さけます類の人工ふ化放流に関する技術小史(序説) - 水産総合研究

Journal of Fisheries Technology,3(1),1–8 ,2010
水産技術,3(1),1–8 ,2010
技術小史
さけます類の人工ふ化放流に関する技術小史(序説)
野 川 秀 樹*
Development of Artif cial Salmon Propagation in Japan – A Foreword –
Hideki NOGAWA
Artificial propagation of salmon began at the Chitose Central Hatchery , now the National Salmon
Resources Center in 1888. However , a development program for chum salmon has been in place since
the 1960s with the result that hatchery-rearing and farming/ranching now supply the majority of chum
salmon harvested in Japan. Although Japanese chum salmon stocks have been stable for nearly 30 years,
problems, such as global warming, adaptation/acclimation and genetic diversities, have been noted. Future
developments and innovation require a historical review of the technical and practical aspects of salmon
propagation. This foreword outlines some of these issues.
2010 年 3 月 31 日受付,2010 年 7 月 22 日受理
サケ(Oncorhynchus keta)は北日本における重要な漁
人工ふ化法がわが国に伝えられたのは,1873 年にオー
業資源であり,そのほとんどは人工ふ化放流によって
ストリアのウィーンで開かれた万国博覧会に派遣された
造成されている.サケ資源は 1960 年代までは 300 万∼
使節団によるものといわれており,そのわずか 3 年後の
500 万尾と低い水準で推移し,1970 年代前半までは 1,000
1876 年に茨城県の那珂川において,わが国で最初のサ
万尾を下回る状況であったが,1975 年以降から北海道
ケの人工ふ化が試みられている。本格的な漁業資源の造
を中心に増加し,近年は全国で 5,000 万∼ 6,000 万尾が
成を目的とした人工ふ化放流事業は,1888 年に北海道
漁獲されている。(図 1)
の石狩川水系千歳川上流に豊富な湧水を利用して開設さ
れた「千歳中央ふ化場」に始まり,それ以降 120 年を超
10,000
2,500
北海道来遊数
本州来遊数
える歴史の中で,サケの人工ふ化放流技術は様々な試行
放流数
9,000
錯誤を経て,近年の高い水準のサケ資源を支えるまでに
8,000
2,000
発展してきた 1)。
6,000
1,500
5,000
4,000
1,000
放流数(百万尾)
来遊数(万尾)
7,000
3,000
代後半以降の技術的な革新によってもたらされたが,そ
の一つである適期放流という大きな技術革新がもたらさ
れてから約 30 年を経過し,また,最近では地球温暖化
に伴う環境変化のサケ資源に及ぼす負の影響が危惧され
2,000
500
ている。このような背景のもと,現在の人工ふ化放流技
1,000
0
近年の高水準のサケ資源は,後述するように 1970 年
術の検証や今後の技術的発展に資することを期待し,本
1972 1975 1978 1981 1984 1987 1990 1993 1996 1999 2002 2005 2008
0
誌にシリーズとしてさけます類の人工ふ化放流に関する
技術小史をその工程に沿って掲載することにした。掲載
図 1.サケ来遊数と放流尾数の経年変化
の開始に当たり,本稿では読者の人工ふ化放流技術の理
* 独立行政法人水産総合研究センター さけますセンター
〒 062-0922 北海道札幌市豊平区中の島 2 条 2 丁目 4-1 National Salmon Resources Center, FRA 4-1 Nakanoshima, Toyohira, Sapporo, Hokkaido, 062-0922 Japan
[email protected]
— 1 —
解の一助とすべく,サケを中心に人工ふ化放流技術の変
遷や技術的な要点について簡潔に記述する。また,人工
ふ化放流において広く用いられている用語であっても,
一般的でないものについては必要に応じて説明する。
本論に入る前に,
「さけます」の仲間について記述す
る。一般に「さけます」という呼び名はサケ亜科魚類の
総称であり,日本にはサケ属,イワナ属,タイセイヨウ
サケ属,イトウ属の 4 属に含まれる 13 種が分布する 2)。
これらの魚種は一生河川や湖沼で過ごすものから,海に
降りてから 2 ∼ 7 年間北太平洋で生活し,成熟して生ま
れた川(母川)に戻って産卵するものまで,その生活史
は魚種によって様々である。 わが国ではこれらの魚種
のうち北日本における重要な漁業資源であるサケ属魚類
のサケ,カラフトマス(O. gorbuscha),サクラマス(O.
masou)について,資源の維持や増大を目的に大規模な
写真 1.増収型アトキンス式ふ化器 長さ 3.5 m,幅 35 cm,深さ 30 cm の塩化ビニール製 一水槽当り 40 万粒の卵を入れることができる
人工ふ化放流が行われている。本シリーズではこの 3 魚
種の他に,資源造成のための技術開発が試みられている
開発(1965 年),乾燥配合飼料の導入(1967 年)など現
ベニザケ(O. nerka)を加えたサケ属 4 魚種(本稿では
在も広く用いられている技術や機器などが開発された。
「さけます類」と総称する)の人工ふ化放流に関する技
また,1971 年にはそれらの技術が反映された近代的な
術小史を掲載する。魚種別の特徴を簡潔に記述すると,
ふ化施設が千歳中央ふ化場の建設された地に完成し,以
サケは 4 魚種の中で最も資源量が多く,人工ふ化放流の
後この施設をモデルに各地にふ化場が建設されることに
主力魚種となっている。一般にアキサケ,アキアジとも
なる。このように 1960 年代に入ってから給餌飼育の導
言われ,成熟年齢は 2 ∼ 7 年で 9 ∼ 12 月に河川に遡上
入やふ化場の近代化により,資源もそれまでの 500 万尾
する。カラフトマスはサケに次いで資源量が多く,主に
程度から僅かずつではあるが上向き傾向を示すことにな
北海道のオホーツク海沿岸や根室海峡沿岸の河川に 6 ∼
るが,未だ 1,000 万尾に満たない状況であった。また,
10 月に遡上する。産卵期の雄の成熟魚は背部が大きく
ふ化放流事業を担う現場においては,筆者が北海道さけ・
隆起することからセッパリマスとも呼ばれる。他の魚種
ますふ化場に職を得た 1976 年当時でも,科学的な根拠
と異なり全て 2 年魚で成熟する。サクラマスは我が国な
に基づく技術が広がりつつある一方で,経験を基にした
ど極東にだけ分布する魚種で,成熟年齢 3 ∼ 4 年で桜の
技能を重視する雰囲気も強く見られ,技術は教わるもの
開花する 5 ∼ 7 月頃にかけて河川に遡上する。稚魚は 1
ではなく見て盗んで習得するものという考え方も色濃く
∼ 2 年間河川内で生活した後に降海し,海洋で 1 年間過
残っていた。
ごした後再び河川に遡上する。ベニザケは成熟年齢 3 ∼
このような中,大きな技術革新がもたらされたのは,
5 年で,成熟した魚体は鮮やかな紅色となる。6 ∼ 9 月
稚魚の生き残りを高めるための適正な放流時期は沿岸の
に河川に遡上する。稚魚は 1 ∼ 2 年河川や湖沼で生活し
表面水温 8 ∼ 10 ℃前後であるという知見 1,3) の人工ふ
た後に降海する。この 4 魚種は,現在,水産総合研究セ
化放流現場へのフィードバックである。これにより,稚
ンターさけますセンターにおいて研究開発等を目的にふ
魚の放流方法はそれまでの人工ふ化された稚魚を浮上し
化放流が行われている魚種でもある。
て遊泳が可能となった時期に河川に放流するという方法
から,沿岸の表面水温が 5 ∼ 10 ℃となる時期を目安に
1. サケの人工ふ化放流技術の変遷
おいた放流方法(適期放流)に切り替わることになる。
しかしながら,この放流方法の導入は,新たな技術的な
1888 年の千歳中央ふ化場の開設は,わが国のさけま
課題を生むことになる。このような放流を行うためには,
す類の人工ふ化放流技術の発展の原点であり,この地を
適切な放流時期となるまで一定期間(2 ∼ 3 カ月)飼育
中心とした数多くの試行錯誤の繰り返しを経て,わが国
池で飼育する必要が生じるが,その当時は飼育技術が未
に適合した技術に発展していく。戦後間もない 1951 年
熟なことから細菌性鰓病が頻発し,それを防止するため
に水産資源保護法が施行され,1952 年に「北海道さけ・
の技術開発が必要となった。また,健康な稚魚を育成す
ますふ化場」が設置されてからは,北海道さけ・ますふ
るためには,その前の発育段階である仔魚期(ふ化から
化場による様々な調査研究や技術開発により,現在の技
浮上までの発育段階)における安静な管理の重要性が認
術が形作られていくことになる。特に 1960 年代に入っ
識され,そのための技術開発も盛んに行われた。これら
てから,サケ稚魚の給餌飼育の導入(1962 年)
,増収型
の技術的課題の解決が進んだ成果の一例として,千歳川
アトキンス式ふ化器(写真1)及びボックス型ふ化器の
では 1978 年以降健苗育成や適期放流が本格化し,その
— 2 —
3 ∼ 4 年後にはそれまでは多くても 10 万尾程度であっ
千歳中央ふ化場の開設から今日までの間に行われた人
た千歳川のサケ捕獲数が 20 万尾を超えるまでになり,
工ふ化放流に関する技術,機具,施設についての様々な
その技術の有効性が確かめられた。
技術開発のうち,主要なものは付表に取りまとめた。
ほぼ時期を同じくして,1977 年から 5 年間にわたっ
2. 人工ふ化放流の工程における技術的要点
て農林技術会議の予算により「溯河性さけ・ますの大量
4)
培養技術の開発に関する総合研究 」(以下「サケ別枠
研究」
)が実施されることになるが,この研究は当時さ
サケの人工ふ化放流は,河川に回帰した親魚を捕獲し,
けます類の増殖にかかわっていた研究者や技術者などが
捕獲した雌親魚から良質な成熟卵を採取することから始
総力を挙げて取り組んだものであり,特に千歳川から標
まり,受精卵の管理,健康な種苗を育成するための仔魚
識を施して放流された稚魚の河川から沿岸までの広範囲
管理や稚魚の飼育を経て,適切な時期に放流するという
にわたる追跡調査が行われ,稚魚の生態(成長,移動など)
一連の工程で行われるが(図 2),それらの工程におけ
が明らかにされた
5-7)
。すなわち,沿岸の表面水温が 12
る技術的要点について,簡潔に記述する。
∼ 13 ℃となる時期までに,体長 7 cm,体重 3 g 前後ま
でに成長するサケ稚魚は,母川周辺の沿岸域から順調に
(1)親魚の捕獲・蓄養
沖合回遊に移行することが可能であり,生残率も高いこ
河川に回帰してきた親魚の捕獲は,河川を木,竹,鉄
8-10)
,適期放流の合理性が裏付けられ
製の柵(北海道では一般にウライと称す)などで魚の遡
ることになった。この研究成果は,その後,稚魚の発育
上を遮断し,その一部に捕獲槽を設置して遡上してきた
段階における遊泳機能や摂餌機能に関する知見 11)など
親魚を捕獲するのが一般的な方法である。その他の方法
が加味され,沖合移行する時期をベースにおいて必要な
としては曳き網での捕獲,魚道方式によりふ化場の飼育
成長が前浜で見込める放流サイズを念頭においた放流方
池まで誘導して捕獲する方法などがある 15)。魚の遡上
法(適期・適サイズ放流)12,13)につながっていく。これ
を遮断するために開発された装置として抵抗板式魚止め
らの技術の民間ふ化場への積極的な普及や民間ふ化場で
装置が挙げられる。この装置の素材は,プラスチックで
の近代的な施設の建設も進み,多くの民間ふ化場で健苗
軽量なことから河川への設置や撤去が容易で,河川流量
育成や適期・適サイズ放流が実施されるに伴って,1981
に応じて浮沈することから装置そのものの保全や設置す
年には 2,000 万尾,1985 年に 3,000 万尾,1990 年には 4,000
る河岸への負担も少ないという機能性を備えている 16)。
万尾を,そして 1994 年には 5,000 万尾を超えるという
親魚を河川上流の産卵場近くで捕獲できれば,成熟の
ようにサケの資源量は増大していくことになる。また,
進んだ個体が得られ,即日採卵に供することができるが,
資源が増大していく中にあっても,更なる技術の高度化
現状においては密漁や河川工作物の制約により下流部に
を目指して様々な技術開発が試みられた 14)。
おいて捕獲せざるを得ない場合が多く,親魚が成熟する
とが明らかとなり
ੱᎿ䈸ൻ᡼ᵹ
᝝₪
᷆
᳓
ၞ
⫾㙃
ណෆ䊶᝼♖
ෆ▤ℂ
੿㝼▤ℂ
⒩㝼䈱㘺⢒▤ℂ
᡼ᵹ
㆚
਄
↥ෆ䊶ฃ♖
⊒⌒䊶䈸ൻ䊶ᶋ਄
ᄤὼౣ↢↥
ᄐ䋺䊔䊷䊥䊮䉫ᶏ
㒠
ᶏ
ᄐ䋺䉥䊖䊷䉿䉪ᶏ
ᤐ䋺ᣣᧄᴪጯၞ
౻䋺䉝䊤䉴䉦ḧ
౻䋺⷏ㇱർᄥᐔᵗ
ᶏ
ᵗ
ၞ
図 2.人工ふ化放流の工程とサケの生活史
— 3 —
まで,蓄養と言って一定期間生簀や飼育池に収容して卵
が成熟するのを待つ必要がある。蓄養中における過度の
ストレスや運動は,魚体の損傷や体力の消耗による死亡
につながることから,親魚を安静に保つことが重要であ
り,そのための蓄養池の構造や注水方法などに関して技
術開発が行われた 17,18)。特に,蓄養池での注水部から排
水部に向かう水平的な流れが,親魚を注水部付近に蝟集
させ,魚体の損傷などによる死亡の原因となっていたが,
注水部を蓄養池中央部付近の池底に設けた注水方式の改
善は,これらの問題の解決や卵質の向上にもつながる画
期的な技術開発となった 1)。
写真 4.採卵刀 刃は片刃のカミソリを用い,交換できる
(2)採卵・受精
採卵・採精は撲殺した親魚を用いて行うが,死後の経
過時間に伴い卵や精子の活力は低下するため,撲殺後速
やかに採卵・採精を行う必要がある。採卵は親魚の腹部
を触れることにより排卵を確認し,排卵の確認後は速や
かに雌の腹部を切開して腹腔内に排卵された卵を採取す
る(切開法)。採精は腹部を圧迫する搾出法で行い,採
精時に精液に血液や水が混入しないように注意する。受
精は乾いた容器に 6 ∼ 8 尾の雌親魚から採卵した卵に 3
∼ 4 尾の雄親魚から搾出して精子を加えて十分に攪拌
(媒精)した後,水が注水されている水槽(吸水槽)に
写真 2.採卵台
水色に塗られた板の上で開腹し,台の右側にある簀の
子状の網に卵をかき出す
かき出された卵は青色の容器(受卵盆)に入れられる
浸漬して行う乾導法が一般的である。なお,この乾導法
は 1871 年に C.G. アトキンスによって確立された技術で
ある 1)。 卵は水に触れるだけでも,精子が卵に進入したと同様
に卵門の閉鎖,囲卵腔の形成という現象(付活)が起こり,
卵割は起きないものの胚盤形成まで発生が進み,見かけ
上は受精卵と変わらない卵(未受精卵)が形成される。
精子も水で精液が希釈されることによって活発に運動を
開始するが,短時間で運動を停止し受精力を失う 19,20)。
このように接水により卵や精子は未受精卵の形成や短時
間で受精力を失うことから,媒精する前に水に触れさせ
ないことが極めて重要であり,採卵・受精作業に使用す
る機器,用具はあらかじめ水分を拭き取っておかねばな
らない 21)。
機器の開発に関しては,採卵時に使用する採卵台(写
真 2),攪拌台(写真 3),採卵刀(採卵時に雌の腹部を
切開する刃物,写真 4)などが代表的なものである。特
に,採卵刀は考案者の名前を採って早坂式採卵刀と呼ば
れ,採卵時に卵を損傷せずに腹部を切開でき,作業効率
も良いことから広く普及している 1)。
(3)受精卵の管理
写真 3.攪拌台 受卵盆を三脚上部の天板に載せ,回しながら授精させ
る
卵は受精すると周囲の水が卵膜内に入り(吸水),卵
膜が押し上げられおおよそ 30 ∼ 60 分で卵膜は硬化する。
硬化した卵は圧力に対しては強くなるが,衝撃には抵抗
— 4 —
力が弱い。特に受精後おおよそ 8 時間が過ぎ,胚盤が分
状の細管,写真 5)33)などが仔魚の安静な管理のための
かれて 2 細胞になる第一分裂が始まったころからは衝撃
機器として利用検討された。また,養魚池に発眼卵を撒
に対して極めて弱くなることから,受精卵を運搬する場
布する際に使用する器具として開発されたふ化盆(養魚
合には木箱などの容器に入れ,振動などの衝撃が伝わら
池用ふ化盆と呼ばれ,盆の上に撒かれた発眼卵からふ化
ないよう圧力をかけて 8 時間以内にふ化器に収容し,そ
した仔魚が盆の目をくぐって養魚池に落下する仕組み,
れ以降は発眼期まで衝撃を与えないで管理するのが基本
写真 6)は,養魚池への卵収容作業の効率化に大きな貢
である。水温 8 ℃の用水で管理するとおおよそ 30 日(積
献となった 34)。 *
算水温 で 240 ℃・日)で発眼期を迎える。発眼卵は衝
施設に関しては,北海道では冬期の降雪,寒気などの
撃に対して抵抗力が強いことから,この時期に卵の洗浄,
厳しい気象条件に対処するため,養魚池に上屋が整備さ
淘汰(未受精卵に適度な衝撃を与えて白濁させること),
れ,仔魚の安静な管理や観察が容易なものとなった 1)。
22)
。
また,防疫対策や仔魚の安静な管理のために,養魚池と
管理上の大きな課題は,水カビ病と卵膜軟化症の防除
卵を収容するふ化室との間に隔壁を設け,独立した管理
である。従来は,水カビ病はマラカイトグリーン,卵膜
棟とする施設整備も行われている。一方,本州では敷地
軟化症は過マンガン酸カリウムによる薬浴で防止できた
の制約などから北海道のように大きな面積を必要とする
が,2003 年の薬事法改正によってこれらが使用できな
養魚池ではなく,浮上槽(発眼卵を収容し,ふ化から浮
くなった。その後,水カビ病に関しては動物医薬品とし
上期までを管理するアルミ製のボックス形状の容器)と
検卵(白濁した未受精卵,死卵の除去)などを行う
て認定されたブロノポール製剤による薬浴が
23)
,また,
卵膜軟化症には緑茶抽出物への浸漬の有効性が確認さ
呼ばれるふ化器が開発され,これを用いて仔魚管理が行
われている 35)。
れ 24),現在ではこれらがその対処に使用されている。
機器として開発されたものとしては,受精卵を運搬あ
るいは空輸するための容器 25),受精卵を収容するふ化
器 26),自動検卵機などが代表的なものである。特にボッ
クス型ふ化器の開発は,その形状に至るまで相当の試行
錯誤がなされたと聞いているが 27),卵収容時における
労働軽減や作業の効率化を促進し,資源増大に伴う大量
の卵の取り扱いを可能にするなど特筆すべき開発であっ
た。1969 年には材質が木製から硬質塩化ビニール製と
なり,軽量化が図られるとともに耐久性も向上し,北海
道,本州に広く普及することになる 1)。
(4)仔魚の管理
受精後積算水温約 480 ℃・日でふ化し,ふ化した仔魚
は天然では川底の砂利の中で生活し,積算水温 900 ∼
1,000 ℃・日で浮上する。多くのふ化場では浮上するま
写真 5.ネットリング 複数のネットリングを並列に並べて使用する 中空に仔魚が入っている
での仔魚を養魚池と呼ばれる池で管理している。仔魚管
理において最も重要なことは,いかに仔魚を安静な状態
に置くかであり,そうでない場合は浮上時の体重も少な
く,その後の飼育に影響を及ぼすことになる 11)。安静
にするためには,必要な酸素量を供給するという条件を
満たしながら,できるだけ遅い流速となるよう注水して
仔魚の流れに対する運動を抑制することと,光や振動な
どストレスを与えないことなどが重要である。そのため
に発生段階や収容量に応じた注水量,注水方法,水深,
養魚池に敷く砂利の形状や敷き方などに関して多くの技
術開発が試みられ 28-31),注水量の調整可能な塩ビパイプ
付き堰板(穴あき堰板と呼ばれ,堰板に差し込まれた塩
ビパイプの数を変えることによって注水量を調整)32),
砂利に替わるネットリング(外径 30 mm の中空,網目
写真 6.養魚池用ふ化盆 砂利の上に平行に置かれた簀の子状の塩化ビニール製
の盆 ふ化した仔魚は盆の網目を通って砂利の間隙に落ちる
* 積算水温:一日の平均水温の総和
— 5 —
(5)稚魚の飼育及び放流
理的特徴などに基づき,それぞれに特有な技術も数多く
回帰率を高めるためには,放流時期と放流サイズが重
開発されているが,それらについては紙数の関係で今後
要であることが明らかとなり,稚魚は河川や沿岸の環境
執筆される工程毎の内容にゆずることにする。なお,工
が放流に適した時期になるまで一定期間飼育される。飼
程毎の執筆を予定している技術者の多くは,1980 年代
育における一番大きな課題は疾病の防除である。飼育期
の資源が増大し始める頃から人工ふ化放流現場で現在も
間は 2 ∼ 3 ヶ月程度と比較的短いが,限られた水量と飼
使用されている技術や機器の開発に直接携わった者であ
育面積で大量の稚魚を飼育するという集約的な管理を余
ることから,実際の体験を通じてその必要性や評価が紹
儀なくされているふ化場が多く,このような集約的な管
介されるものと考えている。
理においては不適切な環境下で飼育すると細菌性鰓病な
どの発生を招き,稚魚の大量斃死を招くことになる 36)。
3. 科学と技術が一体となった取組
細菌性鰓病は塩水での対処が有効であるが,高密度な飼
育条件下では効果はあがりにくいことから,何よりも病
1980 年代後半からのサケ資源の増大は,研究者によっ
気の発生を招かないよう適正な環境下で飼育することが
て解明された知見(科学)とそれの実地への応用(技術),
重要であり,そのための技術開発が試みられた
36-38)
。
いわゆる科学と技術が一体となり取り組んだ研究開発の
放流に関しては前述したサケ別枠研究などの成果,放
成果といえる。その中で,研究成果を人工ふ化放流の現
流されたサケ稚魚の降海生態や沿岸域での成長,過去の
場にフィードバックし,それを可能とする技術開発に取
沿岸の表面水温データなどから地域毎に適正な放流時期
り組み,そしてその技術を民間ふ化場の技術者に普及す
や適正な放流サイズの目安を定め,管理する水温調整に
るという役割を担ったのは,当時の北海道さけ・ますふ
より発育や成長を抑制または促進し放流時期や放流サイ
化場の技術職員であった。自ら魚に触れ,観察し,健康
ズを制御する技術開発も試みられている 39)。
な稚魚を育成する中で技術を開発し,その開発された技
機器に関して,飼育池の自動清掃機の開発によって,
術の普及を理論(現地での技術研修会)と実践(現場で
残餌や糞の清掃という毎日欠くことができない作業の軽
の技術指導)の両面から行ったことが,民間ふ化場に広
減が図られるとともに,排水処理システムと組み合わせ
く受け入れられた大きな要因と考えられ,その意味で技
ることにより河川環境への負荷の低減にも貢献してい
術者の果たした役割には大きいものがある。
る
40)
。
「北海道さけ・ますふ化場」は,サケ資源の安定化や
技術的な要点について,親魚の捕獲から稚魚の放流ま
回帰率の向上などの状況を踏まえ,資源増大は民間の役
で工程に沿って記述したが,これらの技術と作業工程な
割と位置づけ,1997 年に「さけ・ます資源管理センター」
どについては北海道さけ・ますふ化場においてマニュ
に改組し,担うべき業務も資源増大から調査研究,技術
アルが作成されており,1980 年代の資源が増大し始め
開発へ特化することになった。その後,中央省庁等改革
る頃に使用されていたのは「昭和 44 年版さけ・ます人
の一環として,2001 年に独立行政法人となり,そして
工ふ化放流事業実施要領」
(1969 年)である。筆者が初
2006 年には水産総合研究センターと統合し,現在のさ
めて手にしたのもこのマニュアルであり,業務の実施や
けますセンターへと組織も変遷してきたが,さけます類
用語の理解に非常に役立ったことを記憶している。その
の資源の持続的利用に貢献するという組織の役割に変わ
後,1985 年の改訂を経て 1996 年に人工ふ化放流に関連
りはない。
する調査研究の資料も豊富に添付したマニュアルが作成
また,近年は,生物多様性保全の重要性の観点から,
され,これらを参考に北海道,山形県,本州鮭鱒増殖振
生態系との調和,遺伝的固有性や多様性の維持に配慮し
興会などでも作成されている。技術者はこれらのマニュ
た人工ふ化放流が求められるなど 44),新たな技術的な
アルを参考に個々のふ化場の生産量,施設構造,用水量
展開も求められてきており,これまで以上に科学と技術
等を考慮して業務に活用している。
が一体となった課題解決型の研究開発を推進していくこ
本稿においては,現在でも広く用いられている技術や
とが重要と考えられる。加えて,技術者に関しては,技
機器を中心に記述したが,開発を試みたものの期待した
術を常に点検し技術水準の維持を図るとともに,安定的
効果が得られず取り止めたもの,新たな技術開発が行わ
な回帰を維持するための技術の高度化に取り組むこと
れ現在では用いられなくなったものも多数ある。たとえ
も,課せられた重要な役割である。これらの取り組みが
ば,養魚池の砂利の代替として検討されたブラインド形
なければ 100 年以上にわたる先人たちの努力の礎のもと
状の素材
41)
,放流河川の無い地域での資源造成を目的
42)
に海浜域に直接放流する「海浜域直接放流」 ,塩水中
に維持されてきたこの貴重な資源を将来にわたって残し
ていくことはできない。
に発眼卵と死卵を入れ,両者の比重差を利用して死卵を
除去する「塩水検卵法」43)などを挙げることができる。
さらに,サケ以外にもカラフトマス,サクラマス,ベニ
ザケの人工ふ化放流が行われており,魚種毎の生態や生
— 6 —
察.水産孵化場試験報告,4,33-46.
文 献
20)岡田 雋・伊藤哲司(1955)鮭人工ふ化に於ける不受精現
1) 小林哲夫(2009)日本サケ・マス増殖史.北大出版会,札
象の研究 第一報 精子の活力と受精力について.孵化場
試験報告,10,21-31.
幌,305pp.
2) 矢部 衛(2009)サケの仲間の分類学.「サケ学入門」(阿
21)疋田豊彦・末武敏夫(1971)不受精卵.魚と卵,137,15-20.
22)広井 修(1985)秋サケの人工ふ化管理に関する技術的
部周一編),北大出版会,札幌,3-15 pp.
3) 北海道さけ・ますふ化場(1976)沿岸生育環境調査報告(沿
要点について.日本水産資源保護協会,漁政叢書,15,
9-30.
岸サケマス稚魚追跡調査)北海道さけ・ますふ化場,1-9 pp.
4) 農林水産技術会議事務局(1978)特別研究・別枠研究成果
23)野村哲一(2005)サケ・マス卵の病気 −水カビ病と卵膜
軟化症−.魚と卵,171,29-43.
の概要,305-323 pp.
5) 伊藤 準・加藤 守・伊藤外夫(1980)海洋生活初期にお
24)佐々木系・吉光昇二(2008)緑茶抽出物浸漬法によるサケ
卵の卵膜軟化症抑制効果.水産技術,1(1),43-47.
けるシロザケの生長.幼魚期及び接岸期を中心とした沖合
生態調査.遠洋水産研究所,昭和 54 年度プログレスレポー
25)Nagasawa, A., and G. Araya(1979)Introduction into Aysen
Chile of pacif c salmon. JICA,3,p.5.
ト,45-56 pp.
6) 加藤 守・真山 紘(1980)石狩川水系(千歳川)で行わ
26)北海道さけ・ますふ化場(1966)ふ化器改良試験.さけ・
ます増殖事業に関する調査報告,145-148 pp.
れた希土類元素ヨーロピウム(Eu)によるシロザケ稚魚の
標識放流.幼魚期及び接岸期を中心とした沖合生態調査.
27)北海道さけ・ます友の会(2009)さけ・ます友の会ニュース.
161,3-4 pp.
遠洋水産研究所,昭和 54 年度プログレスレポート,37-44
28)北見事業場(1978)養魚池の流れに関する考察.魚と卵,
pp.
7) 加藤 守(1982)石狩川水系千歳川から放流したヨーロピ
ウム(Eu)標識シロザケ幼魚.幼魚期及び接岸期を中心と
146,24-39.
29)安達宏泰(1984)千歳事業場の養魚池管理−注水量の算出
した沖合生態調査.遠洋水産研究所,昭和 54 年度プログ
方法の検討−.魚と卵,154,18-20.
30)水沢亮馬(1988)養魚池の明るさ.魚と卵,157,39-43.
レスレポート,67-77 pp.
8) 真山 紘・関 二郎・清水幾太郎(1982)石狩川産サケ
康
31)長谷川裕泰(1994)仔魚期におけるサケの人工ふ化管理.
魚と卵,163,27-30.
の生態調査−Ⅰ.1979 年春放流稚魚の降海移動と沿岸帯
での分布回遊.北海道さけ・ますふ化場研究報告,36,
32)野川秀樹(1980)養魚池用水量調整のためのせき板改良に
1-17.
ついて.魚と卵,149,54-57.
9) 真山 紘・関 二郎・清水幾太郎(1983)石狩川産サケの
33)原田 滋・松村幸三郎・藤瀬雅秀(1985)養魚池の砂利代
生態調査−Ⅱ.1980 年と 1981 年春放流稚魚の降海移動と
沿岸帯での分布回遊.北海道さけ・ますふ化場研究報告,
替品試験.魚と卵,155,11-14.
34)梅田勝博(1983)養魚池用ふ化盆と省力化への工夫.魚と卵,
153,35-37.
37,1-22.
10)真山 紘(1985)サケ資源増大のための技術革新 特に放
35)平澤勝秋・伊藤二美男・佐々木系(2006)浮上槽によるサケ・
マス類の仔魚管理方法について.魚と卵,172,31-38.
流時に必要とされる稚魚の条件と放流時期について.日本
36)野川秀樹・八木沢功(1994)サケ稚魚の適正な飼育環境.
水産資源保護協会,漁政叢書,15,83-92.
11)帰山雅秀(1986)サケ Oncorhynchus keta(Walbaum)の初
期生活史に関する生態学的研究.北海道さけ・ますふ化場
北海道さけ・ますふ化場研究報告,48,31-39.
37)千歳事業場(1985)さけ稚魚の飼育と調整放流.魚と卵,
155,35-42.
研究報告,40,31-92.
12)野川秀樹(1992)本州日本海沿岸におけるサケ増殖と資源
38)八重樫博文・佐々木正吾(1992)サケ稚魚の成長に及ぼす
飼育密度の影響.魚と卵,161,69-72.
動態.魚と卵,161,29-43.
13)北海道さけ・ますふ化場(1996)稚魚の放流.さけ・ます
39)藤瀬雅秀・岡田義郎・荒内 勉・小野郁夫(2003)水温制
ふ化事業実施マニュアル,56-57 pp.
御による発育コントロール.魚と卵,169,25-32.
14)富樫和弘(1996)近年における北海道さけ・ますふ化場の
40)奈良和俊(2006)第1期中期計画における業務成果.さけ・
ます資源管理センターニュース,16,1-3.
技術開発の変遷.魚と卵,165,19-39.
15)北海道さけ・ますふ化場(1996)捕獲施設の種類.さけ・
41)北海道さけ・ますふ化場(1996)砂利の代替品.さけ・ま
すふ化事業実施マニュアル,41 p.
ますふ化事業実施マニュアル,2-3 pp.
16)木村槌郎(1982)抵抗板式魚止め装置について.魚と卵,
42)松本雅彦(1994)サケ稚魚の海浜域直接放流試験.魚と卵,
163,9-11.
152,20-25.
17)北海道さけ・ますふ化場(1983)さけます親魚の蓄養条件
43)橋本 進(1970)サケ Oncorhynchus keta(Walbaum)卵の
に関する調査.昭和 56 年度事業成績書,241-242 pp.
発生におよぼす塩水処理の影響−Ⅰ 食塩水による死卵,
18)農林水産技術会議(1982)蓄養技術の改善.「遡河性さけ・
発生不良卵の除去について.北海道さけ・ますふ化場研究
報告,25,45-51.
ますの大量培養技術の開発に関する総合研究」推進会議資
44)環境省(2007)第三次生物多様性国家戦略,175-176 pp.
料(A),104-107 pp.
19)山本喜一郎(1949)サケ及マスの卵の受精方法に就ての考
— 7 —
ઃ⴫㪈䋮
付表 1.ふ化放流技術開発年表(1888-1969 年)
ᐕ䇭䇭ઍ
1888 ᣿ᴦ21ᐕ
1893
26
1896
29
1898
31
1899
32
1902
35
1910
43
1916 ᄢᱜ 5ᐕ
1928 ᤘ๺ 3ᐕ
1929
4
1930
5
1933
8
1934
1935
1939
1949
1952
1953
9
10
14
24
27
28
1955
1958
1959
1962
1963
1965
30
33
34
37
38
40
1966
1967
1969
41
42
44
ᛛ䇭䇭䇭ⴚ
ᯏ䇭䇭䇭ౕ
䊶ජᱦਛᄩቐൻ႐㐿⸳ᒰᤨ䈱䈸ൻ
ེ䇮ណෆ↪ౕ䋨䉝䊃䉨䊮䉴ᑼ䈸ൻེ䇮
䉡䉟䊥䊟䊛䉸䊮ᑼ䈸ൻེ䇮䈸ൻ⋆䇮ෆ
䈜䈒䈇䇮ෆ䈲䈘䉂䇮ฃෆེ䈭䈬䋩
䊶⒳ෆ⒖ᱺᛛⴚ
䊶ੇዉᴺ
䊶⍹Ἧ䈮䉋䉎ᳰᶖᲥ
䊶ᶿ᳸ᬌෆᤨᦼ䈱⏕ቯ
䊶䊍䊜䊙䉴⒳ෆ䈱⒖ᱺ䋨ᡰ╈ḓ䋩
䊶䉰䉬⒩㝼⢽㠈ಾ㒰ᮡ⼂
ᣉ䇭䇭⸳
䊶䉟䊮䊂䉝䊮᳓ゞ䋨᝝㝼ゞ䋩
䊶㙃㝼ᳰ䋨⍴ౠᒻ䋩䈱ㅧᚑ
䊶ಾ㐿ᴺ䈮䉋䉎ណෆ
䊶㙃㝼ᳰ䈮ᣣⷒ᧼䉕⸳⟎
䊶ෆሶ䈱ⴣ᠄䈮ኻ䈜䉎ᛶ᛫ജ
䊶┻⵾ᬌෆ䈳䈘䉂
䊶ੑ㊀ᱛ⫾㙃䋨⷏೎Ꮉ䋩
䊶ෆ⤑エൻ∝ኻ╷䋨ㆊ䊙䊮䉧䊮㉄ಣℂ䋩
䊶䉰䉬⒩㝼䈱㐳〒㔌ㆇ៝
䇭䋨㋕〝䈪᧲੩䈻䋩
䊶ෆャㅍ▫䋨⃻࿷䈱ේဳ䋩㩷
䊶↰ਛᑼណෆบ
䊶↢◜⦁ဳㆇ៝⦁䈱㐿⊒
䊶↰ਛᑼᡷ⦟䈸ൻེ
䊶Ⴎ᳓䈮䉋䉎ᬌෆᴺ
䊶ෆャㅍ▫䈱ᡷ⦟
䊶ᧁ᧛ᑼ㝼ᱛⵝ⟎
䊶᳓↢⩶ኻ╷䋨䊙䊤䉦䉟䊃䉫䊥䊷䊮ಣℂ䋩
䊶᡼ᵹ⒩㝼䈱▚ቯ䋨㊀㊂ᴺ䋩
䊶㠈ಾ㒰䈮䉋䉎ᄢ㊂ᮡ⼂᡼ᵹ
䊶ᶏ↥ⷫ㝼䈱⫾㙃
䊶ቯᵹᑼෆᶖᲥⵝ⟎
䊶┙૕ᑼ䈸ൻེ
䊶䉨䊞䊮䊌䉴࿾ャㅍ↪䉺䊮䉪
䊶⒩㝼䈱㒽਄ャㅍ᡼ᵹ
䊶౞ᒻ⫾㙃ᳰ䈱⸳⟎
䊶⒩㝼䈱㘺⢒䋨಄ಓ↢㘺ᢱ䋩
䊶ᴡญㅢㆊ⒩㝼▚ቯ
䊶㒠ਅ⒩㝼଻⼔ኻ╷
䊶಄ಓ↢㘺ᢱ䈎䉌ੇ῎㈩ว㘺ᢱ䈻ォ឵
䊶ෆャㅍ▫౗ๆ᳓ᮏ
䊶Ⴧ෼ဳ䉝䊃䉨䊮䉴䈸ൻེ
䊶䊗䉾䉪䉴ဳ䋨⍹Ꮉ䊶ᣧဈᑼ䋩䈸ൻེ
䊶䉝䊦䊚⵾ャㅍ䉺䊮䉪
䊶㙃㝼ᳰ਄ደ䈱⸳⟎
付表 2.ふ化放流技術開発年表(1970-2009 年)
年 代
技 術
1970
45
1971
46
・魚道式捕獲
1972
47
・親魚の蓄養技術の改善
1973
1974
1976
1977
1978
1979
1980
48
49
51
52
53
54
55
・海中飼育放流試験の開始(岩手県)
・国外(チリ国)移殖
・適期放流の知見の公表
・適期放流の事業規模での展開
・海中飼育の開始(北海道)
1981
56
1982
1983
1985
1986
57
58
60
61
1987
62
1988
1990
1991
1993
1996
1997
1998
1999
63
平成 2年
3
5
8
9
10
11
2002
14
2005
17
2009
21
機 具
・早坂式採卵刀
・塩水検卵器
・飼育技術の改善(適正収容量等)
施 設
・専用飼育地の設置
・ふ化室床下養魚池の設置
・近代的大型ふ化放流施設の建設
・機能的専用飼育地の設置
・自家発電装置の設置
・池底注水方式蓄養池
遡河性さけ・ますの
大量培養技術の開
発に関する総合研究
・海外空輸用輸送箱
・養魚池兼飼育地の設置
・国内空輸用輸送箱
・養魚池用改良堰板
・塩化ビニール製養魚池用ふ化盆
・浮上槽の導入(岩手県)
・自動検卵器実用化試験
・養魚池の池底のレベル化
・飼育池兼蓄養池の設置
・飼育池に隣接した採卵舎の設置
・抵抗板式魚止装置
・養魚池砂利代替材
・寄生虫対策(ホルマリン処理)
・サクラマス、ベニザケのスモルト作出
のための成長制御
・海浜域直接放流
農林水産技術会議
予算による大型研究
・飼育地自動清掃機開発試験
・移動式検卵・標識台の作製
・採光式上屋の設置
・節電装置(インバーター)の導入
・ベニザケ専用施設の設置
・適期・適サイズ放流の展開
・ウイルス対策(発眼卵のヨード剤消毒)
・増殖効率化モデル事業
・増川式曝気塔の設置
・排水処理施設の設置
・耳石温度標識放流
・水温制御による発育コントロール
・さいのう水腫対策(塩水処理)
・水生菌対策(ブロノポール薬浴)
・寄生虫対策(食塩・食酢処理)
・卵膜軟化症対策(緑茶抽出物処理)
・大型薬浴水槽の設置
・稚魚輸送用ポンプの設置
— 8 —
近海漁業資源の
家魚化システム
の開発に関する
総合研究