NTTのRDビジョンと3総合研究所の取組み(PDF:1549KB) - ビジネス

エンタープライズICT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ)
インタビュー
5 本柱の R&D に加え、
情報系とセキュリティ系の
研究開発を強化
サービス創造企業グループの R&D 部門として、安全・安心・便利な ICT サービスの維
持・発展を支えるとともに、さらなるイノベーションへのたゆまぬ挑戦を続ける NTT
R&D。2012 年の NTT R&D ビジョンについて、篠原弘道 NTT 取締役研究企画部門長にう
かがった。
災害に強いネットワークの開発
など、5 本柱の R&D に注力
用、たとえ商用電源が途絶えても通
日本電信電話㈱
取締役 研究企画部門長
信が途絶えることのない仕組みをつ
くるという取組みです。②は、これ
篠原 弘道氏
−まずは、NTTR&D
R&D
を取り巻
―まずは、NTT
を取り巻く周
までのように CO 2 削減の観点から
辺環境を含めた最近の状況からお聞
く周辺環境を含めた最近の状況から
単純に消費電力の総量を減らすので
表しましたが、サーバ系だけでなく
かせください。
お聞かせください。
はなく、ピークカットや通信量(負
ネットワークを含めてマイグレーシ
篠原
荷)と連動して電力消費をコントロ
ョンすることで「クラウドの移せる
のインパクトは、東日本大震災でし
ールするための研究開発です。また、
化」が可能になり、クラウドの利便
た。震災で得た教訓を踏まえ、研究
エネルギーの利用効率を高めるスマ
性が格段に向上します。この「クラ
開発の方向性として、①災害に強く、
ートコミュニティーなどについて
ウドの移せる化」を支える研究開発
緊急時にも通信が途絶えないネット
も、研究所と NTT ファシリティー
をしっかりと行っていきます。また
ワークの研究開発、②エネルギーの
ズやエネットをはじめとする NTT
NTT研究所は、暗号や証跡管理をは
効率的利用、③ NTT ならではのク
グループ各社の技術を総合化して、
じめとするセキュリティの研究開発
ラウドサービスに資する研究開発、
他社ではできないような取組みを行
においては、世界でもトップレベル
④サービス融合、コンバージェンス
っていきたいと思います。
です。クラウドの安全性を高める技
に関する研究開発、⑤グローバル目
− 3 つ目のクラウドと
つ目のクラウドと
4 つ目のコ
4 つ目のコン
―
術を含め、NTTのクラウドサービス
線での R&D の5つの大きな柱を設
バージェンスについては、どのよう
ンバージェンスについては、どのよ
の競争力を高める研究開発を急いで
けて取り組んでいます。
なことをお考えですか。
うなことをお考えですか。
仕上げたいと思っています。
2011 年を振り返っての一番
篠原
NTTならではのクラウドサー
また、4つ目の柱であるコンバー
大震災や新潟中越地震の教訓を踏ま
ビスの特長、他との差異化ポイント
ジェンスには、いろいろな意味があ
え信頼性の高い強固なネットワーク
は、
「安価、安心・安全、使いやすい」
ります。通信と放送の融合、固定系
をつくってきたつもりでしたが、ま
の3つの視点から、ネットワークを
と移動系の融合、様々な分野と ICT
だまだいたらない点がありました。
セットにサービスを提供できる点だ
との融合などが進むことによって、
災害に強い土木などの基盤設備の開
と思っています。例えば2011年8月、
新しいサービス、新しい使い方が出
発に加え、通信の途絶をできるだけ
クラウド上のサービスを停止させず
てくることが期待されています。コ
なくすための輻輳に強いネットワー
に移行する遠隔ライブマイグレーシ
ンバージェンスの一例として、ネッ
クの開発や衛星のフレキシブルな活
ョンの実験に成功したことを報道発
トワークサービスがあります。現在、
①については、これまで阪神淡路
12
ビジネスコミュニケーション
2012 Vol.49 No.1
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移動系はスマートフォンが急速に普
ています。その際に重要なのは、R
るということです。例えば、コスト
及・拡大していますし、固定系も光
(Research)と D(Development)
削減の観点からソフトウェアのオフ
i フレームのような Android 端末の
のバランスです。研究者は技術の優
ショア開発が拡大していますが、日
活用が加速しています。この点を踏
位性を追求しますが、技術優位が必
本の産業力強化という意味からも、
まえ、固定系と移動系のネットワー
ずしも競争優位にはなりません。事
ソフトウェアの生産性向上に向けた
クアーキテクチャを共通化すること
業への貢献を考えると、R から D へ
研究開発は必要であり、情報系の使
により、お客さまに制約条件を感じ
の移行の段階では、技術優位をいか
いやすい技術の研究開発を強化した
させないエニーネットワーク、エニ
に競争優位に変えていくかという視
いと考えています。
ーデバイス、そしてワンソースマル
点も持つことが重要です。競争優位
−上流工程を含め、ソフトウェア
―上流工程を含め、ソフトウェアエ
チユースのサービス環境を実現でき
に変えるために、自分たちのターゲ
ンジニアリングの研究開発を強化さ
エンジニアリングの研究開発を強化
ると考えています。
ットを見直すことも必要です。
れるお考えですか。
されるお考えですか。
− 5 つ目の柱であるグローバル目線
つ目の柱であるグローバル目
―
−基礎研究の分野では世界のトッ
―基礎研究の分野では世界のトップ
篠原
での R&D
とは・・・・。
線での
R&D
とは・・・・。
を目指している・・・・。
プを目指している・・・・。
トータルに捉え、下流工程の課題を
篠原
篠原
ICT の分野は、技術の裾野が
上流工程にフィードバックするとい
に提案・提供していくというグロー
広がっているため、すべての技術分
った形で、ソフトウェア開発にイノ
バル展開に加え、主要な海外連結子
野で NTT の研究所が一番というの
ベーションを生み出すような研究開
会社の声を聞きながら NTT グルー
は無理だと思います。しかし、メデ
発に取り組んでいきたいと思ってい
プのグローバル化に役立つ R&D 活
ィア認識/処理や物性など今でも世
ます。この上流工程∼下流工程の連
動を展開することです。その際に重
界一と思っている分野があります
携はセキュリティについてもいえま
要なのは、自社の技術に固執するこ
が、世界の最先端と言い続けられる
す。上流の基礎理論から、現場の
となく外部の考え方や力を組み合わ
分野をしっかりと確立し続けること
NTT グループ向けセキュリティの
せて技術を足し算するという“オー
が重要だと思っています。
相談窓口「NTT-CERT(Computer
自分たちの R&D 成果を海外
上流工程から下流工程までを
Security Incident Response and
プンイノベーション”の精神で臨む
情報系とセキュリティ系の
研究開発を強化
Readiness Coordination Team)」
求めるためには、研究者一人ひとり
−最後に、新年の抱負をお聞かせ
―最後に、新年の抱負をお聞かせく
する必要があると思っています。情
が常に世界に目を向け、動向を注視
ださい。
ください。
報系やセキュリティ系については、
していることが重要です。
篠原
NTT グループの全体及び
事業との関係を双方向かつより太く
ことです。オープンイノベーション
のパートナーをグローバルレベルで
がスムーズに連携できる体制を構築
R&D の投資は、昔は通信関連がメ
して、上流工程を中心に下流工程の
イノベーションを生み出す
基礎研究にも注力
インでした。しかし、最近では情報
課題を踏まえた研究開発を強化して
系への投資比率が増加しています。
いきたいと考えています。
−中長期的な
R&D
ビジョンをお
―
中長期的な R&D
ビジョンをお聞
その意味では、情報系の技術をエン
最後に、約2500人の研究者を擁す
かせください。
聞かせください。
ハンスする R&D にも今一度目を向
る最大のメリットは多様性を生かせ
篠原
ICT の分野でイノベーション
ける必要があると考えています。こ
るという点です。多様な人間が積極
を生み出す大きな要素は、やはり新
れは、NTT 研究所が物作りを行う
的にコラボレートすることで新しい
しい原理やデバイスの発見です。そ
というのではなく、物作りに役立つ
価値が創出できると考えています。
の意味では、基礎研究は今後もしっ
ツールや生産性向上のための仕組み
−本日は有難うございました。
―本日は有難うございました。
かりと進めていく必要があると考え
を提供することに取り組む必要があ
ビジネスコミュニケーション
2012 Vol.49 No.1
(聞き手・構成:編集長 河西義人)
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情報流通基盤総合研究所
クラウドと将来ネットワーク、省資源化を基軸に、
環境変化に対応した R & D 活動を展開
ネットワーク技術からプラットフォーム、サービスインテグレーション、環境エネルギーまで、安心・安全・柔軟な情報流通
ネットワークサービスに関する R&D 活動を展開する NTT 情報流通基盤総合研究所。柔軟性・サービス性の向上と高速・大容
量化・省資源化の両面から、NTT グループの情報流通ネットワークサービス創出への貢献を目指す情報流通基盤総合研究所
の取組みを紹介する。
“物”に拘らず、“経緯・考え方”を
ドキュメント化し、成果提供
ける R&D の全体方針を述べている。
その背景は、仕様化して物をつくる
ことは事業会社でも行えるが、重要
情報流通基盤総合研究所(以下、
なのは、その際のしっかりとした技
情流総研)は、NTTグループの事業
術に裏打ちされた考え方や目利きだ
への貢献を第一義に、安心・安全・
という想いである。実際、現在でも
柔軟な情報流通ネットワークサービ
プロダクトに付随するドキュメント
スの創出に関するR&D活動を展開し
は整備されているが、プロダクトそ
ている。情流総研の小林清澄所長は、
のものの設計書やマニュアル類であ
日本電信電話㈱ 常務理事
情報流通基盤総合研究所
「2011 年 10 月の就任から未だ日も浅
り、そうした作りになるに至った思
く、各研究所の取組み状況を把握し
想や考え方がわかるものにはなって
ている最中です」と前置きしたうえ
いない。プロダクトがなくとも、ド
り、コア研究から自主開発へのつなぎ
で、
「NTT 西日本と前職の NTT 技術
キュメント単体でも価値あるものに
の部分、さらには事業への展開をスム
企画部門の計十数年間、事業サイド
しようというのが小林所長の基本的
ーズにしていこうというのが小林所長
からの視点でNTT研究所に様々な要
な考えだ。
「プロダクトがなくても議
の狙いだ。
望を述べてきました。その点を踏ま
論ができれば、事業会社との連携は
えて、私なりの情流総研のあるべき
今まで以上に密になると思っていま
姿を描いております。それは、NTT
す。
」
(小林所長)
所長
小林 清澄氏
ネットワーク技術から環境エネル
ギーまで、5 つの研究所で構成
情流総研は、以下の 5 つの研究所
研究所は事業に貢献するR&D活動を
研究開発には、コア研究と自主開発
展開することが第一義ですが、事業
の2つの領域がある。特に、商用化を
で構成されている。
に阿ることなく、確かな技術を確立
睨んだ自主開発では事業会社との活発
・サービスインテグレーション基盤
したうえで、それに基づく技術支援
な議論は不可欠であるが、現状、コア
研究所
やR&D成果を提供していくことが重
では研究所内や学会等での議論に閉じ
次世代のネットワーク共通基盤技
要だという点です。加えて、R&Dの
ていることが多い。このため、自主開
術としてのネットワークアーキテク
成果は、仕様書やプロダクトといっ
発されることになって初めて事業会社
チャ、通信トラヒック・品質技術、
た“物”の提供に拘るのではなく、
の目に触れる場合もある。前述したよ
電子行政基盤の研究開発、及び
“経緯・考え方”をドキュメント化し
うなドキュメント化を促進し、コア研
NTT 研究所横断的な役割として、
て提供することに注力していきたい
究の段階から事業会社と様々な議論を
各研究所技術を確実・迅速に事業化
と考えています」と、情流総研にお
進めながら研究開発を行うことによ
につなげるための支援を実施。
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<外部環境の変化>
するかという課題に取り組んでいる。
柔軟性・サービス性向上
トラヒックの増大
変化に柔軟なNW・サービス基盤
ネットワーク仮想化技術
大規模データ処理基盤
クラウド
将来
ネットワーク
サービス形態の
多様化
災害等に強いNWアーキテクチャ
固定・移動融合アーキテクチャ
輻輳回避技術(トラヒック制御等)
暗号技術
トレーサビリティ技術
情報インシデント対策技術
より高速・大容量へ
100G超級リンク技術
レイヤ統合技術
次世代光アクセス技術
革新的光ファイバ技術
より省資源化へ
安心・安全な
NWの要望
個別サーバ
NGN
低消費電力化技術
基盤設備の長寿命化技術
高速・大容量化・省資源化(経済化)
図 1 情報流通基盤総合研究所の研究開発の方向性とアプローチ
・情報流通プラットフォーム研究所
これまでのような確率論ではなく、広
域大規模な震災を考慮したネットワー
安心・安全なネットワークの実現
省資源化の
社会的要請
その際、東日本大震災の教訓を踏まえ、
・環境エネルギー研究所
クアーキテクチャや信頼度設計に見直
す方針だ。個々の研究開発テーマにつ
いては、従来よりNWコスト・運用コ
スト削減や低消費電力化という観点で
行ってきた様々な研究開発の前倒しを
図りつつ、強化・加速している。
また、固定網と移動網の融合アーキ
テクチャの研究開発について小林所長
安心・安全・便利な情報流通サー
ICTによる低炭素でサステイナブル
は、
「スマートフォンの急激な普及・
ビス実現のためのクラウドを中心と
な循環型社会の実現を目指し、CO2 削
拡大を踏まえ、お客さまにネットワー
した End-to-End のトータルサービ
減技術(高効率燃料電池、新型電池、
クを意識させないことが重要というこ
ス、クラウドに蓄積されたデータの
高効率な給電とそれらを運用制御す
とと、トラヒックの負荷も固定網と移
加工/分析、次世代データセンタ、
るエネルギーネットワーク)
、省資源
動網で大きな差はなくなってきたこと
ネットワークセキュリティ・暗号技
化技術(通信設備の延命化・リサイ
から、アーキテクチャの共通化が可能
術の研究開発を実施。
クル)
、Governance by Green(ICTの
になったと思っています。中長期的な
・ネットワークサービスシステム
環境影響評価技術による新たな価値
視野で、固定網と移動網のネットワー
研究所
の創造やグリーンビジョンの創出)
クアーキテクチャのあり方をしっかり
IP 電話や映像コミュニケーショ
を柱にした研究開発を実施。
と考えていきたいと思っています。併
ンサービス、インターネット接続な
ど、高速・大容量かつ、高品質・高
信頼で安定性に優れたネットワーク
クラウド、将来ネットワークに
向けた研究開発を強化・加速
せて、技術的指針や番号計画等を示し
たアナログ網の“電話網基本計画”や
デジタル網の“電気通信網基本計画”
サービス提供を目的に、NGN をは
情流総研は現在、外部環境の変化
に相当する、IP時代の固定・移動を
じめ次世代の大規模ネットワーク基
を踏まえ、“柔軟性・サービス性の
含めた基本計画を策定する必要がある
盤技術に関する研究開発を実施。
向上”と“高速・大容量化・省資源
と思っています」と語る。
・アクセスサービスシステム研究所
化(経済化)”の両面から、オペレ
最後に若い研究者へのメッセージと
光アクセスネットワーク技術、ワ
ーティングカンパニーとしての運用
して小林所長は、
「周りに阿ることな
イヤレスアクセス技術に加え、光ア
を考慮したクラウドと将来ネットワ
く、技術者の良心をもって、研究開発
クセス網の経済化・開通即応化と設
ークに向けた研究開発を強化・加速
に取り組んで欲しい」と述べている。
備の効率的な運用を実現するメディ
している(図1参照)。
アネットワーク技術や通信基盤設備
具体的には、災害に強いネットワー
の永続的・効率的な利用を実現する
クづくりという観点で、アクセスネッ
日本電信電話㈱
インフラストラクチャ技術など、ア
トワークからコアネットワークさらに
クセスネットワークの経済化・高度
はサーバ類を含め、いかに信頼性の高
化に関する研究開発を実施。
い強固なネットワークサービスを実現
情報流通基盤総合研究所
企画部 広報担当
TEL : 0422-59-3663
Email : [email protected]
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お問い合わせ先
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サイバーコミュニケーション総合研究所
競争力ある「エンジン」開発と、サービス可視化・
トライアルの両輪でサービス創造を加速
人と社会に貢献する「サービス」の創造を目指した R&D 活動を展開する NTT サイバーコミュニケーション総合研究所。行動
支援・ポータル、コンテンツ流通、ライフサポートの 3 つのサービス分野と業務イノベーション支援の 4 つの重点事業領域で、
NTT グループ会社及び NTT R&D プロデュースと連携したサービス創造活動に注力するサイバーコミュニケーション総合研究
所の取組みを紹介する。
術を提供する“業務イノベーション
ワーク/ライフ/パーソナルの 3 つの
利用シーンでのサービス創造に注力
支援”を加えた4つを重点事業領域
と位置付けています(図1参照)。
人々の生活をより豊かに、より快
現在、NTT グループのみならず多
適にする「サービス」の創造を目指
くの企業・研究機関とのコラボレー
した R&D 活動を展開するサイバー
ションを推進しつつサービスの可視
コミュニケーション総合研究所(以
化・実用化に向けたサービス創造活
下、CC 総研)は、サイバースペー
動を強化・加速しています」と述べ
ス研究所とサイバーソリューション
ている。
日本電信電話㈱ 常務理事
サイバーコミュニケーション総合研究所
4つの重点事業領域の核となる6
研究所の2つの研究所からなる。
所長
串間 和彦氏
CC 総研の串間和彦所長は、「私
つの技術領域のうち、サイバースペ
どもの主要ミッションは、上位レイ
ース研究所が情報統合基盤と映像メ
所が体感品質デザイン、情報ナビゲ
ヤのソフトウェアを中心としたアプ
ディア、音声言語メディアの研究開
ーション、ユーザセントリックアプ
リケーションやサービスを創出する
発を、サイバーソリューション研究
ライアンスの研究開発を行っている。
ことにより NTT グループ及び
社会に貢献することです。現在、
行動支援・ポータルサービス
コンテンツ流通サービス
【目標】 臨場感や利便性の高い情報を
人や場所に合わせて提供する
【目標】 行動の手助けや行動を促す
情報をわかりやすく提供する
情報統合基盤技術を中心に、映
【具体的なサービス】
ア
ディ 理
メ
処
像
号
映
信 理
オ
情報ナビゲーション、体感品質
・インタラクティブ デジタルサイネージ
デザイン、ユーザセントリック
・モバイルマルチメディア放送
信
処
デ
ビ 画像 感通
場
臨
高
・高臨場パブリックビュー
技術を活かし、ワーク/ライフ/
【具体的なサービス】
・ホームネットワークサービス
品質
体感
域の核とします。その核とした
・自由視野高臨場会議
パーソナルの各利用シーンにフ
・家庭向け映像通信サービス
ォーカスした“コンテンツ流通”
切り分けおよびサポート
・ホーム/オフィス機器・NWの故障
野と、サービス・業務自身を改
善・効率化を生むサービス技
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仮想化・分散処理
情報統合管理
ソフトウェア超寿命化
分散システム協調制御
コミュニケーションアーキテクチャ
マルチモーダルインタフェース制御
サービスアーキテクチャデザイン
ライフサポートサービス
【目標】 家庭とオフィスで日常的に役立つ
情報を簡単・便利・安全に提供する
【具体的なサービス】
・モバイル検索
・マーケティング分析
・実世界情報検索
・インフォマティブタウン
情報統合基盤
ユーザセントリックアプライアンス
“行動支援・ポータル”
“ライフ
サポート”の3つのサービス分
造化
グ構
フロ
イン
ライ
デザ
サル
ョン
バー
クシ
ユニ
タラ
イン
ィア
イン
メデ
デザ
アプライアンスの6つを技術領
音
声
言
オ
語
ー
メ
デ
ディ
ィ
ア
言 オ信
語
号
処
認
理 処理
識
合
成
サービスクラスモデリング
ナビ
ゲー
ショ
ン
・放送通信連携サービス
情報
マイ
情報
ニン
グ
イン
デク
シン
行動
グ
モデ
リン
情報
グ
像メディア、音声言語メディア、
【具体的な支援】
・コンタクトセンタ通話分析
・宅内NWオンサイト保守
・
ICTデザインセンタ
・ソフトウェア設計書からの
テスト項目自動生成
・設備保守向け情報提示
業務イノベーション支援
【目標】 サービス・業務プロセス改善および、
ネットワークの保守効率化に資する
サービス技術を提供する
図 1 サイバーコミュニケーション総合研究所が目指す重点事業領域
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サイバースペース研究所は、映像、
車に仕立て上げ
市中技術
音声・音響、自然言語などの多彩な
てお客さまに見
メディア処理技術と、多種多様で膨
せていこうとい
大な量の情報を効率的かつ安全に蓄
うものです。組
積・管理・加工・処理できるような
み合わせるパー
情報処理技術の研究開発を推進して
ツは自社技術に
いる。また、サイバーソリューショ
拘らず、外部パ
ン研究所は人々の要求に応える様々
ーツの活用も視野に入れています。
スや、「ひかり生活サポート」サー
なサービスを実現する技術と、これ
高性能を目指すエンジンの開発と、
ビスがあげられる。「パーソナル」
を利用する人にとっての使いやす
パーツを組み合わせて可視化・トラ
の分野では、“電子透かし”により
さ・快適さを含めたデザインの両面
イアルを実施する 2 つの軸を上手く
映像と Web をつなぐ「モバイル動
から、人々の生活をより豊かにする
回して、早い周期で多くのサービス
画透かし」があげられる。これは、
ハイレベルな「QoE(体感品質)」
をNTTグループやお客さまに見せて
街頭のサイネージや DVD プレイヤ
を追求したサービスの研究開発に取
いきたいと考えています」と語る。
ーなどの映像に携帯端末をかざすこ
サービス
創造
事業連携
エンジン開発の
強化
プロデュース連携
サービス可視化
・トライアル
外部連携
図 2 サイバーコミュニケーション総合研究所のサービス創造活動
とで、関連情報が提供されるサービ
り組んでいる。
出始めたサービス創造活動加速の
成果
競争力あるエンジン開発の強化と
サービス可視化・トライアルを加速
スだ。また、スマートフォン用アプ
リケーションとして、検索キーワー
高性能の「エンジン」開発の強化
ドを手入力することなく、表示され
CC 総研は現在、「サービス創造
と、サービス可視化・トライアルの
た地図をタップ操作するだけで、現
グループを目指す」NTT グループ
2軸によるサービス創造活動の成果
在地の周辺情報が簡単に分かるとい
の中期経営戦略に基づいて、NTT
もいくつか出始めている。代表的な
う時空間マップ型 Web 検索技術
持株 R&D プロデュース及び NTT グ
成果例の概要を紹介するが、1つは
ループ会社と方向性を合わせた“競
「ワーク」分野のサービスで、スマ
最後に串間所長は、「映像符号化
争力のある「エンジン」開発”と
ートフォンと遠隔コラボレーション
技術や音声認識技術といった世界ト
“サービス可視化・トライアル”を
サーバを活用した FMC 映像通信と
ップレベルの“エンジン”を磨き続
両輪としたサービス創造活動を強
AR(拡張現実感)技術を組み合わ
けることは非常に大事です。加えて、
化・加速している(図2参照)。こ
せた映像コミュニケーションによる
外部の先端的な技術も組み込んでサ
れは、従来から注力してきた映像符
遠隔作業支援システムだ。モバイル
ービス化を図るオープンイノベーシ
号化や音声認識といった世界トップ
網と固定網を通して、現場作業者と
ョンの取組みも積極的に推進してい
レベルの「エンジン」開発に、さら
作業指示者が、現場の実映像と様々
きたいと思っています。研究は人で
にサービスの可視化・トライアルを
なマーク(エアスタンプ)を共有す
す。若い研究者には5年、10 年先
強化することでサービス化を加速す
ることで、効率的なコミュニケーシ
の自分の目標を持って取り組んで欲
るのが狙いだ。
ョンの実現を可能にしている。
しいですね」と抱負を述べている。
「Dig-A-Map」があげられる。
サービスの可視化・トライアルに
「ライフ」の分野では、ひかりを
向けての基本方針について串間所長
活用したマルチデバイスによる映
日本電信電話㈱
は、「車に例えると、高性能なエン
像、情報を使ったリッチなコミュニ
ジンやシャーシ(ネットワーク)な
ケーションを実現する「ひかりファ
どの様々なパーツをアセンブルして
ミリーコミュニケーション」サービ
サイバーコミュニケーション総合研究所
企画部 広報担当
TEL : 046-859-2032
Email : [email protected]
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先端技術総合研究所
ディープバンド・コミュニケーションの実現に向け、
COE に相応しい成果の創出を目指す
NTT R&D の COE(Center Of Excellence)として、実際に会う以上の深いレベルのコミュニケーション「ディープバンド・コ
ミュニケーション」実現に向けた先端技術の研究開発に取り組む NTT 先端技術総合研究所。効率的 ICT への貢献と、「人間+
情報(技術)」によるヒューマン・エンパワーメントの 2 つを基軸に、COE に相応しい研究開発成果の創出を目指す先端技術
総合研究所の取組みを紹介する。
新しいコミュニケーションの世界に
向けた先端技術の R&D を展開
の研究所が中長期的展望のもと、基
礎・先端技術の研究開発を推進してい
ますが、約700名の研究者を擁する大
先端技術総合研究所(以下、先端総
規模研究所としての相乗効果を生かす
研)は、5つの研究所(未来ねっと研
ことが重要だと考えています。そこで、
究所、マイクロシステムインテグレー
大きな目標を先端総研の統一テーマと
ション研究所、フォトニクス研究所、
して掲げ、ターゲットイメージを共有
コミュニケーション科学基礎研究所、
化することで研究を加速し、COEに
物性科学基礎研究所)から構成される。
相応しい成果を創出することを目指し
NTTの事業領域を拡大する先端技術
ています。統一テーマは、実際に会う
の研究開発、社会に変革をもたらす新
以上の“深いレベルのコミュニケーシ
原理・新コンセプトの創出、地球環
ョンを実現する”すなわち“ディープ
ために必要な道具や環境を用意するこ
境・人にやさしい技術の研究開発を主
バンド・コミュニケーションの実現”
とが私どもの責務だと思っています」
要ミッションとして、先端技術の
であり、人やコミュニティにとって豊
と述べている。
R&D活動を展開している。また、東
かなコミュニケーション環境や、クリ
日本大震災の教訓を踏まえ、通信環境
エイティブな“創発的環境”を実現す
に関する非常時の耐久性・処置能力の
ることを大きな目標にして、新しい技
見直しにも取り組んでいる。
術に挑戦しています(図1参照)
。日
“ディープバンド・コミュニケー
本が技術立国として、知恵で勝負する
ションの実現”とは、これまでのよ
先端総研の萩本和男所長は、
「5つ
日本電信電話㈱ 常務理事
先端技術総合研究所
所長
萩本 和男氏
効率的 ICT への貢献と、ヒューマ
ン・エンパワーメント向上が鍵
うな音声や映像をあるがままの状態
「自分」を情報化し、加工し、
安全に管理する
人体近傍通信、ユビキタスセンサ
潜在的インターパーソナル情報の解明、情報知能化、
ナノバイオ、量子暗号 など
「状況」を情報化し、空間を超えた場
の共有を実現する
メディアコラボレーション、時空間アンビエンス、
超小型バッテリーレスセンサーノード など
ミュニケーション環境を進化させ、
「ディープバンド・コミュニケーション」の実現
個人の感情に響くようなコンテンツ
対面するだけでは得られない背景情報(話題のコ
ンテキスト、嗜好、履歴情報など)や場(環境)の情
報を伝えあい、共有することで、実際に会う以上の
や共通の話題などを共有すること
深いレベルのコミュニケーションを実現する
多種・多量の情報を省電力
で効率よく伝送する
NWの高速・大容量化・デバイスの低消費電力化、
高付加価値映像系配信、高周波高出力デバイス
など
図 1 先端技術総合研究所における R&D の統一テーマ
18
で忠実に送る(High Fidelity)コ
で、より深くわかりあえるコミュニ
ケーションが行える環境を実現する
ことだ。そのためには、ブロードバ
ンド・ユビキタス環境の実現や人間
のコミュニケーション機能の解明、
ビジネスコミュニケーション
2012 Vol.49 No.1
エンタープライズICT総合誌 月刊ビジネスコミューニケーション(Webサイトへ)
・未来ねっと研究所
盗聴されない暗号、ナノ技術を使っ
実施している。
大容量・超高速のフォトニックネ
「創立20周年を記念して昨年6月に
ットワーク、次世代ワイヤレスシス
開催された“オープンハウス2011”で
先端総研では、ICT資源の効率的利
テムなど、21 世紀の革新的なネッ
は、人の錯覚を利用する錯覚応用工学
用、ICTを支えるデバイスの抜本的低
トワークシステムや、ヒューマン・
を用いて震動を牽引力と感じさせて一
消費電力化、センサネットワーク等の
エンパワーメントを支援する“創発
定の方向に導く装置“ぶるなび”や、
実現による効率的 ICT への貢献と、
的な環境”の実現に関する研究開発
身の回りの音や映像で情報を引き出せ
を実施している。
る“ロバストメディア探索”が報道陣
た高速で低消費電力で動作するデバ
イスの研究などが必要になる。
「人間+情報(技術)
」によるヒューマ
ン・エンパワーメント向上の2つの視
特に大容量光伝送技術では、常に
点を基軸に“ディープバンド・コミュ
世界のトップ集団の中で長距離大容
ニケーションの実現”に向けた研究開
量伝送の物理的な壁に挑戦し続けて
量子半導体物性、量子光学、極微
発を推進している。ヒューマン・エン
いる。すでに世界初で 1 波長あたり
細構造物性など、物性科学の分野で
パワーメントとは、人間の能力が拡
171Gbpsの信号を432波長多重で伝送
情報通信に革新をもたらす新物質の
大・強化されることを意味している。
(69.1Tbps, 240km)し、現在は 100
創出、新原理の探求を目指した研究
なお、基礎・先端技術分野の研究
Tbps超の実現に向けた基盤研究に取
開発スパンについて萩本所長は、
「まず、世の中にどのようなインパ
の注目を集めました。
」
(萩本所長)
・物性科学基礎研究所
開発を実施している。
り組んでいる。
・マイクロシステムインテグレーシ
産学官連携や、学術活動も加速
クトを与え、どのように貢献できる
ョン研究所
かが重要で、時間軸は研究開発テー
ネットワーク SoC(System on a
先端総研は、国の研究機関や大学
マによって様々です。明日役立つ技
Chip)構成技術やミリ波・テラヘ
との技術交流や人材連携など、産学
術もありますし、30 年後に役立つ
ルツデバイス技術、シリコンプラッ
官連携に加え、標準化活動や学術活
と思われる技術もあります。しかし、
トフォーム技術など、ブロードバン
動への参画にも前向きに取り組んで
未来が突然やってくるわけではない
ド・ユビキタスサービスを支える先
いる。学会や国際会議での論文発表
ため、現在と将来の間のロードマッ
端的エレクトロニクス、メカトロニ
に加え、R&D の成果を提供しなが
プは考える必要があります。未来の
クスに関する研究開発を実施。
らコミュニティ活動の牽引役を目指
話だけをしていると蜃気楼のよう
・フォトニクス研究所
して取り組んでいる。
に、いつまで経っても 10 年後とい
光半導体部品、光集積回路、新光
萩本所長は、「成果をギブアンド
うことになりかねません」と語る。
材料、光情報処理技術など光テクノ
テイクすることによって、1+1 が 2
ロジーに関する幅広い分野で、先端
を超えるような連携を今後も積極的
的技術の研究開発を実施。
に行っていきたいと考えています。
・コミュニケーション科学基礎研究所
また、若い研究者には、プロフェッ
先端総研は、物性及びコミュニケ
科学に根ざした人間と情報への深
ショナルとして、勇気をもってチャ
ーションの基礎研究から、部品の基
い理解に基づき、人間の知識や感性
レンジして欲しい」と述べている。
盤研究、システム、アプリケーショ
に関する情報処理やメディア処理
ンの研究まで幅広い領域をカバーす
等、深く・的確なコミュニケーショ
日本電信電話㈱
る5つの研究所で構成されている。
ンの実現のための新原理や、世の中
以下に、各研究所における R&D 活
にパラダイムシフトをもたらす革新
動の概要を紹介する。
的技術の創出を目指した研究開発を
先端技術総合研究所
企画部 広報担当
TEL : 046-240-5157
Email : [email protected]co.jp
5 つの研究所における R&D 活動
の概要
ビジネスコミュニケーション
2012 Vol.49 No.1
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