HIGHLIGHT

HIGHLIGHT
シー ティー ナビ
独自の安全・エコナビゲーションシステム「See-T Navi」を開発・導入
――ヤマト運輸(株)
2010年3月、ヤマト運輸(株)は日本電気株式会社(NEC)をパートナーとして、セールスドライバーがより安全で環境
にやさしい運転ができるよう支援する独自の車載システム「See -T Navi」を開発・導入しました。順次搭載を進め、
2010年度末までには、すべての集配車両への配備を完了する予定です。
ドライバーの運転を「見える化」
ヤマト運輸(株)
では「安全第一、営業第二」の理念のも
ヤマト運輸の基幹システムと連携し、安全とエコにとどま
らず、お客様にとってさらに便利なサービスを提供するさ
まざまな機能を追加していく予定です。
と、輸送の安全の確保に力を注いできました。また、事業
において数多くの車両を使用するため、地球温暖化防止を
重要な課題と位置づけ、CO2排出量削減に全力で取り組
んでいます。こうした活動をさらに進め、セールスドライ
バーの事故防止とエコドライブを支援するために開発され
たのが、ヤマト運輸独自の安全・エコナビゲーションシス
テム「See-T Navi(シーティーナビ)」です。
その第一のポイントは、運転の「見える化」。セールス
ドライバーが帰庫後、車載機のデータを携帯電話経由で
ワークステーション(パソコン)へ伝送すると、自動的に
「運
現場目線で安全への熱い思いを結集
「現場の声を活かしたい」という本社社会貢献課の要請に応
じ、現場で日々安全対策に取り組む安全指導長5名が中心と
なって「See -T Navi 業務運行マニュアル」を作成しました。
ヤマト独自の新システムがスムーズに導入できるよう、現場の
ドライバーが理解しやすい内容となることを第一に編集を進め
ました。日常業務との掛け持ちで編集に取り組んだ3カ月は多
忙を極めましたが、これまで自分たちがやってきた安全への取
り組みをさらに進化させることができるツールになると確信が
あったので自然に力が入り、分かりやすいマニュアルを完成さ
せることができました。今後はSee -T Naviを活用することで、
より細やかな安全指導に尽力していきます。
転日報」と「安全・省エネ運転日報」が出力されます。タ
コグラフの装着や記入は不要で、これが乗務記録となりま
す。これまでアナログで管理していたセールスドライバー
の運転操作をデータ化=「見える化」することで、効果的
な個人指導を可能とし、人と環境にやさしい運転を実現し
ていきます。また、電子地図に危険エリア、走行禁止エリ
アなどを登録。実際の場所に差し掛かると音声アナウンス
が注意を喚起するなど、事故防止のための先進的な機能も
備えています。そして第二のポイントは、将来の拡張性。
15
左から、安田係長(CSR推進部社会貢献課/当時)
、加藤指導長(神
奈川主管支店)
、椎名指導長(茨城主管支店)
、町田指導長(新東京
主管支店)、小畑指導長(船橋主管支店)、嶋澤指導長(東京主管支店)
安
全
■
「See -T Navi」システムイメージ図
4
本社、支社、
主管支店、支店
ヤマトシステム開発
データセンター
運行情報
データベース
3 管理用
ソフト
あらかじめ電子地図上に登録
した危険エリアなどに差し掛
かると、音声アナウンスで注
意を喚起します。登録はパソ
コン上で行い、情報は事業所
で共有化。停車時には車載機
の画面に運行距離や平均燃費
が表示されます
センター
1 車載機
2 セールスドライバー用
Bluetooth
ソフト
運行情報
無線LAN
危険エリア付近です。
注意してください。
SDカード
1 車載機
急発進です。
安全運転を
心掛けましょう。
高性能CPU搭載のディスプレイには、Bluetooth(ブルートゥース)
・
無線LAN機能を搭載。タッチパネルを採用することで、優れた操作性
を実現しました。
● 国土交通省から認可されたデジタルタコグラフとドライブレコーダー
機能を一体化しています。
● 法定三要素(車速、距離、時間)の取得・記録のほか、急発進・急加
速などを音声で警告したり、燃費情報の提供などを行います。
●
2 セールスドライバー用ソフト
●
運転日報の出力などの日常業務を行うほか、電子地図への駐車箇所や
走行禁止エリア、危険エリアの登録、車載機で収集したデータの閲覧
などができます。
3 管理用ソフト
●
本社、支社、主管支店、支店の管理担当者が、管下車両の前日までの
運転実績データを「車両」
「個人」
「事業所」などの項目別で閲覧・分析し、
指導することができます。
4 データセンター
●
ヤマトシステム開発(株)のデータセンターで電子地図への登録情報や
運行データを管理します。
これまでドライバー個々の判断に頼っていたエコドライ
ブやアクセル初動、裏通りでの低速走行といった1日の業
務の細部まで、See-T Naviは「見える化」します。その
データの活用で、運行管理者として、より的確な指導が
可能になりました。ドライバーも自身の運転が確認でき
るので、エコドライブへの意欲と関心が高まっています。
江東有明支店 支店長 関
直樹
帰庫後セールスドライバーは出力した「運転日報」を
運行管理者に提出し、点呼を受けます
See -T Naviの導入には大き
な期待感をもっていました。
私自身、本社安全対策検討委
員会の一員として以前から
“エコドライブが安全の一番
の特効薬”だという思いが
強くあったからです。東京主
管支店では2009年秋からエ
コ・ドライバー認定制度を設
置 し ま し た。 エ コ・ ド ラ イ
バーが増えれば事故は必ず減
るという確信があり、今後は
See -T Naviがそれをサポー
トしてくれる最大の武器にな
ると考えています。
東京主管支店 主管支店長
石川 幹雄
See -T Naviは、自分の運転の癖や欠点を具
体的に表示して気づかせてくれます。急ハ
ンドル、急発進、急ブレーキなどがカウン
トされ数値化されるという分かりやすさが
ドライバーに好評です。皆で良い成績を取
れるような状況をつくっていこうと安全意
識も盛り上がってきました。
江東有明支店のセンター長たち。左から、奥田宗
嗣(有明センター)
、鈴木純(青海センター)、新井
博美
(東雲センター)、伊藤博美
(辰巳センター)
16
戦略
3
エコドライブの推進
「環境保全」
「安全運転」
「省燃費」
を目指して
■ヤマトグループのエコドライブ
1
発進・加速時
・穏やかな発進
・やさしいアクセル操作
2
通常走行時
・十分な車間距離
・ムラのない運転
3
低速時・停車時
・早めのアクセル OFF
・エンジンブレーキの積極的使用
4
その他
・アイドリング・ストップなど
エコドライブ(省燃費運転)は、燃料使用量削減により
環境汚染物質やCO2排出を抑えるとともに、ローギア発
進など穏やかな運転で安全性も飛躍的に向上します。
ヤマトグループでは、「環境保全」「安全運転」「省燃費」
のトリプル効果を実現するエコドライブにグループ全社を
挙げて取り組んでいます。
ヤマト運輸
(株)では、主管支店におけるエコドライブ
研修や、安全指導長による定期的な添乗指導などに加えて、
2010年3月より独自の車載システム「See -T Navi」を開
ヤマト運輸
(株)
富山主管支店でのエ
コドライブ研修。エコドライブのテ
クニックを学び、その効果を実感す
ることで、エコドライブ徹底への意
識を高めます
発・導入しました。新車載システムによるエコドライブの
推進により、さらなる安全確保とCO2排出量削減を図り
ます(P15 ∼ 16参照)。
グループ全体で「省エネ運動」を推進
環境意識向上とCO2排出量削減に取り組む
建屋ごとに電気使用量削減を目指す
ヤマトグループでは、中期経営計画「満足創造3か
「冬季省エネ運動」における独自目標を、ヤマト運
年計画」のもと、地球温暖化対策としてCO2排出量
輸
(株)
は「建屋の電気使用量を前年度以下とする」と
削減に取り組んでいます。
しました。夏季に引き続いて全建屋で電気使用量を記
2009年度も夏季・冬季のグループ省エネ運動を実
録し、各主管支店の実態に合わせた電力使用抑制策を
施。2009年12月1日∼ 2010年2月28日に行われた
実施して使用量削減に努めました。
また、取り組み結果を集計し、数値成果と省エネ行
「冬季省エネ運動」では、
①社員一人ひとりの環境意識の向上
動の総合的評価により、成果を挙げたセンター・ベー
②CO2排出量削減目標の達成
スへの表彰を行いました。
を目標としました。
グループ各社は、
「ライフラインの中でも『電気使
用量』の削減を図る」という共通実施事項に加えて、
各社の実態に合わせた目標を設定し、達成に向けた取
り組みを進めました。
「冬季省エネ運動」
ポスター。グルー
プ各社全事業所に掲示しました
センター部門
1位
静岡敷地センター
簡易照明設置による部分照明の
実施、エアコン使用時間の取り
決め、消灯チェック運動などに
よ り、2010年2月 の 建 屋 電 気
使用量を目標比82%に削減し
ました。
全体照明から部分照明へ
ベース部門
1位
札幌ベース
「エコ長とその仲間たち」という
プロジェクトチームを結成。ロー
ドヒーティングの使用の短時間
区切り、水銀灯使用の適時適所
化などの工夫により、2010年
2月の建屋電気使用量を目標比
92.3%に削減しました。
エアコンに貼付した
室内温度設定注意シール
33
ロードヒーティングの使用を控え
た分、有志による除雪を実施