世界医師会 ヘルシンキ宣言(DoH)改訂専門家会議に関する 日本医師会

世界医師会
ヘルシンキ宣言(DoH)改訂専門家会議に関する
日本医師会記者会見について
1. ヘルシンキ宣言改訂専門家会議開催趣旨
ヘルシンキ宣言は、ヒトを対象とする医学研究において、医師が守るべき最
も基本的な倫理規範として、1964 年、世界医師会(以下 WMA)ヘルシンキ総
会で採択された WMA を代表する文書である。
WMA では、ヘルシンキ宣言の採択 50 周年に当たる 2014 年を目標に、全面
的な改訂作業を行っており、昨年 12 月のケープタウンにおける専門家会議に次
いで、アジアの専門家の意見をヒアリングするため、今回の専門家会議を開催
する。
2. 記者会見
(1) 日時:平成 25 年 3 月 1 日(金)17 時 30 分~18 時 30 分
(2) 場所:帝国ホテル 3 階「雅の間」
(3) 出席:日本医師会:横倉会長、羽生田副会長、石井常任理事
石川常任理事
世界医師会:クロイバー事務総長、パルサ・パルシ作業部会長
(4) 主催:日本医師会
(5) 問合せ先:日本医師会国際課 Tel:03-3942-6489
Email:[email protected]
[email protected]つきましては事前登録が
必要です。担当課である国際課までお申し込みください。
以上
ヘルシンキ宣言(DoH)改訂専門家会議
2013年2月28日-3月1日
帝国ホテル東京
議 題 案
1日目
2月28日(木)桜の間
2:00 歓迎の辞
横倉
義武
日本医師会長
高久
史麿
日本医学会長
セシル・ウィルソン
世界医師会(WMA)会長
2:15 来賓挨拶(予定)
田村
憲久
厚生労働大臣
2:20 開会挨拶
ラミン・パルサ・パルシ
DoH改訂作業部会長
2:30-3:45 基調講演
座長:ラミン・パルサ・パルシ
2:30 基調講演1:ウーバン・ウィージング
チュービンゲン大学、ドイツ
3:00 基調講演2:ヘザー・ウィドウズ
バーミンガム大学、イギリス
3:30 質疑応答
3:45 休憩
4:15-5:30 セッション1:バイオ・バンク
座長:石井
正三
日本医師会常任理事、WMA理事会副議長
座長:ミゲル・ジョルジュ
4:15 講演:位田
ブラジル医師会
隆一
講演:アリスター・キャンベル
同志社大学大学院特別客員教授
シンガポール国立大学、生命倫理センター所長
4:55 質疑応答
5:30 1日目終了
2日目
3月1日(金)光の間
9:00-10:15 セッション2: 保険/補償/保護
座長: ウオンチャット・サブハチャトゥラス WMA元会長、タイ
座長:トゥルン・ジャンビュ
9:00 講演:畔柳
WMA医の倫理委員会委員長、ノルウェー
達雄
日本医師会参与(法律顧問)
9:15 講演:ダニエル・フーチャン・ツァイ
9:30 講演:ルマー・ドッペルフェルド
9:45 質疑応答
10:15 休憩
1
国立台湾大学医学部社会医学部門、台湾
欧州議会、ドイツ
10:35-11:50
セッション3:資源不足/臨床研究終了後の諸問題
座長:ドン・チュン・シン
CMAAO理事会議長、韓国
座長:ポール・ジャスザック
デンマーク医師会
10:35 講演:ソムキアット・ワッタナシリチャイクッテ
タイ医師会学術会議議長、Srinakarinthwirot大学医学部教授、前学部長
10:50 講演:ファクミ・イドリス
CMAAO前会長、インドネシア
11:05 講演:ホセ・アサ・サビリ
フィリピン医師会元会長
11:20 質疑応答
11:50 昼食/富士の間
1:20-2:20 セッション4:社会的弱者グループ
座長:ミン・ビーン・リー
CMAAO会長、台湾
座長:ムケシュ・ハイカウォール
WMA理事会議長、オーストラリア
1:20 講演:ボッモン・チョイ 韓国カトリック大学医学部教授、医の倫理学会長
1:35 講演:アジェイ・クマール
インド医師会元会長
1:50 質疑応答
2:20-3:10 セッション5:医の倫理委員会
座長:マーガレット・ムンゲレラ
WMA次期会長、ウガンダ
座長:ピーター・カーメル
2:20 講演:武藤
DoH改訂作業部会委員、アメリカ
香織
東京大学医科学研究所公共政策研究分野教授
2:40 質疑応答
3:10 休憩
3:30-4:15 セッション6:一般コメント
3:30 コメンテーター:米国厚生省
コメンテーター:厚生労働省
コメンテーター:日本製薬工業協会
手代木
功会長(塩野義製薬社長)
コメンテーター:米国研究製薬工業協会(PhRMA)
3:50 質疑応答
4:15-5:15 合意形成/要約
4:15 討論
進行:ジェフ・ブラックマー
DoH改訂作業部会委員、カナダ
進行:ピーター・カーメル
DoH改訂作業部会委員、アメリカ
4:45 閉会及び今後の方向性
オトマー・クロイバー
WMA事務総長
文
韓国医師会名誉会長
太俊
羽生田
俊
日本医師会副会長
5:15 2日目終了
2
ヘルシンキ宣言
人間を対象とする医学研究の倫理的原則について
ヘルシンキ宣言は、世界医師会が 1964 年のヘルシンキ総会で採択した「臨床実験につ
いて医師への勧告」における「ヒトを対象とする医学研究において、医師が守るべき最も
基本的な倫理規範」として位置づけられています。
当宣言は、1975 年の東京総会で、「ヒトを対象とする医生物学的研究に携わる医師に対
する勧告」と改められ、倫理委員会の規定を設けるなど、被験者の保護を強化し、「イン
フォームド・コンセント」の用語を初めて取り入れました。
その後、2000 年のエジンバラ総会では、「ヒトを対象とする医学研究に関する倫理諸原
則」と改訂。また、2008 年のソウル総会において「人間を対象とする医学研究の倫理的原
則」に改訂されました。これは、研究対象は、物(モノ)視した「ヒト」ではなくて「人
間」だと考えるのが相当としたことによります。
宣言は、A章「序文」、B章「すべての医学研究のための諸原則」、C章「治療と結びつ
いた医学研究のための追加的原則」で構成されています。
内容では、2000年のエジンバラ総会で、プラセボに関し、研究終了後の最善の治療を保
障した項について問題を残しましたが、その後、2008年のソウル総会での改訂作業の結果、
注意規定を設けることで一応の決着を付けました。
しかし、プラセボ条項に対しては依然として反対意見があるため、作業部会で検討を続
けた結果、これに係わる議論は沈静化しつつあります。
2011年のウルグアイ総会では、ヘルシンキ宣言採択50周年にあたる2014年をめどに、現
行の宣言をアップデートする作業に着手することが決定され、さらに、2012年4月のプラ
ハ中間理事会において、2013年のブラジル総会で改訂作業を終えることが確認されました。
今後の改訂作業では、被験者の損失補償、バイオバンク、社会的弱者グループ・途上国
の被験者の保護、エンハンスメント(治療を超えた技術の利用)、医の倫理委員会等が検
討される予定で、2012年6月末のロッテルダム作業部会でその一部の検討が行われました。
その後、2012年12月、アフリカの専門家の声をヒアリングする専門家会議がケープタウ
ン(南アフリカ共和国)で開催され、次いで、2013年2~3月東京、8月ワシントンにて専
門家会議を開催し、すべての準備会議を終える予定となっています。
(日本医師会)
WORLD MEDICAL ASSOCIATION
ヘルシンキ宣言
人間を対象とする医学研究の倫理的原則
1964 年 6 月
1975 年 10 月
1983 年 10 月
1989 年 9 月
1996 年 10 月
2000 年 10 月
2002 年 10 月
2004 年 10 月
2008 年 10 月
A.
1.
第 18 回 WMA 総会(ヘルシンキ、フィンランド)で採択
第 29 回 WMA 総会(東京、日本)で修正
第 35 回 WMA 総会(ベニス、イタリア)で修正
第 41 回 WMA 総会(九龍、香港)で修正
第 48 回 WMA 総会(サマーセットウェスト、南アフリカ)で修正
第 52 回 WMA 総会(エジンバラ、スコットランド)で修正
WMA ワシントン総会(アメリカ合衆国)で修正(第 29 項目明確化のため注釈追加)
WMA 東京総会(日本)で修正(第 30 項目明確化のため注釈追加)
WMA ソウル総会(韓国)で修正
序文
世界医師会(WMA)は、個人を特定できるヒト由来の試料およびデータの研
究を含む、人間を対象とする医学研究の倫理的原則として、ヘルシンキ宣言を
発展させてきた。
本宣言は、総合的に解釈されることを意図したものであり、各項目は他のすべ
ての関連項目を考慮に入れず適応されるべきではない。
2.
本宣言は、主として医師に対して表明されたものであるが、WMA は人間を対
象とする医学研究に関与する医師以外の人々に対しても、これらの原則の採用
を推奨する。
3.
医学研究の対象となる人々を含め、患者の健康を向上させ、守ることは、医師
の責務である。医師の知識と良心は、この責務達成のために捧げられる。
4.
WMA ジュネーブ宣言は、「私の患者の健康を私の第一の関心事とする」こと
を医師に義務づけ、また医の国際倫理綱領は、「医師は医療の提供に際して、
患者の最善の利益のために行動すべきである」と宣言している。
5.
医学の進歩は、最終的に人間を対象とする研究を要するものである。医学研究
に十分参加できていない人々には、研究参加への適切なアクセスの機会が提供
されるべきである。
6.
人間を対象とする医学研究においては、個々の研究被験者の福祉が他のすべて
の利益よりも優先されなければならない。
7.
人間を対象とする医学研究の第一の目的は、疾病の原因、発症、および影響を
理解し、予防、診断ならびに治療行為(手法、手順、処置)を改善することで
ある。現在最善の治療行為であっても、安全性、有効性、効率、利用しやすさ、
および質に関する研究を通じて、継続的に評価されなければならない。
1
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8.
医学の実践および医学研究においては、ほとんどの治療行為にリスクと負担が
伴う。
9.
医学研究は、すべての人間に対する尊敬を深め、その健康と権利を擁護するた
めの倫理基準に従わなければならない。研究対象の中には、特に脆弱で特別な
保護を必要とする集団もある。これには、同意の諾否を自ら行うことができな
い人々や強制や不適切な影響にさらされやすい人々が含まれる。
10.
医師は、適用される国際的規範および基準はもとより、人間を対象とする研究
に関する自国の倫理、法律および規制上の規範ならびに基準を考慮するべきで
ある。いかなる自国あるいは国際的な倫理、法律、または規制上の要請も、こ
の宣言が示す研究被験者に対する保護を弱めたり、撤廃するべきではない。
B. すべての医学研究のための諸原則
11.
研究被験者の生命、健康、尊厳、完全無欠性、自己決定権、プライバシーおよ
び個人情報の秘密を守ることは、医学研究に参加する医師の責務である。
12.
人間を対象とする医学研究は、科学的文献の十分な知識、関連性のある他の情
報源および十分な実験、ならびに適切な場合には動物実験に基づき、一般的に
受け入れられた科学的原則に従わなければならない。研究に使用される動物の
福祉は尊重されなければならない。
13.
環境に悪影響を及ぼすおそれのある医学研究を実施する際には、適切な注意が
必要である。
14.
人間を対象とする各研究の計画と作業内容は、研究計画書の中に明示されてい
なければならない。研究計画書は、関連する倫理的配慮に関する言明を含み、
また本宣言の原則にどのように対応しているかを示すべきである。計画書は、
資金提供、スポンサー、研究組織との関わり、その他起こり得る利益相反、被
験者に対する報奨ならびに研究に参加した結果として損害を受けた被験者の治
療および/または補償の条項に関する情報を含むべきである。この計画書には、
その研究の中で有益であると同定された治療行為に対する研究被験者の研究後
のアクセス、または他の適切な治療あるいは利益に対するアクセスに関する取
り決めが記載されるべきである。
15.
研究計画書は、検討、意見、指導および承認を得るため、研究開始前に研究倫
理委員会に提出されなければならない。この委員会は、研究者、スポンサーお
よびその他のあらゆる不適切な影響から独立したものでなければならない。当
該委員会は、適用される国際的規範および基準はもとより、研究が実施される
国々の法律と規制を考慮しなければならないが、それらによってこの宣言が示
す研究被験者に対する保護を弱めたり、撤廃することは許されない。この委員
会は、進行中の研究を監視する権利を有するべきである。研究者は委員会に対
して、監視情報、とくに重篤な有害事象に関する情報を提供しなければならな
い。委員会の審議と承認を得ずに計画書を変更することはできない。
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16.
人間を対象とする医学研究を行うのは、適正な科学的訓練と資格を有する個人
でなければならない。患者あるいは健康なボランティアに関する研究は、能力
があり適切な資格を有する医師もしくは他の医療専門職による監督を要する。
被験者の保護責任は常に医師あるいは他の医療専門職にあり、被験者が同意を
与えた場合でも、決してその被験者にはない。
17.
不利な立場または脆弱な人々あるいは地域社会を対象とする医学研究は、研究
がその集団または地域の健康上の必要性と優先事項に応えるものであり、かつ
その集団または地域が研究結果から利益を得る可能性がある場合に限り正当化
される。
18.
人間を対象とするすべての医学研究では、研究に関わる個人と地域に対する予
想しうるリスクと負担を、彼らおよびその調査条件によって影響を受ける他の
人々または地域に対する予見可能な利益と比較する慎重な評価が、事前に行わ
れなければならない。
19.
すべての臨床試験は、最初の被験者を募集する前に、一般的にアクセス可能な
データベースに登録されなければならない。
20.
医師は、内在するリスクが十分に評価され、かつそのリスクを適切に管理でき
ることを確信できない限り、人間を対象とする研究に関与することはできない。
医師は潜在的な利益よりもリスクが高いと判断される場合、または有効かつ利
益のある結果の決定的証拠が得られた場合は、直ちに研究を中止しなければな
らない。
21.
人間を対象とする医学研究は、その目的の重要性が研究に内在する被験者のリ
スクと負担に勝る場合にのみ行うことができる。
22.
判断能力のある個人による、医学研究への被験者としての参加は、自発的なも
のでなければならない。家族または地域社会のリーダーに打診することが適切
な場合もあるが、判断能力のある個人を、本人の自由な承諾なしに、研究へ登
録してはならない。
23.
研究被験者のプライバシーおよび個人情報の秘密を守るため、ならびに被験者
の肉体的、精神的および社会的完全無欠性に対する研究の影響を最小限にとど
めるために、あらゆる予防策を講じなければならない。
24.
判断能力のある人間を対象とする医学研究において、それぞれの被験者候補
は、目的、方法、資金源、起こりうる利益相反、研究者の関連組織との関わり、
研究によって期待される利益と起こりうるリスク、ならびに研究に伴いうる不
快な状態、その他研究に関するすべての側面について、十分に説明されなけれ
ばならない。被験者候補は、いつでも不利益を受けることなしに、研究参加を
拒否するか、または参加の同意を撤回する権利のあることを知らされなければ
ならない。被験者候補ごとにどのような情報を必要としているかとその情報の
3
DoH/Oct2008
伝達方法についても特別な配慮が必要である。被験者候補がその情報を理解し
たことを確認したうえで、医師または他の適切な有資格者は、被験者候補の自
由意思によるインフォームド・コンセントを、望ましくは文書で求めなければ
ならない。同意が書面で表明されない場合、その文書によらない同意は、正式
な文書に記録され、証人によって証明されるべきである。
25.
個人を特定しうるヒト由来の試料またはデータを使用する医学研究に関して
は、医師は収集、分析、保存および/または再利用に対する同意を通常求めな
ければならない。このような研究には、同意を得ることが不可能であるか非現
実的である場合、または研究の有効性に脅威を与える場合があり得る。このよ
うな状況下の研究は、研究倫理委員会の審議と承認を得た後にのみ行うことが
できる。
26.
研究参加へのインフォームド・コンセントを求める場合、医師は、被験者候補
が医師に依存した関係にあるか否か、または強制の下に同意するおそれがある
か否かについて、特別に注意すべきである。このような状況下では、インフォ
ームド・コンセントは、そのような関係とは完全に独立した、適切な有資格者
によって求められるべきである。
27.
制限能力者が被験者候補となる場合、医師は、法律上の権限を有する代理人か
らのインフォームド・コンセントを求めなければならない。これらの人々が研
究に含まれるのは、その研究が被験者候補に代表される集団の健康増進を試み
るためのものであり、判断能力のある人々では代替して行うことができず、か
つ最小限のリスクと最小限の負担しか伴わない場合に限られ、被験者候補の利
益になる可能性のない研究対象に含まれてはならない。
28.
制限能力者とみなされる被験者候補が、研究参加についての決定に賛意を表す
ることができる場合には、医師は、法律上の権限を有する代理人からの同意の
ほか、さらに本人の賛意を求めなければならない。被験者候補の不同意は尊重
されるべきである。
29.
例えば、意識不明の患者のように、肉体的、精神的に同意を与えることができ
ない被験者を対象とした研究は、インフォームド・コンセントを与えることを
妨げる肉体的・精神的状態が、その対象集団の必要な特徴である場合に限って
行うことができる。このような状況では、医師は法律上の権限を有する代理人
からのインフォームド・コンセントを求めるべきである。そのような代理人が
存在せず、かつ研究を延期することができない場合には、インフォームド・コ
ンセントを与えることができない状態にある被験者を対象とする特別な理由を
研究計画書の中で述べ、かつ研究倫理委員会で承認されることを条件として、
この研究はインフォームド・コンセントなしに開始することができる。研究に
引き続き参加することに対する同意を、できるだけ早く被験者または法律上の
代理人から取得するべきである。
30.
著者、編集者および発行者はすべて、研究結果の公刊に倫理的責務を負ってい
る。著者は人間を対象とする研究の結果を一般的に公表する義務を有し、報告
4
DoH/Oct2008
書の完全性と正確性に説明責任を負う。彼らは、倫理的報告に関する容認され
たガイドラインを遵守すべきである。消極的結果および結論に達しない結果も
積極的結果と同様に、公刊または他の方法で一般に公表されるべきである。刊
行物の中には、資金源、組織との関わりおよび利益相反が明示される必要があ
る。この宣言の原則に反する研究報告は、公刊のために受理されるべきではな
い。
C.
治療と結びついた医学研究のための追加原則
31.
医師が医学研究を治療と結びつけることができるのは、その研究が予防、診断
または治療上の価値があり得るとして正当化できる範囲内にあり、かつ被験者
となる患者の健康に有害な影響が及ばないことを確信する十分な理由を医師が
もつ場合に限られる。
32.
新しい治療行為の利益、リスク、負担および有効性は、現在最善と証明されて
いる治療行為と比較考慮されなければならない。ただし、以下の場合にはプラ
セボの使用または無治療が認められる。
 現在証明された治療行為が存在しない研究の場合、または、
 やむを得ない、科学的に健全な方法論的理由により、プラセボ使用が、そ
の治療行為の有効性あるいは安全性を決定するために必要であり、かつプ
ラセボ治療または無治療となる患者に重篤または回復できない損害のリス
クが生じないと考えられる場合。この手法の乱用を避けるために十分な配
慮が必要である。
33.
研究終了後、その研究に参加した患者は、研究結果を知る権利と、例えば、研
究の中で有益であると同定された治療行為へのアクセス、または他の適切な治
療あるいは利益へのアクセスなどの、研究結果から得られる利益を共有する権
利を有する。
34.
医師は、治療のどの部分が研究に関連しているかを患者に十分に説明しなけれ
ばならない。患者の研究参加に対する拒否または研究からの撤退の決定は、決
して患者・医師関係の妨げとなってはならない。
35.
ある患者の治療において、証明された治療行為が存在しないか、またはそれら
が有効でなかった場合、患者または法律上の資格を有する代理人からのインフ
ォームド・コンセントがあり、専門家の助言を求めた後であれば、医師は、ま
だ証明されていない治療行為を実施することができる。ただし、それは医師が
その治療行為で生命を救う、健康を回復する、または苦痛を緩和する望みがあ
ると判断した場合に限られる。可能であれば、その治療行為は、安全性と有効
性を評価するために計画された研究の対象とされるべきである。すべての例に
おいて、新しい情報は記録され、適切な場合には、一般に公開されるべきであ
る。
***
5
THE WORLD MEDICAL ASSOCIATION, INC.
DECLARATION OF HELSINKI
Ethical Principles for Medical Research Involving Human Subjects
Adopted by the 18th WMA General Assembly, Helsinki, Finland, June 1964, and amended by the:
29th WMA General Assembly, Tokyo, Japan, October 1975
35th WMA General Assembly, Venice, Italy, October 1983
41st WMA General Assembly, Hong Kong, September 1989
48th WMA General Assembly, Somerset West, Republic of South Africa, October 1996
52nd WMA General Assembly, Edinburgh, Scotland, October 2000
53th WMA General Assembly, Washington, United States, October 2002
(Note of Clarification on paragraph 29 added)
55th WMA General Assembly, Tokyo, Japan, October 2004
(Note of Clarification on Paragraph 30 added)
WMA General Assembly, Seoul, Korea, October 2008
A.
INTRODUCTION
1.
The World Medical Association (WMA) has developed the Declaration of Helsinki as a
statement of ethical principles for medical research involving human subjects, including
research on identifiable human material and data.
The Declaration is intended to be read as a whole and each of its constituent paragraphs
should not be applied without consideration of all other relevant paragraphs.
2.
Although the Declaration is addressed primarily to physicians, the WMA encourages
other participants in medical research involving human subjects to adopt these
principles.
3.
It is the duty of the physician to promote and safeguard the health of patients, including
those who are involved in medical research. The physician's knowledge and conscience
are dedicated to the fulfilment of this duty.
4.
The Declaration of Geneva of the WMA binds the physician with the words, “The
health of my patient will be my first consideration,” and the International Code of
Medical Ethics declares that, “A physician shall act in the patient's best interest when
providing medical care.”
5.
Medical progress is based on research that ultimately must include studies involving
human subjects. Populations that are underrepresented in medical research should be
provided appropriate access to participation in research.
6.
In medical research involving human subjects, the well-being of the individual research
subject must take precedence over all other interests.
7.
The primary purpose of medical research involving human subjects is to understand the
causes, development and effects of diseases and improve preventive, diagnostic and
therapeutic interventions (methods, procedures and treatments). Even the best current
1
DoH/Oct2008
interventions must be evaluated continually through research for their safety,
effectiveness, efficiency, accessibility and quality.
8.
In medical practice and in medical research, most interventions involve risks and
burdens.
9.
Medical research is subject to ethical standards that promote respect for all human
subjects and protect their health and rights. Some research populations are particularly
vulnerable and need special protection. These include those who cannot give or refuse
consent for themselves and those who may be vulnerable to coercion or undue influence.
10.
Physicians should consider the ethical, legal and regulatory norms and standards for
research involving human subjects in their own countries as well as applicable
international norms and standards. No national or international ethical, legal or
regulatory requirement should reduce or eliminate any of the protections for research
subjects set forth in this Declaration.
B.
PRINCIPLES FOR ALL MEDICAL RESEARCH
11.
It is the duty of physicians who participate in medical research to protect the life, health,
dignity, integrity, right to self-determination, privacy, and confidentiality of personal
information of research subjects.
12.
Medical research involving human subjects must conform to generally accepted
scientific principles, be based on a thorough knowledge of the scientific literature, other
relevant sources of information, and adequate laboratory and, as appropriate, animal
experimentation. The welfare of animals used for research must be respected.
13.
Appropriate caution must be exercised in the conduct of medical research that may
harm the environment.
14.
The design and performance of each research study involving human subjects must be
clearly described in a research protocol. The protocol should contain a statement of the
ethical considerations involved and should indicate how the principles in this
Declaration have been addressed. The protocol should include information regarding
funding, sponsors, institutional affiliations, other potential conflicts of interest,
incentives for subjects and provisions for treating and/or compensating subjects who are
harmed as a consequence of participation in the research study. The protocol should
describe arrangements for post-study access by study subjects to interventions identified
as beneficial in the study or access to other appropriate care or benefits.
15.
The research protocol must be submitted for consideration, comment, guidance and
approval to a research ethics committee before the study begins. This committee must
be independent of the researcher, the sponsor and any other undue influence. It must
take into consideration the laws and regulations of the country or countries in which the
research is to be performed as well as applicable international norms and standards but
these must not be allowed to reduce or eliminate any of the protections for research
subjects set forth in this Declaration. The committee must have the right to monitor
ongoing studies. The researcher must provide monitoring information to the committee,
2
DoH/Oct2008
especially information about any serious adverse events. No change to the protocol may
be made without consideration and approval by the committee.
16.
Medical research involving human subjects must be conducted only by individuals with
the appropriate scientific training and qualifications. Research on patients or healthy
volunteers requires the supervision of a competent and appropriately qualified physician
or other health care professional. The responsibility for the protection of research
subjects must always rest with the physician or other health care professional and never
the research subjects, even though they have given consent.
17.
Medical research involving a disadvantaged or vulnerable population or community is
only justified if the research is responsive to the health needs and priorities of this
population or community and if there is a reasonable likelihood that this population or
community stands to benefit from the results of the research.
18.
Every medical research study involving human subjects must be preceded by careful
assessment of predictable risks and burdens to the individuals and communities
involved in the research in comparison with foreseeable benefits to them and to other
individuals or communities affected by the condition under investigation.
19.
Every clinical trial must be registered in a publicly accessible database before
recruitment of the first subject.
20.
Physicians may not participate in a research study involving human subjects unless they
are confident that the risks involved have been adequately assessed and can be
satisfactorily managed. Physicians must immediately stop a study when the risks are
found to outweigh the potential benefits or when there is conclusive proof of positive
and beneficial results.
21.
Medical research involving human subjects may only be conducted if the importance of
the objective outweighs the inherent risks and burdens to the research subjects.
22.
Participation by competent individuals as subjects in medical research must be
voluntary. Although it may be appropriate to consult family members or community
leaders, no competent individual may be enrolled in a research study unless he or she
freely agrees.
23.
Every precaution must be taken to protect the privacy of research subjects and the
confidentiality of their personal information and to minimize the impact of the study on
their physical, mental and social integrity.
24.
In medical research involving competent human subjects, each potential subject must be
adequately informed of the aims, methods, sources of funding, any possible conflicts of
interest, institutional affiliations of the researcher, the anticipated benefits and potential
risks of the study and the discomfort it may entail, and any other relevant aspects of the
study. The potential subject must be informed of the right to refuse to participate in the
study or to withdraw consent to participate at any time without reprisal. Special
attention should be given to the specific information needs of individual potential
subjects as well as to the methods used to deliver the information. After ensuring that
the potential subject has understood the information, the physician or another
3
DoH/Oct2008
appropriately qualified individual must then seek the potential subject’s freely-given
informed consent, preferably in writing. If the consent cannot be expressed in writing,
the non-written consent must be formally documented and witnessed.
25.
For medical research using identifiable human material or data, physicians must
normally seek consent for the collection, analysis, storage and/or reuse. There may be
situations where consent would be impossible or impractical to obtain for such research
or would pose a threat to the validity of the research. In such situations the research may
be done only after consideration and approval of a research ethics committee.
26.
When seeking informed consent for participation in a research study the physician
should be particularly cautious if the potential subject is in a dependent relationship
with the physician or may consent under duress. In such situations the informed consent
should be sought by an appropriately qualified individual who is completely
independent of this relationship.
27.
For a potential research subject who is incompetent, the physician must seek informed
consent from the legally authorized representative. These individuals must not be
included in a research study that has no likelihood of benefit for them unless it is
intended to promote the health of the population represented by the potential subject,
the research cannot instead be performed with competent persons, and the research
entails only minimal risk and minimal burden.
28.
When a potential research subject who is deemed incompetent is able to give assent to
decisions about participation in research, the physician must seek that assent in addition
to the consent of the legally authorized representative. The potential subject’s dissent
should be respected.
29. Research involving subjects who are physically or mentally incapable of giving consent,
for example, unconscious patients, may be done only if the physical or mental condition
that prevents giving informed consent is a necessary characteristic of the research
population. In such circumstances the physician should seek informed consent from the
legally authorized representative. If no such representative is available and if the
research cannot be delayed, the study may proceed without informed consent provided
that the specific reasons for involving subjects with a condition that renders them
unable to give informed consent have been stated in the research protocol and the study
has been approved by a research ethics committee. Consent to remain in the research
should be obtained as soon as possible from the subject or a legally authorized
representative.
30.
Authors, editors and publishers all have ethical obligations with regard to the
publication of the results of research. Authors have a duty to make publicly available
the results of their research on human subjects and are accountable for the completeness
and accuracy of their reports. They should adhere to accepted guidelines for ethical
reporting. Negative and inconclusive as well as positive results should be published or
otherwise made publicly available. Sources of funding, institutional affiliations and
conflicts of interest should be declared in the publication. Reports of research not in
accordance with the principles of this Declaration should not be accepted for
publication.
4
DoH/Oct2008
C.
ADDITIONAL PRINCIPLES FOR MEDICAL RESEARCH COMBINED WITH
MEDICAL CARE
31.
The physician may combine medical research with medical care only to the extent that
the research is justified by its potential preventive, diagnostic or therapeutic value and if
the physician has good reason to believe that participation in the research study will not
adversely affect the health of the patients who serve as research subjects.
32.
The benefits, risks, burdens and effectiveness of a new intervention must be tested
against those of the best current proven intervention, except in the following
circumstances:
 The use of placebo, or no treatment, is acceptable in studies where no current
proven intervention exists; or
 Where for compelling and scientifically sound methodological reasons the use of
placebo is necessary to determine the efficacy or safety of an intervention and the
patients who receive placebo or no treatment will not be subject to any risk of
serious or irreversible harm. Extreme care must be taken to avoid abuse of this
option.
33.
At the conclusion of the study, patients entered into the study are entitled to be
informed about the outcome of the study and to share any benefits that result from it, for
example, access to interventions identified as beneficial in the study or to other
appropriate care or benefits.
34.
The physician must fully inform the patient which aspects of the care are related to the
research. The refusal of a patient to participate in a study or the patient’s decision to
withdraw from the study must never interfere with the patient-physician relationship.
35.
In the treatment of a patient, where proven interventions do not exist or have been
ineffective, the physician, after seeking expert advice, with informed consent from the
patient or a legally authorized representative, may use an unproven intervention if in the
physician's judgement it offers hope of saving life, re-establishing health or alleviating
suffering. Where possible, this intervention should be made the object of research,
designed to evaluate its safety and efficacy. In all cases, new information should be
recorded and, where appropriate, made publicly available.

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