日本郵船株式会社代表取締役会長 - LEC東京リーガルマインド

競争と選択、
多様性を
柱とする教育改革を
草刈隆郎 氏
内閣府規制改革・民間開放推進会議総括主査/日本郵船株式会社代表取締役会長
社団法人日本経済団体連合会副会長
規制改革・民間開放推進会議の教育ワーキンググループ主査として、
また社団法人日本経済団体連合会の副会長として教育問題を検討し、
さまざまな提言をされている
日本郵船株式会社代表取締役会長、草刈隆郎氏にお考えをうかがった。
聞き手 株式会社東京リーガルマインド代表取締役 反町勝夫
義務教育の権限委譲
義務教育の制度について検討していくとき重要なのは、子どもたちに最も近い教育現場に権限を移し、実行体制を充実させることだ。
他方、国が義務教育に責任を負うのは当然のことである。義務教育費の負担をめぐり、国庫負担金か一般財源化かを論じるときには、
日本の特殊な事情を踏まえなければならない。
規制改革・民間開放推進会議ホームページ「文部科学省の義務教育改革に関する緊急提言∼真に消費者(生徒・保護者)本位の多様で質の高い義務
教育体系の実現に向けて∼」http://www.kisei-kaikaku.go.jp/minutes/meeting/2004/08/meeting04_08_01.pdf
規制改革・民間開放推進会議ホームページ「教員養成分野における専門職大学院の活用の件」
http://www.kisei-kaikaku.go.jp/publication/2005/0627/item05_0627_01.pdf
サッチャーの教育改革
反町
今年1月、社団法人日本経済
団体連合会(以下、日本経団
連)は「これからの教育
の 方向性に関する提
る草刈会長に、
わが国の義務教育のあり方
取り上げよう」
というスタンスで議論をしてい
に関してお話をうかがってまいりたいと思い
ます。
反町
ます。
草刈
中央教育審議会では、
いわゆる三
日本経団連の提言は、
義
位一体改革の一環として義務教育国庫負
務教育に限らず高等教育も
担金を廃止するか、
存続するかが議論され
含めて議論してきた結果を
ています。
草刈
言」 を発表されてい
まとめたものです。また、
ます。そのとりまとめ
規制改革・民間開放推
が出ない難しい問題ですが、規制改革・民
に当たっては中心に
進会議の方は、
ちょうど
間開放推進会議としては「どちらか一方に
なられ、
また規制改
中教審が義務教育の問
荷担すれば、
要らぬ混乱を招くのではない
革・民間開放推進
題を取り上げていること
か」
ということもあって、
その議論にはタッチ
会議では教育ワーキ
もあり、
「 今年は義務教
していません。ただ言えることとして、私た
育に焦点を絞ろう。そこか
ちは、
義務教育の制度について検討してい
ら派生する教育の問題は
くとき重要なのは、
子どもたちに最も近い教
※1
ンググループの主査
を務められてい
政治的な要素も絡み、
なかなか結論
育現場に権限を移し、
実行体制を充実させ
ることだと考えています。他方、
義務教育に
責任を負うのは国として当然のことです。こ
の国において、
「国が教育に無責任であっ
て構わない。放置しておけば良い」とは誰
も言わないでしょう。
草刈
反町 とりわけ天然資源の乏しい日本にお
教育委員会の問題を今年の秋以降取り上
いて、人材は最重要の資源であり、不可欠
げることになっており、
これはまだ委員の間
なインフラ制度のようなものですね。
で一致した意見ではありませんが、二つの
草刈
今後、
わが国がグローバルな競争に
問題があるというのが私自身のとらえ方で
勝ち抜き、魅力ある国として国際社会から
す 。一つ目は、教育委員会が本当に地域
認められるために何より必要なのは、優れ
に根差し、地域の教育についてきちんと考
た人材です。人がきちんと育たなければ、
こ
えるメンバー構成になっているのかというこ
の国は立ち行かなくなる。
したがって、
国が
とです。実態として名誉職的なものになっ
教育に責任を持つのは当然のことだ。ここ
ていたり、
教育長の友人で固められていた
までははっきりとしています。ただし、国庫
り、
イージーな人選がまかり通っているとこ
負担金か一般財源化かを論じるとき、日本
ろが多いようですが、
委員や事務局に専門
の特殊な事情を踏まえなければならないの
能力を持つ人を配して、
立案機能を強化す
ではないか 。一連の議論で、
ある方が「国
べきでしょう。二つ目の問題は、
学校、
教員、
民学校の思想」
とおっしゃいましたが、
時と
学力を把握できる組織になっているのかと
あるいは潰すことまで含めて考えるのか 。
して日本では国の統制が未だに色濃く現
いうことです。日本の教育委員会は学校の
そのような競争環境を醸成すれば、
日本の
れます。義務教育についても、
「金を出すの
外にあり、
一線を画したかたちですが、
それ
教育は間違いなく活性化します。各学校が
だから、
当然国が支配するとストレートに結
で本当に学校の実態把握と内部評価が可
特色を打ち出し、
アピールするようになる。
び付く発想を許すのであれば、
それはよろ
能なのか、
という点です。
何も勉強ばかりでなくて良い。スポーツに力
しくないだろう」ということです。イギリスに
反町
を入れたり、礼儀正しい人間を育てたりす
おけるマーガレット・サッチャーの教育改革
きましたが、
これも教育委員会の存在を前
る学校というのも良いでしょう。そのように、
には学ぶべきことが多々ありますが、
何より
提とする点、
なかなかサッチャー改革のよう
特徴を持つ学校が出てくることが期待でき
サッチャー氏は、
「教育に関する責任は国が
なダイナミックなかたちにはいかないようで
ます。
また、
現在の教育予算の制度を温存
持つべき」と明言されたが、同時に、
「国は
す。
すれば、少子化が進み、生徒数が減っても
金を出し、制度も用意するが、重要なのは
草刈
中途半端なかたちになっているのを
教員数は高止まりするかもしれない。彼ら
現場である」
という哲学を備えていた。それ
見ますと、私は「本当に教育委員会が必要
には彼らの理屈があります。今の教員は忙
に基づき、
学校理事会に多くの権限を移譲
なのか」
という気すらしてきます。
しすぎる。生徒が減るくらいでちょうど良い。
して、
学校運営を審査させた。
さらに、
国会
反町
に直接責任を負う監査組織である教育水
革・民間開放推進会議はバウチャー制度
規制改革・民間開放推進会議では、
昨年、学校運営協議会の制度がで
大胆な改革案ということでは、
規制改
※2
準局に監査をさせた。成果をチェックして、 (資料参照)の導入を主張されています。
資料
バウチャー制度のイメージ
バウチャーの交付
利用者
政府
バウチャーの
提出
代金
(選択)
バウチャーによる
サービスの利用
学校や保育所など
(競争)
出所:内閣府ホームページ「バウチャー入門コーナー」
(http://www5.cao.go.jp/keizai3/2001/0706seisakukoka8-q.html)
40人学級では血の通った教育ができない。
30人、20人になった方が良い。ただ、財政
状況を鑑みれば、
そのエクスキューズを自
駄目な学校には2年間の猶予を与えるが、
草刈
今の教育予算の制度は、
事実上、
教
動的に許して良いものか。私は競争、財政
それでも見込みがなければ潰す。そのよう
員数、
学級数などに比例して配分するかた
という二つの点から、
この際、
大胆な改革を
な改革を実行しています。
ちです。数が揃っていれば、
機械的に予算
断行すべきだと思います。
反町
現場に裁量権を与えるとともに、
が付く。特段の努力がなくても、
学校は存続
免許制度の必然性
責任を負わせたということですね。
する。それでは良い学校にしていこうという
草刈
日本の場合、現場へ権限を移譲す
インセンティブが働きにくい。それを止め、
思
るとき、
ネックになるのが教育委員会でしょ
い切って、学校選択を自由化し、情報開示
反町
う。無論、
しっかりやっておられる教育委員
を徹底することを前提に、生徒数に応じた
ですが、規制改革・民間開放推進会議は、
会もありますが、問題のあるところも少なく
予算を配分する。そこに北欧のようなバウ
教員の専門職大学院構想に対して、懐疑
ない。そこにメスを入れ、現場にきちんとし
チャー制度を応用した仕組みを入れれば、
的な意見を出していらっしゃいますね。
た体制をつくることが大切だと思われます。
生徒確保のための学校間の切磋琢磨が始
草刈
反町
まります。評判の良い学校に生徒が集まる。
院というものに、
さほどのメリットが感じられ
どうにもならない学校はいかに再生するか、
ません。私たちの主張が誤りで、実は多く
教育委員会の問題点としてお考え
のことは。
※1
これからの教育の方向性に関する提言:2005年1月18日に日本経団連が公表し
た、抜本的な教育改革についての提言。
「教育は国の発展の基盤であり、21世紀
の国づくりではその担い手の育成が必要である」
との観点から、
「多様性」
「競争」
、
、
「評価」を通じた教育力の向上(制度改革)
、家庭や地域の教育力の向上を目指
し、
あるべき教育の今後の方向性について示している。参照、日本経団連ホーム
※2
次に、
教員養成のシステムについて
そもそも教員のための専門職大学
ページ「これからの教育の方向性に関する提言」
(2005年1月)
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2005/003/
バウチャー制度[Voucher]
: 利用者がサービスを選択して購入するという前提
に立ち、利用券方式や利用認定方式によって、利用者自らがさまざまなサービス
の種類や供給主体の中からサービスを選択することを保証する仕組み。
2005 November 法律文化 21
求められる三つの力
の利点があるのかもしれませんが、
もし実
する例は少ない。下手に追求して問題を顕
現するのなら、
そこを修了したことをもって
在化させれば、
最終的には訴訟になるかも
採用の要件にしたり、
優遇したりすることだ
しれない、
というような意識が働くのかもし
反町
けは絶対に止めていただきたい。それは悪
れません。そこは第三者も交えて客観的な
経団連では宗教について言及されていま
しき参入障壁であり、極めてアンフェアでも
評価をしていくべきでしょう。
す。
ある。その点は強調したいと思います。公
反町
草刈
立学校の人事制度はフラットで、役職が上
用が重要な視点だと思われます。
あるように、
決して「特定の宗教のための教
がらないと給料も上がらず 、
フレンジベネ
草刈 これから団塊の世代が大量にリタイ
育をせよ」
という意味ではありません。国際
フィットも画一的です。困難な学校で日夜悩
アします。団塊の世代は子どもの頃は、日
化が進む中、宗教の知識は異文化理解の
みながら頑張っていらっしゃる教員も、
平穏
本がまだ貧しく、
食べる物もろくになかった。
重要なベースとなっている。イラクがなぜあ
な学校でのほほんと過ごしている教員も、
高度成長期の真っ直中で懸命に働き、
バブ
のような状況になったのか。イスラエルの紛
サボっている教員も評価は同じ。そこにもっ
ルを迎え、
「失われた10年」ではリストラの嵐
争の理由は何か。知識としては当然、教え
てきて、
現場の教員としての能力は未知数
にさらされた。いろいろな人生経験を積ん
るべきだということです。
で、
言うなれば、
たかだか大学院で2年余計
だ人たちをこのまま退場させるのはいかに
反町
に勉強しただけの人間を優遇するというの
も惜しい。日本経団連では「国も政策的に
えられています。
は全く不合理です。それでは一生懸命やっ
労働市場に残すため、60歳定年を延長す
草刈
てきた他の先生方をディスカレッジしてしま
るような措置を検討すべきではないか」
とい
的教養」の尊重を明示していますが、
「政治
う。大学院を出た人も仮採用から始めると
うような提言を考えていますが、
校長など教
の仕組みに触れてはならない」という議論
いうように、完全にフェアな取り扱いをお願
育界で活躍してもらうことも望ましいですね。
はナンセンスです。経済教育については、
いしたい。そもそも、
大学院で専門知識を身
豊かな人生経験を活かして教員をリードで
やや誤解されている面があるかもしれませ
に付けたり、
シミュレーションをしたり、
それら
きるでしょうし、子どもたちを優しい視点で
ん。私たちは「幼い頃からサラリーマン根性
もやらないよりは良いのでしょうが、私たち
見守り、
暖かく包み込むこともできるはずで
を植え付けよ」
というようなことを言うつもり
は濃厚な知識や最新の教育手法を身に付
す。
また、
そのような人たちは収入が目的と
は毛頭ありません。世の中の仕組み、家の
けていることが、
義務教育段階の教員の最
いうより、生きがいを求めたいのでしょうか
近所にある商店街の人たちはどのように働
大の要件だとは思いません。特に小学校段
ら、仮に給与が正規の7割、8割でも良しと
いているのか、
いわば全人教育的なことを
階は、
むしろ子どもたちを暖かい気持ちで包
するかもしれません。
申し上げたまでです。察するに、文部科学
み込む気持ち、
慈しむ心、
また導く力が大事
反町
高等学校については、校長に民間
省の「ゆとり教育」
も本来のねらいはそこに
なのではないか。極論すれば、
小中学校の
人が登用されるようになり、東京都の高等
あったのでしょう。ただ政治教育、
経済教育
教員に本当に免許が必要なのか 。単に学
学校でも数人おられますが、
実務の世界で
もさることながら、
私が重視したいのは礼儀
部教育で教職課程をとったというだけ。そ
活躍された経験を活かし、
教員のモチベー
です。青少年の規律・生活態度が乱れ、倫
れを要件とする参入障壁そのものに問題が
ションを向上させ 、成果を上げられていま
理観が失われている今の状況は、
目を覆う
あるのではないか、
という疑問さえ湧いてき
す。ただ、小中学校については認められて
ばかりです。それが家庭からしつけの機能
ます。
いません。
が失われた結果だとすれば、
学校で代替す
草刈
るしかありません。
「道徳」
と言うと「戦前の
反町
教員免許の制度を維持するのであ
体制づくりとしては、外部人材の活
それもまた理解し難い参入障壁で
教育の内容についてですが、日本
教育基本法第9条第2項※5に定めが
政治教育や経済教育の必要性も訴
教育基本法第8条第1項 ※6も「政治
れば、
少なくとも更新制度が必要なのでは。
すね。
教育に戻るのか」という反応を示される方
草刈
反町
がいますが、
それはあまりに極端です。人
教育改革で重要なのは教員の質で
幅広い人材を登用するということで
すが、現行の免許制度が本当に教員の質
は、
それを目的とした特別免許状制度 ※3、
間として、
最低限してはならないことを教え
を保障するものとは思えません。一定期間
臨時教員免許 など、制度としては用意さ
込むことを教育の原点として見つめ直すべ
でチェックを入れ、
力を失った教員には退場
れています。
きでしょう。
してもらうのは当然でしょう。
また、
時おり表
草刈 しかし、
実態としてそれらはあまり活
反町
沙汰になりますが、問題のある教員は潜在
用されていません。
留・科料と刑罰は軽いのですが、
いわば道
※4
軽犯罪法という法律があります。拘
的にはかなりの数にのぼるものと思われま
徳を法律化したもので、
してはならぬことが
す。にもかかわらず、校長が不適性と判断
列挙されています。それらを見ますと、
日本
※3
特別免許状制度 : 大学での養成課程を履修していない者に、都道府県教育委
員会の行う教育職員検定により、教育職員の免許状を授与する制度。昭和63年
の教育職員免許法の改正により制度化。優れた知識経験や技能を有する社会
人に免許状を授与し、教員として迎え入れることにより、学校教育の多様化への
対応とその活性化を図ることを目的とする。
22 法律文化 2005 November
※4
※5
臨時免許状制度 : 教育職員免許状のひとつで、普通免許状を有する者を採用
することができない場合に限り、教育職員検定に合格した者に教育職員の免許状
を授与する制度。
教育基本法第9条第2項 :「国及び地方公共団体が設置する学校は、特定の宗
教のための宗教教育その他宗教的活動をしてはならない。
」
の良き醇風美俗です。ただ、
いかんせん古
い法律で「割当物資の配給」など内容が旧
態依然としている。これを現状に合うように
改正し、小中学校の道徳の教材とすれば
良いのではないかと思います。漠然と道徳
を教えたところで聞き流され、
定着しないで
しょうから。
草刈
興味深い方法論です。
反町
昨年の「21世紀を生き抜く次世代育
「 志と心」、
「 行動
成のための 提言」※7 で、
力」「
、知力」の三つの力を備えた人材を求
められていますが、
これからの日本を考え
るとき、求められる人材ということについて
お話を賜りたいと思います。
草刈
企業の立場から申せば、高度経済
成長の時代には、体力があり、成績がそこ
そこ良い人間を採っていれば間違いなかっ
ていくでしょう。
れます。
たが、
今や時代が変化しています。かつて、
草刈 おっしゃる通りです。世の中全体が
草刈
大多数の日本人にとっての人生の目的は、
劇的に変化しているのですから、
教育だけ
団の中の個ではなく、
よい個が寄り集まりシ
良い大学に行き、良い会社に入ることだっ
これまでと同じであって良いはずがない。
ナジー効果を生む。そのような集団でなけ
たかもしれませんが、前提が全く様変わり
高度経済成長期には均質な人材を育成し
れば、勝ち残っていくことはできません。こ
した。例えば、私が入社した当時、転職す
て社会が発展させられたかもしれないが、
れは企業に限らず、
学会にしても、
あらゆる
ることは大きなデメリットとされたが、
今はむ
多様性こそ社会の活力の源泉となる時代
組織について同じことが言えるはずです。
しろ肯定的に評価されることが多くなって
を迎え、
リーダーたり得る人材、
多彩な能力
反町
今後も集団の力は必要ですが、集
教育における規制改革の意義、人
いる。また、昔は会長や社長といえば、
「給
を備えた人材の育成が急務となっていま
材育成の重要性について貴重なお話をお
料が多く、生活は安泰かつ優雅」と思われ
す。企業が求めるのは柔軟な発想を持ち、
うかがいし、
教育改革の目指すべき方向性
ていたが、
そのような時代は過ぎ去り、
今や
多様な価値を創造できる人、多様な才覚を
がはっきりと見えてきました。本日はお忙し
心ある経営者はいつ買収されるか分からな
備えた人たちです。
いところ、
誠にありがとうございました。
い恐怖に向かい合っている。株主代表訴訟
反町
のリスクもある。30年前には、
誰一人考えも
適の意思決定や行動ができる人間ですね。
しなかった事態です。
もう一つは、
グローバ
草刈 それに加えて情熱です。これがなけ
内閣府規制改革・民間開放推進会議総括主査/日本郵船株式
会社代表取締役会長/社団法人日本経済団体連合会副会長
ルな競争です。私たちの会社も現在、
グルー
れば、
人間は進化しません。特にリーダーに
草刈 隆郎(くさかりたかお)
プを合わせると約2万5,000名の社員がい
なるためには重要な要素ですし、
さらに高
1964年慶応義塾大学経済学部卒業、同年日本郵船株式会社
ますが、
そのうち単体直接雇用の日本人は
いコミュニケーション能力や構想力、
決断力、
社長、2004年代表取締役会長に就任(現職)。現在、総務省
1,600名だけ。船員も船舶の運航要員とい
高い倫理観が素養として求められます。
と
う従来の役割にとどまらず、外国人の船員
ころが、日本はそのような素養を伸ばす教
を統括し、
労務管理を行うことのできる能力
育が不足している。それは企業の立場だけ
のある人材が必要です。
ではなく、
社会一般を考えても指摘し得ると
反町
ころでしょう。
日本企業が世界中で活動する時代
刻々と変化する環境に対応して、
最
入社。常務取締役、専務取締役等を経て、1999年代表取締役
国地方係争処理委員会委員、内閣府規制改革・民間開放推
進会議委員(総括主査/教育ワーキンググループ主査)
、社団
法人日本経済団体連合会副会長(教育問題委員長)を務め
る。2004年国土交通省大臣表彰受賞、
2005年藍綬褒章受章。
英国教育調査団(編)、平沼赳夫[ほか]著
『サッチャー改革に学ぶ教育正常化への道−
英国教育調査報告』
(PHP研究所・2005)
には、会社を代表して海外に赴き、外国人
反町
をマネジメントできるだけの力量、
責任感が
は集団の中で生きることに優秀な人材を育
読者の皆様のご意見・ご感想をお寄せください。
求められる。国際化が進むほど、
日本にとっ
成することには成功したかもしれませんが、
h-bunka@lec-jp.com
て最大の資源である人材の重要性が増し
これからは個として自立した人材が求めら
※6
※7
平等、公平を旨に戦後の義務教育
教育基本法第8条第1項:「良識ある公民たるに必要な政治的教養は、教育上これを尊重しなければならない。
」
21世紀を生き抜く次世代育成のための提言: 2004年4月19日に日本経団連が公表した、
これまでの教育のあり
方を根本から見直すことを求めた提言。次世代育成の重要性に鑑み、教育を国家戦略の重要な柱として位置付
け、教育界が取り組むべき課題を取りまとめている。参照、日本経団連ホームページ「21世紀を生き抜く次世代
育成のための提言−「多様性」
「競争」
「評価」を基本にさらなる改革の推進を−」
(2004年4月)
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2004/031/
国民・社会が望む義務教育の
規制改革が前進!
∼次は、
自治体・校長のやる気ひとつだ!
!∼
2005 November 法律文化 23