アルミナセラミックスの低温合成 - 岐阜大学 研究推進・社会連携機構

Low temperature synthesis of alumina ceramics
アルミナセラミックスの低温合成
工学部
化学・生命工学科
櫻田
修・長坂真人・吉田道之・大矢
豊
SAKURADA, Osamu・NAGASAKA, Msato・YOSHIDA, Michiyuki・OHYA, Yutaka
酸化アルミニウム(アルミナ、Al2O3)
加熱による水酸化アルミニウムの相変化
Al2O3、水酸化アルミニウムには結晶構造の異なる多くの種類
それぞれ様々な分野で古くから利用
c-Al2O3
a - Al2O3 (天然のルビー、サファイアもa - Al2O3)
性質:
k-Al2O3
Gibbsite
Al(OH)3 (Al2O3∙3H2O)
高融点、耐熱性、高硬度、絶縁性、化学的安定性
約1200℃
a-Al2O3
約1200℃
用途:
Boehmite
AlOOH
(Al2O3・H2O)
碍子等の絶縁体、耐火物、基板、スパークプラグ、研磨剤など、
幅広い分野で利用
合成の際の問題点:
g-Al2O3
d-Al2O3
q-Al2O3
日本セラミックス協会編、「セラミック工学ハンドブック(第2版)[応用]」、pp. 80-85、
技報堂(2002).
a - Al2O3の合成には約1200℃の高い温度の熱処理が必要
本発表では、
水溶液を出発原料に用いた1000℃以下の温度で a - Al2O3 、アルミニウム複酸化物の合成方法を紹介
さらに、熱処理時にハロゲン、窒素、硫黄の化合物を発生しないので、熱処理に必要なエネルギーの低減化ばかりでな
く、環境負荷の低減化も期待
アルミナ前駆体水溶液の調製方法
アルミナ前駆体水溶液の調製
アルミナ前駆体水溶液からa-Al2O3の合成
0.5 M Al(NO)3 aq.
①加熱法
加熱法
1.5 M NH3 aq.
乾燥
金属成分
pH 6に調整
熱処理
結晶粒子
Al(OH)3沈殿形成
4回
遠心分離
分散処理
結晶粒子
Al(OH)3の溶解度曲線
洗浄プロセス
沈殿
水
液中プラズマ法
②液中プラズマ法
(常温)
G.CHARLOT, 定性分析化学Ⅱ, p.236、共立全書 (1957).
ギ酸等のカルボン酸
ギ酸
stirrer
Alに対してモル比で3
倍量以上のギ酸
撹拌
アルミナ前駆体水溶液の特長:
アルミナ前駆体水溶液
洗浄後のAl(OH)3
アルミナ前駆体水溶液
無色透明な水溶液(コロイド溶液)
窒素、ハロゲン、硫黄を含まない
⇒環境負荷低減化!
①加熱法によるa-Al2O3の低温合成 (XRDと熱分析から評価)
前駆体水溶液乾燥物
乾燥温度の影響
種々温度で乾燥した前駆体を
1000℃で熱処理
150℃乾燥前駆体を
種々温度で熱処理
α-Al2O3
α-Al2O3
200℃乾燥
200℃乾燥
1100℃
150℃乾燥
62.7%減
110℃乾燥
110℃乾燥
80℃乾燥
40
50
2q / degree (Cu-Ka)
60
70
900℃
800℃
α -Al2O3
γ -Al2O3
γ-Al2O3
10
20
30
40
50
2q / degree (Cu-Ka)
乾燥温度がa-Al2O3化に影響
本件に関する詳しい
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60
α化の発熱?
950℃
α-Al2O3
Al(HCOO)2(OH)
30
1000℃
室温乾燥
室温乾燥
20
Intensity
Intensity
Intensity
150℃乾燥
80℃乾燥
10
150℃で乾燥した前駆体の熱分解挙動
70
10
20
30
40
50
60
2q / degree (Cu-Ka)
950℃以上でa-Al2O3化!
〒501-1193 岐阜市柳戸1-1
70
2 Al(HCOO)2(OH) [ FW: 136.98 g/mol ]
→ Al2O3 [ FW: 101.96 g/mol ]
重量減少率:62.78%
国立大学法人 岐阜大学 産官学連携推進本部
Tel:058-293-2025/Fax:058-293-2022
E-mail:sangaku@gifu-u.ac.jp
Low temperature synthesis of alumina ceramics
アルミナセラミックスの低温合成
工学部
化学・生命工学科
櫻田
修・長坂真人・吉田道之・大矢
豊
SAKURADA, Osamu・NAGASAKA, Msato・YOSHIDA, Michiyuki・OHYA, Yutaka
アルミナ前駆体水溶液のプラズマ
処理生成物のXRD
②液中プラズマ法によるa-Al2O3の常温合成 (XRD、TEMから評価)
タングステン電極
アルミナ前駆体水溶液
絶縁管
Al : ギ酸 = 1 : 1.5
Al濃度を1 Mに調整
0.3mm
Al : ギ酸 = 1 : 2
Intensity
プラズマ処理
60 min
沈殿物
生成
Al : ギ酸 = 1 : 3
a-アルミナ JCPDS 83-2080
50 ms
遠心分離&洗浄
プラズマ照射前
電圧 / V
70~90
電流 / A
1.5~2.0
周波数 / kpps
20.00
パルス幅/ ms
2.0
alumina
insulating tube
spectroscope
PC
pulsed
power
supply
γ -アルミナ JCPDS 75-0921
11500 rpm (21000g)
30 分間, 4℃
乾燥
酸化タングステン JCPDS 41-1230
20
cooling
system
tungsten
electrode
stirrer
プラズマ照射1時間後
生成粉末
30
40
常温でa-Al2O3ナノ粒子合成
900℃
・レーザー材料
・発光システム
・ランプ窓材
本提案のメリット:
透明な水溶液なので均一混合可能
粉末合成に比べて低温化の可能性
アルミニウムの複酸化物の例: YAG、ムライト
粉末焼成法では1300℃以上の熱処理が必要
バルク体だけでなく、コーティングにも応用可能
シリカ前駆体水溶液調製
ムライト前駆体水溶液調製
ガラス瓶 (500mL)
メスフラスコ (200mL)
ビーカー (300mL)
Al(OH)3
CH3COOH
SiO2 pre
純水
TEOS
Al2O3 pre
攪拌
ろ過
スターラーで2日間
NO.5A
Al2O3前駆体水溶液
Al2O3 pre
攪拌
ろ過
スターラーで1日間
NO.5A
SiO2前駆体水溶液
1100℃
EG
ムライト : EG = 1 : 2(モル比)
攪拌
スターラーで1時間
ろ過
メンブレンフィルター
(0.45μm)
Intensity
・高温構造材料
・耐火物
・耐酸化コーティング
750℃
700℃
JCPDS 33-0040 Y3Al5O12
➢ 800℃以上でYAG生成
➢ 900℃以上でムライト生成
Al : Si = 3 : 1 (モル比)
純水
ガラス瓶 (500mL)
800℃
ムライト前駆体水溶液を乾燥、
種々温度で熱処理
Intensity
TEOS : CH3COOH = 1 : 2 (モル比)
850℃
イットリア前駆体水溶液*とYAGの
化学量論組成で混合、乾燥、種々
温度で熱処理
アルミナ前駆体水溶液調製
Al :HCOOH = 1 : 3 (モル比)
70
( Y : Al = 3 : 5 )
アルミナ前駆体水溶液 + 他の金属を含む水溶液
⇒ アルミニウムを含む複酸化物の合成へ
HCOOH
60
2θ / degree (CuKa)
評価
生成物のTEM像
XRD
アルミニウム複酸化物の合成
Al (OH)3:純水 = 1 : 6 (重量比)
50
SiC基板に耐酸化性のムライ
トコーティングを行うことも…
1000℃
樹脂
900℃
ムライト膜
800℃
SiC基板
0.22 μm
ムライト前駆体水溶液
3
10
10
SiO2 pre
20
20
30
30
40
40
50
50
60
60
70
70
2θ
/ degree
2q/degree
【関連する特許】
「α-酸化アルミニウムの製造方法」 特開2014-040337
(岐阜大学) 櫻田 修、今枝佑太、吉田道之、大矢 豊
「α-酸化アルミニウム前駆体ゾル、その製造方法、及びイットリウム・アルミニウム・ガーネットの製造方法」 特開2013-10652
(岐阜大学、ファインセラミックスセンター) 櫻田 修、大山紘史、吉田道之、大矢 豊、田中 誠、北岡 諭
「二酸化ケイ素前駆体ゾル、これを用いたムライト前駆体ゾル及びムライトの製造方法」 特開2013-256404
(岐阜大学) 櫻田 修、向井勇人、吉田道之、大矢 豊
*「酸化イットリウム前駆体水系ゾルの製造方法及び酸化イットリウム前駆体水系ゾル」 特許第5570011号
(岐阜大学、ファインセラミックスセンター) 櫻田 修、加藤大樹、吉田道之、大矢 豊、田中 誠、北岡 諭
【謝辞】
平成20年-24年度文部科学省知的クラスター創成事業(第二期)【東海広域】「東海広域ナノテクものづくりクラスター構想~世界を先導する環境
調和型高度機能部材の創製~」、平成23年-28年度科学技術振興機構・戦略的創造研究推進事業(先端的低炭素化技術開発(ALCA))「輻射熱
反射コーティングによる革新的遮熱技術」、ならびに平成24年-26年度科学研究費基盤研究(C) 「酸化物被覆による溶融アルミニウム用フィルタ
の耐食性の向上」による研究の一部である。
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