CHEMOTHERAPY

CHEMOTHERAPY
310
AB-206に
SEPT.
1978
関 す る基 礎 的 研 究 な ら び に 呼 吸 器 感 染 症 へ の 応 用
中富 昌夫 ・那 須
斎藤
厚 ・森
林
勝 ・岩 崎 博 円 ・大 田麺 祐
信 興 ・広 田正 毅 ・堀 内信 宏
敏 明 ・朝 長 昭 光 ・原
耕平
長崎大学 医学部第2内 科学教室
(主任:原
耕平教授)
餅 田親 子 ・猿 渡 勝 彦 ・伊 折 文 秋 ・林
愛
長崎大学 医学部付属病院検査部
(主任:糸 賀
最 近 の新 しい 抗 生 剤 の発 見 に よ って 感 染症 の治 療 は比
敬教授)
い る 現 況 で あ る。
較 的 に容 易 とな っ て きた。 し か し,重 症 末 期肺 感 染症 や
今 回,開
老 人 また は抗 癌 剤,ス テ ロイ ド剤 な どの 投 与 時 に お け る
(Nalidixic
免 疫低 下 時 の感 染 症 の 治療 に は,し ば しば 困 難 を 感 じて
acid,以
Fig.
1
Chemical
structures
related
derivatives
of AB-206
and
発 さ れ た 抗 菌 剤AB-2061)は,ナ
acid,以
下PA)あ
以 下PPA)と
下NA),ピ
リジ クス酸
ロ ミ ド酸(Piromidic
る い は ピ ペ ミ ド酸(Pipemidic
関 連 し た 化 合 物 で,Fig.1に
な 構 造 式 を 有 し て い る 。 そ の 特 徴 は,抗
に お い て,ほ
こ と,従
in
acid,
と ん どす べ て の グ ラ ム陰 性 菌 に 活 性 を 示 す
来 のNA,PAよ
vitroに
示 す よう
菌 スペ ク トラム
り優 れ た 抗 菌 力 を 示 す こ と,
お い てNAよ
り耐 性 獲 得 が ゆ る や か な こ と
な どで あ る。
AB-206
わ れ わ れ は 本 剤 に つ い て,基
礎 的 研 究 な らび に 呼 吸 器
感 染症 例 に投 与 した 場 合 の効 果 お よび 副 作 用 に つ い て 検
討 し た の で,そ
の成 績 を 報 告 す る。
1.基
1.抗
礎
実 験 方 法:教
Salmonella
と各 種 臨 床 材料 よ
36, Citrobacter
freundii
aureus
10, E. coli 53, Shigella
bsiella
53, Enterobacter
aerogenes
45, Kle-
aerogenes
54,
marcescens
54, Proteus
41, Pr. rettgeri 22, Pr.
16, Morganella
morganii 43, Pseudomo54) の 計686株 に つ い て,日 本 化 学 療
nas aeruginosa
法 学 会 標 準 法 改 訂 案2)に 従 っ て,108/mlの
AB-206とNAの
増 菌 用 培 地 に はTrypticase
け はBTB寒
soy
infusion
NIHJ
定 成 績 をTable
照 株 と し て 使 用 さ れ た.E.coli
で0.39μg/ml,NAで6.25μg/mlで
研)を
JC-2を
測 定 し た。
broth(BBL),測
agar(栄
天 培 地(栄
株 と し て はE.coli
実 験 成 績:測
菌液 を用 い て
最 小 発 育 阻 止 濃 度(MIC)を
用 平 板 培 地 に はHeart
teusだ
54,
38, C. diversus
24, C. amalonatica
inconstans
Pipemidic acid (PPA)
究
(Staphylococcus
Ent. cloacae 54, Serratia
vulgaris 13, Pr. mirabilis
Nalidixicacid (NA)
研
室 保 存 の 標 準 株22株
り分 離 され た 菌664株
Piromidic acid (PA)
的
菌力
定
研)を,Pro-
使 用 した。 対 照 菌
用いた。
1,2,3,4に
NIHJ
示 し た。 対
Jc-2は,AB.206
発 育 が 阻 止 され
VOL.26
Table
1
311
CHEMOTHERAPY
S-4
Antibacterial
activity
of AB-206
NA against
standard
strains
and
た。
教 室 保 存 標 準 株 に 対 す るAB-206のMICは,NAの
そ れ と 比 較 し て,全
般 に2∼3管
程 度 に 低 い 値 を 示 し,
と くに 緑 膿 菌 を 除 く グ ラ ム 陰 性 桿 菌 に 対 し て 強 い 抗 菌 力
を 示 し た 。 各 種 臨 床 材 料 よ り分 離 さ れ た 菌 株 に 対 し て も
同 様 に2∼3管
強 い 抗菌 力 を示 した 。 す な わ ち 各種 細 菌
が 最 も多 く発 育 阻 止 さ れ たMIC値
coccus
aureusはAB-206
μg/ml以
を 見 る と,Staphylo-
12.5μg/ml,NA100∼100
上,SalmonellaはAB-206
6.25μg/ml,Citrobacter
0.39μg/ml,NA
freundiiお
よ びC.diversus
で はAB-2060.78μg/ml,NA6.25∼12.5μg/ml,E.
coliで
はAB-2060.39μg/ml,NA6.25μ9/m1,shi-
gellaで
は 、AB-2060.39μg/ml,NA3.13μg/m1,Kle-
bsiella
aerogenesで
はAB-2060.39∼0.78μg/ml,NA
3.13∼12.5μg/ml,Enterobacter
cloacaeで
m1,Serratia
NA
aerogenesとEnt.
はAB-2060.39∼0.78μg/ml,NA6.25μg/
marcescensで
6.25μg/mlで
でAB-206
はAB-2060.78μg/ml,
あ っ た 。Proteusで
0.20μg/ml,NA
はPr.vulgaris
3.13∼6.25μg/ml,Pr.
mirabilisでAB-2060.39μg/ml,NA
Pr.rettgeriで
を 示 し た が,AB-206の
morganiiで
aeruginosaで
NAは100μg/mlあ
こ れ ら のMICの
ml以
Table
2
Antibacterial
activity
of AB-206
示 し た 。Pr.
も同 様 で あ った 。
はAB-20612.5μg/ml,
るい は それ 以 上 で あ った 。
相 関 をFig.2∼11に
上 を 耐 性 とす る とAB-206に
and NA to organisms
性 のパ タ ー ン
方 が 低 いMICを
inconstans,Morgmell
Pseudomonas
6.25μg/ml,
はAB-206もNAも2峰
isolated
from
示 し た 。25μ9/
耐 性 でNAに
clinical
materials
感受性
SEPT.1978
CHEMOTHERAPY
312
Table
3
Antibacterial
activity
of AB-206
and NA to organisms
isolated
from
clinical
materials
Table
4
Antibacterial
activity
of
and
isolated
from
clinical
materials
Fig.
2
Correlogram
and NA
of MIC between
AB-206
AB-206
NA
to
organisms
Fig.
3
Correlogram
and NA
of MIC between
AB-206
Fig.
Fig. 5
Fig.
6
313
CHEMOTHERAPY
VOL.26S-4
Correlogram
and NA
4
Correlogram
Correlogram
of MIC between
of MIC between
of MIC between
AB-206
AB-206
and NA
AB-206 and NA (Genus Citrobacter)
の も の は1株
NAに
も 見 られ な か っ た 。AB-206に
感 受 性 で
耐 性 の も の はStaphylococcus50株(92.6%),
SalmoneN1株(3%),E.coli
14株(26.4%),Citro-
baoterpeundii7株(18.4%),a.diuer3us2株(8.3
%),KlebsielJaaerogenes7株(13%),Enterobacter
aerogenes
6株(11.1%),Ent.cloacae7株(13.0%),
Sermtiamamscens19株(35.2%),.Proteusrett8eri
12株(55%),Pr.inconstans8株(50%),Nrganella
mor8anii15株(34.9%),Pseudomona3aerugino3a
33株(61.1%)で
あ っ た 。Shigella,Citrobacter
amalonatica,Proteus
mirabms,Pr.vulgarisは
全
株 感 受 性 で あ った。
2.ヒ
トに お け る 吸 収 ・排 泄
実 験 方 法:体
5例
重52∼72kg,年
齢31∼37歳
の 健 康成 人
に 早 朝 空 腹 時 ま た は 朝 食 後 に 各 例500mg(2Tab.)
CHEMOTHERAPY
314
Fig. 7
Correlogram
of MIC between
SEPT.
AB-206 and NA (Genus Enterobacter)
Ent. cloacae
Ent. aerogenes
Fig.
8
Correlogram
and NA
Serratia
of MIC between
marcescens
Fig.
of MIC between
Pr.vulgaris,
Correlogram
and NA
of MIC between
morganii
AB-206 and NA (Genus Proteus)
Pr.rettgeri,Pr.inconstms
Pr.mirabilis
mimbilis
●Pr.vulgaris
10
Morganeila
54 strains
〇Pr.
54 strains
54 strains
AB-206
Fig. 9 Correlogram
1978
41
strains
〇Pr.inconstans
16
strains
13
strains
●Pr.rettgeri
22
strains
43 strains
AB-206
VOL.26
315
CHEMOTHERAPY
S-4
を経 口投 与 し た。 投 与後1/2,1,2,4お
よび6時 間 目に
採 血 し,各 期 間 は 蓄 尿 し て,こ れ を被 検 体 と して 血 中 濃
度,尿 中排 泄 状 況 を 検 討 した 。 また,症 例3(Fig.12)
-54歳41kg,女
性 の 慢 性 気 管 支 炎 患者 一 に も 同 様 に
500mg経
Fig. 11 Correlogram
of MIC between AB-206
and NA (Pseudomonas aeruginosa)
口投 与 し て,血 中 濃 度 の 推移 をみ た 。
測 定方 法 は,E.coli
Fig.
Pseudomonas
aeruginosa
Kp株
を 検 定菌 と して,定 量 用 培
12
Case 3, 54 y. o., F. 41kg,
bronchitis
Chronic
54 strains
Drugsensitivity
(H.influenzae)
NA(+++)
ABPC(+++)
CER(+++)
CP(+)
Sutum
Cough(+)(+)(+)(+)
H.influenzae(+)
ESR
17/37
CRP(-)
WBC
6100
Table
5
Serum
levels
of AB-206
Table
6
in healthy
Urinary
excretion
adults
after
of AB-206
(+)(+)(+)(+)(+)(
+++)
12/37
(-)
8900
meal
and starvation
CHEMOTHERAPY
316
地 に はD.S.T.Agar(Oxoid)を
用 い た カ ップ 法 に て行
な っ た 。 標 準 曲 線 作 製 に は,血
を,尿
中 濃 度 測 定 に は ヒ ト血 清
中 濃 度 に はpH7.2,1/15Mリ
ン酸 緩 衝液 を用 い
実 験 成 績:実
験 結 果 をTable
血 中 濃 度 は1∼2時
μg/mlで
間 目 に み ら れ,そ
あ っ た 。6時
13
Serum
adults
の最 高
の 値 は6.25∼5.3
間 目 に は0.2∼0.56μg/mlが
出 さ れ た 。 朝 食 摂 取 後 に 同 様 に500mg経
Fig.
levels
の 場 合 とほ ぼ 同様 で あ っ たが,そ
1∼2時
間遅 れ て2∼4時
の 血 中 濃 度 は,健
5,6,Fig.13,14,15
投 与 し た 場 合,そ
of AB-206
口 投 与 され た
in healthy
見 られ,そ
間 目であ った 。
た は2∼4時
あ った 。
間 に高 濃 度 の排 泄 が
の 濃 度 は 大 体54∼140μg/mlで
あ った 。6
例 ほ ぼ 同様 で5.4∼7.8
%で あ った 。 累 積 回収 率 をFig.14に
II.呼
示 した 。
吸 器 感 染 症へ の 応 用
象症例
昭 和52年3月
500 mg orally
与 した 場 合
間 後 に5.8μg/mlで
時 間 目 まで の 尿 中 回収 率 は,全
1.対
空腹時
の最 高 濃 度 出 現 時 間 が
康 成 人 の場 合 とほ ぼ 同様 で,Fig.15
に 示 す よ うに,4時
尿 中 排 泄 は1∼2ま
検
1978
場 合 の血 中濃 度 の 最 高値 は3.8∼6.25μg/mlで
54歳 の 慢 性気 管 支 炎 患 者 に食 後500mg投
た。 尿 の 希 釈 に は 同緩 衝 液 を 用 い た 。
に 示 し た 。 空 腹 時 に500mgを
SEPT.
か ら8月 まで に 長 崎 大学 第2内 科 外 来
また は 入 院 の5例 を 対 象 と した 。 そ の 内訳 は,気 管支 肺
炎2例,気
管 支 拡 張 症1例,慢
性 気 管 支 炎1例 お よび急
性 気 管 支 炎 の1例 で あ った 。 年 齢 は45∼70歳,男
性3
例,女 性2例 で あ った 。
2.投
与 方 法,投 与 量 お よび 期 間
1日 投 与 量 は 全 例1,500mgで,毎
内服 させ た。 投 与 期 間11日
食 後3回 に 分 割 し
の1例 を 除 き残 り4例 は7
日間 で,投 与 総 量 は10.5∼16.5gで
Fig.
14
Cumulative
urinary
recovery
of AB206 in 5 healthy
adults after oral administration
of 500 mg
3.臨
あ った 。
床 効果
効果 判 定 は,白 血 球 数,CRP,血
沈,ム コ蛋 白あ るい は
胸 部 レ線所 見 な どの臨 床 検 査 と,咳 漱,喀 痰 量 ・性 状,
体 温 な どの 自覚 症 状 また は起 炎 菌 の消 長 な ど を 総 合 し
て,著 効(+++),有
効(++),や
や 有 効(+),無
の4段 階 に 判定 した。 そ の結 果 をTable
効(-)
7に 示 した 。
総 合 的 に は5例 全例 無 効 と判 定 した 。 喀 痰 検 出 菌 は
Haemophilus
influenzaeが2例
よ り検 出 され,残
例 は 起 炎 菌 不 明 で あ っ た。H.influemaeは
り3
本 剤7∼11
日間 の 投 与 で も喀 痰 内 よ り除 菌 され な か った 。
4.副
作用
本 剤 投 与 前 お よび後 に お け る 自他 覚 所 見 お よび 検 査 所
見 に よ り副 作 用 を 検 討 した 。血 液 ・生 化 学 お よび腎 機 能
Fig. 15
Serum levels of AB-206 in patient
with chronic bronchitis (Case 3) after
meal
検 査 値 をTable
III.
AB.2061)は
500mg
orally
8に 示 した 。本 剤 投与 前 後 を通 じて特 別
の副 作 用 と思 わ れ る もの は 無 か った 。
た抗 菌 製 剤 で,NAと
PPA3)と
考
案
住 友 化 学 工 業 株 式 会 社 で 新 し く開 発 さ れ
同様 に,主
類 似 の誘 導 体 であ る。 本 剤 はNA,
とし て グ ラ ム陰 性 樟 菌 に 強 い 抗 菌 力
を示 す が,わ れ わ れ の検 討 の結 果 で もNAよ
好 な抗 菌 力 を示 した 。 す なわ ち,NAに
25μg/ml以
NAに
下)AB-206に
耐 性 株 は1株
耐 性 の 株 はStaphylococcus
りさ らに 良
感受 性 で(MIC
も なか った 。
aureusで
は54株
中
54株 あ った が,そ の うち の50株(92.6%)がAB-206
に 感受 性 で あ った 。 同 様 に,Salmonellaの1株
中1株
VOL.26
S-4
CHEMOTHERAPY
317
CHEMOTHERAPY
318
(100%),E.coliの20株
bacter
中7株(77.8%),Serratia
marcescensの28株
inconstansの13株
(100%),Pr.rettgeriの14株
domonas
206に
中13株
計686株
中33株(66%)がAB-
こ れ ら の 成 績 よ り し て,AB-206はNA耐
性 株 に対 す
せ た 場 合 の 血 中 濃 度 は,前
2∼4時
者 で1∼2時
間 目に ピ ー ク を 示 し,そ
μ9/m1,後
間 目に 内服 さ
間 目 に,後
者 で
の 値 は 前 者 で5.3∼6.25
者 で3.8∼6.25μ9/mlで
あ っ た 。6時
で の 尿 中 回 収 率 は5.4∼7.8%で
5例
間 目ま
あ った 。
の 呼 吸 器 感 染 症 に1日1,500mgを
著 効 ま た は 有 効 例 は な く,全
投 与 し た が,
例 無 効 で あ っ た 。2例
ヘ モ フ ィ ル ス 桿 菌 が 検 出 さ れ た が7∼11日
より
の投 与 で も除
Table7に
示 し た が,ヘ
モ フ ィル ス桿 菌 が 検 出 され た
部 レ 線,臨
経 口投 与 に
床 症 状 の改 善 と と もに 本菌 も除 去 さ
れ た 。 起 炎 菌 不 明 の気 管 支 拡 張 症 お よ び 急 性 気 管 支 炎
も,そ
22,
vulgaris
picillin(TAPC)750mgの
Pr. inconstans
43, Ps. aeruginosa
同 等 か2∼3管
トに お け る吸収 ・排 泄:健 康 成 人 男子3例 に,
早 朝 空 腹 時 にAB-206500mgを
中 濃 度 は 投 与 後1∼2時
mlで
投 与 し た場 合 の最 高 血
間 目で,そ の値 は5.3∼6.25μgl
あ った 。 また 同 様 に,2例
の健 康 成 人 男子 に朝 食
後500mgを
投 与 した 場 合 は,2∼4時
6.25μ9/mlの
最 高 血 中 濃 度 で あ った 。
間 目に,3.8∼
54歳 の女 性 の慢 性 気 管 支 炎 患 者 に,朝 食 後 に500mg
を投 与 した場 合 の最 高 血 中濃 度 は,4時
mlを
間 目に5.8μg/
示 した 。
3.臨
床 的研 究:5例
ニ シ リン
剤 は ヘ モ フ ィル ス 感 染 症 に 対 し 余 り効 果 は 期 待 で き な い
も の と考 え ら れ た 。
感 受 性 テ ス ト成 績 に お い て グ ラ ム 陰 性 菌 に 対 し て 非 常
た そ の 吸 収 ・排 泄 パ タ
化 器 感 染 症 な らび に尿 路 感 染 症 に は 有
性 気 管 支 炎1例,急
性気管支
与 を行 な った が,臨
床 的,細 菌学 的 な 効果 は み られ なか った 。
4.副
作 用:5例
に つ い て,投 与 後 の 自 ・他 覚 症 状 お
文
献
1)
石 神 裏 次: 第24回
日本 化 学 療 法 学 会 東 日本 支 部
2)
総 会, 新 薬 シ ン ポ ジ ウ ムAB-206。
札 幌, 1977
最 小 発 育 阻 止 濃 度 (MIC) 測 定 法 改 訂 に つ い て。
Chemotherapy
22 (6): 1126∼1128, 1974
3)
那須
勝, 斎 藤
正 毅,
岩 永 正 明,
厚, 森
信 興, 堤
中富 昌夫,
恒 雄, 広 田
堀 内 信 宏,
と
め
つ い て 基 礎 的 ・臨 床 的 研 究 を
餅田親
子, 猿 渡 勝 彦, 伊 折 文 秋, 林
愛, 原 耕 平:
Pipemidic acidに 関 す る基 礎 的 研 究 な らび に 呼
吸 器 感 染症 に お け る評 価 。Chemotherapy
2861∼2869,1975
効 な も の と思 わ れ た 。
新 し い 抗 菌 剤AB-206に
あ った。
の呼 吸 器 感 染 症(気 管 支 肺 炎2
炎1例)に,1日1,500mg分3投
系 製 剤 の 他 に も 内 服 薬 剤 が 期 待 さ れ て い る 。 し か し,本
IV.ま
強
い 抗 菌 力 を示 した。
慢 性 気 管 支 炎 の経 過 観 察 中 に は しば しぼ ヘ モ フ ィル ス
に 優 れ た 抗 菌 力 を 有 す る こ と,ま
54)
最小発育阻止濃
作 用 と思 わ れ る もの は見 られ な か った 。
使 用 で 改 善 した。
桿 菌 が 増 悪 因 子 と し て 関 与 す る こ と が あ り,ペ
13,
よび 血 液 ・生 化学 ・尿所 見 な どを検 討 した が,特 別 に 副
れ ぞ れAmoxicillin(AMPC)750mg,Talam-
ー ン よ り考 え,消
Pr. rettgeri
morganii
例,気 管 支拡 張 症1例,慢
剤 投 与 後Bacampicillin(BAPC)1,000mg
ま た はChloramphenico1(CP)1,500mgの
よ り,胸
41,
54, Proteus
6時 間 目ま で の尿 中 回 収 率 は5.4∼7.8%で
菌 で きな か っ た。
2症 例 は,本
marcescens
に つ い て,NAとAB-206の
2.ヒ
る種 々の 感 染 症 に対 し て も有 用 と考 え られ る。
早 朝 空 腹 時 と 朝 食 後1時
54,Salmonella
38, C. diversus 24, C. amal-
度 を 求 め 比 較 した 。AB-206はNAと
感 受 性 で あ った 。
本 剤500mgを
54, Serratia
16, Morganella
中15株(100%),Pseu-
aeruginosaの50株
と各 種 臨 床 材 料
aureus
freundii
Pr. mirabilis
中14株(100%),Mo-
morganiiの15株
室 保 存 の 標 準 株22株
onatica 10, E. coli 53, Shigella 45, Klebsiella aerogenes 53, Enterobacter aerogenes 54, Ent. cloacae
中6株(100%),.Ent.cloacae
中19株(67.9%),Proteus
rganella
36, Citrobacter
中7株(53.8%),Entero-
1978
の 結果 を 得 た。
菌 力:教
分 離 菌664株(Staphylococcus
中0株(0%),
aerogenesの13株
aerogenesの6株
の9株
1.抗
中7株(58.3%),C.diversusの2株
中2株(100%),C.amalonaticaの2株
Klebsiella
行 な い,次
中14株(70%),Citrobacter
freundiiの12株
SEPT.
23 (9):
VOL.26
CHgMOTHERAPY
S-4
FUNDAMENTAL
STUDY
TO THE
319
OF AB-206
PULMONARY
AND
ITS
APPLICATION
INFECTIONS
MASAO NAKATOMI, MASARU NASU, HIROMARO IWASAKI,
MICHISUKE OOTA, ATSUSHI SAITO, NOBUOKI MORI,
MASAKI HIROTA, NOBUHIRO HORIUCHI, TOSHIAKI HAYASHI,
AKIMITSU TOMONAGA and KOHEI HARA
The Second Department
of Internal
Medicine,
Nagasaki
University
School of Medicine
(Chief:
Prof. KOHEI HARA)
CHIKAKO MOCHIDA, KATSUHIKO SAWATARI, FUMIAKI IORI and AI HAYASHI
The Department
of Clinical Laboratory, Nagasaki
School of Medicine
(Chief:
Prof.
University
TAKASHI ITOGA)
Fundamental and clinical studies on AB-206, a new antimicrobial agent, were carried out and the
following results were obtained:
1. Antimicrobial activity:
Minimal inhibitory
concentrations
(MICs) of AB-206 against 22 standard strains which had been
subcultured in our department and 664 strains (Staphylococcus aureus 54, Salmonella 36, Citrobacter
freundii 38, C. diver sus 24, C. amalonatica
10, E. coli 53, Shigella 45, Klebsiella aerogenes 53,
Enterobacter aerogenes 54, Ent. cloacae 54, Serratia marcescens 54, Proteus vulgaris 13, Pr. mirabilis
41, Pr. rettgeri 22, Pr. inconstans 16, Morganella morganii 43, Pseudomonas aeruginosa 54) isolated
from the various clinical materials were determined in comparison with those of nalidixic acid (NA).
MICs of AB-206 were 2 to 4 times lower than those of NA in almost all bacteria.
2. Absorption and excretion in man:
Three healthy male adults were given 500 mg of AB-206 orally at fasting time and the peak serum
levels were 5.3 to 6.25 ,ug/ml 1 to 2 hours after administration.
Two healthy male adults were also
given 500 mg of AB-206 orally after meal and the peak serum levels were 3.8 to 6.25 pg/ml 2 to 4
hours afterwards.
A 54 years old female patient with chronic bronchitis was administered 500 mg of AB-206 after meal
and its peak level of the drug was 5. 8 Pg/ml 4 hours after medication. Urinary recovery rates within
6 hours were 5.4 to 7. 8%.
3. Clinical effect:
Five patients with pulmonary infections (Bronchopneumonia 2, Bronchiectasis 1, Chronic bronchitis
1, Acute bronchitis 1) were treated by 1, 500 mg of AB-206 per day. Clinical and bacteriological
effectiveness was poor in all five cases.
4. Adverse reaction:
Subjective and objective symptoms and hematological, biochemical data and renal function were
checked up after administration of AB-206. No side effect was observed.