所報146号(.pdf 、1792.2 KB) - 氷見市

平成22年10月26日
所
報
第146号
氷 見 市 教 育 研 究 所
〒 935-0016 氷見市本町 4-9
(氷見市教育文化センター内)
TEL
0766-74-8221(代)
FAX
0766-72-8122
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ホームページ http://www.city.himi.toyama.jp/hp/
menu000000500/hpg000000416.htm
四つの「信」
氷見市教育委員会
理事・教育次長
学校は、地域という大海原に浮かぶ帆船に
例えることができる。
校長は船長、教職員は船員、子どもたちは
大事な乗客と言える。教育目標という羅針盤
に従い、子どもたちの自己実現を図るという
目的地を目指す。推進力は全教職員の操舵能
力と保護者や地域の人たちの理解と協力とい
う追い風である。
さて、教育課題が山積する今日、帆船推進
の中核となる教師や組織としての学校に求め
られる資質とは何であろうか。
教師の資質としては、三つ考えられる。一
つは、どのような子どもを育てたいかという
しっかりとした教育観をもつこと。二つは子
どもへの限りない愛情をもつこと。三つは常
に自らの指導技術を高めようと研鑽すること
である。
一方、組織としての学校に求められるもの
としては、全教職員による方向性をそろえた
指導体制の確立と保護者・地域との連携協力
の推進である。学校の考え方を統一し、保護
者や地域に開くことや説明責任を果たそうと
する真摯な姿勢は、「信頼関係」構築の要と
なる。
何 年 か前 、 そ の年 の 世 相を 現 す 漢字 に
「偽」が選ばれ残念な思いをした。学校経営
のキーワードは「偽」とは正反対の「信」
(信頼)と言って過言ではない。子どもとの
信頼関係、保護者や地域との信頼関係は教師
の「自信」につながり、新たな教育実践への
原動力となる。この原動力が新たな発想や具
体的な取り組みへの「信念」を生み出す。
そして、
「信念」に基づいた「発信(行動化)」
は、更なる信頼関係を構築する。この螺旋
的・発展的関係の推進が学校を活性化する。
山﨑
外美雄
.
ところで
葉 を 基 盤 とし
. 、「信頼」という言
.
.
た「自信」「信念」「発信」という四つの言葉
には、共通して「信」という漢字が使われて
い る 。「 信 」 と い う 漢 字 は 、 形 声 文 字 で あ
り 、「人」+「口」+「辛」から成り立つ。
「辛」は 、「はり」の象形で刃物や刑罰の意
味をもち、発言に嘘があれば受刑することを
誓うさまから、「誠」の意味を表す。
「誠」といえば、西郷隆盛と共に江戸城無
血開城という偉業を果たした勝海舟のことが
思い浮かぶ。語録「氷川清話」によると、海
舟は会談や交渉において、何よりも誠心誠意
の心や態度をもって事に当たることを本分と
したそうである。所謂「至誠」を重んじたわ
けである。
誠に通じる「信 」。この「信」が付く言葉
四つにあえて順序性を付けるなら 、「信念」
「発信 」「信頼 」「自信」とし、中でも「発
信」を重視したい。
例え小石であろうとも、その小石を静かな
湖面に投げ入れることによって、岸に向かっ
て次第に大きな波が生じる。これと同じであ
る。まず、できることからやってみる、発信
してみることが情況改善の第一歩となる。
も ち ろ ん 、「 独 善 的 な 発 信 」 は 論 外 で あ
る 。「確かな信念に基づく発信」をするため
にも①自ら学ぶ中で、②仲間や他と交わる中
で、③体験する中で、という自己研鑽・同僚
性・現場主義を大切にしていきたい。
変化に対応できたものだけが生き残ること
ができると言われる。前述した「四つの信」
は、教育情況の変化に対し、これまでの経験
から導き出した自分なりの考え方を言語化し
たものである。これからも、種々の変化に対
応しながら職務を遂行したい。
充実した教育セミナー
第1回
教育セミナー
8月5日(木)実施
演題
講師
「新しい学習指導要領と小・中連携の現状」
文部科学省教育課程課 教育課程企画室長
梶 山 正 司 先生
《 久目小学校 教諭 瀬戸 美智子 》
子どもの学力や生活習慣等の現状を様々なデータで示され、学習指導
要領改訂の趣旨がよく理解できた。また、4観点を学力の3つの要素と
して整理してあり、その評価の在り方についてもよく分かった。
小・中の連携・接続のためには互いに課題を認識し合うこと、授業の
工夫、改善に向けて交流し合うことなどの必要性を感じた。家庭学習の
習慣化の大切さも改めて痛感したので、積極的に取り組んでいきたい。
《 十三中学校 教諭 幸塚 憲子 》
小・中の連携について、自分自身が日ごろからどれだけ深く意識しているかについて考えさ
せられた。円滑な接続ができるように、学習面・生徒指導面等の課題を把握した上で、来年度
の新入生を迎えたいと思った。さらに、小・中の教員、生徒が直接かかわり合って連携を図る
だけでなく、各学校でできることについて話し合ったり、工夫したりしていきたいと思った。
小学校で育てられたことを受けとめ、高校へとしっかりつなげていけるように責任をもって中
学校の生徒を育てたい。
第2回
教育セミナー
8月10日(火)実施
演題
講師
「いのち・子どもに聴く」
京都市教育委員会 指導部長
柴 原
弘 志
先生
《 窪小学校 教諭 夷 優子 》
大変分かりやすく歯切れのよい語り口調で、話に引き込まれていった。
今、道徳では、体験活動を生かした指導の充実の重要性がいわれている
が、話を聞いていて、改めていかに豊かな体験が大事か分かった。しか
し、その体験をどう道徳の授業に生かすか、教師がどう取り上げ、かか
わらせるか、そこに力量が問われていると思う。
同じ物を見ていても、同じ体験をしていても、感じ方は一人一人違っ
ているので、その子に応じた支援ができればいいと思う。この点からも
自分自身が心を磨き、感動できる心を忘れないようにしたいと感じた。
《 北部中学校 教諭 小橋 博美 》
体験なき知見は空虚である。知見なき体験は盲目である。授業では、体験活動をすべて取り
入れるのは難しいが、自分が体験したことは忘れないということはよく理解している。伝統文
化を大切にしよう!という指導内容で「1日浴衣で登校する日」を設けた話(体験してみない
と分からない)ではっとした。言葉と体験を組み合わせることによってより効果が上がる。柴
原先生の話は、根拠がはっきりしていて納得させられることが多かった。
また、今まで、道徳の授業で心のノートをうまく使うことができなかったり、授業と自然に
リンクすることができにくかったりしたが、今後、心のノートをすみずみまで読んで、豊かな
心をもち道徳教育に対する認識を高めたいと思った。
「いずみの会」の影絵を見て
南部中学校の発表を聞いて
浸り
④ 南部中学校の発表
「図書室の利用」
志茂田景樹さ んのお話を聞いて
南部中学校 一年 鈴木 倭文華
志 茂 田 景 樹 さ ん の 話で 一 番 印 象 に残 って いる のは 、 絵本
の 「 読 み 聞 か せ 」 で す 。 登 場 人 物 にな りき って 、 声 の 高 さ
や 大 き さ を 変え 、 内 容 に 合 っ た ス ピー ドで 話し て お られ ま
し た 。 ま た 、 絵 も 色 彩 が 鮮 や かで 、登 場 人 物 も 引き 立ち 、
私 は ぐ ん ぐ ん 話 の 世 界 に 引 き 込 ま れて いき まし た 。こ の 楽
し さ を た く さ ん の 人 に 知 って も ら いた いな と思 いま した 。
声
朝日丘小学校 六年 吉瀧 華南
読書は、私たちの心の栄養です。う
れしいとき、悲しいとき、いつも私た
ちの心をはげましてくれたり、なぐさ
。フォーラムでは
自分のセリフが会場のみなさんに伝わ
るよ うに、 話し方や 話す 速さを 変え、
工夫し ま した 。
群読や音俳では、六年生全員の気持
ち を一つにして 声を合わ せ、力強く発
表し ました。このように練習を積み重
絵 本 の 世 界 に 浸 る 楽 しさ
南部中学校 二年 尾崎
愛
志 茂 田 景 樹さ んの 絵本 の 読 み 聞か せが 心 に 残り まし た 。
特に 、
「星になったゾウ」の話では、子どものゾウの鳴き声
、力強く聞こえたりと、場面によって
いろ いろ な 感情が 伝わ ってき ました 。私も聞いて いて 楽し
くなった り、 悲しくなった りと 、絵本の 世界にとっぷ りと
、話を楽しみました。また、聞きたいなと思いました
子
ど
も
た
の ち
。
、
ねム
、」
読書フォーラムで発表できたこと
夏休みの思い出「読書フォーラ
を 誇 り に 思 い ます 。
・力強い発表に感動した。音俳で
はことばの美しさを感じた。
・言語に親しむ手本を見せてもら
い、積み重ねの大切さを学んだ。
② 朝日丘小学校の
発表「群読・音俳」
が悲しく聞こえたり
志茂田景樹氏の
読み聞かせを聞いて
・教室棟から離れた場所にある図
書室でも利用したくなるように
工夫されたことがよく分かった。
自校の取り組みの参考にしたい。
・本の魅力に気づかせる読書活動
の工夫と図書室利用の活性化の
ヒントをもらえてよかった。
③ いずみの会(ボラン
ティアグループ )の
実演会「影絵」
朝日丘小学校の発表を聞いて
① 志茂田 景樹 氏の
読み聞かせ・講演
・影絵は童謡とマッチしていて、
大変素敵だった。日本の童謡を
なつかしく聞いた。
・一緒に童謡を口ずさみ、心が癒
された。歌詞(歌)も読み聞か
せと同じように、心を伝えるも
のだと感じ、 子どもたちに伝え
たいと思った。
・体全体で表現する迫力ある読み
聞かせ方に感動した。子どもが
絵本の世界へ引き 込まれるのが
分かる。私も今後の参考にしたい。
・大きな挿絵と感情のこもった語り
は、物語の世界に楽しむことがで
きて素晴らしかった。
・「本と出会い、感動とともに吸収す
ることによって感受性を養うこと
ができる」という自身の体験から語
られた言葉が心に残った。
国民読書年~
~2010
読書から広がる夢フォーラム
国民読書年の年に、読書の輪が学校から家庭、地域へと広がっていくことを期待し、教育関係者・
保護者・一般、更に園児・児童・生徒等と500名あまりが参加して行われた「読書から広がる夢フ
ォーラム 」。多彩な内容で、いろいろな角度から読書の大切さを考えることができました。参加され
た皆さんの声を紹介します。
< 参加者の声 >
氷 見 の 教 育 基 本 方 針 推 進 事 業 「 1/2 成 人 式 」
今年度、氷見市の教育基本方針推進事業においては、「夢や希望に向かって自分らしく!」のテーマ
のもと、小学校4年生を対象に「1/2成人式」事業を進めています。市の公共施設である博物館・
図書館での学習及び夢作文を全小学校共通とし、更に中学校区ごとに工夫した活動に取り組んでいま
す。
今号では、明和小学校の取り組みを紹介します。
1/2
成人式
かがやきつづけよう
氷見市立明和小学校
第4学年
本校では、この機会を生かし4年生の子どもたちに、自分なりの目標を立てて困難なことがあって
も乗り越えようと努力する態度を育てていきたいと考えた。4年生に進級した4月、子どもたちと話
し合い、クラスみんなで助け合って何事にもあきらめずに挑戦していこうと、学級目標を「かがやき
つづけよう」に決めた。この学級目標の実現に向け、総合的な学習の時間を核に他教科・領域との関
連を図りながら取り組みを進めている。
9月15日(水)には、市立博物館・市立図書館を見学した。子どもたちは、博物館の見学で昔の
くらしや昔から大切にされているものなどを知り、郷土氷見への理解を深め、氷見のよさを感じてい
た。図書館では2万冊の本があることや、読書や勉強をしている人たちのために静かに過ごすなど公
共施設利用の際の規範意識やルールを学んだ。さらに、一人一人が図書カードをもらうことで、これ
から総合的な学習の時間の調べ学習などに大いに利用したいと意欲を示していた。
ここでは、総合的な学習の時間での取り組みの一部を紹介する。
「将来の夢」
(総合的な学習の時間)
単元の導入では、家の人から幼いころの自分の様子を聞いたり、2年生の生活科「小さいころのこ
と知りたいな」で作った巻物などを手掛かりにしたりして、幼いころに比べ、自分にできることが増
えて心も体も大きく成長してきていることを実感した。そして、「将来の夢」について話し合い、それ
ぞれ就きたいと考えている職業について調べていくことにした。子どもたちは家族や知り合いの人に
インタビューしたり、図書室の本やインターネットで具体的な仕事内容を調べたりしながら夢を膨ら
ませていった。
また、社会科学習でごみ処理に携わっている人の仕事を見学していくうちに、子どもたちは、どの
職業にも大変な苦労があるけれども、人々は工夫しながら仕事を進めていることに気づいた。そこで、
単元の導入での「自分の成長」とつなげることで、「小さいころできなかったことも練習しているうち
にできるようになってきた。大変なことがあってもすぐにあきらめてしまうのではなく、がんばって
いくことが大事だ。」と気づき、今できることをがんばろうと意欲を高めていった。
「明和の生き物ちょうさたい
―西尾さんとの出会いー」
(総合的な学習の時間)
自然豊かな明和小学校の校区には論田川が流れている。生き物が大好きな子どもたちは、この論田
川を探検し、そこに棲む生き物を意欲的に調べてきた。その過程で、水生生物に詳しい氷見市生涯学
習課学芸員の西尾正輝さんをゲストティーチャーとして招いた。
実際に投網を使って魚を捕まえていただいたり、分からないこ
とを教えていただいたりした。また、子どもたちが調べたこと
を西尾さんに発表する機会も設けた。
これらのかかわりの中で、西尾さんは、「どうしてだろう」と
疑問に思ったことを追究していくことのおもしろさや、自分が
子どものころの夢についても話してくださった。現在も自分の
夢を追い求めている西尾さんの熱い姿に触れ、子どもたちは、
自分も目当てや夢に向かってがんばっていきたいという思いを
< 西 尾 さ ん が 小 学 生 の こ ろ か ら 飼っ
て い る カ メ の 話 を 聞 く 子 ど も た ち>
強めた。
* 今後は、学習してきたことを国語科等の学習と関連させ、パネルや「夢作文」
にまとめて他学年や家の人に発表する機会を予定している。