最適な車載バスの選択 - Xilinx

最適な車載バスの選択
Karen Parnell / Automotive Product Manager, Xilinx, Inc. [email protected]
[email protected]新しい車載バス標準を確立
今後の数年間は、カー・エレクトロニクスの設計者にとって険し
エンジンルーム内バス
い道のりとなるでしょう。北米、欧州、アジアで生産される自動車
エンジンルーム内機能には、座席調整からアンチロック・ブレー
の娯楽、安全、インテリジェント制御に関する要求を適切に扱うこ
キまでさまざまなものがあり、これには2種類のネットワークが使
とのできる統一されたデータ・バスがないからです。
われています。
最適なバスを選択することは、競争上の優位につながりますが、
世界中の自動車メーカがそれぞれ異なるソリューションを採用して
いるので、その選択はますます困難になっています。
CAN(Controller Area Network)
最も長い歴史を持つCANバスは最も幅広く使用され、世界中で1
億を超えるノードが導入されています。
エレクトロニクスが革新を促進
通常、自動車には速度の異なる2系統または3系統のCANバスが
車載エレクトロニクスは、近年大きな進歩を遂げました。米国電
使われています。低速CANバスは125Kbps以下の速度で、座席
気電子技術者協会(IEEE)の調査によれば、従来からある車体制
や窓の動作制御、その他簡単なユーザ・インターフェイスなどと
御機能とエンジン管理機能に加え、新しいドライバ支援システムと
いったボディ系制御エレクトロニクスを管理します。高速(最大
テレマティクス・システムは年率16%という高いペースで急激に
1Mbps)CANバスは、エンジン制御やアンチロック・ブレーキ、
普及が進んでいます。IEEEは、中型車のコストに占めるエレクト
クルーズ・コントロールといった重要なリアルタイム機能を実行し
ロニクスの割合は2005年までに25%に達すると予測しています。
ます。
高い伸びを示す分野の1つがテレマティクス・システムで、これ
CANプロトコルは、自動車、トラック、オフロード車両におけ
は、移動体通信と情報処理を車載用に統合したものです。注目すべ
るエンジンルーム内での通信の標準となりつつあります。CANプ
きことは、Time-to-Marketが短く、市場での寿命が短い、標準や
ロトコルの大きな特長の1つが、通信における高い信頼性です。
プロトコルの変化が激しいという点で、テレマティクス・アプリ
ケーションが民生機器と同じ市場特性を有しているということで
LIN(Local Interconnect Network)
す。これらの市場特性は、安全上および設備コスト上の条件による
LINは、コスト上の制約が厳しいアプリケーションやデータ転送
影響が大きく、比較的設計サイクルが長かった市場特性の車載エレ
速度が低いアプリケーションで、CANバスを補完するために開発
クトロニクスとは対照的です。
されたものです。LINバスは安価なシリアル・バスで、分散車体制
CAN(Controller Area Network)やJ1850などの従来型シス
御エレクトロニクス・システムに使用されます。LINバスを使用す
テムは、長年にわたりボディ系制御に使われてきました。しかし、
れば、CANバスほどのバンド幅と汎用性を必要としないスマー
バンド幅と速度の制約から、シリアル方式をとるこれらイベントド
ト・センサやアクチュエータなどの通信を効果的に行うことができ
リブン型のバスでは、新しいリアルタイム・アプリケーションを扱
ます。代表的な応用例としては、ドア制御(ウィンドウ、ドア・ロッ
うことは困難です。
ク、ミラー)
、座席、温度調整、照明、降雨センサなどがあります。
これまで、タイム・トリガ方式のプロトコルや光学データ・バス
LINバスはUARTをベースとしたシングル・マスタ、マルチ・ス
などを特長とするいくつもの新しいバス標準が出現しました。これ
レーブのネットワーク・アーキテクチャで、もともとは自動車用の
らの車載バス・ネットワークは、以下の4つのカテゴリに分けるこ
センサおよびアクチュエータのネットワーク・アプリケーション用
とができます。
に開発されたものです。LINマスタ・ノードは、CANバスなど、よ
●ボディ系制御
− ダッシュボード/計器パネル・メータ、ミラー、
シート・ベルト、ドア・ロック、パッシグエアバッグ
● 娯楽およびドライバ情報システム
− ラジオ、Webブラウザ、
りハイレベルのネットワークとともにLINネットワークを構築し、
図1 車載ネットワークのデータ転送速度
CD/DVDプレーヤ、テレマティクス、インフォテインメント・
システム
● エンジンルーム内
− アンチロック・ブレーキ・システム、エ
ミッション制御システム、パワー・トレイン・システム、トラン
スミッション・システム
● アドバンスト安全システム
− ブレーキ・バイ・ワイヤ、ステ
ア・バイ・ワイヤ、ドライバ支援システム(アクティブ・セーフ
ティ)
図1は、さまざまなバス・システムの相対的速度を示したもので
すが、その速度はキロビット/秒からギガビット/秒までさまざまな
範囲に及んでいます。
11-1
ネットワークの利点を個々のセンサやアクチュエータにまで拡大し
まれています。
ます。
D2B(Digital Data Bus)
エンターテイメントおよびドライバ情報システム
自動車用情報システムやテレマティクス装置、特にカー・ナビ
D2Bは、デジタル・オーディオ、ビデオ、その他の高データ転
送速度の同期および非同期信号を統合するマルチメディア・データ
ゲーション・システムには、高い機能を持つオペレーティング・シ
通信用のネットワーク・プロトコルです。D2Bは11.2Mbpsの速
ステムとネットワーク接続性が要求されます。現在までのところ、
度で使用することができ、SmartWireTM(非シールド・ツイスト・
オープン標準バスと独自のスタンドアロンのバスが、独立した形で
ペア・ケーブル)または1本の光ファイバを使用することができます。
共存しています。しかし、統一への要求から、将来のシステムにお
この通信ネットワークは英国のC&C Electronics社によって提
いては、統合化されたエレクトロニクス・サブシステムが求められ
唱されたもので、ジャガーとメルセデス・ベンツがこれを採用して
ることになるでしょう。
います。たとえば、ジャガーXタイプ、Sタイプ、新しいXJサルー
オープンな業界標準を採用することによって、メーカからサービ
ス・センタ、小売業者に至るまで、すべての重要な関係者が、顧客
ンに展開された統合マルチメディア通信システムはD2Bを使用して
います。
に対して重要な専門知識を提供することに力を入れることができま
D2B光学マルチメディア・システムは、下位互換性を保ちなが
す。特定の車両や自社独自のコンピューティング・プラットフォー
ら新しい技術に合わせて発展させることができるようにデザインさ
ムに互換性のないデザインを個別に開発していたのでは、そのたび
れています。D2B光学システムは、光学リングに新しいデバイス
ごとに新たな時間や労力をかけなければなりません。オープン標準
や機能を追加する場合でもケーブル・ハーネスへの変更が不要にな
を採用すればこのような無駄をなくすことができます。
るため、拡張を容易にするオープン・アーキテクチャをベースにし
現在、MOST(Media Oriented System Transport)
ています。このバスが車載マルチメディア・データの扱いや情報の
Cooperation、IDB(Intelligent Transport System Data Bus)
制御に使用するポリマ光ファイバはたった1本だけです。このため、
フォーラム、BluetoothTM SIG(Special Interest Group)を含
信頼性が向上するとともに、外部コンポーネントとのコネクタの点
むいくつもの組織や事業体が、標準化への努力を続けています。
数を削減でき、全体的なシステム重量を大幅に軽減することができ
ます。
MOST(Media Oriented System Transport)
MOSTネットワークは、カー・ナビゲーション、デジタル・ラ
BluetoothとZigBee
ジオ、ディスプレイ、携帯電話、CD/DVDなどを含む複数のデバ
Bluetoothワイヤレス技術は、移動体通信デバイスおよび
イスを接続します。MOST技術は、プラスチック光ファイバ用に
WAN/LANアクセス・ポイント用の、低コスト、低消費電力の短
最適化されています。MOSTは24.8Mbpsのデータ速度をサポー
距離無線プロトコルです。その仕様には、携帯電話やコンピュータ、
トし、高い信頼性とデバイス・レベルにおけるスケーラビリティを
PDAなどの相互接続や、これらの機器と家庭用電話や業務用電話、
実現しています。
他のコンピュータとの接続を容易に行うことのできる方法が規定さ
MOSTは、リアルタイム・オーディオと圧縮ビデオをフル・サ
ポートしています。MOSTはドイツの自動車メーカとサプライヤ
が積極的にサポートしており、BMW、ダイムラー・クライスラー、
れています。
Bluetooth SIGは、AMIC、BMW、ダイムラー・クライスラー、
フォード、ジェネラル・モータース、トヨタ、フォルクスワーゲン
Harman/Becker、OASIS Silicon Systemsの各社がこの技術を
などのメンバ各社で構成されています。 自動車における
支持しています。最近注目すべきMOSTの採用事例としては、
Bluetooth利用の例には、Johnson Controls社のBlueConnectTM
Harman/Beckerが最新のBMW 7シリーズに搭載した事です。
技術があります。これは、ドライバがハンドルから手を離すことな
く、Bluetooth対応の携帯電話を利用できるというものです。
IDB(Intelligent Transport System Data Bus)
しかし、長期的に見た場合、Bluetoothデバイスのサポートにつ
IDBフォーラムは、アフターマーケット用デバイスおよびポータ
いては懸念される点もあります。問題は、電磁的ノイズの多い車内
ブル・デバイスの開発を行うOEM用に、IDB-CおよびIDB-1394
環境がBluetoothの使用にどのような影響を与えるのかという点に
バス、ならびに各種標準インターフェイスの管理を行っています。
集約されます。自動車やその他の車両のライフサイクルは、民生機
IDB-Cは、CANバスをベースにデータ転送速度250Kbpsの機器向
器や携帯電話のそれよりもはるかに長いため、半導体メーカは、サ
けの変更が加えられています。
ポートとサービスにおける時間的尺度の不一致を解決する必要があ
TM
IDB-1394(IEEE-1394 FireWire 標準をベースとしたもの)
は、高速マルチメディア・アプリケーション用に設計された、光
ります。他方クライスラー社は、Bluetoothによるネットワーク接
続を採用した車両を「Convergence 2002」に展示しました。
ファイバ技術使用の400Mbpsネットワークです。アプリケーショ
しかし、Bluetoothは自動車環境には過剰な技術だと見る向きも
ンの例としては、DVDおよびCDチェンジャ、ディスプレイ、オー
あります。このような理由から、低いデータ転送速度のワイヤレ
ディオ/ビデオ・システムなどがあります。
ス・データ転送と制御が、新たな標準として登場しました。
IDB-1394では、1394互換の民生用エレクトロニクス機器を
ZigBee TMワイヤレス・ネットワーキング・ソリューションは、
車載ネットワークに接続して使用することができます。たとえば、
フィリップス社が開発した低データ転送速度(最大250kbps)で、
Zayante社は、民生市場向けに1394物理層デバイスを供給して
周波数帯域(868MHz∼2.4GHz)
、低消費電力、低コストのシス
います。フォード・モーター社との共同で行った最近のデモンスト
テムです。ZigBeeの使用可能範囲は最大75mで、Bluetooth同
レーションには、デジタル・ビデオ・カメラやソニーの
様に工業用制御、家庭用オートメーション、民生用アプリケーショ
PlayStationTM 2ゲーム・コンソール、さらには2台のビデオ・
ンに向いており、自動車用アプリケーションにも適していると思わ
ディスプレイとDVDプレーヤのプラグ・アンド・プレイ接続が含
れます。
11-2
拡張安全システム
FlexRay技術はスケーラブルなシステムであり、同期および非同
安全装置は物理的分野から電子的分野へと発展を遂げており、タ
期データ転送をサポートしています。同期データ転送では、信頼性
イヤおよびブレーキング技術に始まり、側面衝突保護やエアバッグ、
のあるシステムの要求を満たすために、タイム・トリガ方式の通信
さらには今日のドライバ支援システムにまで及んでいます。
を行うことができます。FlexRayの同期データ転送は確定的なもの
最新の車両にはエレクトロニクスが多用されており、センサを
で、メッセージ遅延時間とメッセージ・ジッタも最小限に抑えられ
ベースとして継続的に周辺環境の評価を行ってドライバに関連情報
ています。また、冗長性とフォールト・トレラントを備えた分散ク
を表示し、場合によっては車体の制御まで行います。
ロック同期をサポートしており、すべてのネットワーク・ノードの
拡張安全システムにはバイ・ワイヤ技術(たとえばドライブ・バ
スケジュールを、あらかじめ定義された狭い枠内に正確に収めます。
イ・ワイヤやブレーキ・バイ・ワイヤ)が含まれます。これは、従
byteflightTMプロトコルの原理に基づく非同期転送では、各ノー
来使用されていた油圧系統や機械式リンケージによる操作を、より
ドがバンド幅をフルに使用してイベントドリブン型通信を行うこと
安全で軽量な電子式システムに置き換えるものです。
ができます。
その他の拡張リアルタイム安全システムの例としては、距離制御、
自動調整/感知式エアバッグ・システム、レーダ・パーキング、バ
ック支援、バック・ガイド・モニタ(駐車支援用にバンパーに埋め
込まれたカメラ)などがあります。
タイム・トリガ・プロトコル
フォールト・トレラントを備えたリアルタイム分散システム用に
設計されたタイム・トリガ・プロトコル(TTP)では、1つの機器
の障害がシステム全体の障害となるのを防ぐことができます。
TTPは、完成された低コストのソリューションで、安全が重要
FlexRay
FlexRayTMネットワーク通信システムは、次世代の自動車用バ
視されるアプリケーションにも使用可能です。今日では25Mbps
イ・ワイヤ・アプリケーションを視野に入れたものです。これらの
という高い通信速度をサポートする第2世代の半導体を使用するこ
アプリケーションに使用する高速バスには、外的要因に左右されな
とができます。TTPの管理組織であるTTAグループは、アウディ、
い確定的なものであること、フォールト・トレラントを備えている
SA、ルノー、NEC、TTChip、Delphi、Visteon企業で委員会が
こと、分散制御システムをサポートできること、などが求められ
メンバで組織されています。
ます。
BMW、ダイムラー・クライスラー、フィリップス・セミコンダ
クターズ、モトローラ、新メンバであるボッシュの各社は、次世代
アプリケーション用のFlexRay標準の策定に取り組んでいます。
タイム・トリガ型CAN
タイム・トリガ型CAN(TTCAN)標準は、CANプロトコルを
拡張したものです。TTCANは、既存のデータ・リンク層と物理層
FlexRayシステムは、単なる通信プロトコルではありません。こ
の上にセッション層を追加して、最大バス負荷時においてもすべて
のシステムには、特別に設計された高速トランシーバや、FlexRay
の転送デッドラインを満足できるようにしています。このプロトコ
「ノード」のさまざまなコンポーネント間のハードウェアおよびソ
ルは、イベントドリブン型通信も扱うことのできる、タイム・トリ
フトウェア・インターフェイスの定義も含まれています。FlexRay
ガ型のハイブリッドTDMA(時分割多重アクセス)スケジュール
プロトコルは、自動車用ネットワークシステムにおける通信プロセ
をインプリメントします。TTCANは、バイ・ワイヤ・アプリケー
スのフォーマットと機能を定義します。FlexRayは、CAN、LIN、
ションを視野に入れた、エンジン管理システム、トランスミッショ
MOSTネットワークを補完するために仕様化されています。
ン、シャーシ制御などに使用されます。
図2 FPGAに組み込まれた車載マルチメディア機能
11-3
図3 補完的車載ネットワーク
プログラマブル・ロジック・ソリューション
IPコア
以上、数多くの車載バス規格を見てわかるように、今後の数年間
リ・コンフィギャブルなハードウェア・プラットフォームは、IP
は自動車用エレクトロニクスの設計者にとって地雷原のようなもの
(Intellectual Property:知的設計資産)コアを活用することに
になるでしょう。設計を成功させるには適切なデータ・バスの選択
よって、迅速に市場へ投入することができます。たとえばMemec
が不可欠ですが、今や、単に生産時における装置の統合やテストだ
Design社は、最近、コスト的に最適化されたCANコア・インター
けで判定を下すことはできません。その車種が生産ラインを出た
フェイスを発表しました。このインターフェイスには、フレーマ、
ずっと後のことも考える必要があります。
送受信制御、エラー・制御、柔軟なインターフェイスを含む完全な
この問題は、多くのOEMメーカに装置を供給するTier1サプライ
データ・リンク層が組み込まれています。ビット・レートとサブ
ヤやアフターマーケット企業によってさらに増幅されます。これら
ビット・セグメントは、接続されたCANバスのタイミング仕様を
のOEMメーカが、データ・バスやプロトコルを変更する可能性が
満たすようにコンフィギュレーションすることができます。
あるからです。この業界は、OEMごとに異なる装置を設計する
Memec社のこのコアは、8MHzの最小コア・クロック周波数で、
(ほとんどすべての車種ごとと言ってもいいほど)という体制から
最大1Mbpsの転送レートを実現できるように設計されています。
の大規模な移行を経験しています。これを実現させたのは、リ・コ
このコアは、メッセージ・フィルタ、メッセージ優先順位メカニズ
ンフィギャブルなプラットフォームを重視する設計思想です。
ム、センサ/アクティベータ制御などのさまざまなシステム機能間
ソフトウェアと再プログラム可能なハードウェアとに巧妙に分割
のインターフェイスを提供します。
された設計プラットフォームを使用すれば、メーカは、設計プロセ
また、Memec CANバスは、マイクロプロセッサやさまざまな
ス後半であっても、場合によっては製造段階でさえ、システム・バ
周辺機能とのインターフェイスをとるシステム・アプリケーション
スやインターフェイスを変更することができます。リ・コンフィ
へ組み込むことができます。もう1つの例がIntelliga社のiLINTMコ
ギャブルなシステムの概念は、さまざまな標準やプロトコルの検証
アで、LINバス・コントローラIPコアとして提供されます。このコ
を可能にします。FPGAおよびCPLDのプログラマブル・ロジッ
アは、8ビットの同期汎用マイクロコントローラ・インターフェイ
ク・デバイス(PLD)は、試作からプリ・プロダクション、さら
スを最小のバッファリングで使用して、メッセージ・データを転送
には生産に至るまで、設計のあらゆる段階における変更を可能にし
します。さらに、リファレンス・デザインには1個のスレーブの
ます。
メッセージ応答フィルタとソフトウェア・インターフェイスが含ま
また、汎用FPGAは多くのプロジェクトに使用することができ、
特定アプリケーションに限定されることがありません。したがって、
れており、接続されたマイクロコントローラによって、アドレスに
フィルタをかけることができます。
PLDは在庫過剰と在庫に関する問題も緩和します。プログラマブ
この新しいLIN本体制御プロトコルは、Intelliga iDEVプロトタ
ル・ロジックをベースとした装置であれば、市場に出た後にワイヤ
イピング・ボードを使用して簡単に試用/テストすることができま
レス通信リンクを通じてリモート操作でコンフィギュレーションを
す。このボードは、すべてXilinx SpartanTM-IIE FPGAにインプリ
変更することができ、システムのアップグレードや特別な機能の追
メントされており、LINだけではなくCANおよびTTCANバスのデ
加も可能になります。
モを行うこともできます。
11-4
図2は、CANコアを使用した汎用車載マルチメディア・システ
ム・デザインで、PCMCIAインターフェイス、PCIブリッジ、IDE
インターフェイス、その他の機能のための通信を行います。
あるため、自動車産業のOEMメーカ各社は、複数の標準を採用す
ることでこれに対応しています。
このようなジレンマに対する明快なソリューションがあります。
ボードではなくFPGAを使用してカスタマイズを行なうことによ
ザイリンクスのプログラマブル・ロジックとIPコアをベースとした
り、1枚のプリント基板を多くの顧客向けに使用することができま
リ・コンフィギュ
す。このモデルを拡張すれば、ワイヤレス接続を介して現場で変更
レーション可能な
やアップグレードを行い、システム内のFPGAのコンフィギュレー
プラットフォーム
ションを変更することができます。
は、このような困
難な設計環境に最
バスの共存
Webサイト・リソース
CAN
www.can.bosch.com
GM LAN
www.gmtctcny.com/lan.htm
MOST
www.mostnet.de
TTTech (TTP)
www.ttagroup.org, www.ttchip.com
FlexRay
www.flexray.com
D2B
www.candc.co.uk
LIN
www.lin-subbus.org
Intelliga (LIN)
www.intelliga.co.uk
Bluetooth
www.bluetooth.com
IDB
www.idbforum.org
ZigBee
www.zigbee.org
も適しています。
いくつかの車載バス・ネットワークを共存させて、データ転送速
コンフィギュレー
度、信頼性、コストの最適な組み合わせを実現することができます。
ション変更が可能
図3では、ミラー、ルーフ、ウインドウなどのモータ間の接続に、
なザイリンクスの
低コスト・低速のLINバスが使われています。一方、CANバスは、
ハードウェア・
メータ、ボディ系制御機器、ドア・ロック、温度調整機能などの間
システムとソフト
のデータ通信と制御に使用されています。さらに、エンターテイメ
ウェア・システム
ント、ナビゲーション、通信用デバイスの接続には高速のMOST
は、設計プロセス
光学バスが使われています。
の終盤や製造段
このモデルを拡張してFlexRayバス(または他のリアルタイム・
階、あるいは展開
セーフティ・バス)を追加すれば、拡張安全システムに必要な高速/
後であっても、性
リアルタイムのデータ処理が可能になります。
能あるいはコスト
上の利点を犠牲に
結 論
することなく、頻
コスト、信頼性、性能間の微妙な工学的バランスが、さまざまな
繁に変更される標
新しい車載バス・システムを生み出してきましたが、これは、今後
準やプロトコルに
の設計上の決断を複雑化させる要因となります。このように、将来
対応することがで
どの標準が最終的に普及するのかを確定することができない状況に
きます。
Xilinx Automotive www.xilinx.com/automotive/
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