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L-FABP
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No.1
本紙では L-FABP に関係する資料や L-FABP 利用上のポイントなどをおもにご紹介していきます。
論文ピックアップ
2012.12
Diabetes Care 誌
2型糖尿病患者における腎機能低下・心血管疾患
発症の予測因子としての尿中 L-FABP の有用性
∼12年大規模コホート研究の成果 ∼
1996年から2011年までの経過観察、
滋賀医科大学・S Araki, et al., Diabetes Care, 2013
Keywords
尿中 L-FABP(尿中 L 型脂肪酸結合蛋白)
、2型糖尿病、腎機能低下、心血管イベント、発症予測
目 的
れを観察開始時の尿中 L-FABPで3群に分け、3分位低
値群(≦5.0μg/gCr)を基準に年齢・性・HbA1c・血清脂質・
2型糖尿病患者の腎機能低下・心血管疾患発症の予測
血圧・eGFR・そのほか既知の危険因子で補正後に比較す
因子として尿中 L-FABPの有用性を長期前向き観察研究で
ると、イベント累積発症率は尿中 L-FABP値の増加に従い
検証する。
上昇し、高値群(>9.5μg/gCr)の補正ハザード比は 1.93
(95% CI: 1.13-3.29)、中値群(5.0∼9.5μg/gCr)は 1.64
対象と方法
(95% CI: 0.93-2.88)であった[表1、図1]。この関係は、
高値群のうち、観察開始時に正常アルブミン尿であった症
1996年から 2000年に滋賀医科大学経過観察研究に登
例においても認められた[表2]。
録された、血清クレアチニン値1.0mg/dL以下で顕性蛋白
第2評価項目(心血管イベント・50%eGFR低下・CKDステー
尿を認めない 2 型 糖尿病患 者 61 8 例( 年齢 5 9±10 歳 、
ジ4期への進行・平均年間 eGFR低下率)についても、尿
HbA1c 7.5±1.1%、微量アルブミン尿 31.7%)を対象に、
中 L-FABP高値群で各発症リスクの増加と平均年間 eGFR
尿中 L-FABP値を測定し 2011年末まで経過観察を行った。
低下率の増大が認められた[表3]。
結 果
結 論
中央値12年(4分位:6-15年)の観察期間で 103例が第1
2型糖尿病患者において観察開始時に測定した尿中
評価項目の腎・心血管複合イベント(透析療法導入・心筋
L-FABP値は、腎機能の低下・心血管イベント発症の予
梗塞・狭心症・脳卒中・末梢動脈疾患)を発症した。こ
測因子として有用である可能性が示された。
(編集 = シミックホールディングス)
L-FABP
L-FABP
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表1 患者尿中L-FABPレベル別の第1評価項目の発症率と補正ハザード比
補正ハザード比
(95% CI)a
発症率
(1,000person-years)
n
Model 1
第1評価項目(血液透析と心血管疾患)
Model 2
Model 3
1 (reference)
1 (reference)
3分位低値群
21
9.5
1 (reference)
〃 中値群
33
15.5
1.60 (0.93-2.77)
1.51 (0.87-2.64)
1.64 (0.93-2.88)
〃 高値群
49
25.4
2.30 (1.37-3.86)
2.04 (1.20-2.69)
1.93 (1.13-3.29)
a: Model 1: 年齢と性を補正。 Model 2: 年齢、性、腎症ステージ、eGFRを補正。 Model 3: 性、BMI、HbA1c、総コレステロール、logトリグリセリド、log
HDLコレステロール、高血圧、RAS阻害剤の使用、収縮期血圧、拡張期血圧、心血管疾患(CVD)の既往歴、腎症の病期、eGFRを補正。
*表3のModel 1∼3も同様
(文献内、Table2より一部改変)
0.5
表2 患者尿中L-FABPレベルと2型糖尿病性腎症病期別の
第1評価項目の発症率と補正ハザード比
0.4
累積発症率
︵%︶
P<0.001
尿中L-FABP
高値群
3分位低値群
観察期間:中央値12年
0.3
低値群
0.1
0
20
40
60
80
高値群
発症率(1,000person-years)
中値群
0.2
中値群
正常アルブミン
7.8
10.9
21.7
微量アルブミン
17.8
25.7
31.0
補正ハザード比
(95% CI) 1
正常アルブミン
(reference)
100 120 140 160 180 200
微量アルブミン
経過観察期間(月)
1.49
2.26
(0.72-3.09) (1.15-4.45)
1.72
2.70
2.18
(0.68-4.38) (1.26-5.81) (1.08-4.40)
(文献内、Table3より一部改変)
図1 尿中L-FABPレベル別の第1評価項目のカプランマイヤー
(生存率)
曲線
表3 患者尿中L-FABP別の第2評価項目の発症率と補正ハザード比
n
補正ハザード比
(95% CI)
発症率
(1,000person-years)
Model 1
Model 2
Model 3
第2評価項目
心血管イベント
19
3分位低値群
8.6
1 (reference)
1 (reference)
1 (reference)
〃 中値群
33
15.5
1.75 (0.99-3.09)
1.65 (0.93-2.92)
1.78 (0.99-3.20)
〃 高値群
44
23.4
2.26 (1.31-3.88)
2.00 (1.15-3.49)
1.76 (1.00-3.12)
50%eGFR低下
〃 低値群
10
4.8
1 (reference)
1 (reference)
1 (reference)
〃 中値群
12
6.0
1.27 (0.55-2.94)
1.09 (0.47-2.54)
1.04 (0.44-2.46)
〃 高値群
32
18.3
3.87 (1.89-7.91)
3.09 (1.48-6.45)
2.43 (1.14-5.16)
1 (reference)
1 (reference)
1 (reference)
1.27 (0.34-4.74)
1.19 (0.32-4.47)
CKD第4期への進行
b
〃 低値群
4
〃 中値群
5
〃 高値群
21
1.8
2.4
11.1
b: CKD第4期は(重症度分類より)eGFR <30 mL/min/1.73 m
5.92 (2.02-17.37) 5.05 (1.68-15.21)
1.18 (0.30-4.57)
3.53 (1.15-10.88)
(文献内、Table2より一部改変)
2
出典: Predictive Effects of Urinary Liver-Type Fatty Acid-Binding Protein for Deteriorating Renal Function and Incidence of Cardiovascular Disease in
Type 2 Diabetic Patients Without Advanced Nephropathy. Diabetes Care. 2012 Dec 5. doi: 10.2337/dc12-1298
荒木信一*、
羽田勝計**、
古家大祐***、菅谷 健****、柏木厚典*、宇津 貴*、前川 聡*
滋賀医科大学 糖尿病・腎臓・神経内科*、旭川医科大学 内科学講座 病態代謝内科学分野**、金沢医科大学 糖尿病・内分泌内科学***、
聖マリアンナ医科大学 腎臓・高血圧内科****
製造販売元
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