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九 州 大 学 大 学 院 総 合 理 工 学 報 告
第27巻 第2号 219-228頁 平 成 17 年 9 月
Engineering Sciences Report, Kyushu University
Vol.27, No.2 pp.219-228, SEP. 2005
マイクロ波加熱を用いた金属ナノ材料の迅速合成と形態制御
辻 正治*1・橋本 昌幸*2・西澤 幸*3・久保川 雅俊*4・松本 貴生*4・
宮前 治広*4・辻 剛志*1・引野 幸枝*1・尹 聖昊*1・持田 勲*5
(平成17年7月28日 受理)
Fast Preparation and Shape Control of Metallic Nanostructures
by Using Microwave Heating
Masaharu TSUJI, Masayuki HASHIMOTO, Yuki NISHIZAWA,
Masatoshi KUBOKAWA, Kisei MATSUMOTO, Nobuhiro MIYAMAE,
Takeshi TSUJI, Sachie HIKINO, Seong-Ho Yoon and Isao MOCHIDA
†E-mail
of corresponding author: [email protected]
Microwave (MW) heating has received a considerable attention as a new promising method for
the synthesis of metallic nanostructures in solutions. In this review, advantageous application of
this method has been demonstrated by using typical examples for the preparation of Au, Ag, [email protected],
and Pt/C nanostructures. No only spherical nanoparticles, but also single crystalline polygonal
sheets, plates, rods, wires, and core-shell structures were prepared within a few minutes under MW
heating. Morphologies and sizes of nanostructures could be controlled by changing various
experimental parameters, such as concentrations of metallic salt and surfactant polymer, chain
length of the surfactant polymer, and solvent. In general, nanostructures with smaller sizes,
narrower size distributions, and higher degree of crystallization were obtained under MW heating
than those in conventional oil-bath heating.
Key words: Microwave heating, Metallic nanostructures, Polyol method, TEM, Electron diffraction pattern, Pt/C
catalysis
1. 緒
言
近づく効果であり,量子サイズ効果の代表的な例とし
物質の性質は組成と構造以外に,その固体のサイズ
て,同一物質のバルク材料と微粒子の色の相違が挙げ
によっても変化する.これはバルク物質が成分元素が
られる.多くの金属微粒子には表面プラズモン共鳴
無限遠まで三次元状に配列しているのに対して,微粒
(SPR)吸収によるバンドが可視から近赤外領域に出現
子のような有限サイズの試料では成分元素の配列が途
する.SPR吸収は金属微粒子のサイズや形状を変化さ
絶えた表面あるいは界面が物性の発現に影響するため
せるだけで大きな波長シフトを与えるので,これを利
である.微粒子は量子サイズ効果,化学結合効果,表
用することで微粒子の発光色を変化させることが可能
面効果および体積効果によりバルク材料とは著しく異
である.
なった電子的,光学的,電気的,磁気的,化学的,機
金属ナノ微粒子の液相での一般的な作製法として図
械的特性を発揮することから,近年ナノサイズ微粒子
1に示すような金属塩を多価アルコールで還元するポ
の合成並びにサイズや形状の制御に関する研究が活発
に行われている.なお量子サイズ効果とはバルク物質
の連続的な電子エネルギー準位が原子の離散的準位に
マイクロ波―ポリオール法
ポリオール法
エチレングリコール等を溶媒・還元剤に用いる化学的還元法
*1 先導物質化学研究所
*2 量子プロセス理工学専攻修士課程
(現在 福島県庁)
*3 量子プロセス理工学専攻修士課程
(現在 タムラ化研)
*4 量子プロセス理工学専攻修士課程
*5 産学連携センター
反応
2CH2OH - CH2OH
M
2+
CH3COCOCH3 + 2H2O + 2H+
M
(一般例:二価)
マイクロ波加熱導入
マイクロ波ーポリオール法
図 1. マイクロ波–ポリオール法
-
-
-
-
-
+
+
-
-
+
-
-
+
+
+
+ H
-
H
-
-
Microwave
irradiation
O
-
+
+
+
O
O
-
Heat
+
+
+ H
-
H
H
O
H
H
+
+
-
H
マイクロ波加熱を用いた金属ナノ材料の迅速合成と形態制御
-
220
+
図 2.誘電損失によるH2Oの加熱
リオール法があり,通常オイルバス中で液体原料を数
時間加熱環流することでナノサイズの金属が合成され
このような特性を持つMW加熱は,化学反応へ適用
する際,以下のような効果,特徴がある.
ている1,2).最近ポリオール法の加熱方法にマイクロ波
(MW)加熱を用いるMW-ポリオール法が開発され,
① 従来の加熱が外部からの熱伝導であるのに対し
無機ナノ材料の迅速合成手法として注目されている
て,MW加熱は分子レベルでの内部加熱である.
3-21).
この方法を用いると種々の金属ナノ材料が従来の
② ①の効果により,省エネルギーおよび大量合成が
オイルバス加熱と比較して1/10以下の短時間で合成可
能なことが報告されている.本稿では,MW加熱の原
可能である.
③ ε”がゼロでない特定の被加熱物質に対する選択
理から,MW加熱による金属ナノ材料の合成研究に関
する我々の最近の研究成果を概説したい.
的な加熱が可能である.
④ 非平衡の加熱のため,沸点よりも高く加熱される
〈スーパーヒーティング〉.
2. マ イ ク ロ 波 加 熱
⑤ 高速応答性のため瞬時起動・停止,および出力調
節ができ,制御が容易である.
MWは,波長が1 mm∼1 mの電磁波の総称であり,
MWの交流電界により誘電体が急速に加熱されること
は古くから知られていた.MW加熱は,MW電力を誘
電体に吸収させて,内部より自己発熱させる加熱法で
3. マ イ ク ロ 波 照 射 下 で の 金 属
ナ ノ 材 料 作 製 装 置
ある22-24).図2に示すように例えば水のような誘電体
MW照射装置の例として筆者らが使用している実験
(双極子,電荷,イオン)をMW電界中に置くと,そ
装置の概略図を図3に示す.この簡易型MW照射装置
れらはMWの振動電場および振動磁場と相互作用し,
(四国計測社製2.45 GHz, 最大出力650 W)は家庭用電
激しい運動(振動,回転)を行う.MWによる加熱は,
子レンジを改造したもので,天井部の穴から環流冷却
このとき誘電体間で生じた摩擦によって発生するもの
管と光ファイバー温度計を挿入可能である.通常の熱
である.MW照射によって起こる誘電体の発熱のしや
電対温度計と異なりMW照射下でも損傷を受けないこ
すさは,物質の誘電損失ε”に依存し,これらはそれぞ
の温度計を使用すると,MW照射下での試料溶液の温
れ物質固有の値である.誘電率ε’と誘電体損失角(電界
度変化を追跡するとともに温度制御用のデータをパソ
に対する分極の変位の遅れ角) δ を用いると,ε” は式
コンへ取込可能である.金属ナノ材料の合成実験にお
(1)で表される.
いてはEG等の溶媒中に金属塩を分散し,保護安定剤,
ε” = ε’ tan δ
(1)
乾燥管
実 際 に MW 照 射 に よ っ て 発 生 す る エ ネ ル ギ ー P
環流冷却管
[W/m3]は,ε”に大きく依存し,MW周波数 f [Hz], MW
光ファイバー温度計
電力 E2 [V2/m2]を用いると,式(2)で表される.
マグネトロン
2
2
P = 2πf |E| ε” = 2πf |E| ε’tan δ
(2)
三口
MW加熱では一般にε”の大きな水,エチレングリコ
フラスコ
攪拌子
温度
コントローラー
ール(EG),N,N–ジメチルホルムアミドなどが溶媒とし
て使用されている.
図3. 温度制御マイクロ波加熱装置
パソコン
平成17年
九 州 大 学 大 学 院 総 合 理 工 学 報 告 第27巻 第2号
221
核発生剤などを添加する場合が多い.これをテフロン
るが,例えば誘電率の大きなPVPもMW照射下では高
製の攪拌子で攪拌しながらMWを連続(CW)またはパ
温に加熱され,より結晶性の高い三,六角形プレート
ルスモードで照射・加熱する.合成した金属ナノ材料
状生成物を与えたものと考えられる.
の形態観察には,透過型電子顕微鏡(TEM),走査型電
生成したナノ材料の結晶構造を調べるために制限視
子顕微鏡(SEM),電子線回折(ED),X線回折(XRD),
野ED像を測定した.ナノプレートのED像は図4(a)右
紫外・可視吸収スペクトルが用いられている.
下の挿入図に示すようにヘキサゴナルな回折パターン
を示した.これより生成したナノプレートは単結晶で
4.マ イ ク ロ 波 照 射 下 で の 金 属
ナ ノ 材 料 の 合 成
入射電子線は,これらのワイヤーの{111}面に対して垂
直に入射していることが示唆された.
金ナノ材料の形状や粒径は使用した試薬の濃度,溶
4.1 金ナノ材料
金ナノ材料は光学材料や触媒への応用が期待され多
媒,溶液温度等により変化する.図5(a)–(d)に保護安定
くの研究が行われている.これまでAuナノ材料の液相
剤であるPVPやHAuCl4の濃度を変化させた場合の結
合成に関する研究はナノ微粒子やナノロッド(アスペ
100 nm
20
(a)
Rod & wire
15
Distribution / %
クト比(縦横比)≤20)の合成に関するものがほとんどで
25-27),新規な光学材料やナノデバイスへの応用が期待
Sphere
Hexagonal
10
されている多角形ナノプレートやナノワイヤー(アス
ペクト比>20)の合成に関する研究例は少ない.一般に
Pentagonal
Square
5
Triangle
0
金属のナノロッドやナノワイヤーの合成には化学的ま
たは電気化学的に作製したテンプレートを用いる手法
10
(b)
5
0
ッドやワイヤーを回収するためには,合成後テンプレ
10
100 nm
30
50
70
90 110 130 150 170 190 >200
Size / nm
20
(c)
Distribution / %
15
10
ト,ナノロッド,ナノワイヤーの迅速で簡便なワンポ
ット合成プロセスの開発を試みた9,17,20,21).
HAuCl4·4H2O/EG/PVP混合物をCWMW加熱2分,
を図4(a),4(b)に示す.400 WのMW加熱では溶液は約1
90 110 130 150 170 190 >200
10
ートとして使用されている28,29).この方法の欠点はロ
オイルバス加熱19分後に得られた生成物のTEM写真
70
15
ポリカーボネート膜やアルミナ膜の細孔等がテンプレ
MW-ポリオール法を用いてAuの多角形ナノプレー
50
20
Distribution / %
が用いられている.Auのロッドやワイヤーの合成には
ートを除去するプロセスが必要な点である.筆者らは,
30
Size / nm
100 nm
5
0
10
30
50
70
90 110 130 150 170 190 >200
Size / nm
図4. Auナノ材料の加熱方法による構造変化
分後,500 Wのオイルバス加熱では18分後にEGの沸点
(a) CWMW 加熱 2 分,(b) オイルバス加熱 19 分,
である198oCまで上昇した.よってMW加熱2分とオイ
(c) パルス MW 加熱 19 分
ルバス加熱19分は,どちらも溶液温度が沸点まで上昇
後,その温度で1分間保持したものに相当する.主要な
生成物はCWMW加熱2分では一辺が約80 nmの三角形
500 nm
100 nm
(b)
(a)
プレートであるのに対して,オイルバス加熱19分では
平均粒径105 nmの球形の微粒子である.MW加熱とオ
イルバス加熱とで異なる形状の微粒子が得られる原因
が昇温速度の相違によるものか何らかのMW照射効果
によるものかについての知見を得るために,オイルバ
100 nm
(c)
200 nm
(d)
ス加熱と同様の溶液温度条件に制御したパルスMW加
熱を行った.その結果,図4(c)に示すようにCWMW加
熱の場合と同様の三角形状ナノプレートが主に得られ
たが,オイルバス加熱で得られた球状微粒子の生成量
は低かった.よってMW加熱による金ナノ材料の合成
においては非熱的照射効果がナノプレートの生成に有
図5. 種々の条件下で合成した金ナノ微粒子のTEM画像
効であることが判明した.MW照射下の化学反応に対
HAuCl4⋅4H2OとPVP濃度:(a) 2.4 mM, 0 M, (b) 1.2 mM,
する照射効果の詳細については未だ議論が分かれてい
0.5 M, (c) 2.4 mM, 3 M, (d) 19.2 mM, 2 M
222
マイクロ波加熱を用いた金属ナノ材料の迅速合成と形態制御
(a)
(b)
200 nm
(c)
200 nm
(d)
140 nm
100 nm
図 6. Auナノ粒子のTEM画像 (a),(b): 溶媒EG, (c),(d): 溶媒はH2O
(a)HAuCl4:2.6 mM, C16TAB:50 mM
(b)HAuCl4:2.6 mM, C16PC:50 mM
(c)HAuCl4:1.1 mM, C16TAB: 8 mM
(d)HAuCl4:1.1 mM, C16PC: 8 mM
果を示す.安定剤を添加しない場合は,図5(a)に示す
親水部が異なるC16PCを保護剤に用いた系では,図
ように直径100–300 nmの球形微粒子が得られたのに
6(b)に示す球形粒子の表面上に突起物が付いた平均直
対して,低HAuCl4濃度,低PVP濃度では50 nm程度の
径が160 nmのスパイクボール状の微粒子が高選択的
三,四,六角形のプレートが得られた(図5(b)).また低
に生成した.図6(c),6(d)に溶媒として水を用いた場合
HAuCl4濃度,高PVP濃度では30 nm程度の四角形プレ
の結果を示す.図6(c)のC16TABを用いた系では,平均直
ートが得られ(図5(c)),高HAuCl4濃度,高PVP濃度で
径が36 nmの多角形プレートが主に生成した.図6(d)
は直径が200–300 nmの大きな三,六角形プレートが
のC16PCを用いた系でも同様に,三角形を中心とする
得られた(図5(d)).
多角形プレートの生成が認められたが,平均直径は23
これらの多角微結晶に混じってAuのナノロッドや
nmと減少し,粒径分布も狭くなった.反応後の溶液の
ナノワイヤーの生成が多くの条件下で認められた.こ
紫外・可視吸収スペクトルには,金ナノ粒子のプラズ
れらの全体の生成物数に対する比は0.5–3%程度で,
モン吸収に由来するピークが観測され,形状や粒径に
[PVP]/[HAuCl4]比を下げると増加した.またロッドや
よりピーク位置がシフトした.
ワイヤーの直径やアスペクト比も同様に
上記の研究成果は金ナノ粒子の形態や粒径が溶媒や
[PVP]/[HAuCl4]比を下げると増大する傾向が認めら
保護剤の種類以外に原料や保護剤の濃度でも制御でき
れた.[PVP]/[HAuCl4]比が高くPVPが微粒子を完全に
ることを示唆している.MW加熱下での急速昇温と均
覆うと球形微粒子が成長するのに対して,その比が低
一加熱による核形成と結晶成長において図7に示すよ
く生成物の一部が露出した状態では異方性のロッドや
うな保護剤特有の面選択的吸着やミセル形成が生成す
ワイヤーが成長するものと考えられる.プレート状ナ
るナノ微粒子の形状と粒径に影響を及ぼすものと思わ
ノ微結晶の生成の要因としてはPVPのfcc構造で最も
れる.C16TABは特にAu{111}面に配位した2分子膜構
表面エネルギーが低く安定な{111}面への選択的な吸
造をとるものと考えられる.
着による成長阻害効果が挙げられる.
金ナノ材料の形状や粒径に対する高分子保護材の影
C16TA+ or C16P+
Bilayer structures
響を調べるためにイオン性界面活性剤である n–ヘキ
サデシルトリメチルアンモニウムブロミド(C16TAB),
n–ヘキサデシルピリジニウムクロリド(C16PC)を用い
てEG, H2O中で合成実験を行った.図6(a),6(b)にEG中
{111}
AuCl4AuCl4-
AuCl4AuCl4-
Reduction
Microwave
heating
で合成したAuナノ粒子のTEM画像を示す.疎水部の
C16TAB
C16PC
炭素鎖長が16のC16TABを保護剤に用いた系では,図
6(a)に示すように球形の他に平均直径が約90 nmの多
図 7. C16TAB, C16PCを用いたAuナノ構造の生成機構.
角形プレートが生成した.またC16TABとは対イオンと
C16TABは 2 分子膜を形成
平成17年
九 州 大 学 大 学 院 総 合 理 工 学 報 告 第27巻 第2号
(a) Mw = 40 k
(b) Mw = 360 k
500 nm
223
(c) Mw = 10 k
2 μm
200 nm
図 8. 異なる鎖長の PVP を用いて合成した Ag ナノ材料の TEM 画像
CWMW 400 W 3 分加熱
ナノ微粒子に特有のプラズモンバンドが330–600 nm
4.2 銀ナノ材料
付近に観測されるが,ロッド,ワイヤーが生成する
ロッド,ワイヤー,プリズム,シート等の異方性銀
と350 nm付近にロッドやワイヤーの短軸方向の吸収
ナノ材料は,近年,触媒,光学材料,電子材料の構築
に由来する矢印で示したショルダーバンド及び長軸方
ブロックとしての応用が期待されている.筆者らは
向の吸収に起因するバンドが600 nmより長波長側に
MW−ポリオール法を用いて銀のナノロッド,ナノワイ
出現する.図9からAgNO3濃度が増加するにつれて350
ヤー,プリズム,シートの作製を試みた12,18,20).生成
nmのショルダーバンドと600 nmより長波長側のバン
物の形状やサイズに対する保護安定剤,核発生触媒の
ドの吸収強度が増加し,ロッド,ワイヤーの生成量が
添加量,保護安定剤の鎖長の種類および原料濃度の影
増加することがわかる.
響を検討した.
Agナノ材料の制限視野ED像の観測結果は,二次元
AgNO3 をEGに溶解し,これに核発生触媒である
構造体であるプレート,シート状生成物は,Auの場合
H2PtCl6•6H2O,保護安定剤のPVPを攪拌しながら添
と同様に{111}を表面とするfcc構造の単結晶体に由来
加した.その後MW反応装置に設置し,連続照射モー
するヘキサゴナルの回折パターンを与えるのに対して,
ド(CWMW),出力400 Wで所定時間加熱を行った.
ナノロッドの場合は五角形対称体特有の[112]と[001]
核発生触媒としてPt微粒子を用い,MW照射で迅速
軸に対応する回折像を与えた(図10a).またロッド,ワ
かつ選択的に加熱することで,球形の銀ナノ粒子以外
イヤーの表面には五角形のエッジ部分に起因する直線
にナノロッド,ナノワイヤー,プリズム,シートを含
状の筋が認められた(図10b).よってAgナノロッド,
む様々な形状の銀ナノ材料をワンポットで作製できた.
ワイヤーは図10(c)に示すような五角形の対象性を有
例えばAgNO3濃度が92 mM, PVP(Mw = 40 k)/AgNO3
2.0
モル比5.7の系では,MW加熱3分で図8(a)に示すよう
[AgNO3]
な長さ3–10 μmのナノワイヤーが得られた.保護安定
剤PVPを分子量Mw = 360 kに変えると,より長いナノ
ム 状 の 微 粒 子 が 得 ら れ た ( 図 8(c)) . ま た , 低
[PVP]/[AgNO3]比で照射時間が3分以下では,これまで
観測例がない厚さが5 nm以下の薄いナノシートも生
成した12,18,20).
Absorbance
ワイヤーが得られ(図8(b)),Mw = 10 kにするとプリズ
92 mM
46 mM
11.5 mM
23 mM
5.8 mM
1.5
1.0
0.5
一般に生成した溶液の吸収スペクトルの測定から金
属ナノ材料の生成量や形状についての知見を得ること
が可能で,TEM測定を行わなくてもナノ材料について
0.0
200
300
一定の情報が得られる.吸収スペクトルの測定例とし
て図9に[PVP]/[AgNO3]比一定でAgNO3濃度を変化さ
せた場合を示す.Agナノ材料の吸収スペクトルは球形
400
500
600
700
800
Wavelength / nm
図 9. Agナノ材料の吸収スペクトルのAgNO3
濃度依存性.
[PVP]/[AgNO3]比=5.7
224
マイクロ波加熱を用いた金属ナノ材料の迅速合成と形態制御
(b)
(a)
131
定の条件下で図12(a),(b)に示すような,直径20 nm程
311
220
131
様々な条件下で銀ナノ材料を合成を試みた結果,一
度の小さな銀ナノ微粒子が主に平均直径45 nmのロッ
220 311
200
020
ド,ワイヤー状の構造体に高分散付着した新規構造物
200
020
111
111
200
が得られた.小さな銀ナノ微粒子はロッド,ワイヤー
020
100 nm
220
311
以外に球形の微粒子の表面にも同様に付着することが
131
わかった.付着した微粒子は13,000 rpm,30分間の遠
(c)
心分離でも脱着しないことから,MW照射下で強固に
付着したものと考えられる.この銀ナノ材料は高分散
ナノサイズ微粒子付着により表面積が増大しているの
で,高い触媒活性が期待できる.
4.3 [email protected] バイメタリック微粒子の合成
図10. (a):Agナノワイヤーの電子線回折パター
コアシェル構造を有する金属バイメタリック微粒子
ン, (b): TEM画像(白い部分はエッジ:エッジ部
は構成元素とは異なる様々な物性を与えるので,近年
分は黒く出現するが,明確化するために色を白で表
その合成と構造制御に関する研究が活発に行われてい
している.),(c): (a),(b)の結果から予測される
る.MW-ポリオール法を用いてAu/Agコアシェルナ
ワイヤーの構造(矢印は電子線の入射方向)
ノ構造体の合成を試みた.まず4.1に記載した方法で
様々な形状のAuナノ微粒子を合成し,その後4.2で述
していることが示唆された.これらの観測結果と最近
べた手法でAgNO3を還元した.[email protected]
のXiaらの銀ナノ材料の観測結果 30,31) を総合すると
造体のTEM写真を図13に示す.図から明らかなように
MW照射下での各異方性ナノ材料の生成機構は図11の
三角形Auプレートからは元のコアと上下が逆さまの
よ う に 表 さ れる. ま ず 核 発生 剤 の 還 元 反応 で直径
[email protected],四角形Auプレートからは
が2–3 nmの球形白金微粒子が発生し,その外側に銀が
[email protected],またAuロッ
還元されPt/Agのコアシェル前駆体が生成する.この
ド,[email protected],ワイヤ
コアシェル構造には多結晶体や多重双晶体が含まれる.
ーが合成できることを見出した.コアとシェル間の構
PVPの鎖長が短い場合はPVPが多結晶体の{111}面に
造が同様の形態を形成することは,AuとAgがともに
主に吸着するために,この面の成長が抑制され,それ
単結晶ではfcc構造をとることや格子定数が近接して
に垂直な{100}面方向への成長が起こりプレート状生
いることなどに起因するものと考えられる.この結果
成物が得られる.これに対してPVPの鎖長が長い場合
はコアであるAuの構造をテンプレートとしてシェル
は多重双晶体が生成し,その結晶成長においてPVPは
のAg構造を制御する新手法として今後の発展が期待
{100}面に優先的に吸着するために成長は{111}面方向
できる.
に進行し,ロッド,ワイヤー状生成物が得られる.上
記のようにPVPは最終生成物の構造の決定に重要な役
割を果たしている.
炭素材料がMWを吸収し表面が加熱されることに着
Pt
カ ー ボ ン ブ ラ ッ ク (CB) , 炭 素 繊 維 (CNF:Carbon
{111}
短鎖長
PVP
PVP
Ag+
目し,MW-ポリオール法によるAu, Ptナノ微粒子の
プレート,シート
前駆体
Ag+
{100}
Ag
ることで高効率の燃料電池を開発することが最終目的
Pt
rod, wire
Ag+
PVP
Ag+
Ag+
Ag+
Pt
長鎖長
PVP
}
00
{1
Pt
{111}
n
N
Nanofiber)表面上への担持を試みた.Pt/C系では表面
積が大きく高分散のPt触媒を炭素材料表面に担持させ
Ag+
Ag+
4.4 マイクロ波加熱による Au/C, Pt/C 触媒の調製
{111}
Ag
O
である.
図14にMW加熱でへリングボーン型CNFカーボン
状にAu微粒子を作成した場合を示す.この場合は原料
としてHAuCl4•4H2Oを用い,EG溶媒中でKOHを補
助剤として添 加した.PVP を添加しなく ても直径
10–20 nm程度のAuナノ微粒子をCNF上に析出させる
図 11. MW 照射下での異方性 Ag ナノ構造体の
ことに成功した.また実験条件を変えると図14(c)に示
生成機構
すように単結晶の多角形金微結晶や金ナノロッドが生
平成17年
九 州 大 学 大 学 院 総 合 理 工 学 報 告 第27巻 第2号
(a)
225
(b)
100 nm
100 nm
図 12. MW 加熱で合成した Ag ナノ微粒子表面分散付着 Ag ナノ構造体の TEM 画像
AgNO3/H2PtCl6⋅6H2O/PVP(360 k)/EG
(a)
(b)
20 nm
(c)
10 nm
(d)
20 nm
100 nm
図 13. MW 加熱により合成した Au@Ag コアシェルナノ微粒子の TEM 画像
内側の黒い部分が Au コアで外側の薄い部分が Ag シェル
226
マイクロ波加熱を用いた金属ナノ材料の迅速合成と形態制御
(a)
(b)
100 nm
(c)
1000 nm
500 nm
図 14. へリングボーン型 CNF 存在下 MW 加熱により合成した Au ナノ微粒子の TEM 画像
0.43M KOH: 0.70 ml, MW加熱 2 分, (a) HAuCl4: 2.5 mM, CNF: 42 mg (b) HAuCl4: 2.5 mM, CNF: 121 mg,
(c) HAuCl4: 5.3 mM CNF: 35 mg
成することがわかった.このことはCNFがPVPと同様
与え,オイルバス加熱と比べてMW加熱の方が粒径の
の異方性ナノ構造の合成に利用できることを示す初め
小さい微粒子が高分散に担持可能なことを示している.
ての実験例である.
MW加熱でカーボン担持白金触媒の作製する際には,
カーボンは誘電損失係数が大きいのでMWを吸収し,
抵抗性損失により炭素材料の表面温度は液体中でも上
その担体となる炭素材料としてCBまたはへリングボ
昇すると考えられる.その効果で,より粒径が小さな
ーン型CNF,金属塩としてH2PtCl6•6H2O,溶媒およ
微粒子が高分散で担持できた可能性が強い.
び還元剤としてEG,賦活剤としてKOHを使用した.
Pt/C触媒の最適担持条件を調べるためにPt濃度依
まず,H2PtCl6•6H2OをEGに溶解し,これにKOH/EG
存性をPt/C重量比 5, 10, 20,30 wt.%で調べた.その
溶液を加え,さらにカーボン材料を攪拌しながら加え
結果,CBとへリングボーンのいずれの場合も低濃度で
た.
は粒子が凝集していたが,高濃度になるにつれて粒子
実験結果の代表例としてCWMW加熱2分,オイルバ
数が増加し20 wt.%以上では表面上に高分散担持され
ス 加 熱 19 分 , パ ル ス MW 加 熱 19 分 に よ り 合 成 し た
ていることが分かった.またMW照射時間による担持
Pt/CB(24.4 wt.%)触媒のTEM写真と,その粒径分布の
状態を照射時間を3, 4, 5分間に変えて調べたところ,
解 析 結 果 を 図 15(a),(b),(c) に 示 す . そ れ ぞ れ 平 粒 均
大きな変化は認められず3分という短時間照射で反応
径3.1±0.8, 4.2±1.1, 3.5±1.0 nmのPtナノ微粒子が担持
は終了していることが分かった.
できた.
CWMW加熱2分,オイルバス加熱19分,パルスMW加
へリングボーン上に担持したPt触媒の電気化学的特
性評価をハーフセルを用いてメタノール酸化反応にお
熱 19 分 に よ り 合 成 し た Pt/ ヘ リ ン グ ボ ー ン 型 CNF
けるCV測定を行ったところ,5, 10 wt.%坦持ではPt坦
(24.4 wt.%) 触 媒 の TEM 写 真 と 粒 径 分 布 を 図
持量が少なく,ほとんど活性を示さなかったが,20,30
16(a),(b),(c)に示す.それぞれ平粒均径3.1±1.3, 7.5±3.7,
wt.%では,それぞれPt 1 mg当たり5 mA以下, 35 mA,
5.1±1.3 nmのPtナノ微粒子が担持できた.これらの結
0.75 Vという値が得られた.Ptが高分散坦持されてい
果はCBとヘリングボーンの両方において,オイルバス
るにもかかわらずダイレクトメタノール燃料電池DM
加熱と比べてMW加熱の方が,粒径の小さい微粒子が
としてのメタノールの酸化活性が低い理由は,CV測定
高分散かつ短時間で担持可能なことを示唆している.
前に触媒の活性化処理をしなかったためと思われる.
オイルバスの昇温速度に合わせてMW照射を19分間行
今後,200oC程度の高温でのH2処理を数時間行うなど
った結果は,CBとへリングボーン型CNFの両方の場
の活性化処理を行ったサンプルのCV再測定を計画し
合でCWMW加熱2分,オイルバス加熱19分の中間値を
ている.
平成17年
九 州 大 学 大 学 院 総 合 理 工 学 報 告 第27巻 第2号
(a)
227
(c)
(b)
50
50
40
40
40
30
20
10
0
Fequency / %
50
Fequency / %
Fequency / %
50 nm
30
20
10
1
2
3
4
5
6
Particle size / nm
7
0
8
平均粒径 3.1±0.8 nm
30
20
10
1
2
3
4
5
6
Particle size / nm
7
0
8
4.2±1.1 nm
1
2
3
4
5
6
Particle size / nm
7
8
3.5±1.0 nm
図15. (a)CWMW加熱2分, (b)オイルバス加熱19分, (c)パルスMW加熱により生成したPt/CB触媒のTEM画像
と粒径分布
(a)
(c)
(b)
100 nm
50
30
30
20
10
Fequency / %
15
Fequency / %
Fequency / %
40
0
35
20
10
5
25
20
15
10
5
1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112131415
Particle size / nm
平均粒径 3.1±1.3 nm
0
1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112131415
Particle size / nm
7.5±3.7 nm
0
1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112131415
Particle size / nm
5.1±1.3 nm
図 16. (a)CWMW 加熱 2 分, (b)オイルバス加熱 19 分, (c)パルス MW 加熱により生成した Pt/へリングボーン
触媒の TEM 画像と粒径分布
228
マイクロ波加熱を用いた金属ナノ材料の迅速合成と形態制御
5. おわりに
12)
MW照射下での無機化合物の合成研究は,ここ数年
13)
で顕著な増加を見せ,特に中国人研究者の活躍が目立
っている.本稿ではポリオール法による様々な形状と
サイズの金属ナノ微粒子,ロッド,ワイヤー, バイメ
タリック微粒子の合成研究や炭素材料表面上へのPt触
媒の単分散担持への応用研究を紹介した.これらの多
くは世界に先駆けて合成に成功したものである.例え
ば我々が発見したAgナノ微粒子表面付着ナノロッド,
[email protected]
ては不明で,今後さらに詳細な研究が必要であろう.
MW加熱は最近ではコアシェル構造を有するAu/Pd
ナ ノ 微 粒 子 や TiO2, Bi2Se3, MoSe2, HgS, PbS,
CuInTe2, CuInSe2, CuO, Cu2O等の複合無機化合物の
合成や炭素燃料電池などの実用化材料への応用を目指
した研究が開始され顕著な結果が得られつつある32-38).
MWの高効率短時間加熱や非熱的照射効果を活かした
ナノ材料の創製と構造制御はナノテクを支える基盤技
術として今後広範な応用が期待される.
謝 辞
本稿は2005年7月21日阪大中之島センターで開催さ
れた第45回電気化学セミナー「ナノ材料と電気化学 −
ナノ空間構築による反応制御を目指して−」で紹介した
講演内容を基に纏めたものである.本稿で紹介した研
究は文部省科研費萌芽研究(課題番号15651046)並び
に2002年度から開始されたCREST「ナノ環境触媒」
と「ナノエネルギー材料」の援助により行われたもの
であり,これらの助成に感謝の意を表します.
参 考 文 献
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15)