平均値
サロゲート
回収率
93
92
89
89
91
84
86
88.9
3.3
%
%
%
%
%
%
%
%
%
3.7 %
§2
解
説
【分析法】
[フローチャート]
分析法フローチャートを図 3 に示す。
水蒸気
蒸留
110-112 ℃
生物試料
10 g
pH調整
固相抽出
pH 3
PS-2
留液700 mL採取 (ギ酸約0.14 mL)
サロゲート添加
NaCl 50 g
燐酸 10 mL
精製水 200 mL
水洗
脱水
精製水(pH 3) シリンジで通気
10 mL
10 mL
溶出
水希釈
アセトニトリル
5 mLで
10 mLまで
LC/MS/MS
ESISRM
図3
分析法フローチャート
〔検量線、クロマトグラム及びマススペクトル〕
検量線、標準液のクロマトグラム、マススペクトル及び Product Ion Scan マスス
ペクトル図 4、図 5、図 6 及び図 7 に示す。
2,4-ジニトロフェ 2,5-ジニトロフェ 2,6-ジニトロフェ 2,6-ジニトロ-p -ク 4,6-ジニトロ-o -ク
レゾール
ノール
ノール
ノール
レゾール
標準試料
標準試料
濃度
濃度比
面積比
面積比
面積比
面積比
面積比
(対象物質)
(対象物質/サロゲート)
(対象物質/サロゲート)
(対象物質/サロゲート)
(対象物質/サロゲート)
(対象物質/サロゲート)
(対象物質/サロゲート)
0.00
0.02
0.05
0.10
0.30
1.00
3.00
m/z 183.0
> 109.0
0.000
0.027
0.063
0.115
0.308
1.019
2.974
m/z 183.0
> 123.0
0.000
0.015
0.034
0.068
0.172
0.568
1.630
m/z 183.0
> 153.0
0.000
0.006
0.025
0.060
0.159
0.486
1.454
m/z 197.0
> 167.0
0.000
0.005
0.016
0.028
0.076
0.249
0.635
m/z 197.0
> 180.0
0.000
0.015
0.038
0.069
0.189
0.577
1.584
ng/mL
0
0.2
0.5
1
3
10
30
2.0
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
0
1
2
3
濃度比 (対象物質/サロゲート)
2,4-ジニトロフェノール:0.2-30 ng/mL
2.0
y = 0.5412 x + 0.0112
R² = 0.9998
1.5
面積比 (対象物質/サロゲート)
y = 0.9880 x + 0.0148
R² = 0.9999
面積比 (対象物質/サロゲート)
面積比 (対象物質/サロゲート)
3.5
1.0
0.5
0.0
0
1
2
濃度比 (対象物質/サロゲート)
3
2,5-ジニトロフェノール:0.2-30 ng/mL
y = 0.4830 x + 0.0052
R² = 0.9999
1.5
1.0
0.5
0.0
0
1
2
3
濃度比 (対象物質/サロゲート)
2,6-ジニトロフェノール:0.2-30 ng/mL
2,4-ジニトロフェノール-d 3(サロゲート):10 ng/mL 2,4-ジニトロフェノール-d 3(サロゲート):10 ng/mL 2,4-ジニトロフェノール-d 3(サロゲート):10 ng/mL
0.7
2.0
面積比 (対象物質/サロゲート)
0.6
面積比 (対象物質/サロゲート)
y = 0.2109 x + 0.0108
R² = 0.9968
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0.0
0
1
2
3
濃度比 (対象物質/サロゲート)
y = 0.5246 x + 0.0209
R² = 0.9991
1.5
1.0
0.5
0.0
0
1
2
3
濃度比 (対象物質/サロゲート)
2,6-ジニトロ-p -クレゾール:0.2-30 ng/mL
4,6-ジニトロ-o -クレゾール:0.2-30 ng/mL
2,4-ジニトロフェノール-d 3(サロゲート):10 ng/mL 2,4-ジニトロフェノール-d 3(サロゲート):10 ng/mL
図4
検量線
*
2,4-ジニトロフェノール
*
サロゲート
2,4-ジニトロフェノール-d3
*
2,5-ジニトロフェノール
*
2,6-ジニトロフェノール
*
2,6-ジニトロ-p-クレゾール
*
4,6-ジニトロ-o-クレゾール
*
I.S.
4,6-ジニトロ-o-クレゾール-d5
図5
検量線に用いた標準液のクロマトグラム(SRM、注入量 100 pg)
2,4-ジニトロフェノール
2,5-ジニトロフェノール
2,6-ジニトロフェノール
2,6-ジニトロ-p-クレゾール
4,6-ジニトロ-o-クレゾール
図 6 マススペクトル
2,4-ジニトロフェノール
2,5-ジニトロフェノール
2,6-ジニトロフェノール
2,6-ジニトロ-p-クレゾール
4,6-ジニトロ-o-クレゾール
図 7 Product Ion Scan マススペクトル
〔水蒸気蒸留での留出曲線〕
ホモジナイズしたさんま10 gに、混合標準液10 μg/mLを200 μL添加した後、
【試料
の前処理及び試験液の調製】に従い、水蒸気蒸留を行い、留液を100mLづつ分取し
た。それを定量することにより得られた、水蒸気蒸留での留出曲線を図8に示す。
なお、蒸留フラスコを100 ℃にすると、留液700 mLを得るのに時間がかかるだけで
なく、700 mLを分取しても回収率は110 ℃の時より低かった。また蒸留フラスコ温
度をさらに高めるために燐酸濃度を高めて蒸留すると、蒸留フラスコを150 ℃にす
ることも可能であったが、そうすると、2,5-ジニトロフェノール、2,6-ジニトロフェ
ノール及び2,6-ジニトロ-p-クレゾールの回収率が特に低下した。酸化分解している
ことが示唆された。従って、蒸留フラスコを110-112 ℃にして水蒸気蒸留し、留液
を700 mL分取することとした。
積算絶対回収率、%
100
80
60
40
20
0
0
200
400
600
800
留液分取量、mL
2,4-ジニトロフェノール
2,4-ジニトロフェノール-d3
2,5-ジニトロフェノール
2,6-ジニトロフェノール
2,6-ジニトロ-p-クレゾール
4,6-ジニトロ-o-クレゾール
図 8 水蒸気蒸留の留出曲線
1000
〔システムブランク〕
LC/MS/MS に清浄なアセトニトリル:精製水(1:1)溶液を注入したとしても、2,4ジニトロフェノール及び 4,6-ジニトロ-o-クレゾールのピークを生じることがある。
他の 3 物質についてはシステムブランクのピークは通例生じない。これはニードル
部分の汚染が原因と考えられる。それを低減するためにはニードル洗浄液、ニード
ルシールを清浄に保つことが必要である。また、LC/MS/MS 分析時にはアセトニト
リル:精製水(1:1)を時々注入してそのピークの検出状況を確認する必要がある。
〔操作ブランク〕
精製水を用いて、生物試料の処理法に従い、操作ブランク試験を行った。その結
果を表 3 及び図 9 に示す。いずれの物質においても操作ブランクは MDL より小さ
かった。しかし、分析環境によっては MDL 以上検出される場合が想定されるため、
検出された場合には、試料濃度は操作ブランク濃度を差し引いて算出する。
表3
物質名
試料
試料量 (g)
最終液量 (mL)
装置注入量 (μL)
結果1 (ng/g)
結果2 (ng/g)
結果3 (ng/g)
操作ブランク試験結果
2,4-ジニトロ 2,5-ジニトロ 2,6-ジニトロ 2,6-ジニトロ- 4,6-ジニトロフェノール
フェノール
フェノール
p -クレゾール o -クレゾール
精製水
精製水
精製水
精製水
精製水
10
10
10
10
10
10
10
10
10
10
10
10
10
10
10
0.18>
0.23>
0.15>
0.22>
0.18>
0.18>
0.23>
0.15>
0.22>
0.18>
0.18>
0.23>
0.15>
0.22>
0.18>
サロゲート
回収率
91 %
91 %
92 %
*
2,4-ジニトロフェノール
*
サロゲート
2,4-ジニトロフェノール-d3
*
2,5-ジニトロフェノール
*
2,6-ジニトロフェノール
*
2,6-ジニトロ-p-クレゾール
*
4,6-ジニトロ-o-クレゾール
*
I.S.
4,6-ジニトロ-o-クレゾール-d5
図9
操作ブランクのクロマトグラム
〔添加回収実験結果〕
...
さんまへの標準物質添加回収実験結果を表 4 に示す。
表4
物質名
試料
2,4-ジニトロフェノール
さんま
2,5-ジニトロフェノール
さんま
添加回収実験結果
試料量 添加量
2,6-ジニトロフェノール
さんま
2,6-ジニトロ-p -クレゾール
さんま
4,6-ジニトロ-o -クレゾール
さんま
(g)
10
10
10
10
10
10
10
10
10
10
(ng)
無添加
30
無添加
30
無添加
30
無添加
30
無添加
30
最終
液量
測定
回数
検出
濃度
回収率
(mL)
10
10
10
10
10
10
10
10
10
10
3
5
3
5
3
5
3
5
3
5
(ng/g)
0
2.99
0
3.35
0
2.06
0
2.14
0
3.26
(%)
100
112
69
71
109
変動
係数
サロゲート
回収率
(%)
1.7
(%)
89
-
0.9
2.5
6.6
2.5
〔分解スクリーニング試験結果〕
pH 5、7 及び 9 に調整した精製水に混合標準液をそれぞれ 10 ng/mL になるように
添加し、1 時間後及び 5 日後(明所と暗所)に分析し、残存率を求めた。その分解性
スクリーニング試験結果を表 5 に示す。
表 5 分解スクリーニング試験結果
物質名
2,4-ジニトロフェノール
2,5-ジニトロフェノール
2,6-ジニトロフェノール
2,6-ジニトロ-p -クレゾール
4,6-ジニトロ-o -クレゾール
pH
5
7
9
5
7
9
5
7
9
5
7
9
5
7
9
初期濃度 1時間後の
残存率
(ng/mL)
(%)
10
101
10
104
10
106
10
104
10
105
10
103
10
97
10
104
10
101
10
101
10
96
10
98
10
96
10
98
10
98
5日後の残存率
暗所
明所
(%)
(%)
99
98
101
100
101
100
102
97
97
98
100
100
93
96
96
94
98
98
94
95
94
96
95
100
98
100
98
98
100
100
〔環境試料分析例〕
さんま(北海道産)からは検出されなかった。さんまのクロマトグラム例を図 10-1
に、さんまに標準添加した場合のクロマトグラム例を図 10-2 示す。
*
2,4-ジニトロフェノール
*
サロゲート
2,4-ジニトロフェノール-d3
*
2,5-ジニトロフェノール
*
2,6-ジニトロフェノール
*
2,6-ジニトロ-p-クレゾール
*
4,6-ジニトロ-o-クレゾール
*
I.S.
4,6-ジニトロ-o-クレゾール-d5
図 10-1 さんまのクロマトグラム
*
2,4-ジニトロフェノール
*
サロゲート
2,4-ジニトロフェノール-d3
*
2,5-ジニトロフェノール
*
2,6-ジニトロフェノール
*
2,6-ジニトロ-p-クレゾール
*
4,6-ジニトロ-o-クレゾール
*
I.S.
4,6-ジニトロ-o-クレゾール-d5
図 10-2 さんまに標準添加した場合のクロマトグラム例
(添加量 各物質 30ng / 試料 10g)
【評価】
本法により、生物試料中の 2,4-ジニトロフェノール、2,5-ジニトロフェノール、2,6ジニトロフェノール、2,6-ジニトロ-p-クレゾール及び 4,6-ジニトロ-o-クレゾールを
それぞれ 0.18、0.23、0.2、0.2 及び 0.18 ng/g まで検出可能である。
【参考文献】
(1)環境省保健調査室:平成 19 年度化学物質分析法開発調査報告書, 831-846 (2007)
(2,4-ジニトロフェノール, 神戸市環境保健研究所)
(2)環境庁保健調査室:平成 5 年度化学物質分析法開発調査報告書, 102-142(1993).
(o-ニトロフェノール、m-ニトロフェノール、p-ニトロフェノール 2,4-ジニトロ
フェノール、2,6-ジニトロ-p-クレゾール, 岡山県環境保健センター)
【担当者氏名・連絡先】
担当:神戸市環境保健研究所
住所:〒650-0046 神戸市中央区港島中町 4-6
TEL:078-302-6302 FAX:078-302-6302
担当者:八木 正博
E-mail:masahiro_yagi@office.city.kobe.jp
2,4-Dinitrophenol
2,5-Dinitrophenol
2,6-Dinitrophenol
2,6-Dinitro-p-cresol
4,6-Dinitro-o-cresol
This method has developed for determination of 2,4-dinitrophenol, 2,5-dinitrophenol,
2,6-dinitrophenol, 2,6-dinitro-p-cresol and 4,6-dinitro-o-cresol in biological samples by
liquid chromatography-tandem mass spectrometry(LC/MS/MS). After 10 μL of
2,4-dinitrophenol-d3 (surrogate, 10 ng/μL) is spiked into 10 g of homogenized sample,
components of the sample are extracted by steam distillation to collect 700 mL of aqueous
distillate. The target compounds are collected by passing the distrillate into a
preconditioned solid-phase-extraction cartridge (Sep-Pak Plus-PS2) at a flow rate of
approximately 20 mL/min. The compounds collected into the cartridge are eluted with 5
mL of acetonitrile. The acetonitrile elute is diluted to 5.0 mL with pure water. The solution
is analyzed by LC/MS/MS-SRM (ESI negative). Method detection limits (MDL) of
2,4-dinitrophenol, 2,5-dinitrophenol, 2,6-dinitrophenol, 2,6-dinitro-p-cresol and
4,6-dinitro-o-cresol in biological sample are 0.18, 0.23, 0.15, 0.22 and 0.18 ng/g,
respectively. The average percent recoveries (and percent relative standard deviations) of
2,4-dinitrophenol, 2,5-dinitrophenol, 2,6-dinitrophenol, 2,6-dinitro-p-cresol and
4,6-dinitro-o-cresol from 10 g of biological sample spiked with 30 ng of each chemical are
100(1.7), 112(0.7), 69(2.5), 71(6.6) and 109(2.5) %, respectively. The target compounds
were not detected in a saury sample (Hokkaido) by the method.
biological
steam
sample
distillation
10 g
110-112 ℃
surrogate compound until 700 mL
of distillate
NaCl 50 g
phosphoric acid 10 mL
pure water 200 mL
pH
Adjustment
pH 3
(with formic acid
about 0.14 mL)
solid phase
extraction
PS-2
wash
dry
elution
dilution
pure water
10 mL
with syringe
10 mL of air
Acetonitrile
5 mL
pure water
to 10 mL
LC/MS/MS
ESISRM
物質名
分析法フローチャート
備 考
【生物】
[1] 2,4-ジニトロ
フェノール
[2] 2,5-ジニトロ
フェノール
[3] 2,6-ジニトロ
フェノール
[4] 2,6-ジニトロ
-p-クレゾール
[5] 4,6-ジニトロ
生物試料
10 g
水蒸気
蒸留
110-112 ℃
分析原理:
pH調整
固相抽出
pH 3
PS-2
留液700 mL採取 (ギ酸約0.14 mL)
サロゲート添加
NaCl 50 g
燐酸 10 mL
精製水 200 mL
水洗
脱水
精製水(pH 3) シリンジで通気
10 mL
10 mL
-o-クレゾール
LC/MS/MS-SRMESI-Negative
検出下限値:
【生物】(ng/g-wet)
溶出
水希釈
アセトニトリル
5 mLで
10 mLまで
[1] 0.18
[2] 0.23
[3] 0.2
[4] 0.2
LC/MS/MS
ESISRM
[5] 0.18
分析条件:
機器
LC:Waters 2695
MS:Waters Quattro
micro API
カラム
Cadenza CD-C18
150 mm×2.0 mm、
3 μm