Nb3Sn超伝導線

発明の名称
Nb3Sn超伝導線、その製造方法、
及びNb3Sn超伝導線の製造に用いられる単芯複合線
出願人:国立大学法人徳島大学
特開2007-12600
発明者:井上 廉
特許第4815596号
無料開放特許
要約
【課題】
Ag-Sn合金を用いて、高い値のJC値を有するNb3Sn線材を得る。
【解決手段】
Sn濃度9.35~22.85at%のAg-Sn合金のマ
トリックス材に複数のNb芯材を組み込んだ複合体
棒を作製し、次いで、該複合体棒を350~490℃
の中間焼鈍を入れながら押し出し加工および/ま
たは伸線加工し、しかる後、500~900℃で加熱
処理することにより、Nb3Snフィラメントを生成する
ことで、Nb3Sn極細多芯超伝導線を製造する。
発明の効果
Nb3Snの高磁場特性を改良するため、Sn濃度を容易に上げることができる内部Sn拡散法、MJR法、
粉末法等が研究されてきたが、n値の高い線材が得られず、現実のNMRスペクトロメーターではもっぱ
ら限界までSn濃度を高めたブロンズを使った線材が使われてきた。本発明のNb3Sn極細多芯超伝導
線の製造方法によれば、高磁場下でのoverall JCを改善し、特に、好適な形態では20T近傍のoverall
JCを3~4倍程度向上し、しかも、n値はブロンズ法による超伝導線材と同程度が期待できるNb3Sn極
細多芯超伝導線を提供することができるため、高性能のMMRスペクトロメーターを製造することができ
る。
また、ブロンズ法と比較した場合、AgをCuの代わりに使っているので、原料コストは高くなるが、Nbの
価格はAgと同程度である。このため、むしろAgを使ってoverall JCが向上(好適形態では3倍程度向
上)したことにより、線材使用量が低下(好適形態では1/3程度に低下)する効果が得られるので、NM
Rスペクトロメーターの製造コストを引き下げることが可能である。特に、overall JCが3倍程度向上する
好適な形態では、NMRスペクトロメーターの製造コストを大幅に引き下げることができる。
産業上の利用可能性
本発明によれば、従来のブロンズ法等に代わる新たな手法によりNb3Sn超伝導線を提供でき、NMR
スペクトロメーター用超伝導マグネットの高磁界発生部等にこのNb3Sn超伝導線を使用できる。また、ブ
ロンズ法等の従来法よりも高磁場特性が優れている線材を供給することも可能であることから、従来、不
可能であった22~24Tの永久電流モードでの超伝導マグネット運転を可能とする。なお、超高磁場NM
Rスペクトロメーターは、ポストゲノム計画で重要な、蛋白質の高次構造を決定する上で、決定的役割を
担うため、本発明がキ-テクノロジ-となり得る。また、本発明により供給できる線材は、NMRスペクトロ
メーター用に最も適しているが、高磁場発生用途に従来のNb3Sn線材と比べ一般的に適しているので、
高磁場エネルギー貯蔵、高磁場MRI、核融合炉、高磁場ダイポールマグネット等の用途にも適している。
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